「人参葉のかき揚げ」のレシピを紹介します。
5月のレシピは、「風薫る季節」をテーマに紹介しています。
桜はもう散って葉桜になっています。まだ、朝夕は冷え込んでいますが、日中は本当に暖かくなりました。花粉症の方もそろそろ収まってきたころかなあと思います。季節もこれマラ過ごしやすいとてもいい季節になります。木々の緑も眩しく、本当に「風薫る季節」になってきました。
木々の輝く緑の葉を見ると、気持ちもウキウキしてきます。なかなか大勢の人と一緒に楽しむことはできませんが、これからの季節楽しみたいと思います。
さて、今回のレシピは「人参葉のかき揚げ」です。
人参はオレンジ色の根っこを食べるだけではないんですね。人参の葉っぱも食べれるんですね。あとから管理栄養士さんの一言で紹介しますが、人参の葉にもいろんな栄養素が含まれているんですね。
そういえば、私の家でも人参の葉を細かく切ってごま油で少しピリ辛にして、白い熱々ご飯のお供にすることがあります。いくらでもご飯が進んでしまいます。
今回はかき揚げ。パリッと上げてサクッと食べる。食感もいいですよね。天つゆで食べてもお塩で食べてもいいですよね。人参の葉のかき揚げ丼も美味しいかもしれませんね。
では、レシピを紹介したいと思います。
「人参葉のかき揚げ」
(1人分)エネルギー 約200kcal たんぱく質 3g 食物繊維 1g
材料(2人分)
人参葉 1/2袋
新玉ねぎ 1/2個
あさり(むき身) 1本
小麦粉 大さじ5
炭酸水 100ml
サラダ油 適量
作り方
- ①人参葉は3cmの長さに切り、玉ねぎは薄切りにする。
- ②ボールに材料を全部入れ混ぜる。
- ③油でカラッと揚げる。
*炭酸水で衣を作ることによりさっくり軽い衣になります。
*あさりの塩分でそのままでもおいしいです。
管理栄養士さんから一言
葉にんじん
人参は葉にも栄養が豊富に含まれています。普段食べている根の部分よりも多く、
ビタミンAは2倍以上、カルシウムは5倍も含まれています。
最近は水耕栽培で年中出回っており、軟らかく生でも食べられ、セリに似た風味があります。
油溶性のビタミンを含むので油と一緒の調理がおすすめです。
「さわらの山椒焼き」のレシピを紹介します。
5月のレシピは「風薫る季節」をテーマに「たけのこづくし」のレシピを紹介しています。
さて、「風薫る」はもとは漢語の「薫風」(くんぷう)を訓読みして和語化したものだそうです。「新緑の季節に、青々と茂った木々の間を風が吹き抜けていく様を表現したものだそうです。
4月になって、桜の花は散ってきましたが、ほかの木々たちは若葉が生き生きとしてきています。まだまだ深い緑ではなく、黄緑色した若々しい若葉、その眩しさが目に飛び込んできます。5月になると木々たちの若葉はさらに成長し、生い茂っていきます。その木々の間を吹き抜けてくる風。木々たちの薫りを私たちに運んできてくれます。その自然の力に私たちは癒されます。
また、今の時期、眩しいぐらいの若葉の輝き。また私たちの目だけでなく、体に、そして感性にもその自然が持つ力強さがしみ込んできます。何か、ウキウキしたような、未来への希望のような、そんなものを感じさせてくれます。
今、私たちはとても暗く、落ち込んだ社会に浸ってしまっています。自然の力を感じ、受け止め、明日への希望にしていきたいものです。
5月のレシピは「たけのこづくし」。今回第二弾は「さわらの山椒焼き」です。
さわらの西京漬けですが、お弁当にも美味しいですよね。暖かくても、冷めても美味しい。私はそう思います。また「さわら」は「鰆」と書きます。魚へんに春。字だけも春を感じます。
ではそろそろレシピを紹介しますね。
「さわらの山椒焼き」
(1人分)エネルギー 約250kcal たんぱく質 21g
材料(2人分)
さわらの西京漬け 2切
たけのこ煮 4切
粉山椒 適宜
作り方
- ①さわらは味噌をふき取って粉山椒をかけ、電子レンジで1分温める。
- ②①とたけのこ煮を魚焼きグリルで焼く(オーブントースターでも可)。
*先に電子レンジにかけることでこげやすい味噌漬けも綺麗に焼けます。
管理栄養士さんからの一言
さわら
魚へんに春と書くさわらの旬は春と思われますが、関西ではよく獲れる春を旬とし、関東では脂ののった冬を旬とするそうです。
