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2020.05.12

「イマム・バユルドゥとピベル・ドルマス」のレシピを紹介します。

 6月のレシピは世界三大料理、「トルコ料理」をテーマに紹介しています。第二弾は「イマム・バユルドゥ」と「ピベル・ドルマス」という料理を紹介します。といっても私は初めて聞いた名前。名前だけでは全然イメージは湧きません。またイマム・バユルドゥは「お坊さんの気絶」という名前の料理です。ますます何だろうと思います。
 調べてみると他にもトルコ料理には、「貴婦人の太もも風キョフテ」とか、「スタルンのお気に入り」、「羊飼いのサラダ」とか「花嫁のスープ」といった名前の料理もあります。

 「貴婦人の太もも風キョフテ」は揚げハンバーグ。「スタルンのお気に入り」は茄子クリームとミートシチュー。「花嫁のスープ」は豆と穀類の優しいスープ。「羊飼いのサラダ」は次回のレシピで紹介します。
 このような色々楽しいどんな料理か想像を掻き立てるような料理がありますね。

「イマム・バユルドゥ」のイマムが「僧侶、指導者」という意味で、バユルドゥは「気絶、失神」という意味です。ということで、イマム・バユルドゥは「お坊さんが気絶するぐらい美味しい!」という名前の料理です。あまりにも美味しそうな香りがするので、イマーム(イスラムのお坊さん)が気絶してしまったという昔ばなし由来するということです。
 調べてみると、保存もきくので、一度にたくさん作って、冷蔵庫で冷やして常備野菜としても食べれるとのことです。冷やしても美味しいみたいです。でもみなさん、くれぐれも作っているときに気絶しないでくださいね。

 ピベル・ドルマスはピーマンのご飯の詰め物です。ピーマンにスパイシーなご飯を詰めて煮込んだ料理です。ネットで調べると、「トルコ版いなり寿司?」と紹介しているのもありました。ピーマンにご飯を詰める。肉詰めは食べたことがありますが、どんな感じになるのでしょう?煮込むから・・・ウーンでも美味しそう!

 ではそろそろレシピを紹介しますね。

「イマム・バユルドゥ」

 

材料(2本分)1本分 約70kcal、食物繊維3.5

ナス     2
★玉ねぎ   1/4個
★カットトマト缶100g
★にんにく   1かけ
★オリーブオイル小さじ1
★ケチャップ  小さじ1
塩胡椒
ドライバジル(トッピング)

作り方

  • ①ナスは切り込みを入れレンジでチンして軟らかくする。
     ★を炒め、塩胡椒する。
  • ②ナスに炒めた野菜を詰め、トースターで焼く。

    「ピベル・ドルマス」

  • 材料(作りやすい分量)1個 約130kcal、食物繊維1.6

    ピーマン    4
    ★玉ねぎ    1/4個
    ★ご飯    お茶碗1
    オリーブオイル 小さじ1     
    ◇ケチャップ  小さじ1
    ◇コンソメ   少々
    ◇カレー粉   少々
    ◇塩胡椒    少々

  • 作り方
  • ①ピーマンのヘタを切り種を出す。
  • ②オリーブオイルで★を炒め◇で味をつける。
  • ③①に②を詰め、器に立ててラップをしてレンジでピーマンが軟らかくなるまでチンする。
2020.05.12

「チキンケバブ」のレシピを紹介します。

 6月のレシピは「トルコ料理」です。トルコ料理は、中華料理、フランス料理と共に世界三大料理の一つに挙げられています。

 この世界三大料理はどういった基準で決められたのか少し調べてみました。
 基準の一つが、「宮廷料理」であったどうかだそうです。中華料理、フランス料理そして今回のトルコ料理はすべて昔、宮廷で食べられてきた料理です。またそれぞれの国は貿易などの世界との交流の中心地的な役割や、その通り道になっていました。そういったこともあって、世界中の食材や香辛料、そして料理方法などが伝わりやす環境にあったことも理由のひとつだと言われています。そしてそれらが、それぞれの国でさらに発展していったということです。
 また、ここで生まれた料理は他の国々にも広まって、他の国の料理の基礎になったとも言われています。中国、フランスそしてトルコはそういった昔は貿易などの物流の要であったり、食文化など様々な文化の要、そしてその文化を広めていく通り道にもなっていたのでしょう。

