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2021.03.07

アルコールや刺激物は、本当にお尻によくないの?

 時々、患者さんから「お酒を飲んだら痔になりますか?とか、「辛いものや刺激物は食べてはだめですか?」と聞かれることがあります。

 結論は「そんなことは有りません。」です。美味しく楽しくお酒を飲むことはいいともいます。また、押しく食事をすることもとても大切なことだと思います。

 アルコール類も、飲みすぎずに楽しく美味しく飲むことで、血流が良くなります。またストレスを発散することもできます。こういう意味からすると、アルコールは血流を良くしてくれるので、内痔核や裂肛などの肛門の病気には良いということになります。ですからアルコール類が直接痔の原因になるわけではありません。ではなぜよくアルコールは良くないと言われるかです。

 これには二つあります。

アルコールの飲みすぎで下痢

 一つ目は、アルコールを沢山摂ると、下痢が多くなるということです。

 良くお酒を飲みすぎた後に下痢をすると言う方が多くいます。その理由は、アルコールを沢山摂ると、水分やミネラルの吸収が悪くなります。そうすると腸の中に行く水分の量が増えていきます。水分の量が多くなると下痢をします。便に行く水分が70%でコロコロの便になり、90%で水様の下痢です。便意いく水分量、腸の中の水分量が多いと下痢になります。

 また、アルコールの摂取が多いと、糖分や脂肪分の分解や吸収も弱くなってしまいます。このことも下痢になる原因となります。飲み会の時など、お酒のつまみに、唐揚げ類などの脂っこいものが多くなってしまうことも有ります。アルコールを飲むときのつまみ類も少し工夫するといいのかもしれません。

 このようにアルコールを沢山摂取すると下痢になり、そのことが肛門に傷がつく裂肛の原因になったり、もともとある内痔核の状態が悪くなる原因になります。

 二つ目は、アルコールを摂取することで、動脈の血流は良くなりますが、反対に静脈の流れは悪くなってしまいます。

内痔核の鬱血が強くなる

 アルコールを沢山摂ると血管が広がっていきます。そして血液の量が増えます。内痔核は静脈の流れが悪くなった静脈瘤です。静脈瘤としての内痔核に流れ込む血液の量は増えるのに対して、静脈瘤としての内痔核から心臓の方に帰っていく血液の量は変わりません。そうすると内痔核に行く血液の量が増え鬱血が強くなってしまいます。そのことでもともとあった内痔核の状態が悪くなってしまいます。

 このようにもともとあった内痔核が、アルコールを沢山摂りすぎることで悪化してしまうことは有ります。

 ただいずれの場合も直接アルコールが内痔核を発症させるわけではありません。もともとある内痔核を悪化させる可能性があるということで。

 時々飲みすぎてしまうことも有ると思います。今日は飲みたいといった気分になることも有ると思います。それはそれで仕方がないと思います。できれば楽しく美味しくアルコールを飲むようにするのがいいなあと思います。また肝臓のことも考え休肝日を作るといいと思います。決してお酒を飲んではダメというわけではありません。

刺激物はどうなの?

 さて辛いものなどの刺激物はどうかです。

 時々患者さんが「お刺身にワサビを付けて食べたいんだけど、お尻に悪いと思って付けていません。」とか、「おそばに七味をかけて食べたいんだけどやめている。」と言う方がいます。このこともあまり気にしなくていいです。刺激物を摂りすぎるといけないというだけで、美味しく楽しく、食べたいものを食べたいように食べて下さい。そのことが大切だと思います。

 さて最初のワサビですが、ワサビは100%消化され、便と一緒に排出されることは有りません。ですからワサビは特に肛門を刺激したりすることは有りません。

唐辛子や胡椒などの香辛料は消化されずに便となって出てきます。そのため、肛門を通過するときに「辛い」といった刺激になることがあります。辛いものを食べるときに唇がピリピリするのと似ています。その刺激が頻回になると肛門に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、刺激物をとると下痢などの便の具合が悪くなることがあります。例えば辛いものを食べたら下痢するなど。この便の具合が悪くなることが内痔核や裂肛などを悪化させます。

また、肛門に裂肛などの病気があると、刺激によって痛みがいつもより強くなる可能性はあります。でも、元々ある病気の症状が強くなったり、状態を悪化させることは有っても、直接刺激物が内痔核や裂肛の原因になるわけではありません。

 このように沢山アルコールや刺激物を摂取することは、元々ある内痔核や裂肛などの肛門の病気を悪化させる可能性はありますが、直接原因にはなりません。

 楽しく美味しくお酒を飲んで、ワサビや香辛料を適度に使い、美味しく楽しく食事をする。そのことは、日々のストレスをとってくれるとともにお尻の具合も良くなると思います。

 食べたいもの、飲みたいものを押しく楽しく摂って下さいね!

