新着情報

2021.01.15

国の進めてきた医療政策の失策を医療機関の責任にすりかえるな!

 今、新型コロナウイルスの感染拡大の第3波のなか、メディアからは「医療崩壊」や「医療破壊」などの言葉が飛び交うようになってきました。このようななか、報道などでは民間病院の新型コロナウイルス感染者の受け入れ率の低さが取り上げられています。そして、そのことに対しての批判的な論調が強まってきています。

 民間病院の新型コロナウイルス感染者の受け入れ率が低い原因が本当に新型コロナウイルス感染者を受け入れることで、民間病院の経営が悪化するなどの経営的な面だけでこのようなことが起こっているのでしょうか?民間病院の単に受け入れたくないといったわがままによるものなのでしょうか?そうではありません。これまで国が進めてきた病院の機能再編など、医療提供体制の政策によって、民間病院が新型コロナウイルス患者を受け入れることが出来ない状態にしてしまったことによります。このことが全く検証されていません。

 この間の国が進めてきた病院の機能再編によって、多くの民間病院や、過疎地域の公立病院は、その病床の多くを回復期や療養型に転換させられてきました。また、今もなお新型コロナウイルスの感染拡大の収束が見通せない中、病床の数が危機的な状況の中にあるにもかかわらず、国は公立・公的病院の削減、統廃合の方針を推し進めています。本来公的病院の担う役割は感染症対策等、民間の医療機関では担うことが出来ないものを責任をもって行うことが求められていました。そのために私たちは税金を払ってきました。本来はこういった感染症拡大が起きた時にこそ力を発揮するのが公的医療機関です。国は、経営面の事だけを考え、今回のような感染症に対応する機能を削減してきてしまいました。

 この背景には、感染症の時代は終わり、高齢者の介護、終末の対応、生活習慣病の管理が上手くいっていない長期療養型の入院、そういった部分への医療資源の配分転換が「選択と集中」の形で推し進められてきたことにもよります。

 この国が進めてきた機能分化は、診療報酬にリンクした施設基準と人員基準によって医療機関の中身を後戻りできないような形で変えてきてしまっています。一旦療養型を選択した医療機関が、新型コロナウイルス感染者に直ぐに対応しろといわれても、簡単にわか「わかりました。」と、おいそれと元の急性期対応に戻れるようなものではありません。

 多くの病院では、人員や施設の関係で本来行いたかった急性期の医療を止む終えず、泣く泣くあきらめ、やむを得ず療養型を選んだという経緯もあります。私たちは、そう姿を地域で多く見てきました。
 こういった国が進めてきた医療政策。このことに対しては何も反省の姿勢を見せず、また、新型コロナウイルス感染拡大を経験しているにも関わらず、何の検証もなく、反省もなく、コロナ以前の医療政策を漫然と進めている。こういったことになんら目を向けず、今の病床の逼迫している原因が、悪いのは自分たち国ではなく、新型コロナウイルス感染者の受け入れを拒む民間病院にあると言わんばかりの姿勢に怒りを感じます。
 こういったことに対してマスコミやメディアも目を向け、国民に正しい情報を発信していかなければならないと思います。そのために私たち医療にかかわるものは、現場の声をしっかりあげ、これまで進めれれてきた医療政策を一端止まらせ、国民の命を守る医療制度へと転換させていかなければならないと思います。

2021.01.15

「えび餃子?」のレシピを紹介します。

 2月のレシピは「お菓子なご飯」をテーマにレシピを紹介しています。

 第一弾は「うまい棒でお好み焼き」で、うまい棒を使ってお好み焼きを作るといった斬新なレシピでした。今回は「えび餃子?」のレシピを紹介します。

 餃子は時々無性に食べたくなりますよね。私は後は春巻きやカレーも食べたくなります。後は小さい時からマカロニグラタンが好きで、自宅に近くに「カリカリ海老グラタン」というメニューをでしていたお店がありました。行く度に「カリカリ海老グラタン」を頼んでいたら、お店の方が「今日はグラタンたべないんですか?」と言われるぐらいでした。そのお店には、「ミニ牛すじカレー」もあって、飲んだ後の〆に食べていました。無性に食べたくなるもの二つのメニューがあったお店でした。残念ながら、閉店になってしまいました。直ぐに行ける、私の無性に食べたくなるメニューのあるお店が出来て欲しい!と切に願います。

 さて、今日紹介する「えび餃子?」の「?」ですが、今回のお菓子は「かっぱえびせん」です。餃子のあんの中に「かっぱえびせん」?どんな感じの餃子になるのか?ビールのつまみにはもってこいかもしれません。

 ではそろそろレシピを紹介しますね!