 さて、管理栄養士さんは今回のレシピに次のような思いを込められています。

「自粛が求められ、常時意識していなくてもどこか緊張している気がします。こんな時こそ、気分だけは明るく、食卓で世界旅行はいかがでしょう。調べてみると、食材も夏野菜やなじみのものが多かったので、作り方も材料もシンプルにしてみました。1品でも食卓に乗せていただければ、いつもの食材の違う魅力が見つかるかもしれません。」

 まず世界三大料理の「トルコ料理」の第一弾は「チキンケバブ」です。
 ケバブとは肉や魚そして野菜などをローストして調理する料理の総称だそうです。

 ではそろそろ「チキンケバブ」のレシピを紹介しますね。

「チキンケバブ」

材料(2人分)1人分 約280kcal、たんぱく質17

鶏モモ肉     200
★玉ねぎ   1/4個
★にんにく   1かけ
◇ヨーグルト  大さじ1
◇オリーブオイル大さじ1
◇ケチャップ  小さじ1
◇塩胡椒
◇一味唐辛子  小さじ1
◇ドライバジル 小さじ1

(作り方)

  • ①鶏モモ肉は一口大に切る。
  • ②★はすりおろす。
  • ③ビニール袋に①②と◇を入れ、袋の外からよくもむ。
  • ④20分ほど漬け込み、フライパンで焼く。

*③までを前日に作る。あるいは③を冷凍保存しておくのも便利です。

⑤レタスを敷いた皿に盛りつける。

管理栄養士さんから一言
ヨーグルトに肉をつけると軟らかくなる。
 
ヨーグルトの乳酸菌の作用で肉の筋繊維を溶かすことで
肉の中にすき間ができることと、焼いているときに表面を覆っているので
肉の水分が逃げにくくなるからと言われています。
 今回は玉ねぎも肉を軟らかくするし、オリーブオイルも表面をコーティングするのでさらに効果が期待できます。

2020.05.11

いのちと暮らしを守る「新型コロナウイルス感染症」なんでも電話相談会を終えて

 5月9日、10日の2日間にわたって、いのちと暮らしを守る「新型コロナウイルス感染症」なんでも電話相談会を行いました。249件の市民からの切実な相談を受けました。
 何もしなくても時間は過ぎていきます。でも何もしなければ時間は無駄になってしまいます。私たちは、自治体や国と共に支援の輪を広げて明日に向けて光を当てて、その希望の光を繋いでいかなければならないと思います。今後も私たちが出来ることは何かを考え、そのことを実行していきたいと思います。
 今回の電話相談会を終えての談話を紹介します。

いのちと暮らしを守る「新型コロナウイルス感染症」なんでも電話相談会の結果について

 「新型コロナウイルス感染症 なんでも電話相談会」を59日、10日の二日間、京都社会保障推進協議会・自由法曹団京都支部・京都総評 労働相談センター・京都民主医療機関連合会・全京都生活と健康を守る会連合会・京都府商工団体連合会の共催で開催しました。

 相談会は、のべ50人の各専門分野のボランティア相談員が、249人の市民の皆さんの相談をお聞きしました。詳細な分析は、後日にあらためて報告させていただきますが、大まかな相談結果の特徴としては、貸付に関わること96件(38.6%)、生活に関わること61件(24.5%)、雇用・労働に関わること36件(14.5%)、医療に関わること28件(11.2%)と、持続化給付金制度などの貸付に関わること、生活や雇用・医療など「生きること」自身に危機感を感じておられる市民の状況が明らかになりました。

  仕事関係では、正規、非正規雇用に関わらず、また個人事業者、フリーランスなど立場が違っても、目の前の仕事がなくなっていく、収入が減り、その一方で手元から現金がどんどんなくなっていく。そういう現実に日々直面することで、本当にこれまでにない、不安や恐怖を感じてられると思います。また、学生の方々もアルバイトがなくなる、親の収入が減るなどで授業料をどうするか、現実問題として学校をやめるという選択を考えている方も多いと思います。また自分の健康面の不安。いつ新型コロナウイルスに感染してしまうかという恐怖や不安。感染しなくてもそのストレスで体調を崩したり、また精神的に参ってしまう方々も多いと思います。本来はこういった不安や恐怖をしっかり受け止め、親身になって対応する。そういった取り組みが自治体や国が行わなければならないのだと思います。

  今、そのことが十分にできていない結果が、今回の相談が249件もあったという結果につながっていると思います。でもまだ電話相談して下さる方はいいと思いますが、おそらくこの電話相談もできないぐらいの状況にいる方も大勢いらっしゃるのだと思います。そういった全ての人たちの支えになっていかなければならないと思います。

