新型コロナウイルス感染拡大で見直しが迫られる医療政策Part4
今回は4回目です。
無効化した地域医療構想と医療計画における基準病床数
2019 年秋、医療界を騒然とさせたのは厚生労働省による再編・統合を求める 424の公立・公的医療機関名の公表問題でした。これは全都道府県が策定した地域医療構想 (2016 年)の達成に向け、まずは公がコントロールしやすい公立・公的病院に「身の振り方」を決めさせようとするものでした。
このことに対して、医療界や自治体は厳しく批判しました。しかし、それにもかかわらず、国は今日に至るまで方針撤回することは有りませんでした。それどころか、2020 年 1 月 17日に「公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等について」という通知を都道府県知事宛に発出しました。。精査した再編統合を求める公立・公的医療機関リストと民間医療機関リストまで添えて、都道府県に対し、対象医療機関に対する再編・統合への働きかけを迫りました。
しかし、地域医療構想における「必要病床数」は、国が過去のレセプトデータから取り出した数字を使い、一律の計算式で弾き出した「医療需要推計」に基づくものに過ぎません。即ちパンデミックを想定しない病床数です。コロナ以後の世界において、もはや地域医療構想は無効化したといえます。さらに地域医療構想の本体である都道府県が6年に一度策定する医療計画も見直しが必要です。
全国一律の計算式で算出させられる基準病床数においては、感染症病床についても人口比に応じて、一律に病床数が定められています。
京都府の感染症病床は38 床、結核と合わせても188 床に過ぎません。一方の感染症法は、指定感染症に感染した患者の例外なき隔離を定めています。
そのため不足は当然起こるべくして起こりました。その結果、本来は感染症患者の受け入れを想定していなかった一般病床における患者受け入れがなし崩し的に行われました。 今や、コロナ以前の医療需要推計、必要病床数、基準病床数はすべて無効になったと指摘しなければなりません。少なくとも医療計画上の感染症病床の配置基準や一般病床の指定基準の見直しは急務です。
医療提供者改革も白紙にすべき
医師政策も同様です。国は全都道府県に医師確保計画を策定させました。 同計画は医師偏在指標、診療所医師については外来医師偏在指標を用いて、全ての都道府県と二次医療圏を「医師多数区域」「医師少数区域」「どちらでもない区域」に色分けし、多数区域における他区域からの医師確保や開業の規制を行うことで、地域間の医師数を「フラット化」し、一人当たり医療費の地域差を解消する仕組みづくりです。
医師の数が多いから医療費がかさむという発想です。しかし、偏在指標に使われた医療需要も地域医療構想と同様の手法で導き出されており、その点だけでも無効であると言えます。 新型コロナウイルス感染症は医療現場のマンパワー不足を露呈させました。
感染拡大で危惧される「医療崩壊」とは、陽性者の増加に対し、受け入れる病院・病床、そして医師・看護師ら医療スタッフが不足し、対応不能となる事態を指します。 新興感染症の危機と隣あわせであるにもかかわらず、それが現実となったときの備えがなされていなかった。そればかりか効率性だけを重視し、一貫して病床数・医療スタッフ数を抑制し続けてきたことの結果が医療崩壊の危機をもたらしました。
感染症病床を持たない病院でも、勤務医やスタッフが未知の診療に従事してきました。地域の開業医も防御する具体的手段を何ら与えられることもないまま、新型コロナウイルス感染症疑いの患者を受け入れ、PCR 検査につなぐ役割を担ってきました。その一方で通常の入院・外来患者が激減して、経営危機がおこりました。
2020年上半期(1月~6月)までの医療機関の倒産件数は12件です。2011年以降の10年間では2016年上半期の11件に次ぐ少なさです。ただ、これに関しては医療機関に対しての国からの支援金等で何とか持ちこたえているにすぎず、いよいよ病院など医療機関のコロナ倒産が大量に起きる可能性が高まっていると言われています。
これまでの診療報酬の改定、医療制度改革などによって、医療機関はこれまでぎりぎりの状態で経営をしてきました。そこに今回の新型コロナウイルス感染拡大。これまでの国の政策でボディーブローを受け続けている中での今回の新型コロナウイルス感染症の一撃。医療機関には厳しい状況。いつ倒れてもおかしくない現状です。
病院を始め医療機関の経営破綻は地域医療の崩壊に直結してしまいます。
国が想定していなかった感染症の流行は傲慢な医療需要推計に基づく医師数抑制策の過ちを告発するものとなりました。
新型コロナウイルス感染拡大で見直しが迫られる医療政策Part3
今回は第3回目です。
新興感染症に対峙できる公衆衛生政策の実現へ
新型コロナウイルス感染症は日本の感染症対策の弱点と限界を明らかにしました。 日本においては保健所が感染症対策の中核に位置付けられています。根拠法は地域保健法ならびに感染症法です。保健所は「公衆衛生に精通した医師」を司令塔に、パンデミックに際しては、疫学調査・防疫措置、住民への情報提供、保健指導の最前線に立つとしています。ただこのことに関しては、公衆衛生の充実を求めるために、「公衆衛生行政の充実を求める京都実行委員会」を立ち上げましたが、その実行委員会において、京都市の職員に聞く限りでは、医師を司令塔にして保健所が機能しているかは疑問があります。
