医療政策を弱体化させ、コロナパンデミックを招いた新自由主義政策⑤
今回で最終回です。
コロナ禍でも変えない国の医療政策
新型コロナウイルス感染症を経験しても、国の政策は、コロナ以前と変わりなく粛々とすすめられている。新型コロナウイルス感染症の拡大に際して国から出された改革方針のうち、経済財政運営と改革の基本方針2020(骨太方針2020)にその傾向が見てとれる。骨太方針では、新型コロナウイルス感染症に対応する入院医療や検査体制の強化を打ち出す一方、コロナ以前に策定した2018、2019年の骨太方針のうち、とりわけ社会保障分野について「着実に進める」と述べ、これまでの医療政策に変更はないとの立場を表明している。その上で、「新たな日常」や「新しい生活様式」という言葉を頻用し、新型コロナウイルス感染症を梃に従来からの政策目標の実現が目指されている。2020年の骨太方針では医療提供体制の強化が謳われているが、今時の新型コロナウイルス感染対策に過ぎず、抜本的な見直しを図るものではない。病床・人材の確保も謳ったが、新たに病床を増やしたり、医師数を増やしたりするのではなく、今ある病床や医師をやりくりして強化するというものでしかない。
今国会で「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案」と「全世代型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」が審議され可決された。そのうち、医療法改正案で見過ごせないのは外来医療の機能分化の論議である。入院医療における地域医療構想と同様の仕組みを外来医療についても創設するとしている。厚生労働省は「かかりつけ医機能」と「医療資源を重点的に活用する外来を担う医療機関」を定義して各々の必要数を定めようとしている。
「医療資源を重点的に活用する外来」については、①類型・範囲を明確化(例えば入院前後の外来医療など)、②実施状況について医療機関から報告を求め、実態を把握、③地域の医療関係者等で協議し、地域で基幹的に担う医療機関の明確化、という枠組みが浮上している。今のところ②の外来機能報告の対象から無床診療所は外されているが、かかりつけ医の登録制構想などとともに自由開業制とフリーアクセス制限強化の動きにつながりかねない。
また、「医療資源を重点的に活用する外来」は、紹介状なしでの大病院受診時の定額負担拡大にも利用されようとしている。これまで対象としていた特定機能病院と200床以上の地域医療支援病院に、200床以上の「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う病院」を加えるというのである。さらに問題なのは、定額負担(5000円)に「一定額(試算例としては2000円を例示)」を上乗せする方法として、初・再診料を保険給付から除外してその分を患者から直接徴収させようという提案がされていることである。これまでも、180日超入院、一定日数超リハビリなどへの給付削減がなされてきた。これらに続く医療本体部分に対する給付削減である。これらはさらに患者のフリーアクセスを阻害するものとなる。
さらに、健康保険法の改正案では、75歳以上の窓口負担について、すでに3割負担の現役並み所得層を除いて、年収200万円以上(平均的収入でもらう年金額、370万人=75歳以上の23%)の75歳以上の高齢者は2割化するという。窓口負担の2倍化である。これによって外来で平均年3.1万円の負担増となってしまう。コロナ禍での受診控えでの健康悪化も続く中での高齢者の負担増は、更なる追い打ちをかけることになる。このようにこれら二つの法案も廃案にしなければならない。
新自由主義政治から決別を
アベノミクスは株価を底上げし大企業の内部留保を積み上げてきた。しかし、賃上げや格差是正にはつながっていない。統計上の雇用は増えたが、多くは非正規雇用であり(全労働者の約38%、男性労働者の22.3%、女性労働者の56.4%)、コロナ禍で真っ先に雇い止めにされたのはその非正規雇用の人たちであった。自殺者数は7月以降4カ月連続で増加し、10月は前年同月比約40%増の2153人(警察庁速報)となった。中でも女性の増え方が目立っており、コロナ禍の経済悪化が直接・間接に社会的に弱い立場の人々を追い込んでいる。
コロナ禍で新自由主義の破綻を認める論調が多くみられるようになった。かつて新自由主義を唱えた野党第1党の代表も「新自由主義から脱却し、支え合いや分かち合いを大切にする政治を目指すべき」と政権との対立軸を明確に示すに至っている。私たちはこのような状況の中にいるからこそ、コロナ後の医療・社会保障制度の在り方の基盤として、公的な社会保障でこの国に暮らすすべての人の生命と健康を守る国、新しい福祉国家をつくる構想が極めて重要となっている。京都府保険医協会と心ある研究者によって作り上げた「社会保障基本法 2011」は、健康に生きる権利は人間の尊厳に値する生活保障の基本であり、「国は医療保障の他、公衆衛生、食の安全、就業環境の安全、居住環境の整備・保全などへの十分な責務を果たさねばならない」と明確に謳っている。コロナ後の世界と日本の国の姿を見据え、私たち医師団体が問われている課題は大きい。いまこそ新自由主義政治から決別しなければならない。