産卵後の夏以外は1年を通して出回る魚ですがそれぞれの時期で味を比べるのもよいと思います。
さわらはサバ科の魚でDHAやEPAが豊富で、たんぱく質・カリウム・ビタミンB2も多く含まれていて、動脈硬化予防・高血圧予防・免疫力アップが期待できます。
「若竹煮と姫皮のメンマ風」のレシピを紹介します。
4月に入った最初は暖かかったですが、昨日今日とまた冷え込んでいます。
4月になり、桜の花は散り、葉桜になってきています。桜の花は散ってきましたが、そのほかの木々たちの若葉は、眩しいぐらい輝いています。渡邉医院の中庭の木々たちの若葉も本当に生き生きと輝き、力強い命を感じます。
5月のレシピは「風薫る季節」をテーマに管理栄養士さんは「たけのこづくし」でレシピを考えてくださいました。
管理栄養士さんからのメッセージを5月のレシピの最初に紹介したいと思います。
管理栄養士さんからのメッセージ
今回は5月としながら「たけのこづくし」にしました。今年のたけのこがいつまで出回るかは少し不安です。
生のたけのこは一時期しか出ず、出ると「食べなくちゃ」と思ってしまう食材です。
生からゆでるのは面倒くさい・難しい印象があるかもしれませんが火にかけて軟らかくなったら放っておくだけです。
もし、えぐみが抜けなければ、鮮度が落ちていたかもしれません。もう一度、ゆでる・冷ますを行ってください。
きっと今しか味わえない味に出会えること思います。
今回のレシピはゆでたたけのこを全部薄味で煮て、それから料理をしたものです。
もちろん市販のゆでたけのこを使っても同様に作れます。先に下味をつけておくことで汎用性が広がります。
もっと簡単に、市販のたけのこ煮をつかうこともできます。
その時の気分で選んでいただければと思います。
たけのこはたくさんの栄養成分も含んでいます。
まずは食物繊維、グルタミン酸、チロシン、アスパラギン酸などのアミノ酸、カリウム、亜鉛、パントテン酸などが多く、低脂質で低エネルギーの食材です。
便秘解消・疲労回復・高血圧予防・細胞の生成・味覚の正常化・ストレス軽減などいろいろな効能が期待できます。
ただし、食べ過ぎには注意が必要です。食物繊維もとり過ぎは不調をきたしますし、 えぐみの素であるシュウ酸やチロシンから生成されるメラニンなど体にとって害になる恐れもあります。
食品はどれも有用な面と不用な面の両方を持っているので同じものを大量にとらず、いろいろなものをとることが大切になります。
では5月のレシピのまず第一弾は「若竹煮・姫皮のメンマ風」です。
「若竹煮」
1人分 約50kcal たんぱく質 5g 食物繊維 5g
材料(2人分)
たけのこ煮 120g
カットわかめ 3g
カットわかめを水で戻し、たけのこ煮に入れて軽く温める。
たけのこ煮(生のたけのこから)
作り方
- ①たけのこの土をおとし先端を斜めに切って縦に半分くらいの切り込みを入れる。
- ②たっぷりの水にぬか(米のとぎ汁)と①を入れて軟らかくなるまでゆでる。
- ③冷めるまでそのままつけておく。
- ④皮を取り、姫皮を外してきれいに洗う。
- ⑤昆布とかつおでだしを取り、塩・しょうゆ・みりんで味付けし④を煮る。
- ⑥だしパックにかつお節を入れ、⑤に入れて一煮立ちさせそのまま冷ます。
姫皮のメンマ風
姫皮 めんつゆ ごま油
①茹でた姫皮を千切りにしめんつゆとごま油で和える。
「明暗」の痔瘻
今、夏目漱石の「明暗」を読んでいます。どうしてかというと、明暗に出てくる「津田」という人が、肛門の診察を受け、痔瘻と診断され根治術が必要だといしゃから言われるシーンから「明暗」は始まるからです。
夏目漱石も漱石日記の中に、医者の所に行き、「痔の中を開けて疎通を良くしたら五分の深さと思ったものがまだ一寸程ある、・・・・」という記事があるそうです。夏目漱石もの治療に通い、一週間程度入院したこともあったようです。「痔の中を開けて」はおそらく肛門周囲膿瘍に対して切開排膿をしたことを指すのでしょう。また深さが一寸あるというのも、一寸は約3㎝であることから、肛門の出口から2~3㎝ほど奥にある肛門腺が原因ということだったのだと思います。