2021.03.06

肛門ポリープとは?そしてその治療は。

 今日は肛門ポリープについてお話したいと思います。

 肛門ポリープは、慢性の裂肛にもできたり、内痔核によってもできることがあります。

 「ポリープ」といっても癌化したりするポリープとは違います。便が通るときの刺激によってできてきます。例えば裂肛の場合は切れたり治ったりすることを繰り返すことで炎症を起こして肛門ポリープが出来てきます。また、内痔核も炎症を起こしたり、排便時に肛門の外に出てくる脱出を繰り返すことによって炎症を起こして小雲門ポリープが出来てきます。では、肛門ポリープはどうしてどこから出来るかについてお話します。

肛門ポリープとは

 肛門の外側から、約23㎝奥まで皮膚があります。この皮膚の部分を肛門上皮と言います。ここまでを肛門といいます。その奥が直腸になります。この肛門と直腸の境目があたかも歯の様にジグザグに波を打ったようになっているので、歯状線といいます。この部分に肛門乳頭という突起状のものがあります。ここが便が通るときの刺激によって炎症を起こして、肥大化していきます。その肥大したものが肛門ポリープです。やはり、便秘だったり、下痢だったり、排便の状態が悪く、擦れたりして炎症を起こすことによってできてきます。

肛門ポリープの症状

 では肛門ポリープの症状ですが、初期のうちは肛門ポリープが小さく、自覚症状はありません。肛門ポリープから出血することは有りません。

 肛門ポリープが段々大きくなってくると、排便時に肛門ポリープが肛門の外に出てくるようになります。出てくるようになると、出てきた肛門ポリープを押し込まなければ戻らなくなります。排便時に出てくるような大きさになっても、肛門ポリープは痛みはありません。

 時々肛門ポリープを、内痔核が悪化して排便時に脱出してきたのかと勘違いする患者さんもいます。排便時に出てきて押し込むという症状は同じですが全く違う病気です。ただ先ほどもお話しましたが、内痔核が原因で肛門ポリープもできることがあります。排便時に内痔核と肛門ポリープが一緒にでてくることも有ります。

 このように肛門ポリープの症状は最初は無症状で、大きくなってくると排便時に肛門ポリープが出てくるようになります。肛門ポリープが排便時に出てくることで、肛門ポリープの存在をしる患者さんがほとんです。

肛門ポリープの治療

 肛門ポリープの治療ですが、悪性のポリープではありません。たとえ肛門ポリープを持っていてもそれを切除することは有りません。自覚症状が無い場合は特に肛門ポリープを治療する必要はありません。肛門ポリープが段々大きくなって、排便時に肛門ポリープが肛門の外に出てくるようになると、自覚症状が出てきます。排便時に肛門ポリープが外に出てきて肛門の中に押し込まなければならなくなります。こうなると、その症状が嫌な症状になります。そうすると、肛門ポリープが出てこないようにするには、手術で肛門ポリープを切除しなければなりません。肛門ポリープは軟膏や座薬では治りません。ただ、悪性の癌になったりはしません。ですから必ず切除しなければならないというわけではありません。でも出てこないようにするには切除が必要になります。

肛門ポリープの切除

 では肛門ポリプの切除はどうするかです。
 渡邉医院では、肛門ポリープの根元の部分に局所麻酔をして、出血しないように肛門ポリープの根元を糸で縛ってから切除します。麻酔をして根元を縛って切除するまでに5分もかかりません。割と簡単に終わります。術後出血はまずはありません、ただ直ぐに帰って、帰ってから出血などがあると困るので、1時間程度休んでもらい、出血の無いことを確認して、完全に麻酔が切れてから帰宅していただいています。痛みに関しては、肛門ポリープの根部を糸で縛って切除するだけなので、痛みはほとんどありません。排便の痛みもあまりありません。手術当日から普段通りの生活を送っていただいています。排便もしても大丈夫ですし、肛門の外側に傷が出来ないので、その日から入浴や、もしくはシャワーに入ってもらっています。次の診察は、痛みや出血などの症状が無ければ710日後に受診してもらい、肛門ポリープの根部を縛った糸が取れていて、出血や痛みなどの症状が無ければ、治療を終了します。
 このように比較的楽に治していくことが出来ます。

肛門ポリープの予防

 肛門ポリープにならないようにするにはどうしたらいいか。やはり、排便の状態が大切です。便秘や下痢で、傷が付いたり炎症を起こすことで、肛門ポリープはできてきます。やはり具合よく便が出るように排便の調整が大切です。

2021.03.03

Twitterでの相談、遠慮なくして下さいね!

 なかなか肛門の病気に関しては周りの人に相談できずに悩んでおられる方が多いようです。できるだけ、肛門科の敷居は低くして、受診しやすいようにと心がけてはいるつもりですが、なかなかそうはいかないようです。

 親にも相談できないという方も多いようです。一端「私は、痔なんだ。」とカミングアウトすると、意外と周りの人から「私もそう!」「私もですよ!」と言う声がどんどん上がってくるようです。皆さんお尻の具合が悪くても一人でグッと悩んでおられるようです。

 Twitterでの相談では皆さん同じようなことで悩んでおられます。例えば、「排便の時に肛門が切れて痛い。」とか「便秘で悩んでいます。」。また、「肛門が腫れて痛い。」や「痔瘻になったみたいですが、治療方法は?」。「排便時に肛門が腫れるのですが?」、「排便時に何かイボが出てきます。」のような悩みの相談が多いです。ですから皆さんが同じことで悩んでおられます。自分一人が悩んでいるわけではありません。自分の悩みは、皆の悩みです。ただ、誰に相談したらいいのかがわからなかったり、相談したいんだけど、やはり相談することが恥ずかしいなどが一つ大きな壁になっているようです。

