「甘夏とキウイのサラダ」と「ふきのおかか昆布和え」のレシピを紹介します。
2月はどんどん日が進んでいきます。もう3週目に入ります。
昨日今日とは少し暖かく、春の気配を少し感じるようになりました。「早花咲月」です。
今日は、「甘夏とキウイのサラダ」と「ふきのおかか昆布和え」のレシピを紹介します。
さて「甘夏」、「夏」という字が入っているので夏の果物かと思い、調べてみました。
そうすると、食べごろは2月から6月下旬ということでした。これから旬を迎える果物なんですね。比較的長い期間食べることのできる柑橘類です。
甘夏は本来は夏ミカンだそうです。昭和10年ごろに、大分県で普通の夏ミカンとして栽培されていた中に、酸が早く抜ける品種として発見されたそうです。
正式名は「川野夏橙(かわのなつだいだい)」だそうです。大分県の川野氏の園で発見されたからだそうです。
昭和40年のグレープフルーツの輸入の自由化で、生産も消費も減少傾向にあるそうです。
甘夏にはビタミンB1が多く含まれています。糖の代謝を促進して痩せやすい体つくりに役立つそうです。甘夏の酸っぱさはクエン酸です。クエン酸は疲労回復などの効果もあります。また、甘夏のエッセンシャルオイルもオススメと載っていました。「リモネン」という成分が多く含まれていて、このリモネンにはダイエット効果、便秘解消、アルツハイマー型認知症の予防や二日酔いにも改善の効果が期待されるとも載っていましたよ。
私が小さなころ、夏ミカンか甘夏か忘れてしまいましたが、お砂糖をかけて食べた記憶があります。
ではそろそろレシピを紹介しますね。
「甘夏とキウイのサラダ」
材料(作りやすい分量)
ベビーリーフ 1袋
キウイ(半月スライス) 1個
甘夏(薄皮をむく) 1/2個
(いよかん・はっさくでも)
フレンチドレッシング
(オリーブオイル・塩・胡椒でも)
作り方
- ①器に全ての材料をのせ、ドレッシングをかける。
- 「ふきのおかか昆布和え」
材料(作りやすい分量)
ふき 50g
おかか昆布佃煮 5g
作り方
- ①ふきは茹でて5cmの長さに切る。
- ②佃煮で和える。
「かぶのポタージュ」のレシピを紹介します。
今日は、「かぶのポタージュ」のレシピを紹介しますね。
まだまだ寒い季節、温かいスープは身も心も温めてくれますよね!
最近朝もですが、仕事が終わって母を迎えに行き、母と一時を過ごした後寝かせてから自宅に帰るのですが、自宅に帰るとなぜか温かいスープが欲しくなることがあります。なぜなんだろうと思います。
そこで「温かいスープの効果」で検索してみました。
1日の中で体温が一番下がるのが朝だそうです。その一番体温が下がる時に温かいものを取り入れて体を温める。そのことが冷えを解消して免疫力を高めることに繋がると書いてあるものがありました。また、とろみのあるスープは、飲んだ後役2時間程度体を温める効果もあるそうです。
中には、朝夕に温かいスープを飲むと、体温が上がり基礎代謝も上がるのでダイエットになると言っているものもありました。
いずれにしても体が冷えているときに飲む一杯のスープは体によさそうです。 また、温かいスープを飲むと気持ちも何か癒されるような感じがします。
最近ではインスタントで作れるスープの種類も豊富になっています。色々試してみるのもいいなあと思います。
スープとパン、スープとおにぎりどちらも合うなあと思います。
たまに、お昼ご飯に、スープとおにぎりを買っていくこともあります。
では、そろそろレシピを紹介したいと思います。
「かぶのポタージュ」
(1人分) エネルギー 約60kcal たんぱく質 2g 食物繊維 1g
材料(4人分)
聖護院蕪 1/4個
玉ねぎ 1/4個
サラダ油 小さじ2
◇水 100ml
◇コンソメ 少々
★バター 小さじ1
★牛乳 200ml
かぶの葉
黒胡椒
*今回は聖護院蕪を使いましたが普通の蕪でも小かぶでも
皮をむいて150gくらい使ってください。
- ①蕪は厚めに皮をむき、薄い拍子木切りにする。
玉ねぎは繊維を断つように薄切りにする。
②①をサラダ油で炒め、◇を入れふたをしてて軟らかくなるまで煮る。
(水が足りなくなったら足してください)
③②の荒熱をとってミキサーにかける。
④③に★を足してさらにミキサーにかける。
*暖かいほうが良ければここで鍋に移して温めてください。
⑤器に盛り、茹でたかぶの葉と粗びき黒こしょうをのせる。
「生節とふきの炊き合わせ」のレシピを紹介します。
3月のレシピ、今日は「生節とふきの炊き合わせ」のレシピを紹介します。
またまた知らない言葉が出てきました。「生節」です。後で管理栄養士さんの一言でも紹介しますが、私も調べてみました。
まず「生節」の読み方です。「なまぶし」かなあと思いましたが、「なまりぶし」でした。