「明暗」冒頭に、「医者は探りを入れた後で、手術台の上から津田を下した。」とあります。そして疎通を良くするためにがりがり掻き落としてみたとあります。おそらく膿が出てくる瘻管の中をえいひ等で掻破したのだと思います。でもジオ労は瘻管の中を掻破するだけでは根本的には治りません。そこで医者は「根本的の手術を一思いに遣るより外に仕方がありませんね。」と痔瘻根治術を進めたということです。読んでみると今と昔、手術の基本は同じです。切開して瘻管を開放創にする、そういった手術を説明しています。術後については、「すると天然自然割かれた面の両側が癒着して来ますから、まあ本式に癒るようになるんです。」と。切開した開放創が自然に肉が盛り上がり治癒していくということを話していることになります。
痔瘻の手術も随分進んできています。でも内痔核の治療と違って、基本的なところは今も昔も変わりません。原発口と原発巣を瘻管を含めて摘出したり、開放創にするのが痔瘻の根治術になります。まだまだ痔瘻の治療は変わっていく部分は多いと思います。
さて、話の続きに津田が「もし結核性のものだとすると、・・・」というところがあります。痔瘻と結核?と思われる方もいると思います。昔は、肛門周囲膿瘍やそこからの痔瘻の原因に腸結核が原因で起きることがありました。現在も結核に罹患される方はいますが、痔瘻の原因になることはまずありません。今は大腸菌などの腸内細菌が原因となります。
昔は結核が基礎にある痔瘻は治りにくかったのだと思います。現在、痔瘻で問題となるのは、潰瘍性大腸炎や特にクローン病などの炎症性腸疾患による痔瘻が難治性で問題になります。クローン病では、本来の肛門腺の感染で起きる肛門周囲膿瘍から痔瘻に移行することもありますが、クローンによる直腸の潰瘍などによってそこからの膿瘍形成から痔瘻になる場合があります。ですから、痔瘻となる原発口や原発巣を処置することが難しかったり、痔瘻の手術をすることが体に侵襲をあたえ、もとにあるクローン病や潰瘍性大腸炎の状態が悪くなったりすることがあります。こういった炎症性腸疾患などを基礎に持つ患者さんの痔瘻の手術に関してはクローン病や潰瘍性大腸炎の状態が落ち着いていて、しかも手術に関してもできるだけ体に侵襲のない方法で行う必要があります。
さて、「明暗」が書かれたころの痔瘻の診察や治療も興味ありますが、未完結の小説読み切ろうと思います。
夢の中で手術を?
4月になって、今年は早く開花した桜も、満開から少し散り始めています。明日は雨の天気予報。花散らしの雨になってしまいますね。桜の花を楽しめるのもきょうまででしょうか?
桜の花は散っていきますが、渡邉医院の庭の木々の若葉は眩しく輝いています。毎年同じことの繰り返しですが、自然の力、命を感じることが出来ます。これから木々の葉も茂っていくのでしょう。
先日、庭の草むしりと掃除をしました。本当に運動不足なのか、直ぐに筋肉痛になってしまいました。もう少し運動をしなければとつくづく実感しました。庭の草むしりをしていると、ところどころに小さな花をつけたスミレを見つけました。そういえば母もこの小さなスミレが好きでした。庭師さんがそのスミレを植木鉢に植え替えて、母にプレゼントして下さったことを思い出します。
さて最近、患者さんからこんな話を聞きました。朝、術後の患者さんの病室に行って具合を聞きに行くのですが、その時に患者さんがこんな風な話をされました。「手術の前の日に夢を見ました。先生に手術をされている夢です。リアルな感覚でした。実際に手術を受けるときも、夢と同じ感覚で、なにか安心して手術が受けられました。」と。何か不思議な感じです。「不思議なことがあるんですね。」と二人笑いながら話をしていました。でもよく考えると、その患者さん、夢と現実との2回も手術をされてしまったということですよね。後から考えると少しかわいそうな気がしました。でも夢を見た後の手術が安心して受けられたのならば、それも良かったのかなあと思います。
でも手術の前に手術をされる夢を見る。やはり、患者さんにとって手術は、夢にまで出てくる不安なことなのだと思います。どんなふうに麻酔をするのだろう?手術はどうするのだろう?手術中は痛いのかなあ?手術の後の痛みは?手術をした後具合よく治っていくのかなあ?等、いろんな不安がどんどん溢れ出してくるのだと思います。
そういった不安をどうしたら少しでも解消してあげることが出来るのか?