保健所に関しては1994 年の保健所法改正、地域保健法への移行を境に、保健所数は減少の一途をたどってきました。これは保健所設置の基準が人口10 万人に1カ所から、二次医療圏単位に1カ所となったことによります。
保健所の数を減らす政策が採られた理由として、大きく2つのことが挙げられます。
1つは保健所の役割の変更です。地域保健法には新たに市町村保健センターが位置付けられました。それ以降、保健所が企画・調整業務、そして保健センターが身近な対人援助を中心とした保健サービスを担うこととなりました。
2つめは地方分権改革です。1996 年、地方分権推進委員会は3月の中間報告において、必置規制を解除する対象例に「保健所・児童相談所・福祉事務所」を挙げていました。さらに保健所長の要件から医師資格を外すことも提言していました。その結果、必置規制は残りましたが、保健所の数は減少、保健所長の医師資格要件は「原則」化されました。
しかし指定感染症に関する行政検査に保健所が関与することは必須です。保健所設置数・人員数ともに大きく減らされた状況は、PCR 検査実施の足枷となっています。 政令市である京都市は保健所が必置ですが、かつて行政区に1カ所設置していた保健所を一カ所に統合し、地域密着で地区医師会とともに住民の生命・健康を守ってきた機能を後退させてきました。その結果、住民への保健指導どころか、帰国者・接触者相談 センター(それすら民間企業委託である)に電話すらつながらないという問題を引き起 こしていました。
このように、国は永きにわたり保健所の役割を過小評価してきました。それは新興感染症の脅威に対する過小評価でもありました。もとより保健所は、感染症以外にも高齢者、精神、難病、食中毒等、様々な役割を担う機関であり、求められているのは府市民に寄り添い、アウトリーチで健康課題の解決を図る機能です。今後も新興感染症流行が予想されるにもかかわらず、感染症対策を都道府県・保健所にまる投げし、国が何の責任も負わない現状のままで良いとは考えられません。協会は国立感染症研究所や地方衛生研究所の在り方も含め、国が責任を持つ感染症対策の在り方を提言すべく準備中です。
「新型コロナウイルス感染拡大で見直しが迫られる医療政策Part2
前回の続きを紹介します。
感染症対策における公の役割を問う提言
これまでに京都府保険医協会は感染症対策における公の役割を問う4つの提言を出してきました。
第1次提言
第1次提言は3月25日に出しました。主に入院医療に関しての提言でした。
第1次提言では、まず、「COVID-19に対する医療提供体制確立の目的は、死亡者を減らすこと、同時に人々の不安感を軽減することを1番に掲げました。そして、「感染症対策加算Ⅰ」という施設基準を届けている33入院医療機関を中心にネットワークを構築して空床確保など、新型コロナウイルス感染に対応していくものとしました。また、重症者以外の入院は急性期病床、地域包括ケア病床など病態に応じた適切な施設で対応することも上げました。また対応する医療機関や施設に対して、国や自治体の経済的なバックアップや施設基準の弾力的な運用等も求めました。また、医療者の健康を保護し、モチベーションを維持し、医療提供体制を維持し、守るために、マスクや、消毒液などの感染防護装備の緊急確保を求めました。そして、ワクチンや治療薬の早急な開発、供給を求めました。さらに最後に、第1次提言から、感染症拡大の中で起こりうる差別や人権侵害の防止のための施策を求めました。
第2次提言
第2次提言は4月16日に出しました。第2次提言では外来機能に関しての提言が主で、特に公的な責任で発熱外来を設置することを求めました。
提言の中でまず一番に国に求めたことは、「コロナ以前」からの政策検討は一旦ストップし、COVID-19 対策に注力するよう求めた。コロナ禍において、国民や市民の命と健康、そして生活を守るために必要な課題が明らかになってきた。しかし、国はこのような中、以前として、コロナ以前の医療政策、社会保障計画を進めている。一端立ち止まり、本当に今まで進めてきた政策が正しかったのかをしっかり検証する必要がある。そして新たな政策を打ち出す必要がある。このことをまず求めました。
そして、京都府に求めたことは、
①医療機関が COVID-19 対応に注力できる支援を
②新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる入院医療体制の強化を
③緊急に PCR・抗体検査にも対応する発熱外来設置、保健所機能の活用・拡充を④地域医療を支える医療機関を守る取組を
⑤府民の生命を守るガイドラインの整備を
特に協会が求めているのは公的な責任で発熱外来を設置することでした。
そこには、京都府、京都市の本庁内に、医師等専門職を含めた対策検討チームを常設し、同様のものを地域の保健所にも設置する必要があること。