医療政策を弱体化させ、コロナパンデミックを招いた新自由主義政策④
保健所の機能の後退
しかしながら、新型コロナウイルス感染症は日本の感染症対策の弱点と限界を明らかにした。日本においては保健所が感染症対策の中核に位置付けられている。根拠法は地域保健法ならびに感染症法である。保健所は「公衆衛生に精通した医師」を司令塔に、パンデミックに際しては、疫学調査・防疫措置、住民への情報提供、保健指導の最前線に立つとされている。この保健所の機能の後退がコロナ禍に大きく影響した。保健所に関しては1994年の保健所法改正、地域保健法への移行を境に、保健所数は減少の一途をたどった。保健所設置の基準が人口10万人に1カ所から、二次医療圏単位に1カ所となったことによる。これを契機に保健所の数が激減した。
保健所の数を減らす政策がとられた理由に二つある。
1つは保健所の役割の変更である。地域保健法には新たに市町村保健センターが位置付けられた。それ以降、保健所が企画・調整業務、そして保健センターが身近な対人援助を中心とした保健サービスを担うこととなった。
2つめは地方分権改革である。地方分権推進委員会は、1996年、必置規制を解除する対象例に「保健所・児童相談所・福祉事務所」を挙げた。さらに保健所長の要件から医師資格を外すことも提言した。その結果、必置規制は残ったが、保健所の数は減少、保健所長の医師資格要件は「原則」化された。1989年に848カ所あった保健所は、2021年には470カ所まで減少した。職員総数も、約3万4千人から約2万8千人に減少した。医師数も4割以上減少した。
このように、国は永きにわたり保健所の役割を過小評価してきた。それは新興感染症の脅威に対する過小評価でもある。国は、結核患者の減少を理由に〝感染症の時代は終わった〟として、感染症研究所、衛生研究所、 保健所などを縮小し、公共サービスを削減してきた。
1950年代後半には、衛生環境の改善、医学の進歩で、結核が死亡理由の上位から姿を消した。それに代わって、悪性新生物などの非感染性疾患が健康課題の上位に位置づけられるようになった。そのため、がんを含めた、慢性疾患、「成人病」への対応が強く求められるようになった。感染症対策は後景に置かれるようになった。
保健所の衰退は、1996年の橋本政権の発足と1997年の「地域保健法」の全面施行から始まる。日本でも新自由主義改革が始まり、国の財政をグローバル化する世界経済に対応し得る企業支援に振り向けるため、医療など社会保障サービスにかかる費用の抑制が進められた。新自由主義改革によって「措置から契約へ」の転換が図られた。国は「社会福祉基礎構造改革」を推進し、1997年の介護保険法、2000年には社会福祉事業法を社会福祉法へと改正した。また、障碍者福祉サービスは「支援費制度」へ移行させた。このような「措置から契約へ」の転換は、当事者の自己決定を謳い文句に、本来国家が果たすべき社会保障責務を当事者と民間事業者の契約関係に置き換えたにすぎない。
市町村保健センター
「地域保健法」によって、新たに市町村保健センターが設置され、同センターが身近な対人援助を中心とした保健サービスを担うことになった。その際、保健所から市町村保健センターに移管した業務が早々に民間事業者に委託されてしまった。その結果、市町村センターの対人援助業務は縮小化し、当然、機能の縮小を促す要因となった。さらに、2008年には老人保健法が廃止され、後期高齢者医療制度に移行した。また、旧来の老人保健事業の根拠を、64歳までは健康増進法へ、65歳以上については介護保険法における一般介護予防事業に付け替えた。また、市町村が実施していた基本健康診査を廃止して、保険者が実施主体となる特定検診・特定保健指導へと変えられた。このように、「地域保健法」以降、それまで保健所や市町村保健センターが担ってきた事業が地滑り的に自治体から切り剝がされるようになった。
次回は「コロナ禍でも変えない国の医療政策」から始めます。
医療政策を弱体化させ、コロナパンデミックを招いた新自由主義政策③
地域医療構想の矛盾
2019年9月26日、厚生労働省は地域医療構想の実現に向けて「再編・統合の必要がある公立・公的病院」424病院のリストを公表した。これは、全都道府県が策定した地域医療構想の達成に向けて、まずは国がコントロールしやすい公立・公的病院を再編・統合させようとするものであった。この公表内容を医療界や自治体は激しく批判した。それに対して、厚労省は、混乱を招いたことについての手続き的な問題は認めたものの、地域医療構想達成のための公立・公的病院の在り方を再検証させるという方針は撤回していない。それどころか、2020年1月17日に「公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等について」という通知を都道府県知事宛に発出し、再編統合を求める公立・公的医療機関リストと、さらに民間医療機関リストまで添えて対象医療機関の再編・統合を迫まってきた。