患者さんの抱く不安を全て取り除くことは無理だと思います。でも正しい情報を正しいタイミングで患者さんに提供することで、随分不安は取り除けるのだと思います。全ての情報を一時期に患者さんに話をしても、「手術和しなければならないんだ。」という想いがあるとどうしても医師の話を十分に理解することは難しいと思います。患者さんに伝えたいことは、同じことでも何回も何回もお話することが大切ですし、今、患者さんに必要な情報をしっかり見極めて、お話する。この方が一時に一気にすべてを伝えるよりは十分に伝えたいことを患者さんに伝えることができると思います。
私も、コンピューターの事や、電気機械のことを一気に話をされていてもわからないことが多いです。また、その時は解った気がしても、後になってどうしたらいいのかわからないことも有ります。患者さんにとっても同じことだと思います。
時間をとって何回もお話して、患者さんが聞きたいことは同じことでも何度も繰り返しお話することで、ある程度不安を取り除けるんだと思います。
ですから、何か不安なこと、心配なことがあれば、遠慮なく何回でも質問して下さいね。そのことがお互いに有益なものに繋がっていきます。
〈第5次提言〉新型コロナウイルス感染症による生命と健康の危機を乗り越える 保健医療体制のさらなる改善に向けた提言
コロナ禍を1年経験し、京都府保険医協会は、これまでも様々な要請や提言を出してきました。
この1年の経験を踏まえて、改めて第5次提言を京都府に提出しました。
今回はその内容を紹介します。
〈第5次提言〉新型コロナウイルス感染症による生命と健康の危機を乗り越える
保健医療体制のさらなる改善に向けた提言
- 1.新型コロナウイルス感染症対策にかかる方針決定プロセスと府民への情報公開について
今後の感染拡大に備え、これまで以上に日々の感染状況の把握・分析を強めつつ、感 染症専門家の意見はもちろん、現場医療者や福祉関係者からの意見も踏まえた方針決 定がなされるようにしていただきたい。また常に対応を振り返り、課題を抽出し、それ を踏まえて方針を見直すPDCAサイクルを確立していただきたい。方針決定プロセ スについては京都府民に情報公開していただきたい。
2. 診療・検査医療機関、発熱患者受入医療機関について
(1) 京都府としての診療・検査体制の整備目標の明確化 京都府として、府内全市町村ごとに診療・検査体制の確保目標(人口当たり医療機関数、1日当たり患者受入可能数・抗原検査またはPCR検査実施可能件数等)を立て、実現を目指していただきたい。
(2) 公的発熱外来の設置、地区医師会独自の取組への補助制度の創設
診療・検査医療機関の指定医療機関リストを各指定医療機関の合意を前提に、地区医師会単位で共有できるように提供していただきたい。 診療・検査医療機関、唾液PCR実施の集合契約に参加する医療機関が広がる一方、各地区医師会は自主的な発熱外来や検査センターの設置を進めている。こうした独自の取組に対する財政支援を行っていただきたい。 要請項目(1)で定めた目標に照らし、医療資源が少ないこと等から達成の難しい地域 において、公的発熱外来を設置していただきたい。
(3) 診療所の相談体制構築に対する補助制度の創設
京都府の新型コロナ医療相談センターの機能を充実するとともに、府民の新型コロナウイルス感染症に関する疑問・不安に応え、必要に応じて診療・検査につなぐ役割を果たしている診療所に対し、独自の補助制度を創設していただきたい。
(4) 検査を行わない発熱患者受入医療機関も診療・検査医療機関の指定を
2020年9月4日の国通知は「診療・検査医療機関(仮称)」は、「検査(検体採取)を地域外来・検査センターに依頼することも可能」とされ、9月29日のQ&Aでも「発熱 患者等専用の診察室を設けた上で発熱患者等の診療を行う」医療機関であって、「イン フルエンザの検査及び新型コロナの検査を地域外来・検査センター等に依頼する」場合も、診療・検査医療機関になれることが書かれている。感染再拡大が危惧される現状において、より多数の医療機関による発熱者の受入が可能となるよう、京都府においても国の通知に沿った指定要件に改めていただきたい。