 今の時代インターネットが普及して、いろんな情報を収集することが出来ます。ただ情報が多かったり、正しい情報でなかったりします。

 時々、渡邉医院を受診された患者さんのなかに、「インターネットで検索したら、怖いことばかり書いてあって、調べれば調べるほど不安になってきました。」とおっしゃる患者さんもいます。

 なかなか自分の病気の状態がどのような状態なのか、そして自分の病気が何かを判断するのは難しいと思います。自分の症状とネットでの情報を見比べて、悪い方へ悪い方へと考えていってしまうことも少なくないと思います。

 このような状況にあるので、渡邉医院のホームページには正しい情報を載せよう、そして誰が読んでもわかりやすい内容にしようと思っていつもブログをアップしています。

 皆さんがどんなことで悩んでいるのかなあと、想像しながらブログを書いています。でもななかな書いてあるだけを読んでも自分の病気と本当にあっているのかどうかわからないことが多いと思います。そういうことも有るだろうと、Twitterでの相談もするようになりました。

 できれば実際に診察して、正しい診断をして治療法をお話して、患者さんと一緒に病気を治していきたいと思います。それが一番だと思います。でも最初の一歩。診療所を受診すること。ここに一つ高い敷居があります。いきなり受診するのが心配、不安、そして恥ずかしいとういことであれば、まずはTwitterでの相談をしてみて下さい。今の自分の病状や治療方法がある程度わかるとそれだけでも気持ちが落ち着き、安心できます。そのうえで「よし!治そう!」と決心した時に肛門科を受診してみて下さい。そのタイミングがベストタイミングです。

2021.03.02

授乳中のお母さんへの薬物療法について

 長かった1月が終わり、そして2月はあっという間に過ぎ去ってしまいました。そして3月。今日は少し寒かったですが、これからは少しづつ春を感じる季節になりました。

 さて今回は、授乳中のお母さんへの薬物療法に関して少しお話したいと思います。

 妊婦さんの妊娠3ヶ月から9ヶ月の間であれば、大抵の肛門の手術は可能です。血栓性外痔核で痛みが強い時や、内痔核に血栓が詰まって嵌頓痔核になり、痛みが強い時。また、裂肛でも排便時の痛みが強く、排便が困難になっている場合など、妊娠中でも手術をすることがあります。

 また、出産後、授乳中の方にも手術は可能です。

 最近は授乳中の患者さんの手術も増えている気がします。また手術でなくても、赤ちゃんと一緒に通院される患者さんも多いです。渡邉医院には病室があるので、待ち時間中に病室で授乳させてもらったり、診察の順番が来るまで病室の方で待っていただくことも有ります。

 授乳中の患者さんが良く言われることは、「授乳中なので、授乳に影響のないお薬を出して欲しい。」ということです。

 基本的に渡邉医院は肛門の外用薬であったり、内服薬も緩下剤であったり、術後の消炎鎮痛剤や抗生剤などです。いずれも授乳中の患者さんに投与しても問題はありません。通常通りに授乳してもかまわない薬剤ばかりです。

 さて授乳している方への薬物療法の基本的な考え方を調べてみました。

 調べてみると、薬物療法をしていても、できるだけ授乳を継続することが望ましいとしています。

 そこにはこのように書かれていました。「母乳育児中に母親が薬物療法を必要とする場合は、薬物療法の必要性と有害作用の説明に加えて、母乳育児の有益性と母乳を中止した場合の不利益を説明することも必要である。授乳婦の薬物療法では、乳児への影響を最小限にしたうえで、できるだけ授乳を継続することが望ましい。」とありました。(Ⅰ.妊婦・授乳婦への薬物療法の基本的考え方)

 母乳の利点としては、栄養面で優れているだけではありません。感染症を予防したり、免疫機能や神経発達を促したり、赤ちゃんにとっていろんな利点があります。こういった点からも、薬物療法をしている間も授乳を継続することが望ましいということです。

 大部分の薬剤は授乳中にお母さんが内服したりしても、母乳への移行はほんのわずかな量です。どのくらい授乳することで乳児に移行するかですが、通常ではお母さんに投与された薬物の量の1%以下です。

 ですから、お母さんにとって必要だと判断された薬剤は、しっかり内服することが望ましいと思います。

 授乳中に注意が必要な薬物には、①抗悪性腫瘍薬、②放射性アイソトープ、③乳児の曝露レベルが高くなる薬、④母乳分泌に影響する薬などがあります。しかしいずれも絶対に投与できないわけではありません。薬物を投与した後、乳児の状態を注意深く観察することで投与も可能となります。

 このように妊娠中も授乳中も大抵の治療は通常通りに行うことが出来ます。また、授乳中でも、お母さんにとって必要と判断された薬剤は服用しても母乳をあげている赤ちゃんには影響を与えないということです。赤ちゃんのことも心配かもしれませんが、自分自身の病気をしっかり治すことが大切ですし、そのことで赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性は極々少ないということを知って下さいね。