地域医療構想における「必要病床数」は、国が一律の計算式で弾き出した医療需要推計で、全国統一の算定式を使って導き出されたものである。形式上、都道府県が策定していることになっているが、実際は国の政策的意図に沿ったものである。医療需要は過去のレセプトデータを用いたもので、新型コロナウイルスのパンデミックなどを想定しない病床数である。コロナ以後の地域医療構想は無効化したといえる。さらに地域医療構想の土台である都道府県が6年に一度策定する医療計画も見直しが必要である。
全国一律の計算式で算出した基準病床数においては、感染症病床についても人口比に応じて一律に病床数が定められている。京都府の感染症病床は38床、結核と合わせても188床に過ぎない。一方の感染症法は、指定感染症に感染した患者の例外なき隔離を定めている。そのため不足は当然起こるべくして起こった。その結果、本来は感染症患者の受け入れを想定していなかった一般病床への受け入れがなし崩し的に行われた。今や、コロナ以前の医療需要推計、必要病床数、基準病床数はすべて無効になった。医療計画上の感染症病床の配置基準や一般病床の指定基準の見直しは急務である。
医師数政策も同様である。国は全都道府県に医師確保計画を2020年に策定させた。同計画は、医師偏在指標、診療所医師については外来医師偏在指標を用いて、全ての都道府県と二次医療圏を「医師多数区域」「医師少数区域」「どちらでもない区域」に色分けし、多数区域における他区域からの医師確保や開業の規制を行うことで、地域間の医師数を「フラット化」しようとするものである。一人当たり医療費の地域差を解消する仕組みづくりである。そこには医師の数が多いから医療費がかさむという発想がある。偏在指標に使われた医療需要は地域医療構想と同様の手法で導き出されており、当然ながら新興感染症の拡大などまったく想定しないものであった。
コロナ禍の医療の逼迫
医師数削減、医師養成の抑制、看護師不足の放置もコロナ禍の医療の逼迫に影響している。日本の人口千人当たり医師数は2.4人(OECD(経済協力開発機構)の加盟国平均は3.5人)である。OECD平均まで、約14万人の養成が必要である。G7のなかで日本の人口あたり医師数は最低である。1982年からの「将来は医師過剰時代」として、医学部の入学定員が抑制され、定員削減が2008年まで続いたことも影響している。
このように、新型コロナウイルス感染症は、医師などの削減政策によって医療現場のマンパワー不足を露呈させた。感染拡大で危惧される「医療崩壊」とは、陽性者の増加に対して、受け入れる病院・病床や医師・看護師ら医療スタッフが不足し、対応不能となる事態を指す。新興感染症の危機と隣あわせであるにもかかわらず、それが現実となったときの備えがなされていなかった。そればかりか効率性だけを重視し、一貫して病床数・医療スタッフ数を抑制し続けてきたことの結果が今回の医療崩壊の危機をもたらした。
これまでの国の医師政策は、医師数だけでなく医師の働き方さえコントロールしようとするものであった。外来医師の開業規制と並行して国が着々と準備してきたのが「かかりつけ医登録制」である。あらかじめ患者をかかりつけ医に登録させ、専門科受診や入院はかかりつけ医を通して行わせる仕組みであり、フリーアクセスと自由開業の制限をねらったものであった。実際、厚生労働省は、2020年2月18の医療計画の見直しに関する検討会で、地域医療構想と同様の発想で外来医療機関を「かかりつけ医」と「医療資源を重点的に活用する医療機関」に二分し、各々の必要数を定める制度創設に着手した。
日本医師会の横倉義武当時会長は、2020年4月28日、日本が諸外国に比べて感染者や死亡者数が少ない理由を医療従事者の努力に加え、国民皆保険制度ならではの医療へのアクセスの良さ、人口1000人当たりの急性期病床数の多さにあると述べた。指摘どおり、日本の皆保険体制は単にすべての人が公的な医療保険制度に加入しているだけでなく、皆医療保障、すなわち、必要なとき、必要なだけの医療を保障する仕組みであり、そのことが、初期段階の新型コロナウイルス感染症拡大防止に有効に機能した面はある。
次回は「保健所の機能後退」から始めます。
医療政策を弱体化させ、コロナパンデミックを招いた新自由主義政策②
コロナ禍における医療崩壊
コロナ禍の京都では、今、3回目の緊急事態宣言発出中である。今年4月21日時点では累積患者数は11279人、新規陽性者の数も増えている。そして、2020年の年末から京都府でも医療崩壊が起きてきた。
感染症法では今回の新型コロナウイルスのように二類感染症に感染した人は原則入院治療になる。京都府は1月14日以前までは、感染者を受け入れる病床は長い間「720床」と説明していた。しかし、実際はすぐに入院できる病床は「330床」であることが1月14日に明らかにされた。この時点ですでに病床利用率は82.7%であった。京都市でも自宅療養や「入院調整中」のまま、命を落とす人たちが出てきた。まさに医療崩壊が起きたということである。