- 3.保健所も参加する地域単位での病院連携・調整会議の設置について
新たな感染拡大を前に、さらなる受入病床の確保が求められている。医療機関相互の協力・支援による受入体制強化の実現を目指し、二次医療圏並びに京都市域の単位に「新型コロナ対応地域医療 連携体制調整会議」(仮称)を京都府の呼びかけで設置 していただきたい。その上で、地域単位で入退院調整の仕組みを構築していただきたい。
〈入院医療機関の連携のあり方・例〉
・新型コロナウイルス感染症患者について、病院機能に応じ、重症・中等症・軽症患 者の受入何れについても受入先を1床でも2床でも確保していただく
・新型コロナウイルス感染症患者の受入が難しい病院は、上記に伴って逼迫する他 の通常の疾患の入院患者についての受入を担っていただく
・重症患者を受け入れる医療機関において、当該患者が重症期を脱した場合には、 他の医療機関へスムーズに転院できるようにする
・医療機関同士の医師・看護師はじめ、医療スタッフの応援派遣を可能にする
4. 自宅療養・入院待機中の医療保障・生活支援について
(1) 自宅療養中・入院待機中の府民への福祉サービスの保障を
自宅療養、入院待機となった方に対する健康観察を実施する際、保健所は福祉事務 所等、他の保健・福祉部門と連携し、福祉サービス事業者から引き続きサービスが提供されるようにしていただきたい。そのために、各事業所への助言、アドバイス、感染防護についての知識の伝達等を行う等の事業者支援も行っていただきたい
(2) 自宅療養中・入院待機中の府民への外来医療の保障を保健所は自宅療養、入院待機となった方の外来医療の必要性を把握し、地域の医療 機関につなぐ役割を果たしていただきたい。同時に、感染拡大時に保健所機能が逼迫することも想定し、保健所のもとめがなくとも往診等を医療機関独自の判断で行う場合の情報共有の方法等をルールとして明示していただきたい
(3) 自宅療養中の生活支援の充実を
自宅療養・入院待機・濃厚接触による自宅待機中の方々の買い物等の支援は、保健所 をハブに役所の他部署と連携して公的に行っていただきたい
(4) 生活支援も含めた包括的な感染症対応の実現を以上の事項を実現するため、京都市においては行政区単位、京都市以外においては 市町村保健センター単位で、個々の住民に対する生活支援も含めた包括的な感染症対 応が可能となるよう、至急、体制を確立していただきたい
5. 変異株への対応、次なる感染拡大を抑えるために感染再拡大の兆候が表れている。京都府においても変異株が確認されており、至急の対策が必要である。変異株に対する徹底した監視体制の強化、積極的疫学調査の徹底とあわせ、保健福祉医療施設の従事者・利用者・入所者や医療機関従事者に対する PCR検査が定期的に行えるようにする等、検査対象を拡大していただきたい
以 上
肛門の病気以外でも肛門は痛くなることがある。
あちらこちらの桜がたくさん咲き誇ってきています。桜の花の見ごろかなあと思います。
明日の日曜日は残念ながら雨の予報。桜の花を散らしてしまわなければいいなあと思います。もう少し美しい桜の花を楽しんでいたいなあと思います。やはり桜の花を見ると、心ウキウキしてきます。先日、夜桜を見に行きました。今年は、いつもなら大勢の人でにぎわう桜の木の下もひっそり。私たちだけでした。静かに花見。これもまたいいなあと思います。
さて、今回は肛門の痛みに関してお話したいと思います。
外来診療をしていると、「肛門が痛い。」という症状で受診される患者さんが最近多いかなあと思います。肛門が痛い病気には、血栓性外痔核などのように血栓が詰まって晴れていたくなる病気や、肛門周囲膿瘍のように化膿して腫れていたくなる病気もあります。また裂肛のように排便時に便が硬かったり、反対に下痢などで肛門上皮に傷がついたりして痛みがでる病気もあります。でもこれらの病気は痛みの原因がはっきりわかっている病気です。