「生節」は生のカツオをさばいた後に、蒸したり茹でるなどの過熱の処理を行った後、一度だけ燻製した加工品だそうです。この燻製の工程を何回も繰り返したものが、カチカチ硬くなった鰹節だそうです。燻製の過程を10~15回繰り返し、カビを付けて天日干しをすると鰹節になるそうです。
生節はそれ自体に味が付いていないので調味料を掛けたり、煮つけやお味噌汁などで美味しく食べれるそうです。調べたレシピには辛子マヨネーズを付けたり、ポン酢と大根おろしで食べたりするようです。今回紹介するレシピはふきとの炊き合わせです。
もう一つ、管理栄養士さんが送って下さったレシピに「早花咲月(さはなさきつき)」という言葉がありました。早く花が咲く月?これも調べてみました。
「早花咲月」は3月の異名でした。3月の異名には他に「夢見月」、「花見月」、「雛月」、「春惜月」などがありました。やはり桜をイメージした言葉のような気がします。様々な草花、自然が芽吹くそして花を咲かせる、そういったほんわかした、柔らかい印象を受けます。日本人の自然に対する思いなどが込められているなあと思います。
では、そろそろレシピを紹介しますね。
「生節とふきの炊き合わせ」
(1人分)エネルギー 約300kcal たんぱく質 25g 鉄 3.8g
材料
生節 2切れ
ふき 2本
焼き豆腐 小1つ
★出し 300ml
★醤油 大さじ2
★酒 大さじ1
★砂糖 大さじ1
作り方
- ①生節はお湯をかけて臭みを抜く。
- ②ふきは茹でて5cmの長さに切り、焼豆腐は一口大に切る。
- ③鍋に★を入れ①を10分ほど煮る。
- ④③に②を入れさらに10分ほど煮る。
管理栄養士さんから一言
-
生節・生利節(なまぶし・なまりぶし)
主にかつおを原料に蒸したりゆでたりした加工品で、まぐろや鯖で作られることもあります。
低エネルギー高たんぱく質でビタミン・ミネラルの多さが特徴です。
ビタミンB群は免疫力アップ・疲労回復・脂肪や糖質の代謝に関与し、
血合いに豊富に含まれる鉄分とともに貧血予防に役立ちます。
ビタミンD・カルシウム・マグネシウム・リンはたんぱく質とともに
筋肉・骨の合成に使われます。
「柚子ジャムと柚子ココア」のレシピを紹介します。
2月も10日間が過ぎました。昨日は雪が降ったかと思えば、今日は少し暖か。
北野天満宮の梅の花も少し咲いてきたようです。確実に春の気配が段々訪れてきています。
3月のレシピは「ひな祭り」がテーマで管理栄養士さんがレシピを作って下さいました。
管理栄養士さんからのメールを紹介します。
「さて今回はひな祭りです。定番からは少し外れますが「いつまでも健やかでいてほしい」という想いはそのままに古い料理も織り交ぜて作ってみました。
春といってもまだまだ寒い日が多い3月です。
柚子ココアはからだが温まるとともに食物繊維もたっぷりとれる1品です。
ジャムの甘さがあるので純ココアや甘さ控えめのココアを使っていただきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。」
今回3月のレシピでまず紹介するのは、「柚子ジャム・柚子ココア」です。
まだまだ寒い時期です。温かいものが欲しく感じます。また疲れたときは、甘いものも欲しくなります。そんな時にもってこいだと思います。
ココアにはマグネシウムが含まれています。ストレスがかかった時に血小板がくっ付き易くなって血栓ができやすくなります。この血小板がくっつき難くして、血栓ができにくくしてくれるのがマグネシウムです。
今日も何人か血栓性外痔核で急に痛くなって受診された患者さんがいました。患者さんに「ストレスがかかった時、血小板をくっ付き難くしてくれるのがマグネシウム何ですって。ストレスがかかった時にマグネシウムをとるといいです。コーヒーやココアにはマグネシウムが含まれています。ストレスがかかった時に、気分を変えて、コーヒーやココアを入れて飲むといいかもしれませんね。コーヒーブレイク、理にかなっています。」とお話しています。
ココアでの思い出は、私がまだ学生だった頃、日大の板橋病院の門の横に「モンノム」という喫茶店?フルーツパーラー?がありました。そこの「ホットココア」が印象に残っています。
細長いコップの三分の二までココアが入っていて、残り三分の一にホイップクリームが入っていました。とても熱いのと、飲み方を間違えると、ホイップクリームの真ん中から、アツアツのココアがあふれ出してきてしまいました。でもそのココア、とても美味しく良く頼んでいました。そのお店は、今はもうなくなってしまい、とても寂しい思いです。昼の休憩の時はたまに言っていたなあと思い出します。
さて、そろそろレシピを紹介しますね。
柚子ジャム・柚子ココア
ココア1杯 約180kcal たんぱく質 7g 食物繊維 5g
柚子ジャムの材料