その原因は、大きく二つある。一つ目は病床数の不足と、医師数の不足。そしてもう一つは保健所の機能の後退、である。これらをもたらしたのは長年にわたる新自由主義改革である。それは、社会保障にかかる費用の徹底した抑制を目指す制度改革で、今なお医療費適正化政策が継続して展開されている。新自由主義改革からの転換なくして、日本は新興感染症に対応できる国にはなれない。
病床数、医師数の抑制政策について見てみよう。これは医療費の「地域差是正」という政策である。国の医療費適正化の取り組みは、都道府県単位の「医療費の地域差」を縮減することを具体的目標に据えている。地域差を生む要因として、入院医療費の中から病床数と医師数が指摘された。ベッド数が多いから、入院医療にかかわる医師数が多いから、入院医療費が増えるというのである。外来では、診療所の医師の数が多いから外来医療費が増えるという。病床数や医師数を削減すれば医療費が削減できるという考えである。そして、都道府県の医療体制をフラット化し、しかも低位平準型を目指している。
入院費では最も高い高知県が32.1万円に対して、最も少ないのが静岡県の18.5万円。その差は13.6万円。また外来医療費では、最も高いのが広島県の29.3万円に対して最も少ないのが新潟県の23.1万円。その差は6.2万円である。この差を低い方にフラット化していくという政策である。
「医療制度構造改革」
都道府県単位の医療費適正化政策は、2001年、小泉政権が誕生して本格化した。小泉政権の「医療制度構造改革」がめざしたのは、都道府県の医療費管理・抑制を主眼に、都道府県が自主的に医療費を抑える役割を担うような制度をつくることであった。その皮切りに都道府県単位の「後期高齢者医療制度」がつくられた。同時に、協会健保も都道府県単位の財政運営になった。さらに、小泉政権の下で新設されたのが、「都道府県医療費適正化計画」なる法定計画である。
現在この計画は6年を1期として、すべての都道府県が策定する。現在は、2018年からの第3期に入っている。この計画には「2024年の医療費の見通し」が書き込まれている。見通しは国の与える計算式に則って算出される。都道府県は、国が理想とする医療費の水準をめざし、医療政策を行うことになる。具体的に都道府県が担うのは、一つは、保険財政の管理・運営。もう一つは、医療提供体制である。
国民健康保険の都道府県化
2018年4月から、それまでは市町村が保険者を担ってきた国民健康保険が「都道府県単位」の保険制度になった。都道府県は市町村といっしょに、「保険者」として保険財政の運営に責任を持つことになった。これは、小泉政権のはじめた都道府県単位に医療費を管理・コントロールし、抑制を可能とする仕組みづくりの一環である。医療にかかる人が増える、そうすると保険給付が膨らむ、そして国・自治体の負担が増える、保険料も高くなる、都道府県はそうならないための医療政策を進める、といった具合である。
国民健康保険の都道府県化によって、都道府県が国民健康保険の財政を管理することになった。都道府県は、まず、医療費の見込みを立てて市町村ごとに分賦金(ぶんぷきん)の額を決定する。市町村ごとの分賦金の額は、市町村ごとの医療費水準及び所得水準を反映している。その分賦金を市町村が都道府県に納めるために保険料を決定して、被保険者に保険料の賦課・徴収を行う。このことで、市町村は分賦金を抑えるために、医療費水準を抑えようとする。このことから、十分な国からの補助がなければ、ドミノ式に都道府県及び市町村レベルで医療費の抑制の方向に進んでしまうことになる。
つぎに、都道府県が保険者になることで、都道府県が保険者機能を強める可能性がある。保険者機能を強めることで、医療機関への診療内容や範囲を管理する可能性がある。また、費用対効果の高い医療供給者や医療機関を受診させるといったことになりかねない。このことはフリーアクセスの制限となる。このように、国民健康保険の都道府県化は都道府県自らが医療費抑制へと進めさせる制度ということになる。
「医療制度構造改革」のめざす病床削減
2016年に国会成立した「医療・介護総合確保推進法」に基づいて、2018年度中に全ての都道府県が〈地域医療構想〉を策定した。地域医療構想は2025年の機能別医療需要とそれに対する機能別必要病床数(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)を構想区域(二次医療圏)ごとに算定させ、目標化させるものである。それに先立ち、内閣府に設置された「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」は2015年6月、「第一次報告」として、2025年の機能別必要病床数を示した。2013年の段階で病床数は134.5万床あり、そのうち一般病床が100.6万床、療養病床が34.1万床であった。2014年7月の病床機能報告で、病床数はすでに123.4万床と減り、高度急性期が19.1万床、急性期58.1万床、回復期11.0万床、そして慢性期が35.2万床となった。国の推計では、機能分化などをしないまま、高齢化を織り込んだ場合、2025年には152万床になる。国が目標としている病床数は115~119万床、高度急性期が13.0万床、急性期40.1万床、回復期37.5万床、そして慢性期が24.2~28.5万床とした。この目標に向けて、病床の削減が目指されている。