「えび餃子?」

1人分  エネルギー 約150kcal
    たんぱく質 7g 食物繊維 1g

<材料> 
えび餃子?(2人前)

ポールウインナー(みじん切り)1
はんぺん(みじん切り)  1/3枚
きゃべつ(みじん切り)  30g
かっぱえびせん      15g
しょうが(チューブ)   1cm
ごま油          少々
餃子の皮         10
ポン酢・ラー油

<作り方>

  1. ①かっぱえびせんを砕く。
  2. ②全ての材料を混ぜる。
  3. ③餃子の皮で包み、フライパンで焼く
  4. ④お好みでポン酢やラー油をつける

 

<水餃子風>

2021.01.15

「うまい棒でお好み焼き」のレシピを紹介します。

 R31月も、もう半分過ぎました。

 京都にも二度目の緊急事態宣言がでました。まだまだ新型コロナウイルスの感染拡大の収束は見えてきません。

 この現状だと、「医療崩壊」、「医療破壊」などという言葉が現実味をおびてしまいかねません。そのようなことにならないように、私たち一人一人がしっかり感染対策をしていかなければなりません。
 一人一人の命を新型コロナウイルスから守ること、そして、一人一人の生活の糧を守ること。この二つを両立させることはとても難しいところです。でも、いずれも私たちは守っていかなければなりません。そのことを実現させるために、科学的に現状を把握して、しなければならないことをしっかり行っていく。そして様々な専門家の意見をしっかり聞いていくことが大事ではないかと思います。
 皆さん一緒に頑張りましょうね!

 さて、2月のレシピを紹介したいと思います。

 2月のレシピのテーマは「お菓子なご飯」がテーマです。おそらく管理栄養士さんは「お菓子な」と「可笑しな」をかけてられるのだと思います。

 今回の2月のレシピを送っていただいたときの管理栄養士さんからのコメントを紹介したいと思います。

 「さて、今回はお菓子を使った料理を作ってみました。自粛で心まで疲れてしまわないように、ちょっと遊んでみるのもよいかと思います。どれか1つを普段の食事にこっそり忍ばせてみたりリモート飲み会のお供に作ってみるのはいかがでしょう。
 感染症を防ぐには食べることも大切です。バランスよく食べることで健康なからだを整えることができます。食べること・作ることが億劫になってしまいそうなときに楽しんで作っていただけたら嬉しいです。」

 新型コロナウイルに対抗するには、バランスよい食事を美味しく、そして楽しく食べることも大切だと思います。皆さんも作ってみて下さいね。

 では、レシピを紹介したいと思います。

 まず第一弾は、「お菓子なご飯」の一番手、「うまい棒でお好み焼き」のレシピを紹介します。「なになに?うまい棒でお好み焼きが出来るの?」と思いますが、作ってみて下さいね!

 「うまい棒でお好み焼き」

 1枚 エネルギー 約300kcal 
    たんぱく質 10g 食物繊維 1.3g

うまい棒でお好み焼き(1枚)
材料

うまい棒       3
きゃべつ(千切り)  50g
卵          1
サラダ油
ソース・マヨネーズ  適宜
かつお節・青のり

<作り方>

  1. ①うまい棒を砕く。
  2. ②①ときゃべつ・卵を混ぜる。
  3. ③サラダ油をしいて②を両面焼く。
  4. ④皿に盛り、ソースなどをかける。

 

*いろいろな味で試してください。

2021.01.10

2020年、渡邉医院の手術統計とその傾向

 2021年、仕事はじめから1週間が経とうとしています。

 年明けから新型コロナウイルスの感染拡大が進み、東京都を始め、13県に対して緊急事態宣言が出ました。京都も大阪、兵庫と一緒に緊急事態宣言発出の要請を国に対して出しました。連休明けにも宣言が出るのではないかと思います。

 これまでの経験を生かして、各医療機関も感染対策にはしっかりと力を入れて取り組んでいます。体調が悪い時や、持病を持っている患者さんは、緊急事態宣言下でもしっかり医療機関を受診して下さいね。しっかり病気を治したり、定期の受診で健康を維持することも、新型コロナウイルス感染に対しての大事な対策の一つだと思います。