柚子 1個(重さを測る)
砂糖 柚子の半分くらい
柚子ココアの材料
ココア(ビター)大さじ1
お湯 大さじ1
牛乳 120ml
柚子ジャム 大さじ1
柚子ジャムの作り方
- ① ゆずの皮をむき、外皮は5mm角のみじん切りにする。薄皮のついた果肉は半分に切って種を取り、ざく切りにする。
- ② ①の外皮はかぶるくらいの水で水から茹で、沸騰したらお湯を捨てる(ゆでこぼし)。
これを2回繰り返し、3回目は柔らかくなるまで茹でて水気を切る。
③ ②に①の果肉と砂糖を入れ10分ほど煮る。
柚子ココアの作り方
- ① マグカップにココアとお湯を入れよく混ぜる。
- ② ①に牛乳を入れよく混ぜ電子レンジで温める。
*吹きこぼれないように注意してください。
③ 柚子ジャムを混ぜる。
ドラマのシーンの周りには、多くのスタッフが!
今日は日曜日。夜11時55分から「ミヤコが京都にやって来た!」の第5話が放映されます。ドラマも佳境に入ってきました。どう展開されるでしょうか、楽しみです。
今回、医療指導に関わりました。その時に台本をいただきました。余白が多いものでした。この余白にドラマを撮影していくときに、それぞれの担当で気が付いたこと、アイデア、注意しなければならないことなどを、スタッフの人たちはどんどん書き込んでいくんだろうなあと想像していました。
私も医療指導する部分には、この台本の状況での病名は何か。またその時の処置の仕方、診察の仕方はどうしていったらいいのかを書き込んでいきました。
また、その処置や医療行為が正しいものでなければならないので、もう一度、救急処置の本や、診断の仕方などの本を読み返したりしました。
以前、京都に帰ってくる前は、救命救急センターに勤務していましたが、それももう25年も前の事。診察の仕方などの基本は変わりませんが、もう一度確認をしました。
京都に帰ってきてから肛門科一筋。久しぶりに違う分野の勉強をしたなあと思いました。勉強もでき、いい経験をしたなあと思います。
その台本に書き込んだり、診察や処置の仕方を書いたものを、演出の方にお渡しして、撮影の時の参考にしていただきました
ドラマの中のシーンとしては、本の数分?数秒?のシーンですが、そのために私ももう一度勉強し直しました。きっと他のシーンでも同じ、数分、数秒のシーンを作り上げるのに、莫大な時間をかけているんだなあと感じました。
そのような撮影までの下準備をした後、それを現実の映像にするために、俳優さんや美術の方、照明の方、そして演出、監督。全ての方たちが、脚本家が思い描いたものを実際の映像にしていく。それに向けて一つになっていく。凄いなあと感心するばかりです。
以前お話しましたが、やはりこの過程は医療現場にとてもよく似ています。
私は大学の消化器外科に所属していました。患者さんを手術で治していく診療科です。ドラマを作っていくのと同じです。いきなり手術をして、手術が終わったらもうお終いというわけではありません。
直接手術予定の患者さんが外科の外来や病棟に来られるわけではありません。関連の医療機関からの紹介や、大学の内科などの他の診療科から外科に紹介されてきます。
関連の医療機関からの紹介患者さんでは、手術をするにあたっての追加の必要な検査は無いか、必要な検査があれば行い、その検査の情報をもとにまずは担当の医療チーム、そして医局全体でのカンファレンスをして、手術方法や治療方法を決めていきます。
また内科からの紹介では内科・外科カンファレンスを行って内科の先生方とも議論して手術方法や治療方法を決めていきます。手術が終わり、退院されていった患者さんについてもその経過や手術の結果など内科・外科カンファレンスをします。手術後も患者さんが回復され、退院までの術後の管理をしていきます。この術前術後のカンファレンスが今以上に医療をより良いものへとしていくのだと思います。
そして、医師だけでなく、看護師、検査技師など多くのスタッフがその専門性をフルに生かして患者さんの治療に当たっていきます。
ドラマの撮影と同じように、患者さんを治すという目標に向けて、全てのスタッフが一丸となって取り組んでいく。やはり似ています。
患者さんをどう治していくか?患者さんに最高の医療を提供するためには、まずはしっかりと患者さんの状態、そして病気の状態を把握しなければなりません。それまでには時間と、そして適切な判断力が必要です。手術ではそれぞれの専門職の能力をフルに発揮。皆の力が生かされます。
こう考えると、どんな職業も同じだなあと思います。自分一人では、やはりいい仕事はできません。
さて、撮影に関わり、放映されるドラマを観ると、少し不思議な感覚になります。