このように、病床を高度急性期、急性期、回復期、慢性期に機能分化することで病床数の削減を進めようとしている。しかし、このように機能分化することで、今回のコロナ禍のように病床が逼迫した状況においても、回復期、慢性期の病床が急に高度急性期、急性期の病床に対応できない状況にある。したがって、国が進めてきた病床の機能分化のなか、コロナ禍だからと言って急に急性期病床を確保しろと言っても無理な状況にある。
地域医療構想の医療需要推計 推計に用いられたのは、2013年度1年間のNDB(レセプト情報・特定検診等情報データベース)・DPC(包括医療費支払い制度)からのレセプトデータを使用した「医療資源投入量」である。医療機関不在や経済事情からの受診控え等のアクセスの問題が反映されていない。そのため「偏在」や「経済的事由による受診控え」を固定化した推計になっている。慢性期の需要推計は、「高齢化の進展による医療ニーズの増大に対応するため」、2025年には、「療養病床以外でも対応可能な患者」(医療区分1の患者の70%に相当する者と示唆)を病床ではなく「地域包括ケアシステム」で受け止めることを前提になされている。政策誘導そのものである。
2016年度末に京都府が策定した医療構想は、他府県とは違った特徴がある。一つは、必要病床数が「増える」と推計したこと。二つ目は、二次医療圏別にみても、必要病床数は現状維持もしくは増加するとしたこと。三つめは、高度急性期・急性期・回復期・慢性期など細やかな機能別推計値は京都府推計としては記載されなかったこと。私たちは、地域医療構想で使われた「医療需要」が地域の医療の実情を反映していないと批判してきた。しかし、厚生労働省はその批判に耳を傾けることはなく、ひたすら地域医療構想の実現を目指している。
次回は「地域医療構想の矛盾」から始めます。
医療政策を弱体化させ、コロナパンデミックを招いた新自由主義政策①
5月9日の日曜日に、日本科学者学会京都支部が開催した講演会「コロナパンデミックと新自由主義・資本主義」で約1時間程度の講演をしてきました。
内容は「医療政策を弱体化させ、コロナパンデミックを招いた新自由主義政策」というものです。
1回で紹介すると長くなってしまいますので何回かに分けて紹介したいと思います。
「医療政策を弱体化させ、コロナパンデミックを招いた新自由主義政策」
新自由主義改革による医療体制・公衆衛生、社会構造の弱体化
市場原理や経済効率を重視する新自由主義改革は、1980年代に実行された「臨調行革」路線によって本格化してきた。2001年に発足した小泉政権では、「医療費の伸びを経済財政と均衡のとれたもの」にするとして、公費の投入を抑制して公的医療費の抑制政策を展開した。医療の需要面では患者の自己負担を増やすこと。供給面では病床の削減や病院の統廃合、医師の養成数の抑制、医療の市場化・産業化などを一体的に進めてきた。このような新自由主義改革が、コロナ禍の医療提供体制や公衆衛生の弱体化を招いた。
新型コロナウイルス感染症の拡大は日本の医療・福祉政策の脆弱さを露呈させた。今、日本で起こっている事態は、1990年代以降推進されてきた新自由主義改革の帰結という側面がある。グローバル経済の下では、人と物は不断に国家間を行き来する。かつてなら地域限定の流行で止まったはずの感染症が瞬く間に世界に広がる。そして、今日の世界経済の構造は地球規模での新興感染症による危機と常に隣り合わせにある。しかも、それは例外なくすべての国家に降りかかる。
1990年代以降、歴代政権は経済グローバル化に呼応し、新自由主義改革政治に舵を切っておきながら、経済活動によって世界中を物と人が行き交うことで当然予想すべき新興感染症への備えを怠ってきた。2009年に新型インフルエンザを経験したにもかかわらず、なお、感染症対策は後景に追いやられ続けてきた。今日の保健所の困難や医療崩壊の危機はその結果である。一方、緊急事態宣言時のように「自粛」を求め、感染症の封じ込めのために経済活動を停滞させれば、たちまち生活基盤が切り崩される労働者や自営業者等の存在も明らかとなった。
橋本政権以降の歴代自民党政権は、新自由主義改革により、グローバル大企業を支援すべく社会構造を全方位から改変・解体した。新自由主義改革で日本の雇用・生活保障のシステムは著しく弱まった。新自由主義改革の推進は企業社会の解体を進めた。終身雇用と年功序列賃金は否定され、1995年5月、日経連(当時)は「新時代の日本型経営」において雇用の在り方を、①長期蓄積能力活用型グループ、②高度専門能力活用型グループ、③雇用柔軟型グループへ再編することを提起した。1996年から派遣労働の派遣業種が拡大され始め、小泉内閣による2003年の派遣法改正ではほぼ全面解禁された。
その結果、雇用柔軟型グループの労働者、すなわち、非正規・不安定雇用の労働者が膨大に生み出された。量産されてきた雇用者側にとって便利に「使い捨て」可能な不安定就労層は、今回コロナ禍下での経済活動の低迷で大きな打撃を受けた。報道によると6万人以上の「コロナ解雇」が起きている。新型コロナウイルスに感染して回復したとしても、職を失うことはその後生活への保障がなくなってしまうということである。