 さて、2020年、1年が終わりました。去年1年間の手術統計と手術の傾向をお話したいと思います。

手術総件数

 去年は、内痔核など基本的な肛門疾患に対しての手術件数は748件でした。男性は389件(52.0%)、女性は359件(48.0%)と男女比はあまりありませんでした。この傾向は例年通りです。

疾患別手術件数と男女差

 疾患別の手術件数を男女でみてみると、

 男性では、内痔核174件(44.7%)、痔瘻74件(19.0%)、裂肛24件(6.2%)、血栓性外痔核7件(1.8%)、肛門周囲膿瘍96件(24.7%)、皮垂(スキンタグ)13件(3.3%)、直腸脱1件(0.3%)でした。

 女性は、内痔核149件(41.5%)、痔瘻11件(3.1%)、裂肛39件(10.9%)、血栓性外痔核15件(4.1%)、肛門周囲膿瘍19件(5.3%)、皮垂(スキンタグ)110件(30.6%)、直腸脱16件(4.5%)でした。

 内痔核は男女ともほぼ同じ割合でした。痔瘻と肛門周囲膿瘍はやはり男性に多く、男性が痔瘻74件(19.0%)に対して女性は11件(3.1% )肛門周囲膿瘍も男性96件(24.7%)に対して女性19件(5.3%)でした。

裂肛に関しては、男性24件(6.2%)、女性39件(10.9%)で女性にやや多い傾向がありました。

 男女差に大きな違いが出たのが皮垂(スキンタグ)です。男性が13件(10.6%)に対して女性が110件(30.6%)と女性に多い傾向があります。
 また直腸脱の手術そのものが少ないのですが、男性では1件(0.3%)に対して女性は16件(4.5%)でした。やはり直腸脱は高齢者の女性に多くみられます。

 血栓性外痔核に対しては、基本的にほとんどが保存的に治療しています。手術になった患者さんは血栓が大きかったり、痛みが強い患者さんに対して血栓摘出術を行っています。男性は7件(1.8%)、女性が15件(4.1%)でやや女性に多くみられました。妊娠中に血栓ができて痛みが強い患者さんに対して血栓摘出術を行うことも数件ありました。

 次に、疾患別にみてみたいと思います。

内痔核

 内痔核に対しての手術は痔核根治術、ジオンによる四段階注射法による痔核硬化療法(ALTA療法)、輪ゴム結紮法があります。

 男性では、総数174件中、痔核根治術49件(28.1%)、ALTA療法111件(63.8%)、輪ゴム結紮法(14件(8.1%)であるのに対して女性では、総数149件中、痔核根治術100件(67.1%)、ALTA療法27件(18.1%)輪ゴム結紮法22件(14.8%)という結果でした。

 この傾向も例年通りで、痔核根治術は女性に多く、ALTA療法は男性に多い傾向にあります。また輪ゴム結紮法も女性に多い傾向にあります。これはやはり男性と女性の内痔核の性状の違いにあります。男性では静脈瘤型の内痔核が多く、ALTA療法の適応になる内痔核が多く、女性の場合は皮垂(スキンタグ)を伴った内痔核や肛門上皮部分の主張が多い内痔核、そして輪ゴム結紮が多いのは粘膜脱型の内痔核が多い傾向があるためだと思います。

痔瘻

 痔瘻に関しては、男性75件(87.1%)、女性11件(12.9%)と男性に多く認めました。

裂肛・皮垂(スキンタグ)・直腸脱

 裂肛は男性が24件(38.1%)に対して女性39件(61.9%)、皮垂(スキンタグ)は男性13件(10.6%)に対して女性110件(89.4%)と圧倒的に女性に多かったです。また直腸脱は手術件数そのものが少ないですが、男性1件(5.9%)に対して、女性16件(94.1%)と女性に多く、高齢者の女性に多かったです。このように裂肛、皮垂、直腸脱は女性に多かったです。

 2020年も手術の傾向は例年通りでしたが、皮垂の切除件数が増えてきている傾向があります。やはり、肛門に何かできていることが、痛みや出血が無くても気になるのでしょう。