血栓が詰まって腫れていたい場合は、消炎鎮痛剤の座薬などを使って、腫れをとることで痛みは軽減します。そして血栓は時間とともに溶けて、吸収して治っていきます。場合によっては痛みが強いときは、血栓を手術で摘出すれば痛みは楽になります。肛門周囲膿瘍のように膿がたまった場合は、切開して溜まっている膿を出すことでスッと痛みは楽になります。裂肛は言ってみればけがと一緒です。傷がついた肛門上皮は軟膏などをつけて手当てをして、傷がついてしまう排便の状態を良くすれば治っていきます。
ただ、肛門に痛みを感じる原因はこういった明らかにわかる病気があるだけではありません。ここが肛門の痛みを診察する難しいところです。
肛門に何の病気がなくても、肛門が痛くなることがあります。
その一つは、直腸に便が残ったままになっていたり、便が詰まっていたりする場合です。直腸は便があってはいけないところです。直腸と肛門とで便を出すところです。ですから、直腸に便が残っていたり、詰まったりしてしまっている場合、肛門が痛くなってしまいます。この場合は、スッキリ便を出して、緩下剤などで排便の状態を良くしていくと痛みで悩むことがなくなります。でもこれもある意味、肛門の病気です。
また、肛門の括約筋が強く締まる場合も痛みがでることがあります。
寒い時期に洗浄便座の洗浄を温水で洗うと何ともないのですが、冷たい水で洗うと、痛みが出ます。これは冷たい水が肛門にあたることで、括約筋が収縮して、この収縮が痛く感じたり、冷たい水が当たることで肛門の血液の流れが悪くなったり、肛門が収縮することでもさらに血流が悪くなります。このことが肛門の痛みの原因になります。
人間は寝ているとき以外は、常に肛門は心臓より下にあります。そうするとどうしても夜になると肛門の鬱血が起きてしまいます。このことは避けることはできません。人間が二足歩行をするようになった宿命です。こうした一日の鬱血を解消しようと肛門が収縮することがあります。この収縮が強いときに痛みが出ます。肛門の動きを痛みとして感じることとなります。そしてこの痛みはたいていが夜中、寝ているときにおきます。突然夜中に肛門の痛みを感じて起きてしまうことがあるという患者さんがいます。その原因はこの肛門の収縮です。温めてあげたり、軟膏をつけながら肛門の緊張をとるとよくなります。
さて、肛門とは全く関係なく、肛門が痛くなることがあります。例えば腰の具合が悪いと肛門に痛みが出ることがあります。腰の具合が悪いと、足がしびれたり、歩いていると足が痛くなったりすることがあります。これは腰から足へ行く神経が圧迫されたりすることが原因です。これと同じ理由で、肛門の神経もこしから来ます。腰の具合が悪く、肛門へ行く神経が圧迫されたりすると、痛みが出ます。この場合、立っているときよりも座っているときに肛門に痛みが出ます。これは立っているときよりも、座っているときのほうが腰への負担が大きいからです。こういったことが原因での痛みは、肛門の治療ではなく、腰の治療が必要になってきます。
さらにこれだけでなく、精神的なストレスが強いときも肛門が痛くなることがあるようです。ある肛門科の先生が、肛門が痛いという症状で受診された患者さんに、ストレステストをした際に、ストレスを強く感じている患者さんが多い傾向にあると言っておられました。日常のストレスを解消することも肛門の痛みをとる方法にもなるんだなあと思います。
このように肛門に痛みを感じる場合は、肛門の病気だけではありません。ですから、痛みを症状として受診された患者さんに関しては、いろんなことを想像しながら診察にあたる必要がありますし、痛みの治療はやはり難しい一面もあります。
医師の方も、肛門の痛みに関してはいろんな原因があることを頭に入れて診察する必要があります。そして患者さんの訴えをしっかり受け止めることも、患者さんの痛みの緩和につながるのだと思います。
第4回日本臨床肛門病学会学術集会を終えて。
桜も大分花が開いてきました。今週末には満開になるかなあという勢いです。