そして、保健所には、その敷地内に発熱外来を臨時で設置し、地区医師会の協力を得て開 業医・病院勤務医による輪番診療にしてはどうか。なお、京都府は、帰国者・接触者外来を30カ所から5月中旬までに40カ所に拡充する方針を示していましたが、当会としては帰国者・接触者外来を上記の発熱外来に切り替え、ここを拠点にPCRや抗体検査などによって新型コロナ感染の可否を判別して通常の医療提供体制につなげるべきであると考える。
といった提言でした。
第3次提言
第3次提言は、4月30日に出しました。
第3次提言は、京都府が、PCR検査の迅速化・拡大に向けて「京都検査センター」の設置を決め、これに対しての意見でした。京都府は「京都検査センター」を府内に5か所設置するとしましたが、協会としては京都市内は行政区単位、そのほかは二次医療圏単位での設置を求め、再度公的な発熱外来の設置についても求めました。
第4次提言
そして、8月17日に第4次提言を打ち出しました。
第4次提言は、今後のさらなる感染拡大を見据え、外来・検査、保健所の在り方、入院等の医療体制の抜本的拡充を提案しています。 外来・検査体制について、秋冬の季節性インフルエンザとの同時流行を視野に、公的な発熱外来を設置し、新型コロナウイルス、季節性インフルエンザのいずれにも対応できる検査可能な体制を整備するよう提案。同時に京都府と契約し、PCR 検査を担う医療機関に対しても、万全の感染防御態勢がとれるよう、医療資機材の確実な提供を求めました。 保健所については、公的発熱外来設置の主体者となるとともに、地区医師会と連携して保健所医師・保健師はじめスタッフが分担する地域の感染防止策、住民の心構え、感染した場合の医療へのアクセス、濃厚接触者となった場合の生活面も含めたフォロー等、正しい情報を提供し、府民の不安に寄り添った取組を求めました。入院医療体制について、感染症病床を持つ基幹病院であっても、院内感染・クラスター発生が起こり得ることを前提に、地域医療構想調整会議の枠組みも活用し、病院群ネットワークを立ち上げ、治療方法も含めた情報の共有、医療提供体制上の役割分担の推進等を、医療機関参加型で組織的に行えるよう求めています。そして、社会問題化している差別、誹謗・中傷の防止に向け、国・自治体が必要な正しい情報を発信するリスクコミュニケーションの強化を、保健所機能の充実と一体的に求めました。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックについて、WHO は「リスクコミュニケーシ ョン及び地域社会への積極的な働きかけの準備とコロナウイルス疾患( COVID-19)への 対応」(2020 年3月 19 日)なる暫定ガイダンスを示しています。ガイダンスは冒頭「公衆衛生上の対応において最も重要かつ効果的な介入の1つは、予見的かつ積極的に情報を伝達することである」こと、そのことが「インフォデミックを防ぐことに役立ち、適切な行動への信頼を構築し、健康に関する助言に従う割合を高める」と述べています。つまり、未曽有のパンデミックの渦中にあって、府民の誰しもが感染拡大予防に努め、なおかつ生きるための日常生活を人間らしく営むためには、常に行政が正しい情報を公開し対話することが必要だということです。
私たちは、その取組が差別やいじめの根底にある不安と恐怖、その源泉と思しき感染症に対する非科学的な態度や無理解から人々を解放するのに役立つものと考えています。
今、自分や家族が感染した場合にどのような形で治療を受けるのか、軽症・ 中等症・重症、それぞれの場合、どのような場所に隔離されることを求められるか。濃厚接触者となった場合にどのような生活上のフォローが行政からなされるか。それらのことを正確に説明できる人がどれだけいるでしょうか。未知である、わからない、という不安・恐怖の渦の内に、人々は置き去りにされているのではないでしょうか。したがって今、感染症対策を主導する主体である国・地方自治体に求められている重要な任務の一つとして、リスクコミュニケーション策の意識的・戦略的展開が必要です。
新型コロナウイルス感染拡大で見直しが迫られる医療政策 Part1
今回は、先日12月5日の土曜日に日本科学者会議が開催した第23回総合学術研究集会が開催されました。
その1分科会の中の、A-1 分科会「コロナパンデミックと日本社会」での発表を依頼がありました。zoomでの開催でしたが、私も参加して報告してきました。
私の演題は「新型コロナウイルス感染拡大で見直しが迫られる医療政策」です。
約25分間の発表内容なので、少しながくなりますので、数回に分けて紹介しようと思います。
新型コロナウイルス感染拡大で見直しが迫られる医療政策
新型コロナウイルス感染症の拡大は日本の医療・福祉政策の脆弱さを露呈させました。 1990 年代以降、歴代政権は経済グローバル化に呼応し、構造改革(新自由主義改革)政治に舵を切っておきながら、経済活動によって世界中を物と人が行き交うことで当然予想すべき新興感染症への備えを怠ってきました。そればかりか 2009年に新型インフルエンザを経験したにもかかわらず、なお、感染症対策は後景に追いやられ続けてきました。今日の保健所の困難や医療崩壊の危機はその結果によるものだと明らかにしています。