 

2021.02.28

新型コロナウイルス感染症への予防接種体制に関する要請書

 今日で2月も終わります。いよいよ3月になります。少しづつ春の気配を感じる季節です。
 さて、今新型コロナウイルスに対しての医療従事者の先行接種が始まっています。今後、医療従事者に続いて高齢者、基礎疾患を持っている方、高齢者施設などの従事者、そして一般の方たちへと順次ワクチン接種が進められていきます。

 ワクチン接種は、ワクチンの安全性、有効性の情報がしっかり示されることが大事です。それをもとに私たちは、メリット、デメリットを考え、ワクチン接種をするかしないかの選択をします。そして、ワクチンを接種する場合は安全に、そして確実に接種されなければなりません。
 京都府保険医協会は、新型コロナウイルスに対してのワクチン接種に関して、要請を提出しました。その内容を紹介します。

 新型コロナウイルス感染症への予防接種体制に関する要請書

新型コロナウイルスワクチン接種事業の準備が急激な速さで進められています。
 戦後、国も地方自治体もこれほどの規模のワクチン接種を、このような短期間に進 めた経験はないはずです。新型コロナウイルス感染症の収束に向け、ワクチンは大切 な一要素となることは確かです。私たち医療関係者も大いに期待しており、安全性・確 実性が担保される限りにおいては接種事業への協力は厭いません。
 しかし、現在の接種体制構築はあまりに性急です。文字どおり「国策」として国が号令をかけ、地方自治体はその意を汲み、懸命に体制確保に勤しんでいますが、一度冷静 に考えていただきたいと思います。 ワクチン接種を受けるのは、一人ひとりの市民です。果たして市民の誰が、今回の新型コロナウイルスワクチンの安全性・確実性について、正しい情報を得ることができているでしょうか。
 同時に、一人ひとりのワクチンにアクセスできない人たちが存在する可能性につい て、どれほど真面目に想定し、対応を考えておられるでしょうか。ワクチン行政には常 にギャップがつきまといます。ある時は国家間のギャップ、そして国内では「情報のギ ャップ」による接種機会のギャップです。
 ワクチン接種を行うのは、地域の医療者です。これまで接種したことのないワクチ ンを市民に接種する際、頼れるのは自らの専門性に基づく安全性・確実性についての 知見しかありません。医師である以上、自らの責任で情報を収集し検討して、判断する こと自体は当然のことです。しかし、その時間自体が与えられていない中では、不安や 疑問に対して的確に答える仕組みは必要なのではないでしょうか。
 つきましては下記の点を緊急に要請いたします。何卒、よろしくお願いいたします。

                 

  • 1.国から自治体への情報提供、人的財的サポートの充実を

 国は全国民のワクチンを確保し接種させるとしているが、国民の何割が抗体を持て ば感染流行を抑えられると想定しているのか。市町村における接種体制の構築も手探 りで、自治体職員への負担は相当なものとなっている。国のワクチン接種に向けた前 のめりの姿勢を受け、都道府県及び市町村が対応に苦慮されていることは想像に難く ない。ワクチンは市民の健康と命を守るものである一方、一定数副反応が発生し健康 被害を起こすものでもある。自治体に対し、国からの情報提供や更なる人的・財政的サ ポートが必要である。
 また、ワクチン接種において大事なのは早さではなく、市民が安全かつ確実に接種 できる体制である。必ずしも全国一律ではなく、各自治体の実情に合わせた接種計画 を立てなければ、ワクチン接種が停滞し、結果として市民全体のワクチン接種率の低下が危惧される。万全を期して接種事業が実施できるよう、現場の医療従事者の声を 聴き、場合によっては接種スケジュールの見直しが必要と考える。

  • 2.ワクチンの有効性と安全性のわかりやすい情報提供を

 ワクチンの有効性と安全性の情報が、医療にも市民にもわかりやすい形で提供され ていない。任意接種である以上、接種を進めるには徹底した情報の提供が必要である。 当協会代議員(医師)を対象にしたアンケート(配布数 88、回収数 65、回収率 74%) でも、ワクチンの安全性に不安を感じるかという問いに対して「感じる」が 75%にの ぼり、医療者でさえ不安が拭えない状況だ。こうした中、市民が不安を募らせ接種に消 極的になる一方、これとは正反対に確たる根拠はなくとも国が進めるのだからと接種 に積極的になることも考えられる。これらはいずれも正しいワクチンへの向き合い方 とは言い難い。リスクコミュニケーションの観点から、正確な新型コロナウイルスワ クチンの有効性・安全性を平易に情報提供していただきたい。特に情報が入手しにく く、ワクチンにアクセスしにくいと思われる方々への正確な情報提供を配慮いただき たい。外国籍の方については、多言語対応が必要と思われる。

  • 3.医療機関に求められる副反応への体制整備を明確に

 被接種者に副反応が起きた場合、特にアナフィラキシーショックを起こした場合へ の救急体制について、府医師会の救急委員会において対応マニュアルを作成し地区医 師会を通して医療機関に案内されると聞き及んでいる。京都府としても医療機関に求 められる副反応への体制整備、救急体制と個別接種を行う医療機関の連携イメージを明 確に示していただきたい。