例えば、主人公の佐々木蔵之介さんと娘役の藤野涼子さんが二人で居間で会話をしているシーン。二人だけのシーンで、本当にそこには二人しかいない雰囲気が出ています。でもそのシーン、二人の周りには照明や音声の方、演出の方など、多くの人たちが取り囲んでの撮影です。第4話では、今映っている、その後ろには、私がいるのに。といった具合です。
ドラマを観られるときは、そんな状況で撮影されているんだなあと思いながら観ていただくと、また少しドラマの観方が変わるかもしれませんね。
肛門の手術後、便秘になる要因。
今日は、肛門の手術後の便秘に関して少しお話したいと思います。
術後3日間の診察の持つ意味
渡邉医院では、内痔核に対して痔核根治術をしたり、痔瘻に対して痔瘻根治術を行った後、3日間は毎日、診察させてもらっています。1泊2日の入院の患者さんも残り2日間は外来に通院してもらっています。
この理由の一つには、術後3日間の傷の具合が大事であることと、術後の治り方や、術後心配になるであろうことを前もって術後の患者さんにお話するためです。そして一番大きな目的は、この術後3日間の間に1回はスッキリと便が出て欲しいからです。というのも、食べたものが消化され、吸収され、便になるまでゆっくりで3日間かかるからです。
出にくいようなら、緩下剤を内服してもらったり、3日間経ってもどうしてもすっきる便が出ない場合は浣腸をして、スッキリ便を出してもらっています。
術後便秘になってしまう要因は?
どうしても肛門の手術をした後は、便秘になり易くなってしまいます。それは何故か。
術後の排便時の出血や痛みへの不安
まず一番の原因は、どうしても手術をすると、「排便時に出血するかなあ?」とか、「便をするときは痛いんだろうなあ?」と思うと、どうしても便を出すのが怖くなってしまいます。また、実際に排便すると、出血したり、痛みがあると思った通りになってしまう。そんなことで便を出しにくくなってします。
このように肛門の手術後は、排便時の出血や痛みに対しての恐怖心が大きな便秘の原因になってしまいます。
術後の痛みも便秘の要因の一つ
また術後に痛みが強いと、痛みそのものが便秘を引き起こしてしまいます。痛みによるストレスで大腸の動きが悪くなることもあると思います。
ですから、排便の状態を良くするにも術後の疼痛を和らげることが大切だと思います。
便が残り、詰まってしまうことでの痛み
また、術後、便秘になって、直腸内に便が残ったままになったり、詰まってしまうと、そのこと自体が痛みの原因になってしまうことがあります。術後、直腸に便が詰まってしまうことでの痛みは浣腸などをしてすっきる出してしまうと、痛みも随分楽になります。
排便時に便が傷を擦るので痛いのではと思い、我慢してしまうと、かえって直腸に便が残ったり、詰まることでかえって痛くなってしまいます。怖いかも知れまs電が頑張って便を出した方が楽になります。
このように、排便時の出血や痛みに対しての恐怖心などの精神的な要因や、実際に術後の痛みが強い場合は術後の便秘の要因になります。
術後は肛門機能が正常ではない。
もう一つ、術後の肛門の機能の問題も関係してきます。
例えば、内痔核に対して痔核根治術を行った場合、どうしても肛門上皮に傷が出来ます。このことが排便の状態に影響を与えます。
私たちは通常具合よく便が出るときは、排便時に具合よく、肛門上皮が外に出る(このことを脱肛といいます。)ように、具合よく脱肛することで気持ちよくスッキリ便が出ます。
しかし、痔核根治術をすることで肛門上皮に傷がどうしてもできます。そのことで排便時の肛門上皮が外に出る脱肛がし難くなってしまいます。そうすると、ただただ肛門が広がってだけの排便になってしまいます。そうなると直腸にきた便を絞り出すような感じで排便することになります。柔らかい便だと出ますが、硬くなってしまうと出なくなってしまいます。
このような原因でスッキリ便が出なくなることもあります。この場合は、緩下剤などを内服してもらい、便を柔らかくして、出すようにしてもらいます。
肛門上皮の傷が治り、術前の様に肛門上皮が外に出るように、具合よく脱肛するようになるとスッキリ便が出るようになります。
痔核根治術などを行った術後は、肛門上皮に傷が出来ることで、正常の肛門の動きでなくなってしまうのも、術後の排便がスッキリと出ない原因になります。
このように、術後の排便の不安、排便の恐怖心。そして実際の痛み。さらに術後どうしても正常な肛門の動きが悪くなるなどの理由でスッキリ便が出ず、便秘になってしまうことがあります。このようにもともと便秘であった患者さんは皿の胃便秘になり易く、もともと具合よい排便であった患者さんも手術によって便秘になってしまうこともあります。
肛門の手術後は主治医と相談しながら具合よく便が出るようにしていくことが、術後の痛みの軽減にもなります。術後の排便管理がやはりとて重要なポイントとなります。
自分の術後の傷は具合良く治っているの?