一方、緊急事態宣言時のように「自粛」を求め、感染症の封じ込めのために経済活動を停滞させれば、たちまち生活基盤が切り崩される労働者や自営業者等の存在も明らかとなりました。新型コロナウイルスの感染拡大は雇用分野で大きな影響を与えました。量産されてきた雇用者側にとって便利に「使い捨て」可能な不安定就労層は今回の経済活動の低迷で大きな打撃を正面から受けました。報道によると6万人以上の「コロナ解雇」が起きています。新型コロナウイルスに感染して、治療によって健康が回復したとしても、職を失うことはその後生活への保障がなくなってしまうということです。
厚生労働省が発表した4月に申請された生活保護の件数は2万1486件であり、前年同月と比較すると、24.8%の増加でした。また、生活保護の支給を開始した世帯数も1万9362世帯であり、前年同月に比べ14.8%の増加でした。リーマンショックを超える増加でした。生活保護の審査が厳しくなる一方で受給者数が減少し、本当に必要な人に支給されていない状況のなか、この増加は新型コロナウイルス感染によって仕事を失った人が急増していることを意味しています。
失業者も毎月増加傾向にあり、完全失業率も2.9%、男性が3.0%女性2.7%です。
また企業の倒産も2月から9月までの総件数は563件にも及びます。業種別では飲食店が最も多く81件、次いでホテル・旅館が56件となっています。また、実質国内総生産も4月から6月期でー7.9%となっている状況です。
これらのことは、構造改革政治による雇用破壊の結果であり、かつ最低生活保障の不十分さを示しています。そして、グローバル大企業を支援すべく社会構造を全ての方向から改変・解体してきた構造改革が日本の雇用・生産補償のシステムを著しく弱めてしまったという結果を新型コロナウイルス感染症拡大が明らかにしました。
日本は経済活動が低迷することによって、命までもが奪われる、そんな危険な国になってしまった。このことは感染症を防御できない国であることをも示しています。
新型コロナウイルス感染症が医療分野にもたらしている困難の背景にも、新自由主義改革があります。構造改革が目指した医療・社会保障制度改革は端的に言って「公的保障のミニマム化と保障の多層化」です。
即ち公的な給付の抑制と医療・福祉サービスの市場化によって、国による医療・福祉の保障は最低限に、それ以上のサービスは自己責任で市場から購入する。そのような仕組みへの転換が進められてきました。そうした路線によって進められてきたのが介護保険制度や障害者自立支援法の創設であり、医療保険制度の再編であり、今日も強硬に進められている医療提供体制ならびに医療提供「者」改革です。
このような、新型コロナウイルス感染症が世界に拡大する中、京都府保険医協会は4次にわたる提言書を京都府に提出、そして国に対しては診療報酬の改善や医療機関への経営支援を訴えてきました。
第3波が訪れている中、まだまだ新型コロナウイルス感染症の収束は見通せません。そればかりか、新興感染症は今後も流行します。今回のパンデミックが発生するまで、私たち医療者自身も新興感染症に対する危機感を持ち得ていたか、その反省も踏まえ、現場医療者から今後の医療・社会保障制度と感染症対策の在り方を発信していく必要があります。
ドラマの医療指導をすることになって。その2
前回に引き続いて演出担当の方からの質問と私の回答をお話しますね。
- ①父親の診療所を継ぐということに関して思うところは?
父が診療所をしていてそれを継ぐ場合、いつ帰ってくるか、いつ継承するかはとても難しい問題だと思います。
私の場合は父が脳梗塞で倒れたというきっかけで渡邉医院を継承しました。34歳の時です。まだまだ若く、私としてはまだ大学で勉強しようと思っていた時期です。でも今から思うと、この時期に帰ってきてよかたと思います。
父の診療所を継ぐ、ということはそれなりの決心がいります。
私が帰った時、痔の手術の予定が目いっぱいに入っていました。その手術をこれからは父ではなく、私自身がしなければなりません。患者さんにとっては、父に手術をしてもらおうと思っているのに、息子といえども、一度も会ったことのない私に手術される。そこで母は、手術予定の患者さんすべてに、父が倒れて手術が出来なくなったこと、代わりに息子である私が手術をすることになること、場合によっては希望があれば他の肛門科医を紹介する。それでも渡邉医院で手術をされるかどうかを聞きました。全ての患者さんが手術をキャンセルすることなく、私の手術を受けて下さいました。
このことは、私が評価されたのではなく、祖父や父がこれまで患者さんに行ってきた医療に対しての信頼から来たものだと感じました。そういった信頼をこれからも持っていただけるような医療を提供していかなければならないといった決意が生まれました。
やはり、父親からの継承する際は、今親がどのような医療を患者さんに提供しているのか、そして自分が継承した場合は、今あるものをさらに同レベルアップしていけるか、などを考えることが必要かなあと思います。そういったことを元に、さらに今まで継承されてきたこと、自分自身がなにがしたいか、どうしていきたいかをしっかり持つことが出来ることで上手く父から子へと診療所が継承されていくのだと思います。
- ②ドラマの中で父(医者)から受け継いだ物、というのを作る場合、医療道具や普段使われている物の中で当てはまる物はありますか?