  • 4.優先接種における医療従事者受入体制に柔軟な支援補助を

 京都府内における医療従事者の優先接種では、多くの医療機関が集合契約を行い、 他院等の医療従事者も受け入れながら接種を進めていくとされている。しかしながら、 いままでに経験のない mRNA ワクチンであることから副作用や副反応を恐れて集合契約 をためらう施設は多い。集合契約した施設も自院の従事者のみへの接種とすることが 可能な体制であり、他院等の医療従事者を受け入れる施設には過大な負担が予想され る。国の示す優先接種では連携接種型施設となる病院での接種など集団接種を基本と しており、京都式では開業医により負担を求めるものとなっている。ついては、他院等 の医療従事者を受け入れる医療機関、地区医師会主導などで行うワクチン接種のため の医療機関のグループ形成に、補助および支援体制を構築していただきたい。

  • 5.住民接種における訪問接種体制の具体的な構築を

 高齢者には施設入所者や療養中、あるいは在宅療養・重度の在宅介護状態の方が多 数含まれる。また、障害がある方々をはじめ、自ら接種会場あるいは接種実施医療機関 へ出向くことができない人々がいる。国の方針における高齢者施設入所者の施設内接 種について、当該施設が接種実施医療機関となる、あるいはかかりつけの往診医らに よる接種方法が挙げられているが、そこに当てはまらない場合、施設が接種人数をと りまとめ、接種実施医療機関を市町村と相談するとある。しかし、例えばサービス付き 高齢者住宅などでそのとりまとめは誰が担うのか。国の方針は全体として抽象的で現 場任せにすぎる。多くの療養している人々へのワクチン接種を可能にするためには、 医師らによる訪問接種しかないが、現時点で訪問接種体制についての具体的な情報提 供はなされていない。地区医師会等の意見・協力を得ながら、具体的な訪問接種体制を 構築いただきたい。

  • 6.住民接種における人員確保の人的・財的支援補助体制を

 主に都市部では「個別接種」が中心となるが、その前提として医療機関においてイン フルエンザワクチン同様に通常の医療と並行しての接種が想定されている。しかし、 それは容易いことではない。予診の時間はインフルエンザの比ではなく、接種後経過 観察も長い時間となる。患者の殺到と三密回避の困難は明らかである。そもそも京都 の開業医は、午前診と午後診の間の時間を在宅医療に充てている医師も少なくない。 診療・検査医療機関をはじめ、発熱外来をその時間に充てている医師もいる。通常の診 療と並行してはできないという場合、休診日や日曜日、祝日にワクチン接種を行わざ るを得なくなる。医師自身の負担だけでなく、各医院におけるスタッフ体制の確保が 課題となる。こうした点を踏まえるならば、個別接種中心の仕組みは決して容易では ない。住民接種における集団接種を強化するとともに、個別接種の実施には通常以上 の人員と各医療機関の努力・工夫が求められるため、財政補助も含め、国・自治体から の支援を強めていただきたい。

  • 7.ワクチン接種の有無で差別構造が生じないよう対策を

 安全性・有効性の正確な情報を入手したうえでワクチン接種を望んでも、個々人の 状態によって接種に踏み切れない人々も存在する。ワクチンの接種者と非接種者にい われなき差別的取扱いが生じないよう十分な配慮が必要である。特に、「接種証明」の ようなもので、社会的・福祉的サービスなどが受けられないなどといったことになら ないよう対応を講じていただきたい。

                               以上

2021.02.27

「奏(かなで)」を聴きながら。

 今回は久しぶりに、私の好きな歌を紹介したいと思います。
 その曲は「奏(かなで)」です。

 「奏(かなで)」は2004310日にスキマスイッチが発売した2枚目のシングルです。

 最初に「奏(かなで)を知ったのはJUJUがカバーして歌った「奏(かなで)」でした。
 別れの歌ですが、それでもどこにいても二人は歌で繋がっている。そんな内容の歌です。来週から3月。別れと出会いの季節です。今年も新型コロナウイルスの影響で、いつもとは違う様々な別れと出会いがあると思います。そんな時にいつまでもお互いが繋がっていられる歌があるといいですね。いつかまた会える日までの心の支えに。

 今回久しぶりに、JUJUの歌う「奏(かなで)」を聴きながらふと思ったことがあります。歌の内容とは全く違うことです。

 私の母は認知症。随分進んできていると思います。
 そんな母と関わりあう中で、初めの頃私は何とか母を私の世界に戻そうとしていました。そうするとどうしても「あれはダメ、これはダメ」と母の行動を否定すること、もっと言うと母の存在を否定してしまうことになってしまっていました。
 当初はどうして母がこんなことになってしまったんだろうという気持ちが大きかったのだと思います。そのように母を私の世界に戻そうとすることは、母にとっても私にとってもよくないことでした。
 考え方を、私が母の世界に入っていこうと変えた瞬間、これまでとは全く違った世界になりました。「あれはダメ、これはダメ」はなくなり、今の母の全てを肯定することになりました。フッと気持ちが楽になりました。
 「どうして母がこんなことになってしまったんだろう。」ではなく、母は今、母の世界で楽しく幸せに暮らしているんだ。そんな母の世界に今は私がいるんだと。きっと母にとっても私にとっても幸せな気持ちの転換だったと思います。