Twitterでの相談をしています。様々なことで皆さんは悩んでいることがわかります。
また、肛門の病気はなかなか相談する人もいない。また肛門科への受診も何か行き難い。お一人で悩んでいる方が多いんだなあと感じます。
肛門科、できるだけ敷居を低くして、気楽に受診できる診療科になればいいなあと、これまで取り組んできました。これからも相談しやすい、そして診察を受けやすくなるように工夫をしていきたいと思います。
さて相談の中でも多い相談事は、手術をしてもらったが、具合よく治っているかどうか心配という悩みであったり、具合よく治ってきていたのに、急に痛みが出てとても不安だ。治ってきたと思ったのにショックという悩みなどがあります。
そういった悩みの原因になるものは、「いつまで痛いのだろう?」、「いつになったら出血が治まるのだろう?」、「順調だったのに、急に腫れてきて痛いけど、このままで大丈夫なんだろうか?」などの不安や心配が多いような気がします。
肛門の手術後は、どうしても傷ができた肛門を使わなければなりません。
毎日の排便、また、座ったり歩いたり、どうしても手術をした後、肛門は使いながら治していかなければなりません。そこが普通の怪我などと違うところです。
例えば怪我をした時、その怪我を毎日擦りながら治していく人はいません。傷を擦ると痛いですし、出血もします。怪我した傷はなるべく触らないように、そして傷にはガーゼを当てたり、包帯を巻いたり、傷は安静にして治していきます。でも肛門の手術は安静にすることはできません。使わずに治すことはできません。やはり、便が出るところです。手術でできた傷を排便の時は擦りながら便は出てきます。毎日怪我の傷を「治ったかなあ?出血しないかなあ?」と擦りながら治しているのと同じです。
このように肛門の手術は、使いながら治していくというところに、他の傷との違いがあります。また、このように使いながら治していくので、手術をした、傷のある肛門を使いながらでも、ちゃんと治っていくように手術をしなければなりません。
もう一つ不安になる原因は、手術した傷を自分自身が見ることが出来ないというところにもあります。
例えば、見えるところを怪我をして傷が出来たとします。そうすると、毎日傷の治り具合を自分で見ることが出来ます。「昨日よりも出血しにくくなってきている。」、「傷が大分小さくなってきている。」、「見た感じが、乾いてきていて、浸出液も少なくなってきた。」と自分自身が傷の治りをチェックできます。また、たまたま傷を擦って、出血して痛くても、「この程度なら大丈夫だ。心配いらない。」など自分の目で傷を見て、そしてこれまでの経験を生かすことが出来ます。それが自分の見えないところに傷があると、その経験を生かすことが出来ません。
このように、肛門の手術の後の傷は、使いながら治さなければならないこと、そして自分の目で傷を見て、今までの経験が生かせないこと。このことが術後の治りが具合よく治っているかどうか不安を感じる原因になると思います。
そんな時は、やはり手術をしてくれた主治医の先生に、今の術後の傷の具合はどうかをしっかり聞き、自分の不安を解消していくことが大事だと思います。やはり、心配事、不安なことを抱きながら、ストレスを持って治すよりは、そういった不安や心配事なく、安心して治していく方がやはり術後の傷に治りを良くしてくれます。
また私たち医師も、患者さんのそういった不安や心配を取り除き、安心して治していけるようにしっかりと相談にのることが大事ですし、術後の経過に沿ってある程度皆さん同じ不安や心配をされます。できればそういった不安や心配事を感じる前に、先手先手に不安に感じるであろうことを前もって、患者さんにお話しておくことも、傷を具合よく治していくことにとても大切なことだと思います。
今、罰則を課す感染症法改正より先にしなければならないこと。
- 1月も今日で終わります。私としてはとても長い1ヶ月でした。緊急事態宣言がでて、今後延長も検討されています。少しは感染者は減少していますが、死亡者が残念ながら増えてきています。まだまだ今後の展望が見えず、収束は期待できません。
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そのような中、入院病床が逼迫しています。今、医療の現場での緊急の課題は自宅療養、入院調整中の患者さんに必要な医療が届けられていないことです。