渡邉医院で、初代の祖父の時代から使っているものがあります。カルテ台や器械棚です。また母方の祖父が長年使っていた机も今でも診察室で使っています。
そして、渡邉医院で最も古いものが、「肛門科」の看板です。
祖父は大阪で肛門科の修行をしていました。京都で開業する際に、修行をしていた診療所の先生に、のれん分けのような感じで頂いた看板です。渡邉医院のこれまでの歴史を見守り続けてきた看板です。これらの家具や看板は渡邉医院の歴史を見守り続けてきたものです。これらに囲まれていることで、渡邉医院の歴史を感じ、気持ちを引き締めてくれます。こういった歴史をこれからも守っていきたいと思います。
ただ、祖父や父から引き継いで、これからも受け継いでいかなければならないと思うのは目に見えるものだけではありません。
祖父、父が築いてきた医療と患者の信頼感です。そして私が引き継ぐまでに積み上げられてきた医療の技術をさらに発展進歩させることです。父が築いてきた医療のレベル、そこから始める私は、今以上のレベルにしていかなければ、さぼっているということになります。さらなる進化をしていかなければと思っています。
また、父が私に伝えた言葉も引き継いでいきたいと思います。その言葉には、「目の前にいる一人一人の患者さんをしっかり治していくことが大切だ、そのことの積み重ねで多くの患者さんが救われる。」、「専門に特化し、追及していくということは、幅広い知識が必要だ。深く掘るには、広い入り口が必要だ。」など父が私に伝えた言葉。形はありませんが、しっかり受け継いでいきたいと思います。
こんな感じで質問をいただき回答しました。
ドラマの医療指導をすることになって。その1
ひょんなことから、来年の1月から放映されるドラマの医療指導をすることになりました。「ミヤコが京都にやって来た!」というドラマで、佐々木蔵之介さんが「町医者」役で主演されるドラマです。
その際に演出担当の方からいくつか質問を受けました。その質問と私の回答を今日は紹介しようと思います。
質問と私の回答はこんな感じです。
- ①日常の中で、「職業柄、気になってしまう…」という瞬間はありますか?
診察をして、患者さんに今の病状を説明して、治療方法などをお話しているときに、患者さんの表情を見ながら話をします。私の言っている内容が本当に伝わっているか、理解されているか表情を見ながら話をします。話をしていても何の反応もないときは、内容が伝わっていないか不安があります。「うんうん」等反応があれば、ある程度理解してもらっているのだと思います。
ただ、どうしても患者さんはある程度、自分のストーリーを作ってこられます。自分の作ったストーリーと一致した部分だけを聞いて理解するということもあります。言ってみれば都合のいいところのみを聞くという感じです。そういった雰囲気を感じたときはもう一度話をします。
手術入院の治療が必要な時は、術後の経過などは、同じことを表現を変えたりしたりして何度もお話するようにしています。
また、患者さんが受診された時の表情、診察が終ってからの患者さんの表情も見ています。暗い顔をして眉間にしわを寄せて、不安な雰囲気で受診した患者さんが、診察が終って笑顔で帰られるときは、私の話がちゃんと伝わったんだなあと感じます。
- ②お仕事をされる中で、「ああ、この仕事を選んでよかった」と思う瞬間はありますか?
やはり、肛門科ですので、手術をしてスッキリ治った時にみせる患者さんの嬉しそうな笑顔を見るときに「よかった!」と感じます。また、「お尻の具合が悪くなった時には、絶対に渡邉医院を紹介しますね!」と言って下さったときも嬉しく感じます。
京都に帰ってくる前は、大学の救命救急センターに勤務していました。その時は生死にかかわる緊迫した状態の患者さんが運ばれてきて、グループで救命に取り組む、緊急の手術を行うこともあります。そうして、運ばれてきた患者さんの命を救い、一般病棟に移られたり、転院された時は「やった」「よかった」と思います。そしてグループのみんなの力で救えたことに喜びを感じます。
京都に帰ってきて、医療の内容がガラッと変わりました。外来で患者さんを診察して、手術が必要な患者さんは入院して手術をする。退院後は外来で経過を診て、治った時の患者さんの笑顔を見る。最初から最後まで一貫して診ていく。このことに関して、救命救急センターでの勤務とは違ったやりがいを感じます。そして喜びも感じています。
- ③②の質問とは反対に、仕事をしていて大変な時、また、困ることはありますか?