2020年の手術統計と傾向についてお話しました。何かお役にたてばと思います。

2021.01.08

「ミヤコが京都にやって来た!」脚本家 今井雅子さんに聞く。

 私が医療指導したドラマ「ミヤコが京都やって来た!」が今度の日曜日110日から放映されます。時間帯が少し遅く、ABCテレビで毎週日曜日夜11551225です。

『京都の「町医者」ドラマが始動 脚本家 今井雅子さんにきく。」ということで京都府保険医協会が今回のドラマ「ミヤコが京都にやって来た!」の脚本を書かれた今井雅子さんにドラマの背景や見どころなどを聞いた記事を転載したいと思います。
 内容を見てみると、私と少し重なるところもあります。
 渡邉医院も私の祖父が開業して私で3代目。親から子、そして孫へと受け継がれてきた診療所です。しかも肛門科といった専門領域だけでの開業です。3代にわたっての経験が、今、日々の診療に活かされています。
 また、私も父が病気で倒れ、急遽、東京から京都に帰ってきたというのも、佐々木蔵之介が演じる主人公「空吉」に似たところがあります。このような経緯も私に声がかかった理由かなあと思います。
 では今井雅子さんの想いを紹介します。

この内容は、京都保険医新聞、2021年(令和3年)110日号、第3089に掲載された記事から転載しています。

 ー今回のドラマが生まれた背景などをお聞かせ下さい。

 「佐々木蔵之介さんが町医者のドラマを作りたい」ということで脚本のオファーを受けました。
 京都の町を見せられるよう、自転車で往診するというスタイルもできていました。そこからキャラクターを肉付けし、エピソードを膨らませていった形です。長らく会っていなかった娘が転がり込んで来て、一緒に暮らしながら、娘が父親と京都を知っていく流れにしました。
 娘から見て「医者らしくない、儲かってなさそうな医者」にしたいと思い、患者さんの頼みをどんどん引き受けて、便利屋のようになっている町医者になりました。

 ー「町医者」のイメージは?

 わたしが生まれる前に亡くなった母方の祖父が町医者でした。また、夫の父方の祖父も町医者で、実家には開業していた頃の名残があり、町医者という職業には親しみを抱いています。
 「町医者」の言葉通り、地域に根を下ろし、親から子、さらには孫まで何代にもわたって患者さんと付き合いが続いているお医者さんというイメージがあります。

 ー主人公の町医者に込めた思いをお聞かせ下さい。

 主人公・空吉(くうきち)の名前は貧しい人々に念仏を唱えて回ったという空也上人から「空」のひと文字をもらいました。「空」は「くう」とも「から」とも「そら」とも読めます。
 娘と会えなかった12年間の空白を少しずつ埋めていくなかで、最初は便利屋のように見えていた父が、「病ではなく人を診る医者」なのだと娘が気づき、見直していきます。
 空吉もまた、日々の診療の中で、町医者だった亡き父の想い、志への理解を深めていきます。
 日頃から患者さんの暮らしに寄り添っているからこそ、病気にも早く気づけるし、急病のときにも頼られる。患者とじっくり向き合えるのは、自分で往診のペースを作れる町医者だからできることかもしれません。
 最近、患者の顔よりパソコン画面ばかり見ているお医者さんが多いなとさみしく感じているので、空吉のようなお医者さんがいたらという想いを込めました。

 ー今回のドラマで一番感じてほしいところは?

 京都は学生時代を過ごした町でですが、「京都の時間」が流れていると思います。それは、町の真ん中を流れる鴨川の存在が大きいと感じています。
 空吉とミヤコ(京)に通じるのは、東京から京都に逃げてきたこと。そんな二人を見守る登場人物の一人のようなつもりで鴨川の描きました。京都の懐の深さを秋の鴨川の景色とともに感じてもらえたらうれしいっです。