自宅近くの桜もきれいに咲いてきました。今年もゆっくり花見はできないかなあと思いますが、妻と二人で、ぷらっと桜の花を見に行きたいなあと思います。
さて、3月21日に第4回日本臨床肛門病学会学術集会が開催されました。今年もwebのみの開催でした。先生方と生の議論が出来ないのが寂しいですし、学会後の懇親会などでの話題提供もとても勉強になるのですが、webだけの学会だとそういったこともなく残念です。
でも、やはり学会は学会!とても勉強になります。またいろんな先生の発表を聞くことで、とても良い刺激を受けます。
今回のテーマは「複雑痔瘻(坐骨直腸窩痔瘻)の手術」でした。
痔瘻は患者さん一人一人すべて違います。ですから、患者さんの痔瘻の原発口、原発巣がどこなのか?そして二次口までの瘻管がどのように伸びているのかを、しっかり診断する必要があります。特に複雑痔瘻の場合は肛門の6時(後方)にできるのですが、その部分はかなり奥深い部分に瘻管が進み、肛門の左右に瘻管が広がっていくパターンが多いです。また二次口が複数ある場合もあり、原発口、原発巣からどのように瘻管が進んでいるのか?どのように枝分かれしていくのかを見極めなければなりません。
その診断に、大きな病院や肛門専門の病院ではMRIや超音波検査などを用いて瘻管の深さや走行を画像で診断し、それをもとに手術を進めていく施設もあります。ただ、そういった画像診断ができない医療機関の方が多いです。そういった場合は、やはり一番頼りになるのが指診です。
肛門指診でどこに原発口があるのか、また、瘻管がどのように進んでいるのかを触診で診断していきます。その触診の方法として双指診があります。
示指を肛門内に入れ、原発口を触知します。そして肛門の外側から親指をあて、示指と親指とで瘻管の走行を診断していきます。二本の指で硬く触れる瘻管をみていくわけです。また左右に広がる瘻管も触診で硬い索状物として触知することが出来ます。また、渡邉医院では肛門周囲の局所麻酔で手術をしていますが、その局所麻酔をする際の針の刺さり具合、刺した時の抵抗、硬さでも瘻管の走行がわかります。やはり瘻管の部分や炎症を起こした部分は麻酔の針を刺す際に硬く感じます。時々側方に痔瘻だと思っていたら、麻酔の際にその針の刺さり具合で、後方から側方へと瘻管が伸びる瘻管とわかる場合もあります。
このようにMRIや超音波検査が無くても痔瘻の瘻管の走行を診断することが出来ます。
また最終的には、手術の際に丁寧に瘻管を剥離していく際に瘻管の走行は解ります。
複雑痔瘻は、深い部分を瘻管が進んでいきます。しっかりとその走行を見極め、一番大切なところは、原発口、原発巣を的確に処理するところにあります。
6時(後方)の方向に原発口があり、左右のいずれか、または両方に瘻管が広がっていく複雑痔瘻の場合は、瘻管を含めて原発口まですべて開放創にすると、かなり大きな傷が出来てしまします。そのような場合はいろいろ工夫が必要となってきます。
複雑痔瘻の原発口、原発巣は6時の後方にあります。ですから、まずは6時の部分から原発巣、原発口を処理して開放創にする。
そして後方から側方に伸びる瘻管に対しては、瘻管内を掻把して不良肉芽を十分に取り除くだけで留めたり、二次口から6時の部分まで瘻管をくり抜いていく方法であったり、一端すべてを開放創にして、後方だけ開放創にして十分なドレナージをおき、側方のいったん開放創となった創は縫合して閉鎖するなどの方法があります。
傷が大きくなると、やはり治癒までの期間が長くなります。必要な傷はしっかり形よく残し、それ以外は縫合したり瘻管だけをくり抜いたり、掻把するだけにして、できるだけ傷を小さくすることによって治癒までの期間を短縮することが出来ます。その方法の選択にやはり経験が必要になってくると思います。
また、痔瘻の手術に関してお話する際に、いつもお話しているのが痔瘻の手術のジレンマ「機能温存と根治性」という相反する課題をどうするかにあります。
やはりそこに痔瘻の手術の難しさがあると思います。
赤ちゃんも、肛門周囲膿瘍や痔瘻になるの?