365日24時間オンコール状態なので、家族との旅行等できません。この生活はずっとこれまで続いてきました。私も父と一緒に旅行に行った記憶がありません。いつも旅行は母と妹と私の3人でした。でもそんなもんだとずっと思っていたので、私は苦にはなりません。家族はどう思っているかわかりませんが、理解してくれていると思っています。ですから、年末年始だけが家族とゆっくり過ごすことができ、旅行に行くこともありました。
診療に関しては、やはりいつもいつも具合よく患者さんが治っていくわけではありません。術後も具合よく治らないときもあります。そういった時に、治り難くなっている原因を患者さんにお話して理解していただいて、もう一度具合よく治っていくように手術をします。このような場合はとてもつらい思いをします。でも、そのことをしなければ、患者さんは治っていきません。その方がもっと辛いです。しっかりと患者さんとお話して治療を進めています。
また術後の出血を起こすこともあります。これは時間関係なく起きます。夜中に起きたり朝だったり。その時は時間関係なく、止血術をします。この時は大変ですし、焦りもします。でも一番不安で心配しているには患者さんです。患者さんが不安にならないように、意識して普段よりもゆっくりと話をして、不安を抱く患者さんが安心できるようにして、止血術をします。
話は少し違いますが、あ行「あ、い、う、え、お」は決して発しないように心がけています。いずれの言葉も患者さんを不安にさせます。「あ~」「えつ」などは特に不安を抱かせる言葉だと思います。
他にも質問事項がありますが、それは次回に回しますね。
子供の裂肛は慢性化するの?
12月になりました。今年も後1か月。早いような気もしますが、今年はコロナコロナの1年でした。新型コロナウイルス感染の第3波が襲っている中、まだまだ収束も見えてきません。これからクリスマスや年末年始、お正月を迎えようとしていますが、私たちはこれまで経験したことが無い年末年始、そしてお正月を迎えることになります。でも、暗いことばかり考えていても仕方がありません。これから訪れるクリスマスなど、今までは違いますが楽しく過ごす計画をねるのもいいかなあと思います。
今回は、寄せられた質問にお答えしようと思います。こんな質問が来ました。「子供の切れ痔は何か塗り薬貰えますか?」という質問です。この質問の答えは「ハイ」です。基本的に裂肛に出す軟膏は渡邉医院では大人も子供も一緒です。子供が使えない軟膏は当院にはありません。
でも自分では塗れないお子さんもいるので、ご両親に塗ってもらうことになります。子供と言っても生後間もない赤ちゃんも便の具合で切れてしまうことがあります。ただ、お子さんに軟膏をつけるとき気を付けて欲しいことがあります。痛みもなく何ともなくても毎回お尻を広げて軟膏を付けると、やっぱり子供は嫌がります。軟膏を付ける場合は、排便時に痛かったり血が出た時だけでいいです。それ以外はあまり神経質にならずに軟膏を付けずにいても大丈夫です。
子供も大人と同じように切れ痔、裂肛になります。原因は大人と一緒で、便が硬く便秘だったり下痢が原因になります。ですから、一番の治療は大人と一緒で排便の状態を良くしてあげることです。子供は大人と違って必要な水分量が多く必要です。しっかりと水分を摂らせることが大事です。大人を小さくしたのが子供ではありません。体に含まれる水分の量も大人とは違い、多く水分が含まれています。
また、便秘が頑固な場合は、緩下剤を飲んで楽に便が出るようにしてあげるのも大切かなあと思います。渡邉医院では緩下剤として酸化マグネシウムを処方しています。子供もこの酸化マグネシウムを内服することが出来ます。
渡邉医院では粉薬の酸化マグネシウムしか置いていません。子供が粉薬を飲むのが苦手とおっしゃる親御さんもいらっしゃいます。そんな時は、コップの中に水を入れ、その中に酸化マグネシウムを入れてよくかき混ぜて飲ませて下さいと言っています。酸化マグネシウムは水に溶けますし、無味無臭なので、こうやって飲んでも大丈夫です。返って水分を摂る量が増えていいかもしれません。
具合良く便が出るようになることで、便秘は治っていきます。また、便が柔らかくなって、排便しても痛みがなくなると、子どもたちは、便をするのが怖くなくなり、嫌にならないので、便秘はさらに改善されると思います。
さて、大人には慢性の裂肛があります。でも子供にはまず、慢性の裂肛はありません。なぜならば、大人の場合は、出来上がった肛門が切れたり治ったりすることで慢性化していきます。これに対して子供の場合は子供の成長と共に肛門も成長していきます。傷がついても、肛門も成長していくので慢性化はしません。ですから排便の状態を良くしてあげるだけでよくなて行きます。また子供の場合は裂肛の治りも早いようです。
また時々お母さんが、お子さんに裂肛が原因での皮垂が気になり、お子さんと一緒に受診されることがあります。何か悪いものでもできたのかと心配されてのことだと思います。
また、できた皮垂は切除しなければならないのかと心配されて受診されます。子本的に皮垂は悪いものではありません。切除することは有りません。また子供の場合は、先ほどお話したように、子どもの成長と共に肛門も成長していきます。ですから、今ある皮垂もお子さんの成長、そして肛門の成長と共に皮垂の大きさが変わらなくても相対的に小さくなるので、気にならなくなると思います。
このように同じお尻の病気でも大人と子供では少し違った経過をとることもあります。
消炎鎮痛剤は我慢せずしっかり内服して下さいね!