 今回の相談内容で感じたことは、一番大切なことですが出来ていないこと、それはすべての人に正しい情報が解りやすく伝わっていないことです。様々な支援制度が出来ていますが、どんな制度があるのか、自分はどの制度を利用することが出来るのか。またその申請の仕方はどうしたらいいのか。このことを十分に理解して自分一人で申請できる方がどれほどいるかです。本来はそれにしっかり自治体や国が対応していかなければならないのですが、なかなか電話がつながらない等、自治体や国の対応十分にできていません。そういったことに対応するマンパワーが足らないことに問題があるのではないかと思います。

 また新規開業の事業者に対しての支援がないことや、自宅での習い事などの教室を開いている方に対しての補償も十分ではないと思います。また今議論が進んでいますが家賃問題。これは貸す方も借りる方にも両者への補償が必要です。

 このように新型コロナウイルスの感染拡大という特殊な状況のなかでの支援。完璧な制度が一度できるはずはありません。ですからこそ、様々な問題に対しては早急に、臨機応変に制度設計をしてどんどん改善していかなければならないと思います。そのスピード感が今はありません。

 市民の方々は、今不安で押し潰されそうになっています。そして自粛で自宅待機の方が多い中、自分以外の人たちとの係りがなくなり、自分の不安、思いや気持ちをぶつけることが出来ない状況にいます。自治体や国に求めたいことは、そういった市民の皆さんの声を直接聞いて欲しい。そして、必要と判断したことで今の支援制度では補償できないことがあれば、早急に支援制度を改善していく。そういった本来あるべき姿になって欲しいと思います。また対応するマンパワーが足らないのであれば、しっかり人員を補充していく。そういった姿勢を持って欲しいと思います。

 今、新型コロナウイルスの感染拡大以上に「人々の心を壊すウイルス」の感染拡大が急速に広がっています。自治体や国の姿勢、そして私たちの支援の輪を広げることでこの「人々の心を壊すウイルス」の感染拡大を食い止め収束注すことはできると思います。是非ともに今の状況を切り抜け、明日の希望へとつなげていきましょう。

2020.05.06

私たち鉄腕アトムの時代

 今、新型コロナウイルスの感染拡大のため、子どもたちは学校の休校もあって、自宅での生活が長くなっています。なかなか出かけることもできずかなりのストレスを感じていることと思います。
 私の子供たちはすでに2人とも社会人になっていますが、知人の小学生のお子さんは、毎日新型コロナウイルス関連のニュースをみて「僕たち死んじゃうの?」と言っているそうです。子供たちの心も段々蝕まれてきています。早急に子供たちの心のケアをしていってあげなければならないと思います
 また、子どもの虐待問題、障害のある子供たちのケア。また子供たちがいる家族の人たちの心を支えるケア等、子どもの権利を、そしてその家族を守る政策を強く求めていかなければと思います。

 少し私が子供の頃を想い起こしてみました。
 私は、京都に帰ってくるまで幼稚園から小学5年生の夏まで山梨県の甲府市に住んでいました。私が生まれたのは1960年ですので、57年以上前のことです。

 その頃は町内にいる子供たちが、小さな子から大きな子までみんなが集まって遊んでいました。私も自転車の乗り方など町内のお兄さんに教えてもらったりしていました。
 住んでいた町内は、真ん中に公園があってその周りに住宅がある。皆が公園に集まって遊んだりしていました。またその頃はビー玉やめんこで遊んだり、また遊び道具の作り方等も教えてもらいました。
 その頃は、紙芝居も町内に来て、みんなが集まり物語を聞いたり、クイズがあってクイズに正解したら、型抜きや水飴などをもらって食べていた記憶があります。駄菓子屋さんも近くにあって、お小遣いを持ってお菓子を買ったり、くじ引きをしていたなあと思い出します。
 上の子は、下の子の面倒を見ながら、下の子は上の子の言うことを聞いて、一つの集団となって集まって遊んでいました。
 子供たちの独自の社会があった様に思います。

 その頃の漫画は鉄腕アトムでした。

鉄腕アトムの漫画を本屋さんが毎週だったか毎月だったか忘れましたが、直接自宅まで持ってきてくださいました。また鉄腕アトムの連載が終るころになると、本屋さんが、「次も面白い連載漫画ですよ。」といって、次はジャングル大帝レオを持ってきてくれました。その時の鉄腕アトムとジャングル大帝の漫画本は、保存状態は少し悪いですがまだ全巻実家の本箱にそろっています。