 ついつい相手が立ち止まった時、私たちはその手を引っ張り、また背中を押して前に進めようとしてしまいます。そのことが、相手のためになると思ってしまいがちです。
 でも、その人が立ち止まるときは、なにか立ち止まる理由がある。立ち止まった原因がなくなりまた歩き出す。それまで一緒に止まって待ってあげることが出来る。そんな気持ちを持ちたいものだと感じました。

 こんなことをJUJUの歌う「奏(かなで)」を聴きながら思い巡らせていました。

「奏(かなで)」の歌詞を紹介しますね。そして一度JUJUが歌う「奏(かなで)」を聞いてみて下さいね。

 「奏(かなで)」

改札の前つなぐ手と手 いつものざわめき、新しい風
明るく見送るはずだったのに うまく笑えずに君を見ていた

君が大人になっていくその季節が
悲しい歌で溢れないように
最後に何か君に伝えたくて
「さよなら」に代わる言葉を僕は探してた

 君の手を引くその役目が僕の使命だなんて そう思ってた
だけど今わかったんだ 僕らならもう 重ねた日々がほら、導いてくれる

君が大人になっていくその時間が
降り積もる間に僕も変わってく
たとえばそこにこんな歌があれば
ふたりはいつもどんな時もつながっていける

突然ふいに鳴り響くベルの音
焦る僕 解ける手 離れてく君
夢中で呼び止めて 抱き締めたんだ
君がどこに行ったって僕の声で守るよ

君が僕の前に現れた日から
何もかもが違くみえたんだ
朝も光も涙も、歌う声も
君が輝きをくれたんだ

抑えきれない思いをこの声に乗せて
遠く君の街へ届けよう
たとえばそれがこんな歌だったら
ぼくらは何処にいたとしてもつながっていける

2021.02.26

大腸内視鏡検査のときに、「痔がありますね。」と言われたら。

 2月が終わり、3月になろうとしています。まだまだ寒いですが、でもどこかに春を感じることが出来るようになってきました。

 コロナのワクチン接種も医療従事者から始まってきています。過度な期待はしてはいけませんが、新型コロナウイルス感染拡大の収束に向けての一つの手段になります。私たちは、通常の感染対策をしっかりとって、日々の生活を送っていかなければなりません。

大腸内視鏡検査で痔があると言われた。

 さて、数日前にこんな訴えで受診された患者さんがいました。時々同じような相談があります。それは、

「大腸内視鏡検査をしたのですが、その時に痔がありますねと言われたけれども大丈夫でしょうか?私は自覚症状はないのですが。」

という質問と相談です。

 大腸内視鏡検査の際に、医師から「痔がありますね。」と言われたら、これまで自分には自覚症状が無くても「えっ、痔があるの?」と不安になります。そしてその不安をずっと持ち続けてしまう患者さんもいます。

 実際に、大腸内視鏡検査を受けた方で、痔を持っている患者さんもいます。でもその時は以前から出血や腫れ、そして違和感等、検査前から自分が感じる自覚症状を持っている方です。

お尻の病気は必ず自覚症状がある。

 肛門の病気は必ず、出血や腫れ、痛みなどの自覚症状があります。なんの症状もないのに気が付いたら痔が悪くなっているということは有りません。例えば排便時に出血した。痔が悪くなっていくのであれば、出血の頻度が段々頻回になる。また出血の量も増えていくなど、自覚症状がでて、痔が悪くなると、その症状が強くなっていきます。ですから自分の感じる症状がなく、気が付いたらいつの間にか痔がすごく悪くなっているということは有りません。

大腸内視鏡検査の時に「痔がありますね。」と言われるのは。

 ではなぜ、自分の感じる自覚症状が無いのに、大腸内視鏡検査の際に「痔がありますね。」と言われてしまうかです。

 その一番の原因は大腸内視鏡検査をする前に下剤を飲んで、何回も、何回も下痢をするところにあります。

 大腸内視鏡検査をする際に大腸に便などが残っていると、せっかく検査をするのに、便で観察できないところがあると、もしその部分に何か病変があった場合、その病変を見逃してしまうことがあります。
 ですから、大腸内視鏡検査をする際は、大腸に便などが全く残っていない状態にしなければなりません。そのためにとても辛いのですが、下剤をたくさん飲んで、スッキリ便を出すことになります。この際に日常ではない、頻回の下痢になります。