2021.01.06

寒い冬場の脱水と便秘

 新年を迎え私たちにまず襲い掛かったのが新型コロナウイルスの感染のさらなる拡大です。17日には東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の13県に対して緊急事態宣言が出されようとしています。
 このような中、私たちは、日常の手洗い、うがい、マスク着用等、これまでの感染対策をさらに強めなければなりません。
 飲食店などが感染拡大を進めているような風潮になっていますが、飲食店に行ったら感染するわけではありません。多数の人たちが密になり、飛沫などが飛ぶことで感染が起きます。そこのところを私たちはしっかり認識しておかないと、非科学的な誹謗中傷や差別を生んでしまうことになります。
 今、このような状況の中、私たちの本質、生き方が問われています。私たちが戦うのは新型コロナウイルスです。そのことをもう一度心に刻み、皆で感染対策そして感染拡大の収束に取り組んでいきましょう。
 さて、話は少し変わりますが、患者さんの中に、「冬になって寒くなると便が出にくくなる。」という方がいます。寒いからあまり動かなくなるから便秘になる?それも一つの原因にはなると思います。でも一番は、冬になり寒くなることで私たちは脱水になりやすいということです。水分が足らなくなることで便が硬くなり、便秘になってしまいます。
 脱水というと、熱中症など夏のイメージが強く、「冬に脱水?」と思う方も多いと思います。でも実際は夏と同じように寒い冬場にも脱水になることがあります。
 ではどうして冬の寒い時期に、夏の様に暑くて汗をかくこともない冬場に脱水になるかをお話します。
 冬の寒い時期に脱水になる、まず一つ目の理由は、寒い冬場は空気が乾燥していることが挙げられます。
 また、昔の家と違って、今の住宅は気密性がとても高いです。こういった気密性が高い住宅の中でエアコンやストーブなどの暖房機器を使うことによって、室内の湿度がさらに下がっていきます。ふすまや畳は湿度を調整してくれる役割があるそうです。こういったものの使用頻度も減っていることも室内の湿度を下げる原因になっているとのことです。 
 乾燥した環境の中に私たちがいると、皮膚や粘膜、そして呼吸などで、自分が感じることなく、いつの間にか体の外に水分が出ていってしまいます。なつは、汗を書いたりして水分が出ていってしまうのを実感することが出来ます。でも寒い冬の場合は、こういった自分の知らないうちにいつの間にか水分が体の外に出ていってしまいます。このことを「不感蒸泄」といいます。このように寒い冬場は夏と違い自分が意識することなく体の外に水分が出ていき、知らないうちに脱水になってしまうことがあります。
 もう一つ、脱水になってしまう原因は、夏と違って寒い冬場は水分の摂取量が減ってしまうことがあります。夏の様に熱く、汗をかくと必然的に喉も乾きます。また熱中症の予防のために、喉が渇く前に水分を釣るなど、脱水に対しての私たちの意識も違います。
 これに対して寒い冬場では、体感温度が低い場合、喉が渇いたことを感じにくくなり、水分が十分に摂取されないことも要因になります。
 このように、寒い冬場は外気の乾燥に加え、室内の暖房による湿度の低下による不感蒸泄の増加。そして夏と違い十分な水分摂取が出来ていないことが原因で脱水になります。
 このことが便秘にも影響してきます。
 やはり摂取する水分量が少なくなることで便に行く水分も減ります。このことで便が硬くなり便秘になってしまいます。
 やはり、夏と同じように十分な水分の摂取が大切です。また、室内で暖房器具を使う時など、一緒に加湿器を使い室内の湿度を下げない工夫も必要だと思います。

 

2021.01.05

頑張っても便が出ないのは、肛門に何かできているから?

 渡邉医院は今週の火曜日、15日から仕事はじめ。1年が始まりました。どんな1年になるのか、どちらかといえば不安が多き1年の始まりとなりました。

 今年は良い年だったと思えるように頑張りたいと思います。それには新型コロナウイルスの感染拡大の収束への光が見えることが大事だと思います。私たち一人一人が出来るの日常の感染対策が一番大事ではないかと思います。

 さて今日は、排便に関して少し患者さんからの相談内容を紹介しながらお話したいと思います。

 時々このような訴えをされる患者さんがいます。「そこまで便が来ているのに、いくら頑張っても出ません。肛門に何かできていて、それが肛門を塞いでいるように感じます。」とか、「頑張って便を出そうとすると、出ることは出るが細い便しかでない。肛門に何かできているから頑張って便を出したときに便が細いのでしょうか?」という訴えです。

 いずれも、肛門に何か悪いものができていて、それが原因で便が出なかったり、便が細くなるのではないかという訴えです。

 便が思うように出ない。頑張っても出ない。頑張って出しても細い便しか出ない。このような症状があると、やはり肛門に何かできていて、それが邪魔して便が出なかったり、細くなってしまうのではないかと考えるのは当然だと思います。