厚生労働省が発表した、去年4月に申請された生活保護の件数は2万1486件で、前年同月と比較すると24.8%増加した。生活保護の支給を開始した世帯数も1万9362世帯で、前年同月に比べ14.8%増加した。リーマンショックを超える増加である。生活保護の審査が厳しくなる一方で受給者数が減少し、本当に必要な人に生活保護が支給されていない状況のなか、この増加は新型コロナウイルス感染によって仕事を失った人が急増していることを意味している。失業者も毎月増加傾向にあり、完全失業率も2.9%で、男性3.0%、女性2.7%である。
企業の倒産も去年2月から9月までの総件数は563件にも及ぶ。業種別では飲食店が最も多く81件、次いでホテル・旅館が56件となっている。実質国内総生産も去年4月から6月期でー7.9%である。補助金等の支給で、何とか踏みとどまっても、今後、自粛要請が長引くことで、倒産が増えていくのではないか。これらのことは、新自由主義改革政治による雇用破壊の結果であり、かつ最低生活保障の不十分さを示している。グローバル大企業を支援すべく社会構造を全ての方向から改変・解体してきた新自由主義改革が日本の雇用・生産補償のシステムを著しく弱めてしまったことが、新型コロナウイルス感染症拡大によって明らかになった。
新自由主義が目指した医療・社会保障制度改革
新型コロナウイルス感染症が医療分野にもたらしている困難の背景にも、新自由主義改革がある。新自由主義改革の柱の一つとして進められてきた医療・社会保障制度構造改革は、①公的な給付を抑制すること、②医療・福祉サービスを市場化すること、を目指してきた。公的な給付を抑制して、医療と福祉のサービスの市場化によって、国による医療・福祉の保障は最低限に、それ以上のサービスは自己責任で市場から購入するといった仕組みへの転換である。新自由主義改革が目指した医療・社会保障制度改革は端的に言って「公的保障のミニマム化と保障の多層化」である。
2003年の小泉政権の「医療制度改革の論点」では、公的医療費の伸びの多くを占めている入院医療費を抑制するために病床数の削減や、供給医師数の計画的削減などの「効率化を図る」ことを基本方針にした。そうした路線によって進められてきたのが介護保険制度や障害者自立支援法の創設である。そして、医療分野では、医療保険制度の再編、例えば国保の都道府県化や都道府県による医療費管理システム、そして保険者機能の強化による医療需要の抑制などである。その下で今日も強硬に進められているのが、病床数の抑制などの医療提供体制改革ならびに医師・医療スタッフの養成、医師数抑制、開業規制とフリーアクセス制限などの医療提供「者」改革、である。
医療も感染症などの急性期医療から慢性期医療への転換が進められてきた。今後需要が増大する高齢者の医療は、がん、脳血管疾患、心疾患などの慢性医療が中心となっていくとして、感染症などの急性期医療を縮小し、慢性期医療に医師や看護師などのマンパワーや医療機器などを集中投入してきた。さらに病床の効率的な活用を目指し、一般病床の稼働率を高めるようにした。また患者の入院日数の短期化もすすめた。このように急性期の病床を絞り込み、全体の病床数を減らすようにした。その結果、全国の感染症指定病床は1998年には9060床あったのが、2020年には1869床にまで減少した。
次回は、「コロナ禍における医療崩壊」から始めます。
6月の献立「噛みごたえ満点メニュー」を紹介します。
今日は1日母と一緒に母の家で過ごしています。だいぶ髪が伸びていたので、朝、入院の患者さんと手術したばかりの患者さんの診察を終えた後、散髪屋さんいいって髪を切ってスッキリしました。
今日は疲れているのか、母は昼過ぎまでゆっくり寝ていました。母も今月末で87歳になります。まだまだ体は元気です。
今年は緊急事態が延長された真っ只中。いつも母の誕生会は一緒に食事に行っています。今年は少し先に延ばそうと思います。毎年、お世話になっているお店に伺うのですが、認知症になった母をいつも優しく向かい入れて下さいます。母の人柄、これまでの生き方もあるんだろうなあと思います。これまでの母の人生において、人とのかかわり方、そのかかわってきたことが今の母にあるんだなあと思います。本当に皆さんに感謝です。
会話は成り立ちませんが、一緒にいるだけで癒されます。気持ちが落ち着く。やっぱり母はいつまでも母なんだなあと感じます。
今、母はリビングで椅子に座ってテレビを見ながら穏やかに過ごしています。
さて、6月は「噛んで健康」をテーマにレシピを紹介してきました。今回は最後にそれぞれのレシピを組み合わせての6月の献立を紹介します。
「噛んで健康」の総仕上げ、「噛みごたえ満点メニュー」です。
6月の献立
「噛みごたえ満点メニュー」
1人分 約550kcal たんぱく質 28g 食物繊維 10g
・牛肉とブロッコリーとれんこんの炒め物
・イカと九条ネギのゆかり和え
・トマトと新ショウガのサラダ
・即席松前漬け
・もち麦ご飯
の5品です。是非作ってみて下さいね。
「ごろごろカレー」のレシピを紹介します。