頻回の下痢が一時的に肛門を悪くする。

 おそらく、大腸内視鏡検査を経験した方は、頻回の下痢のために、肛門が痛かったと思います。大腸内視鏡検査のために仕方のないことですが、頻回の下痢で肛門の状態は悪くなります。内痔核が出来る静脈が頻回の下痢で鬱血したり、頻回の下痢で肛門上皮に傷がついて裂肛になてしまうことも有ると思います
 でも通常の便に戻り、日常に戻ることで治っていきます。また、入浴なども有効です。
 このように頻回の下痢は、この大腸内視鏡検査の時だけです。ですから、検査の際に医師から「痔がありますね。」と言われても心配はいりません。
 「そりゃそうだろう。あんなに検査前に頻回の下痢をしたんだから、一時的に肛門の具合も悪くなるよ。検査の後ゆっくりお風呂に入って温めて、便の具合がもとに戻れば、直ぐに治ってしまうよ。」と気楽に構えて下さいね。

 もともと出血などの痔の症状がある方や、やっぱり自覚症状はないけれども「痔がありますね。」と言われたことが心配でしたら遠慮なく肛門科を受診して下さいね。

2021.02.24

膿が溜まった場合は、抗生剤では治りません。

 2月ももうすぐ終わります。やっぱり2月はあっという間に過ぎていきました。

 さて、今週に入って、肛門周囲膿瘍の患者さんが多く受診されました。

 肛門周囲膿瘍で膿瘍が形成されてしまうと、切開して膿を出す必要があります。そうしなければ膿瘍はどんどん広がってしまい、痛みだけでなく38℃以上の発熱することも有ります。
 最近は新型コロナウイルスの感染もあって、「肛門がとても痛いのですが、熱もあって。診察してもらえますか?」という電話もあります。肛門周囲膿瘍の場合熱が出ることがあります。
 肛門が腫れて痛くて熱がある場合は肛門周囲膿瘍を強く疑います。そのような場合は直ぐに連絡して状況を医療機関に伝え、早く受診することが必要です。
 今日、受診された肛門周囲膿瘍の患者さんも肛門が急に痛くいなって微熱も続いているという症状でした。「熱の原因は、肛門周囲膿瘍のせいですよ。切開して膿を出すと痛みだけでなく、熱も下がりますよ。」とお話すると、肛門周囲膿瘍はとても痛く辛い病気ですが、ホッと安心されました。
 切開排膿して楽になって帰宅されました。

 また先日は、肛門腺から表面に膿瘍が広がらずに、直腸の方へと膿瘍が広がっていく直腸周囲膿瘍の患者さんが受診されました。
 最初に受診された時はまだまだ、強い痛みはなく、直腸診で、少し硬く触れるところがあり、その部分を押さえると痛みがあるという程度の症状でした。まだまだ切開しなくていいのではと判断して、抗生剤と消炎鎮痛剤で経過を診ました。
 「経過を診る」ということは、抗生剤や消炎鎮痛剤を内服しても痛みなどの症状が強くなった場合は直ぐに受診していただくということです。症状が悪化した場合には、何時でもすぐに切開して膿を出す準備をしておくということです。
 抗生剤と消炎鎮痛剤の内服で一端痛みはなくなり軽快したのですが、内服を止めてしばらくすると同じように痛みが出てくる。もう一度内服薬で経過を診てみると、やはり同じように内服しているときは症状が軽快しますが、病めるとまた痛みなどの症状がです。やはり切開して膿を出す必要があると判断して切開しました。
 ただ、直腸周囲膿瘍の場合は、肛門全周を局所麻酔して。括約筋の緊張をとって十分に肛門が広がるようにして、直腸の粘膜から切開していきます。肛門周囲膿瘍とは少し違います。直腸粘膜から直接切開して排膿するため、切開して排膿するだけで良くなることが多いです。

 今日も肛門が急に痛くなったという患者さんが受診されました。症状から肛門周囲膿瘍かと判断して診察してみると、まだ膿瘍は形成していませんでした。
 膿瘍を形成してしまうと、抗生剤や消炎鎮痛剤の内服だけでは治りません。切開排膿が必要です。
 ただ、触診してみると、触って抑えると痛みはあるものの、まだ膿瘍の形成は見られませんでした。
 膿瘍を形成すると、触診で硬く硬結として膿瘍腔を触れたり、膿が溜まってくると、少し硬い感じで、ぷよぷよと何かものが溜まっているように触るようになります。膿瘍が肛門の表面まで広がっている場合は、触らなくても視診で発赤や腫れを確認することが出来ます。でも見ただけではわからない肛門周囲膿瘍もあります。指で触ってみることで肛門周囲膿瘍であることがわかります。
 でも、硬く硬結として触れなかったり柔らかく膿が溜まっている所見が無い場合は、まずは抗生剤や消炎鎮痛剤を投与して経過を診ることにしています。
 この抗生剤と消炎鎮痛剤の投与で膿瘍を形成していない場合は治っていくことも有ります。でも「経過を診る。」なので、内服していても痛みが強くなってきたり、内服を止めるとすぐに同じように痛みが出てくるなどの症状が出るようであれば切開して膿を出す必要があります。 

2021.02.19

61歳になって、頂いた花を見ながら。

 今日、219日、私は61歳になりました。京都に帰ってきたのが34歳の時。あっという間の26年でした。自分のやりたかったことが出来ているかなあ?などと思い返しますが、毎日毎日があっという間に過ぎていくような、そんな気持ちです。でも確実に進化して進んできているように思います。まだまだこれから、頑張っていきたいなあと思います。