鉄腕アトムの最後の巻は「青騎士・下巻」でした。

その物語の後半、人間を守るために青騎士が投げた槍によってアトムは壊れてしまいます。

そんな壊れたアトムを抱いて御茶ノ水博士は科学省に戻る際に語った言葉は、「世界にほこる 科学芸術の極致 アトムが このまま 博物館入りするなんてことがあるもんか 科学省のめいよと ほこりにかけても かならず・・・・」でした。

私たち一人ひとり素晴らしい知恵や能力を持っています。その能力をフルに使って今の状況を乗り越えなければいけないなあと思います。

 テレビは白黒でしたが、放映していた漫画は面白いものが多かったと思います。スーパージェッター、遊星少年ソラン、エイトマン、狼少年ケンなどすぐに思い出します。

 私の頃はテレビゲームなどはなかったので、自分たちで遊び道具を作ったり、外で秘密基地を作ったりして遊んでいたなあと思います。そんな頃に今みたいな状態にあれば、今以上にストレスを感じていたかもしれません。

 早く今の状況が収束して、子どもたちが伸び伸び遊べ学べる日が来ることを願いたいと思います。自粛自粛と大変な時期ですが、家でできることは何かなど考えて、これまでなかなか家族が皆一緒にいる時間は少なかったともいます。この困難を反対に家族の絆が深まるときに変えることが出来ればと思います。

2020.05.05

私のゴールデンウイークの過ごし方

 新型コロナウイルスの感染拡大の中、緊急事態宣言が531日まで延長されました。このゴールデンウイークもどこへも出かけずに自宅で過ごされている方が多いと思います。

 私は入院の患者さんや手術をしたばかりの患者さんの診察のため、午前中は診療所に行って患者さんの診察をしています。休日は午前10時には宿直の方が来て下さるので、それ以降は診療所にいても、自由していることが出来ます。
 3日は診療所の中庭の雑草などが大分伸びていて気になっていたので、草むしりをしていました。木々の葉も落ちていて、落ち葉拾いから始まって、草むしりを。シダがかなり伸びていたので、それを引き抜き。庭もすっきりしました。

 そんな中、庭に花は散っていましたが、たくさんの小さなスミレが育っていました。

 母がまだ診療所の受付に働きに来ていた頃、時々庭の草むしりをしながら、「スミレが咲いていたよ!」と声をかけてくれていました。母は、この小さなスミレがとても好きで、スミレだけは残して庭の草むしりをしていました。
 年に何回か庭師さんが木々の剪定や掃除を、そして肥料を入れに来てくださいます。庭師さんが入ると、渡邉医院の中庭も生まれ変わります。うっそうと茂った木々たちがスッキリします。
 母が庭師さんに、「私その小さなスミレが好きなんですよ。」というと、庭師さんは植木鉢に幾つかのスミレを植えて置いて行って下さいました。庭師さんの母への優しさを感じました。
 以前「スミレの思い出」というブログの中で、母が書いた「スミレ便り」というエッセイを紹介しました。そこに書かれていたことも母がスミレが好きな理由だと思います。またよかったらブログを読んでみて下さいね。

 庭の草むしりをしながら、昔の記憶がいろいろ蘇ってきました。母と一緒に庭掃除をしたこと。旧渡邉医院から今の渡邉医院に立て替えているときのこと。今は亡き父が診療所に来ていて、手術の時は私の手術を見に来ていたこと。診察が終って父と母が二人で帰っていく後ろ姿。楽しかったこと、苦しかったこと、色々思い出しました。
 母がまだ診療所に来ていた時は、診療所のことなど相談して、母も一緒に考えてくれていました。でも今は自分一人で考えて進めていかなければならない。そのことは当然のことですが、誰か相談にのってくれる人がいるということは本当に心強いものです。今も認知症は進んでいますが、母がそこにいてくれることで私をしっかり支えてくれているんだなあと感じます。

 4日は3日に引き続いてもう少し庭の手入れをしようと思っていたのですがあいにくの雨。続きはまた晴れたらしようとあきらめたのと、そんなに長時間していたわけではないのですが、前日の草むしりで、足をはじめとして体中が筋肉痛。こんなに体がなまっていたんだと実感しました。スッキリした渡邉医院の中庭。雨に木々は光輝いていました。
 4日は診察が終って家に帰り、自分の机や机周りの大掃除。雑然としていた机もスッキリ。勉強もできそう。絵も描けそうな状態になりました。よく父が言っていました。「机の上の状態は自分の頭の中と一緒だ。」と。今までは頭の中も雑然としていたんだなあと反省。連休明けは頭もスッキリで再始動です。