6月のレシピは「噛んで健康」をテーマにレシピを紹介してきています。6月のレシピの最後は「ごろごろカレー」のレシピです。
カレーにかかわるレシピはこれまで三つのレシピを紹介してきました。今回でカレーに関しては第四弾です。「Kyoto-ji.jp」の検索機能で「カレー」と入力して検索してもらうとこれまでの三つのカレーレシピが出てきます。こちらもまたみて下さいね。
母が作るカレーはとても美味しかったです。得意料理の一つで、みんなが集まるときは、いつもカレーを作ってふるまっていました。
たっぷりの玉ねぎを、きつね色になるまでじっくり炒めて、とろとろになるほどまで。そしてそこにブロックのごろっとしたお肉を入れて一種に炒めある程度炒めた後に水を注ぎ、ニンジンやジャガイモを入れてじっくり煮込む。具材にはトウモロコシやナスを入れることもありました。最後にチーズを入れたり。
大学に行って、下宿で最初に一人で作ったのがカレーだったと思います。玉ねぎの量が少なかったのか、一生懸命炒めているうちに、焦がしてしまい、もう一度玉ねぎを切りなおして作り直したことを思い出します。
そういえば、最近全くカレーを作っていないなあと思います。
母をショートステイやデイサービスに迎えに行った後、母は夕食を食べてから帰るのですが、私はまだ食べていません。そんな時、カレーが食べたくなることが多いです。作ることなく、コンビニでカレーを買って母の家で食べています。
おそらく皆さんも、自分の家のカレーがあるんだろうと思います。お正月のお雑煮がそれぞれの家で違うように、カレーもその家その家で特徴があるんだろうなあと思います。
たまには、いつもと違ったカレーを作ってみるのもいいのではないでしょうか。
是非作ってみて下さいね。
ではレシピを紹介しますね。
「ごろごろカレー」
(カレーライス1人分)
エネルギー 約550kcal たんぱく質 18g 食物繊維 13g
材料(2人分)
鶏モモ肉 100g
サラダオイル 大さじ1
玉ねぎ 1/4個
にんじん 小1本
じゃがいも 1個
舞茸 1/2パック
カレールー 2かけ
◇水 ひたひた
もち麦ご飯 360g
作り方
- ①材料はすべて少し大きい一口大に切る。
- ②鶏肉を炒め、野菜も炒めて水を入れ好みの硬さにする。
- ③カレールーを溶かしとろみがつくまで煮る。
- ④もち麦ご飯にかける。
《ポイントは具材の大きさ》
同じ固さでも大きく切ってあることで噛む回数が増えます。
あえていつもの材料にしましたが、根菜やシーフード、夏野菜など加えても
噛みごたえアップします。
肉じゃが、シチュー、筑前煮など他の煮物にも応用できます。
「生生姜の甘酢漬け」のレシピを紹介します。
6月のレシピは「噛んで健康」をテーマに紹介しています。
今日は「生生姜の甘酢漬け」のレシピを紹介します。
生姜は昔から、風邪など、様々な病気に効くと言われてきました。そこで生姜の体への作用を少し調べてみました。
調べてみると、生姜は食べ方によって効果が違ってくるようです。生で食べるのと、熱してから食べるのでは効果が違ってくるとのことです。
この食べ方によって効果が異なってくる要因として、生姜に含まれているジンゲロールという成分が関係しているようです。
生の生姜には、このジンゲロールが含まれています。このジンゲロールは解熱作用や強い殺菌作用があるようです。また、体内の熱を取り除く一方で、体の表面を温める作用があります。これに対して、生姜に熱を加えることで、ジンゲロールがショウガオールという成分に変わるそうです。このショウガオールは血液の流れを良くする作用があり、このことで体を温める効果があります。また、乾燥させた生姜にもこのショウガオールがたくさん含まれているそうです。
今回紹介する「生生姜の甘酢漬け」お寿司屋さんで出てくる「ガリ」ですよね。このジンゲロールの効果を知って、「なるほど!」と思いました。ガリは、ただただ箸休めのためのものではないのですね。生のお魚をネタにしてのお寿司。生生姜に含まれているジンゲロールの強い殺菌効果も期待しているんですね。
そろそろ、「生生姜の甘酢漬け」のレシピを紹介しますね。
「生生姜の甘酢漬け」
新生姜の甘酢漬けの材料
新生姜 300g
★塩 小さじ1/3
◇酢 100ml
◇水 100ml
◇砂糖 30g
◇塩 小さじ1/3
*酸のチカラできれいなピンク色になります。
*冷蔵庫保存して下さい
新生姜の甘酢漬けの作り方
- ① 新生姜はできるだけ新鮮なものを購入し、茶色くなったところをスプーンでこそげとって、繊維に沿って薄くスライスします。
- ② お湯を沸かし、2分茹でます。ざるに上げ、★の塩をまぶして冷まします。
*このゆで汁でジンジャーシロップも作れます(2018.8月のレシピ)。
③ ◇の材料を入れて一煮立ちさせて冷まします。
④ ジップ付き保存袋かビンに②を絞っていれ③を注ぎます。
「トマトと新生姜のサラダ」
ざく切りにしたトマトに新生姜の甘酢漬けの千切りを乗せる。
好みで黒胡椒・オリーブオイルをかける。
「牛肉とブロッコリーとれんこんの炒め物」のレシピを紹介します。
今日は朝から雨が降っています。いよいよ梅雨入りかなあと思います。