 でもこういった症状が出るときは、まずは肛門に何かできているというよりは、排便の状態、便が硬くて出せないことが多いです。

 以前どのように便が出るのかをお話したことがあります。

 便がどのように出るかですが、直腸と肛門は便を出すところです。ですから直腸には便があってはいけないところです。
 時々、直腸は便を溜めておく所と思っている方がいますが違います。直腸は通常は空っぽになています。便は直腸より奥のS状結腸にあります。朝、食事をとり、胃の中に何かものが入ると大蠕動と言って一気に腸管が動き出します。
 S状結腸に合った便はこの蠕動運動で空っぽの直腸に運ばれてきます。なにも無い空っぽの直腸に便が来ると、「便がしたいなあ。」という便意になります。そうすると脳が自分の医師とは関係なく肛門の括約筋を緩めて便を出しやすくしてくれます。直腸にきた便の性状が柔らかくて形のある便であれば、腹圧をかけると便が排出されます。
 例えば直腸に便が無い時に、肛門の括約筋が100で締まっていたとしましょう。直腸に便が送り込まれて直腸に便が来たら脳が命令して括約筋を50まで緩めたとしましょう。そうすると、直腸にきた便が柔らかくて形のある便であれば50以上の腹圧をかけることで排出されます。直腸の便がスッキリ出ると、また括約筋は100で締まります。こういった具合に排便します。

 さて、直腸にきた便が硬い便だとします。そうすると、いくら肛門の括約筋が緩んでいたとしても頑張っても便は出なくなってしまいます。さらに頑張りが強いと肛門の静脈叢が鬱血して、肛門全体が腫れたような感じになってしまいます。
 また頑張れば頑張るほど便は細くなっていってしまいます。頑張れば太い便が出そうですが、創ではありません。反対に細くなっていってしまいます。また柔らかくても出しにくいことがあります。この場合も頑張れば頑張るほど細くて出しにくくもなります。

 このように、肛門に何かできていなくても直腸にきた便の硬さで頑張っても出ない、なにか肛門にできているような感覚になってしまいます。

 このことは肛門が悪いのではなく、直腸にきた便が硬かったりして出しにくくなっているだけです。

 ですから緩下剤などを飲んで柔らかく、形のある便にして排便を調整することでスムーズに出るようになります。

 また、硬くなってしまった便を柔らかくしてくれる薬はありません。緩下剤は、硬くなった便を柔らかくする薬ではありません。硬くならないように柔らかくする薬です。一端硬くなって出なくなった場合は、硬くなった便を指などで崩して浣腸して出さなければなりません。
 よく、便が詰まったので浣腸したが、浣腸の液しかでなくて、便は出ませんと言う患者さんがいます。その通りです。硬い便のまま浣腸しても出ません。硬くなった便を柔らかくしてから浣腸しないと出ません。硬くなった便はコンクリートと一緒で水をかけても柔らかくなりません。

 常に緩下剤を内服して硬くならないように柔らかくて形のある便になるようにしながら便秘を治す必要があります。

 そこまで便が来ているのに便が出ない。何か肛門にできているような感じがする方は、まずは緩下剤を内服して具合よく出るようにすることが大事です。
 また頑張って出すと便が細くなるという方は、頑張らなくても便が出るように排便を調整することが大事です。頑張らなくても便が出た時の方が意外と太い便が出ます。

 排便の具合で気になることがあれば相談してみて下さいね。

2021.01.03

撮影現場の雰囲気

 今回は、ドラマがどんなふうに撮影されていったかをお話しますね。

 まず最初に、以前にお話しましたように、私のところに町医者とはどんなものかとか、親から子供へと診療所を継承するにあたって、どのようなことを感じたかなどの質問から始まりました。そういった質問を通じて、おそらく「町医者」のイメージ作りをされたのだと思います。
 そして演出の方と美術の方が渡邉医院に来られ、祖父の時代から使っているカルテ台や器械棚、机などを参考のために写真を撮っていかれました。また、渡邉医院で最も古い「肛門科」の看板や、診察室や薬棚など診察室なども撮影されました。
 また、実際に使っているカルテ用紙や問診表なども参考にされていました。

 ドラマの中での佐々木蔵之介の診療所も町家で、そして昔ながらの診療所をイメージされているようでした。

 実際の撮影現場で、それらのセットを美術の方が見せて下さいました。
 昔ながらの時代劇に出てきそうな薬棚や診察室。また、レトロ風の薬袋なども内服用と外用薬様に分けて作ってありました。また、「肛門科」の看板を参考に「柿木医院」の看板も作ってありました。
 渡邉医院で使っている古きカルテ台や器械棚、そして看板が役に立ったようです。
 ドラマの診察室は少し小さい感じですが、いい雰囲気を出していました。もしドラマを観られるときはチャックしてみて下さいね。
 このように、いろんなものを、実際のものを参考にして、ドラマのイメージにあったセットを美術の方々が作っていくんだなあと思います。