 私自身、今でも京都に帰ってきた時の34歳のままの、若さでいると思っています。でもその頃の自分の写真を今と比較すると、やっぱり京都に帰ってきた時は本当に若い!こんな若い時に京都に帰ってきてよくこれまでやって来たなあと言う気持ちと、いろんなことがありましたが、やってこれるんだという自信を持つこともできました。これからどんなことがあるかわかりませんが、きっと乗り越えていけるんだろうなあと思います。

 新型コロナウイルスの感染拡大のなか、zoomなどのwebでの会議が多くなってきました。コンピューターの画面の中に映る自分を見ると、「老けたなあ。」と思います。髪も白くなったし、髪も薄くなって、またシワも増えて、おじいさんに近づいているなあと思ってしまいます。でもでも気持ちはまだまだ若いです。若い気持ちを忘れずにこれからもチャレンジしていかなければ。

 診療所の近くの集花園というお花屋さんがあります。そこのご主人が今日の昼に誕生日のお祝いに花を持ってきてくださいました。直接お礼が言えずに、失礼してしまいました。

 持ってきてくださったお花、バラ、ヒマワリ、ユリ、ガーベラ、そしてランなどがたくさん、可愛らしく綺麗にアレンジされたものでした。本当に感謝です。とても嬉しく思いました。

 今日、仕事が終わって、何時もの様に母を迎えに行きました。母にも今日頂いた花を見せました「綺麗ね。」と一言。いただいた花は、母の家に飾っておこうと思います。そのことを集花園のご主人にメールすると、「先生でしたら、お母様にお渡しされるかと可愛く仕上げました!素敵な歳をお迎えくださいませ!」と返事をいただきました。私の事と、そして私の母のことも考えてアレンジしてくださったのだと感じ、さらに感謝です。

 なにも無い母の家の部屋に、アレンジされた花が飾られるだけで、部屋が一気にパッと明るくなります。そして華やかな雰囲気になります。また、気持ちも優しく、温かな気持ちになります。花があるだけで、部屋の空気がガラッと変わります。凄いことだと思います。

 61歳になって今思うことは、この花の様にそこにいるだけで、周りを明るくする、そして温かな気持ちにする。そんな存在になれればいいなあと言うことです。

 母は今椅子に座ってテレビを見ています。音楽を聴きながら少し頭を揺らしてリズムをとっているかのようです。私はそんな母と、今日頂いた花を見ながら、今の気持ち、そしてこれからの想いを、なんとなく、柔らかい空間の中で考え、感じています。

 

2021.02.16

「春の息吹き ひな祭り 3月の献立」を紹介します。

 3月のレシピの最後は、「春の息吹き ひな祭り」をテーマでの献立を紹介します。

 ひな祭りの料理で直ぐに頭に浮かぶには「ちらし寿司」です。「ちらし寿司」ですが、私が思い浮かぶのは、酢飯に調味した具材を混ぜて、錦糸卵や海苔などで飾りつけしたものです。

 ところが、東京にいた頃は、白い酢飯の上に、握り寿司に用いる寿司ねたを並べたものを「ちらし寿司」と言っていました。京都から東京に行って「ちらし寿司」が違うことにびっくりしました。江戸前寿司ではこのように白い酢飯の上に寿司ネタを並べたものを「ちらし寿司」と言うようです。

 私たちが思い浮かべる「ちらし寿司」の具材には、海老や蓮根、さやえんどうや甘く味付けした椎茸、筍などがあります。お節料理と同じように、海老は「背中が丸くなるまで長く生きられますように。」。蓮根は穴が開いていることから、「先まで見通しがきくように。」。豆は「健康でまめに働けるように。」。筍は「すくすく育つように。」など意味が込められています。娘や子供の成長を願う思いが「ちらし寿司」には込められているんですね。

 今日のレシピにはありませんが、きっとそれぞれの家で、その家の「ちらし寿司」があるんだと思います。

 さて3月の献立は、これまでレシピを紹介してきた、生節とふきの炊き合わせ、かぶのポタージュ、菱餅風ご飯、甘夏とキウイのサラダ、ふきのおかか昆布和え、それに菜の花の辛子和えの計6品です。

 是非、ひな祭りの日にでも作ってみて下さいね。

3月の献立

1人分 約750kcal、たんぱく質35

・生節とふきの炊き合わせ
・かぶのポタージュ
・菱餅風ご飯
・甘夏とキウイのサラダ
・ふきのおかか昆布和え
・菜の花の辛子和え

管理栄養士さんからの一言

ひな祭りの料理

 桃の節句・ひな祭りのお料理といえば、「ちらし寿司・はまぐりのお吸い物・白酒・菱餅・ひなあられ」などでしょうか。
 この中の『菱餅』は雪の下から新芽が出て桃の花を咲かす様子で桃色は「魔除け」白は「清浄」緑は「健やかな成長」をあらわしていると言われています。
 それぞれのお料理に込められた思いを感じながら、今回は菱餅をご飯で、白酒をかぶのポタージュで、新芽の息吹をベビーリーフのサラダで作ってみました。 春のほろにが食材とともにからだを目覚めさせましょう。

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