 今日5日は車の洗車。洗車していると、水を飲みにきれいな蝶がやってきました。今日は暑かったです。蝶ものどが渇いていたのかなあ。しばらく水を飲み、私の周りをしばらく飛び回ってどこかに行ってしまいました。その後は久しぶりに推理小説を読んで一日が終ろうとしています。出かけることなく自宅でゆっくりのゴールデンウイークですが、いろんなことを考える連休となっています
 明日もう一日休み、7日からは通常通りの診療が始まります。手術の予定も入っています。目の前にいる患者さん一人一人をしっかり診察して治していきたいと思います。気持ち新たに連休明けを迎えたいと思います。

2020.05.04

Twitterでの相談の多くは痛みと腫れ

 ゴールデンウイーク中ですが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大のため自宅で過ごされている方が多いと思います。この連休中も仕事で頑張っておられる方もいらっしゃると思います。

 このような状況の中、体の具合が悪くても医療機関に受診できない方や、行きたくても新型コロナウイルスの感染に不安を感じて受診できない方も多いと思います。

 渡邉医院でもそのような患者さんや、そうでなくても肛門の病気、受診したいのだけどチョット行きにくくて受診をためらっている方のために、Twitterのメールでの相談をしています。これまでの相談で多かったことについて少しお話したいと思います。

Twitterでの相談の多くは痛みと腫れ

 Twitterでの相談のほとんどが、肛門の痛みと腫れに関するものでした。

 急に肛門が腫れてきて痛くなってきたという症状です。

 この急に痛くなって痛くなってきたという症状が出る肛門の病気には大きく2種類あります。一つが血栓性外痔核、もう一つが肛門周囲膿瘍です。いずれの病気も今まで何ともなかったのにこの数日前から急に肛門が腫れて痛みが出てくる。そういった症状が出てきます。

一つずつ病気のことと、対処方法をお話します。

  • 1)血栓性外痔核

 血栓性外痔核は肛門の外側の静脈に血栓が詰まって腫れて痛みなる病気です。

 昨日まで何ともなかったのに急に腫れて痛い。触ってみると豆のようなものが出来ている。触るとコリコリしている。こんな場合は血栓性外痔核の可能性が高いです。

血栓性外痔核の原因は

 もともと、細かな静脈が網の目の様になっていて、血液の流れが悪いところです。そういったところに、冷えてしまったとか、忙しかったり、寝不足だったり、ストレスがかかるとさらに血液の流れが悪くなります。
 またストレスがかかると、血小板がくっ付き易くなって、血栓(血豆)ができやすくなってしまいます。そういった条件がそろって、最後は排便の時強く力んだり、重たいものを持ったりしたて、お腹に力が入ったときに血栓が詰まってしまいます。ですから、もともと持っていたものが急に悪くなったのではなく、何もなかったところに、いろんな条件がたまたま重なって、最後はお腹に力が入った時に血栓が詰まったということです。

 少し違いますが、指を挟んで血豆が出来たり、どこかをぶつけて内出血して腫れて痛いと似ています。

血栓性外痔核の経過

 では血栓性外痔核はどうなっていくかです。
 基本的には痛みがありますが、何もしなくても必ず治っていきます。
 どこかぶつけて内出血して腫れて痛い時も、腫れは時間と共に引いて痛みがなくなり、内出血した部分も段々小さくなって薄くなって吸収されていきます。これと同じで、血栓が詰まって腫れた部分も段々腫れが治まり、痛みが取れてきます。そして詰まった血栓は時間がかかっても溶けて吸収されて治っていきます。

医療機関にかかるまでに自宅でできること

 腫れているのが痛みの原因です。腫れを取ると痛みは楽になります。

 一番良く効くのが入浴です。ゆっくり温めてあげると腫れが引いて痛みが楽になってきます。また時間も解決してくれます。時間と共に腫れが引いて痛みが楽になってきます。

 薬としては、血栓が詰まって腫れて痛いので、市販の痔の軟膏を使うよりは、消炎鎮痛剤の座薬や内服薬を使うと、腫れが引き、痛みは楽になっていきます。またホカロンなどで温めてあげるのも一つの手です。温めて腫れを治め、消炎鎮痛剤で腫れと痛みをとると言ったのが血栓性外痔核の保存的な治療です。