 さて、実際の撮影ですが、やはり待ち時間が長いです。本番の撮影が始まるまで何回も何回もチェックしていきます。
 まず、演出のスタッフの方が、本番時の俳優さんがいる位置にスタンバイして、光の当たり具合、影の出来具合をまずチェックします。ある程度準備をしてから、今度は実際に俳優の方がスタンバイします。そして光の当たり具合や影の付き具合、そして光の柔らかさ等本当に細かくチェックされていきます
 ライトを少しずらしてみたり、そのために反射板などを動かしたり、布などで光の柔らかさを出したり、本当にとことんこだわって光と影を出しているんだなあと感じました。

 居間で空吉(佐々木蔵之介さん)と娘の京(藤野涼子さん)と会話するシーンでは、空吉が居間に入ってくるシーンを空吉だけで何回か撮影。居間に座って京と会話するシーンも、まずは京の方から空吉の撮影、そして、次は空吉の方から京を撮影。そのたびに光の当たり具合、影の出来具合などを細かくチェックしての撮影。そして全体だけでなく手元だけの撮影。
 一つのシーンを撮るのも、1回だけではなく、何回も何回も取り直してそのたびに光の当たり具合のチェック。
 気の遠くなる作業を、それぞれの専門職の技術を駆使して撮影していきます。そうして撮影した細切れの映像を、最終的にはあたかも一連の撮影の様に途切れがわからないように違和感のない映像に編集していく。凄い仕事です。

 また風呂上がりのイメージを出すために、メイク担当の方が、空吉の髪の毛をスプレーで濡らしていく。そのスプレーの中身もただの水ではないようなふんいきでした。

 邪魔にならないように見ているのですが、どんどん撮影に入り込んでいってしまいました。

 また撮影の際も、その場でどんどん変わっていきます。立って話をする場面が座っての撮影になったり。その場その場での状況に合わせて、最もいい状況を作り上げて撮影していくんだなあと感じました。その時は俳優さんの意見も取り入れられていました。

 さて、今回、医療指導をするにあたって台本をいただきました。

 医療シーンでは、台本では倒れている人の治療をするシーンでは、その内容はほんの数行しか書かれていません。その台本を元に、どのような病名にしたらいいか、倒れている人をどのような姿勢で診察して、そしてどのように処置をしていくかなどを指導していくことになります。
 台本の行間を考えていかなければなりません。その時にはやはりもう一度救急に関しての本を調べたりして間違いのないように伝えなければなりません。ドラマを観ている方に違和感のないようにしなければなりません。緊張します。

 少しでも撮影現場の雰囲気が伝わればと思いますがどうでしょう?

 11月後半から12月頭にかけての撮影。とても楽しい、そして勉強になる経験をさせていただきました。

 またこのような経験が出来ればいいなあと思います。できれば春夏バージョンが企画、撮影になればいいなと思います。またその時は撮影風景などをお話しますね!

2021.01.03

ドラマの撮影に関わって。

以前、佐々木蔵之介さんが町者の役で主演するドラマ、「ミヤコが京都にやって来た!」というドラマの医療指導を、ひょんなことからすることになったというお話をしました。

 110日、日曜日の深夜025分スタートの全6話です。秋から冬にかけての京都を紹介するドラマだそうです。評判が良ければ春夏バージョンも考えてられるようです。

 少しですが、私もかかわったドラマなので、好評で、春夏バージョンができればいいなあと思っています。

 さて、今回はその時の撮影で感じたことなどを少しお話しようと思います。

「ミヤコが京都にやって来た!」のホームページがアップされています。まずはどんな内容のドラマ化を少し紹介しようと思います。

 ドラマのホームページには次の様に紹介してあります。

 「京都で暮らす独り身男の元へ…突然、娘がやって来た!
 昔ながらの町並みが残る京都で、小さな開業医を営む柿木空吉(佐々木蔵之介)
もっぱら往診が専門。腕利きの医者でありながら…
 患者のお宅へ診察したついでに、買い物から枯れた盆栽の手入れまで御用聞きさながら、何でも引き受けてしまう人情派。
 そんなある日、空吉のもとへ離婚以来12年間一度も連絡を取っていなかった娘のミヤコ(藤野涼子)が現れる。最後に会ったミヤコは8歳…
 今、目の前にいるミヤコは二十歳になった、まばゆい成人の女性。
突然、京都にやって来た娘に動揺を隠せない空吉。
 そんな父の想いとは別に…ミヤコはしばらく京都にいると宣言。
ミヤコが京都へ来た目的とは…? ミヤコが抱える知られざる秘密とは…?
12
年ぶりの再会に、ぎこちなさを抱える父と娘が、美しい京都の町や人情深い人々との触れ合いを通じて、少しずつ心が通じ合ってゆくのです。
 全6話でお送りするハートウォーミングな人情ドラマ。」