自宅療養している患者さんが病状が悪化して亡くなる方が増えてきています。助けられる命が助けられない状況にあります。
入院したくても入院できない、入院しなければならない人が入院できない。このような状況のなか、感染症法改定で議論されているのは、入院を拒否した方に罰則を課すというものです。自分がかかりたくないのにかかってしまった感染症。その感染症にかかってしまうことで、罰則が課せられてしまう可能性が出てしまう。このことはとてもおかしなことだと思います。入院できない理由をまずは解消することが先決ではないでしょうか。
入院できない理由。例えば、介護、育児。入院することで仕事や生活の糧が失われてします。また、コロナウイルスに感染することで、誹謗中傷や、差別を受けないか、など様々な理由があるはずです。このような様々な理由を検証して、それを解消することがまず行わなければならないことではないでしょうか。
新型コロナウイルスに感染しても社会的、経済的に安心して入院できる、そういった補償を充実させる、そういった環境を整備することが先決です。そういった環境が整って初めて罰則に関して検討されるべきではないでしょうか。新型コロナウイルスは、感染を起こすだけでなく、政治家の思考回路まで破壊して、支離滅裂にしてしまう。そういった症状を引き起こしてしまうのでしょうか?
今一度冷静に、そして科学的に、検討して、判断し、正しい方向へ進めていって欲しいと感じます。
自宅療養・入院調整中の患者さんへの医療の充実を!
明日で、1月が終わります。今日はとても寒い一日寒波が京都を襲いました。
緊急事態宣言の起源の2月7日が近づいています。今後どうなるか見通しがつかない状況です。
医療において今、私たちが問題としているのが新型コロナウイルスに感染され、自宅療養、入院調整中の患者さんへの医療です。
国の通知では、新型コロナ陽性になった患者さんの健康観察は保健所が担うことになっています。そのため、医師の診療が必要だと判断する場合には保健所の求めに応じて医師が診療をするという仕組みになっています。しかしそもそも二類感染症は入院での治療が基本であり、自宅療養や入院調整中は例外的なものであったということです。ですから本来は新型コロナウイルスに感染した患者さんは入院背の治療になります。でも現在入院できる病床がなく、自宅療養や入院調整中となってしまっています。
この自宅療養や入院調整中の患者さんへの医療が十分にできていない状況にあります。最近、自宅療養中の患者さんが急変して亡くなったというニュースを良く聞く様になりました。
このような事例があります。ある先生の基礎疾患がある90歳代の患者さんが新型コロナ陽性となり、入院調整が進まない中、その先生が往診されていました。そうしなければ生命が守れないからです。そして、スタッフの方が感染された。
本来は保健所の責任のもとに生命・健康を守られるはずが、それが出来ずに、地域の医師が医療を行った結果、スタッフのかたが感染された。
こうした事例を考えるとき、本来の責任の所在は明らかにしておかねばならないと思います。そして、そのことで診療所を閉鎖した場合の補償は? スタッフの健康被害への補償は? 様々な課題が考えられます。
私たち医療従事者は自宅療養中の患者さんや入院調整中の患者さんの命を守らなければなりません。でも医療従事者の使命感だけではだめだと思います。やはり国や自治体の責任ある体制を作っていかなければなりません。
入院したくてもできない患者さん、入院しなければならない患者さんが自宅で療養している、または入院調整中である。医療を必要としている患者さんに医療がとどけられない。この現実を早く解消しなければならないと思います。
このようなことをふまえ、京都府保険協会は「京都府における病床逼迫に対する要請書」を提出しました。その内容を紹介します。
京都府における病床逼迫に対する要請書
京都府における新型コロナウイルス感染症患者の入院受け入れ態勢は逼迫を極めています。府はこれまで、「感染者の受入可能な医療機関等」の「確保病床」は 720 床(うち重症 86 床、高度重症 30 床)であると広報されてきました。しかしこのほど「すぐに使用できる病床 330 床「うち高度重症病床 38 床」(1月 17 日現在)と明らかにされました。私たちはこの発表を聞き、「やはりそうだったのか」と受け止めました。いかに病床を確保しようとも、現場において医療スタッフが不足していれば、受入が不可能 であるのは当たり前です。今回の事態を招いたものが、歴史的な医師数抑制策、医療費抑制策にあることは明らかでしょう。あらためて国および地方自治体は自らの政策を検証し、新興感染症のパンデミックに耐え得る医療政策とそれに基づく提供体制の確立を目指すべきです。