今日は11月28日、もうすぐ12月になります。
渡邉医院の山茶花も沢山の花が咲きました。山茶花の下にある手水鉢にも山茶花の花が浮かび、趣があります。
今、新型コロナウイルスの感染第3波の中、年末年始の過ごし方をどうするか悩まれている方も多いと思います。いつもと違うクリスマス、年末、そしてお正月になるんだなあと思います。
手洗いうがい、そしてマスクの着用など、一人一人の感染対策をしっかりしていく必要があります。
そうは言っても12月。自粛の中でも楽しい時を過ごしたいなあと思います。
今日は術後の痛みに関して、痛み止め、消炎鎮痛剤の内服の仕方についてお話したいと思います。
消炎鎮痛剤。字のごとく、炎症や腫れをとって、痛みを抑える、この二つのことを目的として内服してもらっています。
手術の当日は、手術後1時間後にまずは1回目の消炎鎮痛剤を内服してもらっています。渡邉医院では局所麻酔で手術をします。局所麻酔は大抵1時間で切れてきます。その時に肛門の括約筋が締まってくることで痛みが出ることがあります。そこで、麻酔が切れる1時間後にまずは内服してもらっています。この場合、痛みがあっても無くても内服してもらいます。「先取鎮痛」ということがあります。痛みが出る前に前もって痛みをとることをすることで、痛みが楽になるということです。痛みが出てから内服するよりは痛みの出る前に内服したほうが痛みが楽になります。
また、手術当日は、夕食後、寝る前、そして次の日の朝の計3回消炎鎮痛剤を内服してもらっています。これも先ほどと同じ様に、痛みがあっても無くても内服してもらいます。
術後1日目から3日間は毎食後に内服してもらいます。これは消炎鎮痛剤の消炎と鎮痛の二つの目的で内服してもらいます。そして3日目以降は痛い時に頓服として内服してもらいます。
内痔核に対して痔核根治術を行った場合、術後の腫れが出ることがあります。ただこの腫れに対してはヘモナーゼという腫れを予防したり、腫れをとってくれる内服をしていること、そして一番腫れに効くのが入浴です。渡邉医院では術後1日目から入浴をしてもらっています。入浴することで、術後に傷が腫れた人も、腫れが引いてくれます。また、入浴することで肛門の内肛門括約筋の緊張がとれしかも血液の流れが良くなるので、痛みがある人も、入浴することですごく楽になります。ですから、消炎鎮痛剤はその「鎮痛」の目的だけで内服してもらうようにします。
内痔核の術後などで痛みを感じる時間帯も決まっています。一つは排便時と排便後の痛みです。そしてもう一つは夜中や朝方に痛みが出ます。肛門の手術だけでなく、痛みは朝方に出ることがあります。ですから、排便時に痛みがあったり、夜中や朝方に痛みがあれば悩まず消炎鎮痛剤を内服してもらいます。「痛みがあるけど、痛み止め飲もうかなあ?どうしようかなあ?」と迷った時は消炎鎮痛剤を内服してもらうことにしています。
というのは、痛みというストレスが加わることで、血液の流れが悪くなったりして傷の治りそのものが悪くなります。昔は、「痛いのを我慢したほうが早く治る。」と言われたりしましたが、そんなことは有りません。もし本当に痛みを我慢したほうが早く治るのであれば、我慢のし甲斐があります。でも痛みを我慢したほうが治りは悪くなります。我慢せずに楽に治す方が直りがいいです。
でも時々、「痛い時に飲んで下さいね。」と言うと、痛みを我慢してしまう患者さんがいます。我慢せずに痛いときは消炎鎮痛剤を内服して痛みをとり、楽になおして欲しいです。その方が傷の治りもいいです。また、手術の後も術後7~10日過ぎると痛みはスッと楽になっていきます。この間の痛みをしっかりとることが、術後の傷の治りにもいいです。
手術後は我慢せずに消炎鎮痛剤をしっかり内服して楽に治していきましょうね。
母のローバーミニが~!!