あちらこちらに桜が咲き始めました。今年は早く開花しましたね。渡邉医院の近くの千本今出川の交差点にある桜も、だいぶ花が開いてきました。この連休、日曜日は雨のようなので、明日、チョット桜の咲き具合を診てこようかなあと思います。
さて、今日診療所には赤ちゃんと一緒に受診された患者さんが多かったです。授乳できる部屋もあるので、遠慮なく赤ちゃんと一緒に受診して下さいね。
赤ちゃん連れが多かったので、今日は少し赤ちゃんの肛門の病気に関してお話しようと思います。
赤ちゃんも肛門の具合が悪くなることがあります。便が硬かったり、げりで肛門に傷がつく裂肛になったり、外痔核が腫れたりすることも有ります。でもいずれも便の調整をして、具合よく便が出るようになると治っていきます。
さて、赤ちゃんも肛門周囲膿瘍や痔瘻になることがあります。
原因は大人と一緒で、肛門腺に細菌感染を起こして化膿してきます。赤ちゃんの場合も、肛門周囲膿瘍になった場合は、切開して膿を出す必要があります。膿を出した後に痔瘻になっていく場合があります。
赤ちゃんにできる痔瘻を乳児痔瘻と言います。乳児痔瘻は男の子に多いです。そして、大人の場合は肛門の後方にできやすいのですが、乳児痔瘻の場合は、肛門の左右にできることが多いです。ここは大人と違うところです。生後1か月前後から1歳ぐらいの乳児期の赤ちゃんに比較的多くみられます。決して稀な病気ではありません。乳児期の不完全な免疫力が関係しているとも言われています。下痢や軟便が続いた後に、肛門の周囲が赤く腫れてきて膿を持つようになります。このような場合は乳児であっても切開して膿を出す必要があります。そしてその後、痔瘻になる場合があります。
でも大人と違って、痔瘻になっても赤ちゃんの成長と共に、1~2歳になるころには自然に治っていくことが多いです。これは乳児の時に痔瘻になっても成長と共に肛門も成長するとともに瘻管ふさがって、がなくなっていくことがあるからのようです。
赤ちゃんのお尻が腫れあがり、赤ちゃんも不機嫌になる。膿が出て痔瘻になる。お母さんにとってはとても不安になると思います。でも、肛門周囲膿瘍の場合は切開して膿を出す必要がありますが、痔瘻になっても、ほとんどの赤ちゃんは、1~2歳になるころまでには手術をしなくても自然に治っていきます。一部、2歳以上になっても痔瘻が治らない場合があります。でも慌てて手術する必要はありません。お子さんが大きくなってから手術で治しても全然遅くありません。
心配な時は、肛門科を受診して、医師と相談してみて下さいね。
「さくらづくし」の4月の献立を紹介します。
4月は『「さくら」満開』をテーマにレシピを紹介してきました。
あちらこちらで、桜の開花宣言が出るようになりました。非常事態宣言とは全く逆の、心ウキウキ楽しくなる宣言ですよね。京都はまだのようですが、今日のような良い天気だともうすぐかなあと思います。皆での花見はできませんが、それでも桜、楽しみたいなあと思います。
今日は昨日と違って、冷たい風もなく、本当に過ごしやすくなってきました。院長室の窓も開けたままでも、暖房を入れなくても過ごせるぐらいです。
そんな天気にも触発されて、午前中の外来が終って、手術のあと、院長室の掃除をしました。いらないものは捨て、整理して、掃除機をかけると本当にスッキリしました。確定申告のための書類等がありますが、確定申告が終るとこれもスッキリします。
スッキリすると、何時もは廊下に置いてある机をzoomの会議や食事をするときに院長室の中に運び込んで使っています。狭い院長室ですが、小さくていいので、机が欲しくなってしまいます。今度の休みにはチョット探しに行ってこようかなあと思います。
また、いつもお世話になっている飲み屋さんに、レトロな小さな引き出しがあります。診察室の祖父からもらった机の上における程度のレトロな引き出しがあれば、文房具や判子類をしまえるのになあと思い、そんなレトロな引き出しも探しに行きたいなあと思いました。やっぱり春という季節が、そんな思いを引き起こさせるのかなあと思いました。
さて、4月のレシピの取りは、今まで紹介してきたレシピを使っての献立です。
『「さくら」満開』の取りを務めるにもってこいの「さくらづくし」のメニューです。
是非作ってみて下さいね。4月の献立は全7品です。
4月の献立
・桜鯛の塩焼き くず仕立て
・たこの桜煮
・桜肉のレアカツ
・ささみの桜漬け巻き
・桜漬けと枝豆のおにぎり
・桜えびと切干大根の塩昆布和え
・桜ごま豆腐 桜餅風