しかしながら、今日の病床逼迫はそのような根本解決を待っていられるような生易しいものではありません。貴職におかれましてはさらなるご尽力を頂き、さらなる受入病床の確保を進めていただくよう、心からお願い申し上げます。
今や新型コロナウイルス感染症患者の病床確保は京都府内の入院医療機関が総がか りで取り組むべき課題であり、医療機関同士の連携体制構築を急ぐ必要があります。
また、病床逼迫により、宿泊療養施設に収容される人数も増加し、収容限界にきています。その結果、自宅療養、自宅待機の人数 が急激に増えており、このような状況下の患者さんの急変による死亡が全国的に発生しております。我々は入院できない患者の急変への対応が喫緊の課題と考えております。
つきましては下記の点を緊急に要請いたします。
何卒、よろしくお願いいたします。
記
1. 京都府としての確保目標値の明確化と府民への情報提供を
(1) 重症・中等症・軽症それぞれについて、それぞれの確保目標数値を示すこと。
(2) 現実に受入可能な病床数とそれに対しての入院割合を日々、公表すること 。
2. 積極的な受入病床確保に向けた要請と連携体制構築への支援を
(1) 府内各病院に対し、さらなる受入病床の確保に向け、京都府としての積極的に要 請を行うこと。
(2) 医療機関がお互いの協力・支援によって病床確保や役割分担をすすめやすくするよう府の呼びかけによって連携体制づくりを支援すること。また、入院医療コント ロールセンターにおいては、重症を脱した患者の受入先の確保についても調整す る役割を担うこと
〈入院医療機関の連携のあり方・例〉
・新型コロナウイルス感染症患者について、病院機能に応じ、重症・中等症・軽症患 者の受入何れについても受入先を1床でも2床でも確保していただく
・新型コロナウイルス感染症患者の受入が難しい病院は、上記に伴って逼迫する他 の通常の疾患の入院患者についての受入を担っていただく
・重症患者を受け入れる医療機関において、当該患者が重症期を脱した場合には、他の医療機関へスムーズに転院できるようにする
・医療機関同士の医師・看護師はじめ、医療スタッフの応援派遣を可能にする
(3) 連携に向け、各二次医療圏(京都市内においては行政区)単位で、地域ごとに全病 院の役割分担を明らかにし、カバー体制確立に向けて協議する 場として、緊急に「新 型コロナ対応地域医療 連携体制調整会議」(仮称)を開催すること。尚、同会議に は、京都府の入院医療コントロールセンター、全保健所の医師も参加 すること
3.施設療養、自宅療養においてより質の高い医療とケアが提供できるよう対応 を強化すること
(1) 病床逼迫 の状態 から今後も予想される自宅療養者の人 数の見通しを明ら かにすること。同時に、自宅療養者への医療的支援策を取りまとめること。
(2) 自宅待機及び自宅療養は家庭内感染を蔓延させる。その予防と急変に備え、宿泊療養施設の確保目標数を示し、 急いで拡充すること
(3) 宿泊療養施設への医師・看護師体制の出務状況を公表するとともに、開業医に対し、より広く協力を訴えるとともに十分な財政補償を行うこと
(4) 遠隔診療は、問診のみに頼るため病態把握に限界がある。自宅療養される方の増加、入院調整中の方の増加とその長期化に鑑み、健康観察体制を強化し、医学的な状態把握に努めること。この点では地区医師会など地域の医療機関の協力を得ること。
(5) 自宅若しくは施設療養において、急変への予測と迅速な対応を可能とするため、 医師の判断でモニタリングの充実と迅速な臨床検査および画像診断を可能と する体制の整備を行うこと
4.病院内クラスター発生時の減収補填の仕組みの創設を各入院医療機関が、全力を挙げて患者受入を行った結果、起こり得る院内クラスター発生に伴う医療機能の縮小・閉鎖、それに伴う減収に対し、公費で補填する仕組みを創設すること
以 上
ドラマをみて思いを馳せる