先日、認知症の母をショートステイの施設に迎えに行った後、しばらく母と一緒に過ごし車に乗っての帰り道、何か「カラカラ」と車体の下から変な音がしてきました。何かひっかけたのかなあと思って車体の下を覗いてみると、マフラーがぽっきり折れてしまっていました。JAFさんに連絡して、夜一人で待っている時、母からもらった?まだ借りている?ローバーミニを見ながらの思いをお話します。
今、乗っているのは母が生前父と乗っていた白色のローバーミニ。もう20年は乗っている古い車です。父が脳梗塞で倒れて体が不自由になった時に、京都の町、どんな狭い道でも入っていけるようにと買ったのがこのローバーミニ。父もシティーハンターの冴羽涼が乗っていた子のローバーミニ。気に入っていました。その頃の母は、白髪で、皆から「白髪の老婆が白いローバーに乗っている。」と言われてました。
大分古いですし、やはりローバーミニ、時々いろんなところが壊れて、そのたびに修理をして乗っていました。そうしているうちに段々愛着もわき、とことん乗ろうと思っています。
JAFさんのお世話になるのは、ローバーミニで今回が2回目です。というか、ローバーミニでしかJAFさんにお世話になったことは有りません。
1回目は交差点の真ん中で急にエンジンが止まって、何とか動いてくれて無事交差点を脱出した後、JAFさんに来ていただいてディーラーさんに運んでもらったこと。
今回が2回目です。ショックというよりは、「まただなあー」と言った感じ、JAFさんには、「出来の悪い息子の面倒を見るって感じで巣よね。手間がかかる分愛着がわきますよね。」と。全くその通り。壊れたところを治していくたびに段々愛着がわいてきて手放せなくなってしまっている自分を感じることが出来ます。また、父や母が大切にしていた車だと思うとなおさらです。
JAFさんに、「30年以上会員されているんですね。」と。30年かあ。私が京都に帰ってくる前から会員なんだと思うとともに、この間2回だけなんだと思いました。でも、こんな時のJAFさん。本当に安心ですし、助かる心強い存在です。しかも皆さんいい人ばかり気持ちが和みます。JAFさんの積載車の助手席に乗せてもらって運ぶのですが、何時も見るしか意図は全然違う。高い位置から大きな窓。いつもとは違う景色に感動します。大分紅葉が進んできている京都の街並みを見ながらディーラーさんへ。なにか気もいい。楽しい時間でした。
ディーラーさんから電話があって、マフラーは根元から折れてなく、一部分を交換するだけで治りそうとのこと。またその部品の在庫を聞いていただいたら、在庫ありとのこと。直ぐに取り寄せ治してくれることに。よかった。早く退院して、戻ってきてくれそうです。やはり京都の町。ローバーミニのような小さな車が便利。早く帰ってきて欲しいなあ!
12月の献立を紹介します。
12月はクリスマスをイメージにレシピを紹介してきました。今回は、その12月のレシピを使っての献立です。
12月のレシピを集めると、いい感じにクリスマスパーティーの雰囲気満点になります。是非作ってみて下さいね。
12月の献立は、
・スタッフドバケット(2種)
・スパゲティツリー
・ピクルス
・厚揚げのテリーヌ風
・スパイシーチキン
・揚げないミニコロッケ(5種)
の6品です。
お正月風のアレンジ
11月ももう半分が終ってしまいました。あっという間に1年が過ぎていきます。特に今年は新型コロナウイルスの感染拡大で。コロナコロナ、そして自粛自粛と私たちの生活暮らしはこれまでとは全く異なったものになってしまいました。
まだまだ新型コロナウイルス感染の収束の見通しはつきません。これまで同様に基本的な感染予防、うがいや手洗い等しっかり取り組んでいかなければと思います。
渡邉医院もこれまでの新型コロナウイルス感染対策に加え、これからの季節、季節性のインフルエンザの流行が重なることなども考え、いろいろ工夫をしています。待合室等には空気清浄機やサーキュレーターを設置して換気。これから寒さが厳しくなる中、暖房しながらの換気。待合室の患者さんには少し寒いと思いますが、感染防止を。またエアコンにウイルス対策用のフイルターを付けたりしています。また、待合室に入る前に、自動で消毒液が出て手をかざすだけで体温が測定できる器械を設置予定です。また診察室で患者さんに病状を説明する机の上には小型の光媒体の空気清浄機を準備しています。また、外来や診察室の蛇口はセンサー付きの触らずに水が出る蛇口にもしました。
渡邉医院だけでなく、全ての医療機関が新型コロナウイルスやインフルエンザの感染防御対策を行っています。
患者さんの中には、医療機関を受診することで、院内感染を起こしてしまうのではないかと心配され、本当は受診しなければならないのに受診を控え、病状が悪化してしまう方もいらっしゃるようです。医療機関もしっかり対策を行っています。必要な時には迷わず医療機関を受診して下さいね。こういった感染対策を患者さんも医療機関もしっかり行っていても感染してしまうことは有ります。それが感染症だと思います。そのような場合は無理をせずしっかり早期に治療していくことが大事だと思います。
10月後半から11月に入って、新型コロナウイルス感染の第3波が来ている状況です。
私達一人一人、できる感染対策はしっかり行っていきましょう。また、これまでも感染された方への誹謗中傷。様々な職種の対しての風評被害がこれまでも起きてきています。
私たちが戦わなければならないのは新型コロナウイルスです。そこを私たちはしっかり意識しなければならないと思います。私たちは新型コロナウイルスだけでなく、「私たちの心を蝕むウイルス」に対してもしっかり対応して、抑え込んでいかなければならないと思います。
12月のレシピとは全く関係ないことを書いてしまいました。今日は認知症の母の家で、母と一緒に過ごしています。自分にとって大切な人の笑顔を何時までも見続けられるよう日々を過ごしていきたいと思います。今、私たちの本質が問われている時だと思います。
12月は家族で集まることも多くなると思います。12月の献立の様に、皆で楽しく食卓を囲む。そんな一時を持ってくださいね。