と、あらすじがアップされています。

 以前、真矢みき主演の「捜査地図の女」というドラマで、実家の診療所のロケ地として渡邉医院が使われたことがありました。その時のお話を以前しました。いつもと違う世界の事なので、撮影現場を見ているのは、とても新鮮で面白いです。また、今回は医療指導という立場も加わり、以前のロケ地として渡邉医院が使われた時とは違って、一緒にドラマを作っているんだという気持ちも湧いてきました。
 脚本家、演出、監督、俳優さん方、また、撮影の際のセットを作ったりする美術の方、衣装の方、そしてカメラマンや照明さん方などの撮影に関わる人たちなど多くの人たちと一緒になって作り上げていく。それぞれがそれぞれの専門技術をフルに発揮することでいいドラマが出来るのだと思います。このことは私たち医療にもつながるものがあります。

 医療に関しても私一人では、渡邉医院で患者さんを診察し、治療していくことはできません。看護師さんや看護助手さん、そして事務のスタッフ。さらに宿直してくれているバイトの人たちのみんなの力があってこそ成り立ちます。その一人一人の持っている力が十分に発揮されることで良い医療を患者さんに提供できる。ドラマの制作とどこか似ています。

このようなことを、今回のドラマにおいて医療指導をした際に感じたことです。

次回は、実際の撮影がどのように行われていたかをお話したいと思います。

2021.01.01

2021年 新年明けましておめでとうございます。

 新年明けましておめでとうございます。2021年丑年が始まりました。

 去年1年間、新型コロナウイルスの感染拡大の中私たちの生活は大きく変わってしまいました。まだまだ収束が見えないコロナ禍の中、新しい年を迎えることになりました。

 今も続く新型コロナウイルスの感染は、これまで国が進めてきた医療提供体制改革や公衆衛生政策、そして保健政策など様々な問題点を明らかにしてきたと思います。

 例えば、公立・公的医療機関に関しては、感染症病床の6割は公的病院が担っており、重要な役割を果たしています。しかし、国は地域医療構想の実現のために公立・公的医療機関の再編・統合を進めようとしています。新型コロナウイルスのような感染症など、民間医療機関では十分に対応できない医療を公的医療機関は提供し、国民の命を守るという大切な役割があります。それを今の国の改革では削減し縮小しようとしています。

 また、私たち市民の最も近くにあって、感染症対策を展開するべき自治体の公衆衛生政策は、1994年の保健所法の廃止以降脆弱化しています。京都市においても、以前は行政区ごとのにあった保健所が廃止され、中央に集約され、どんどん行政が市民から離れてしまっています。

 さらに、医療保険制度では、後期高齢者の窓口負担の2割化が進められています。また、高すぎる国保料を払えず、経済的理由で医療が受けられなくなっている患者さんもいます。誰もが必要な時に必要な医療を受けられる、そんな日本の皆保険制度、フリーアクセスが新型コロナウイルスの感染を今の状態に押しとどめていることは明らかです。これまで私たち国民の健康と命を守り続けてきた国民皆保険制度を崩そうとする国の政策にはしっかりと意見を述べ、対抗していかなければなりません。そして私たちの手で、今以上に充実したものにしていかなければなりません。

 また、医療だけでなく、これまで進められてきた新自由主義改革によってもたらされた雇用の破壊の現状も新型コロナウイルスが明らかにしました。そして新型コロナウイルスの感染拡大が非正規労働者を中心に重くのしかかってきます。

 今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、医療・福祉、雇用以外にも様々な問題が浮き彫りにしてきました。
 私達は、これまで進められてきた社会保障の削減政策を止め、新しい福祉国家を求め、社会保障の充実を追求していく1年以しなければなりません。

 今、私たちの本質、生き方が問われています。
 全ての人たちが持つ最強の優しさで全てを包み込む、そんな思いを皆さんと共に持ち続けていきたいと思います。

 今年1年、よろしくお願いいたします。

  2021年1月1日

      渡邉医院      渡邉 賢治

 

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