1月もようやく残すところ1週間を切りました。いつも思うことですが、「やっぱり1月は長かった。」です。でも1月が終わるとあっという間に時は過ぎていくんだなあとも思います。
毎週日曜日の午後11時55分から「ミヤコが京都にやって来た!」というドラマが放映されています。以前にもお話しましたが、佐々木蔵之介さんが町医者の役で主演。そのため医療にかかわることに関して、医療指導に私が関わらせていただきました。ドラマの撮影にも立ち会わせていただき、とても貴重な経験をさせてもらいました。感謝しています。
出来上がって、ドラマを観ていると色んな思いが湧き出てきます。
ドラマの撮影の前に、撮影の演出の方や美術の方が渡邉医院に来られ、診療所の中を見学されました。その時に、渡邉医院で一番古い「肛門科」の看板の歴史や母方の祖父が使っていた机を診察室で使っていること。また祖父の時代から使っている器械棚やカルテ台。建て直す前の渡邉医院のことなど、懐かしいお話をしました。また祖父から父へ、そして私へと受け継がれたものは、そういった「物」だけでなく、医療に対しての考え、医療技術なども引き継いでいることをお話しました。そういった、渡邉医院にある「受け継いだもの」を参考にされて、診療所のセットなどを作られました。
そういったこともあってか、ドラマを観ていると色んなことを思い出します。
ドラマの中で「柿木医院」の看板が玄関の中に置かれています。渡邉医院の看板も、今では「肛門科」は金箔が貼られ、黒い漆で塗られ立派に玄関前に鎮座して、診療所に来られる方を見守っています。
でも改築前は渡邉医院の門をくぐり、待合室に上がる上がり場の横にひっそり置かれていました。大分ボロボロになっていて、歴史は感じますが、少しかわいそうな感じがしました。今の様に「鎮座して威厳を保つ」というよりはひっそり見守るといった感じでした。そんな印象をドラマの「柿木医院」の看板を見ると思い出します。でも渡邉医院の「肛門科」の看板。広告に出したりいろんなところで活躍はしていました。広告にはいつも、古い看板の写真と「ただ一筋に肛門科」というキャッチフレーズを載せていました。「ただ一筋に肛門科」が合う看板です。
柿木医院の中を見ると、昔の渡邉医院の診療所の中を思い出します。待合室は畳部屋。診察室には冬になると石油ストーブが置かれ、その周りにタオルを干して乾かしている。診察室の診察ベッドも立派な一枚板でできているベッド。電動ではないので、踏み台を使ってベッドに上がってもらっていました。今は2回の談話室のテーブルになっています。診察室は二つ。奥の診察室の横には小さな坪庭。
待合室から中庭に続く廊下の途中に、町家ならではの急な階段。肛門の手術を受けた患者さんにはチョット酷な階段その上に畳の病室。ふすまを介して部屋を分けていました。術後しばらく日にちが経って余裕が出てくると、患者さんはそのふすまを外して一つにお大きな部屋にして、トランプをしたり、将棋や囲碁をして入院生活を過ごしてられました。のんびりした風景です。
また中庭を通って、昔蔵のあった場所を病室に改修した病棟に行くまでは吹きっさらしの廊下。その廊下の横にはトイレがありました。トイレの水は井戸水を引いて水洗にしていました。トイレを出たところには手水鉢。
中庭には、今は玄関前に移った山茶花が、庭の真ん中にありました。庭師さんが入院した時は剪定してくださいました。
蔵を改修して作った病棟は、洗面台は昔懐かしい小学校などにあるタイル張りの洗面所。
階段の手すりも昔に学校風でした。洗面所のタイルも剥がれたときは、入院していた大工さんが貼り治して下さいました。
旧渡邉医院の門をくぐりまっすぐ行くと土間がありました。看護師さんが休憩する場所でした。土間の上には立派な梁がありました。
なんか、ドラマに出てくる柿木空吉のような、そんな診療所でした。
阪神淡路大震災の後、柱はシロアリに喰われ、土壁だけで2階を支えている状態。建て直すことにしました。でも、これまでの渡邉医院の歴史を引き継ぐ診療所にしたいと父と私の想いを受けて、設計し作っていただいたのが今の渡邉医院です。
「物」だけでなく、これまで祖父や父が継承してきた「医の心」もこれからも継承していきたいと思います。
さてドラマは第3話が終りました。中盤に差し掛かってきました。今後の展開を楽しみに、そして古き渡邉医院、そして今の渡邉医院に思いにふけて、続きを観ていきたいなあと思います。