雨の日の渡邉医院、草木も雨に濡れ、生き生き光輝いています。生きていくものにとって水はとても大事ですね。降りすぎや災害は困ります。いい塩梅で降って欲しいものです。
6月のレシピは「噛んで健康」をテーマに紹介しています。よく噛んで食べる。消化管の動きも良くなるので、快便にも大事ですね。また、脳の機能も活性化してくれます。
さて、今日紹介するレシピは、「牛肉とブロッコリーとれんこんの炒め物」です。
前もお話ししたかもしれませんが、私は以前、グリーンアスパラとホワイトアスパラの関係が、ブロッコリーとカリフラワーの関係かと思っていました。でもちょっと違いました。
ブロッコリーもカリフラワーも、どちらもアブラナ科のキャベツの仲間です。ブロッコリーが突然変異して、花蕾が白化したものがカリフラワーだと言われているそうです。ですから、グリーンアスパラとホワイトアスパラのように育て方が違うのではありませんでした。
ブロッコリーもカリフラワーもビタミンCが豊富な野菜だそうです。ブロッコリーの方がより多くのビタミンCを含んでいるそうです。でも茹でたときにビタミンCが失われやすいそうです。これに比べて、カリフラワーは茹でてもビタミンが壊れにくいそうです。
ほかにもブロッコリーは、β―カロテンを多く含んでいて、美容や健康に良いということです。
私が子供のころは、ブロッコリーよりカリフラワーの方をよく見かけていた気がします。アスパラもホワイトアスパラの方が多かった気がします。どちらも茹でてマヨネーズをつけて食べていた記憶があります。
少しこのことを調べてみると、こんな風に紹介されていました。
第二次世界大戦後は洋風文化が広まり、先に広がったのはカリフラワーだったそうです。カリフラワー、ホワイトアスパラ、そしてセロリの三つが「洋菜の三白」と呼ばれていたそうです。1980年以降、緑黄色野菜の認識が高まって、1980年代半ばにはブロッコリーの生産量が初めてカリフラワーの生産量を上回ったそうです。最近ではブロッコリーの生産量はカリフラワーの生産量の約8倍だそうです。
私は1960年生まれ。子供のころの記憶は正しかったようです。
さてそろそろレシピを紹介しますね。
「牛肉とブロッコリーとれんこんの炒め物」
(1人分)
エネルギー 約240kcal たんぱく質 16g 食物繊維 5g
材料(2人分)
牛薄切り 100g
★めんつゆ 大さじ1/2
★片栗粉 大さじ1/2
ごま油 大さじ1
ブロッコリー 1/2株
れんこん 1節
ヤングコーン 1パック
◇めんつゆ 大さじ2
◇水 大さじ6
作り方
- ①ブロッコリーは大きめの小房に分け、軸は硬い皮をむいて乱切りにして硬めに茹でる。
- ②れんこんは乱切りにして硬めに茹でる。
- ③ヤングコーンは半分に切る。
- ④牛肉は★のめんつゆ、片栗粉の順にも見込んで団子状に丸める。
《丸めることで軟らかくても噛む回数が増えます》
⑤④をごま油で転がしながら焼いて取り出す。
⑥同じフライパンに①②③を入れ炒める。
⑦◇を入れて好みの硬さになるまで炒め煮にする。
《硬めに仕上げたほうが噛みごたえアップします》
「松前漬け」のレシピを紹介します。
今日も一日、熱い一日でした。雨が降りそうで降らない。晴れるのかなあと思ったら一気に曇る。変な一日でした。
今年は、渡邉医院のツツジも例年より多くの花をつけているような印象です。ようやく馴染んできたのかなあと思います。もっと沢山の花が咲いてくれたらいいのになあと思っています。
6月のレシピは「噛んで健康」をテーマに紹介しています。
第三弾は「松前漬け」です。
松前漬けを調べてみると、「松前漬けは北海道の郷土料理で、数の子やするめ、そして昆布を醤油で漬け込んだ保存食」とありました。
私が初めて松前漬けを食べたのは、大学1年生の時でした。
私の同級生に、北海道出身の人がいて、「今日、実家から松前漬けが届いたから宴会しよう!」と声がかかった時が人生初めて食べた松前漬けでした。数の子やするめがふんだんに入っていて、昆布による粘り気とうまみ。初めて食べたときは、なんて美味しいんだと思いました。お酒のつまみにも会いますが、熱々の白ご飯にも会います。何杯でも行けてしまう。
また、同級生の実家がお米屋さんで、炊飯器にいっぱいの炊き立てのご飯。美味しい白ご飯と一緒に松前漬け。う~ん、忘れられない。松前漬け、本当に贅沢な食べ物だなあと思います。
今回のレシピは家庭にあるもので、簡単に作れますよと管理栄養士さん。是非つくってみてくださいね 。
「松前漬け」
(全体量)
エネルギー 約170kcal たんぱく質 12g 食物繊維 7.5g
材料(作りやすい分量)
人参(千切り) 40g
切り干し大根(乾) 15g
するめ 13g
昆布(乾) 10g
★めんつゆ(3倍濃縮) 30ml
★砂糖 小さじ1/2
★水 90ml
★鷹の爪 1本
作り方
- ①切干大根はさっと洗い、水に5~10分つけて硬めに戻し、3cmの長さに切ってしぼっておく。
- ②★を器に入れ電子レンジで2分ほど温める。
- ③②に①、千切りの人参、細切りの昆布、するめを混ぜる。
- ④具の表面にピッタリと落としラップをして半日ほど冷蔵庫で置く。
*かずのこやホタテなど入れてもおいしいです。