 ただ、血栓が大きかったり、痛みが強くて動けない、寝てもいられないということがあります。こういった場合は局所麻酔をして血栓を取り除くとスッと楽になります。

  • 2)肛門周囲膿瘍
  • 肛門周囲膿瘍の原因

 肛門周囲膿瘍は肛門と直腸との間に肛門腺という腺があります。下痢など便の状態が悪い時に起きやすいのですが、肛門腺に細菌が感染して、さらに忙しかった寝不足だったなど、自分の方の抵抗力が落ちているときに炎症を起こし、膿が広がっていきます。膿は組織の弱いところ弱いところを広がっていき、表面まで広がり、肛門が腫れて痛みが出てきます。

 できやすい部分は肛門の後ろ、背中の方です。日に日に痛みが強くなって、それと共に肛門の腫れも強くなっていきます。また場合によっては38℃以上の熱が出ることもあります。

血栓性外痔核と肛門周囲膿瘍の違い

 血栓性外痔核との違いは、血栓性外痔核は痛みは有るのですが、時間と共に痛みが少しづつ楽になってくるのに対して、肛門周囲膿瘍は日に日に痛みが強くなってきます。また血栓性外痔核は硬く豆のようなものが触れるのに対して、肛門周囲膿瘍はミミズ腫れの様になったり、触るとなんとなくブヨブヨした感じがします。有無が溜まっているのを触るからです。また肛門周囲膿瘍はどちらかというと男性に多い病気で、女性には少ないです。

肛門周囲膿瘍は早く医療機関に受診を

 このように血栓性外痔核とは違った症状が出てきます。ただ、肛門周囲膿瘍は放っておくと段々広がり痛みが強くなっていきます。また場合によっては膿が奥の方に広がっていく可能性もあります。肛門周囲膿瘍に関しては自宅で治すことはできません。直ぐに医療機関に連絡をして、切開して膿を出す必要があります。ただ切開して膿を出すと痛みは直ぐに楽になります。また入院にはなりません。

今回は急に痛みが出て腫れる病気として多くみられる、血栓性外痔核と肛門周囲膿瘍についてお話しました。でも痛みや腫れ。とても心配で不安になりと思います。できれば医療機関に連絡をして対処法を聴き、場合によっては受診して下さいね。

 渡邉医院もTwitterでの相談を受けています。何か心配なことや不安なことがあれば相談してくださいね。

2020.05.03

2020年 憲法記念日を迎えて

 今日は、憲法記念日です。今年は新型コロナウイルスの感染拡大のために、憲法に関しての様々な講演会、勉強会、また集会などが中止になっています。

 憲法に関しては、私たちは機会があるたびに議論をして、そしてあるべき憲法の姿はどのようなものかを確認していかなければならないと思います。残念ですが、今年はそういった機会が一つなくなってしまいました。でも、今年は自宅で家族の方々と、憲法に関して少し語るいい機会なのかもしれません。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、新型コロナウイルスだけでなく、その影響で様々なところで不安が広がり、人々を暗い闇が包み込もうとしています。このような世の中が乱れている時、また困難に直面しているとき。そんな時こそ、これまで以上に憲法を守り、暮らしの中に活かしていく、そんな意識を強めなければならないと思います。
 今、緊急事態宣言が出ています。私たちの権利が制限されている時期です。そして、新型コロナウイルスの感染拡大という不安、恐怖の中に私たちは生活しています。とても通常の生活を送っているとは言えません。
 また今の状況の中、すべての人はストレスを感じ、本来持っている優しさ、相手への思いやりなどが段々壊されてきています。残念ですが、様々な形での誹謗中傷、風評被害。また新型コロナウイルスによるいじめ等、とても悲しい状況にあります。とても辛く、心痛みます。新型コロナウイルスの感染拡大と同じように、「心を壊すウイルス」の感染拡大が広がってきています。
 でもこのような状況に陥ってしまうのは、本当に皆が今の生活に不安を強く感じているという証拠だと思います。新型コロナウイルスに感染しないか?感染した時、周りからどうゆう目で見られるのだろうか?感染してしまったら自分の生活はどうなるか?など、新型コロナウイルスそのものに対しての不安や恐怖があります。
 また、これまで暮らしていた生活が、この新型コロナウイルスの感染拡大によって大きく壊されていっています。補償が薄い自粛によって収入が減る、仕事がなくなる。また従業員の生活は、自分の生活はどうなるのか。学生さんも授業料が払えなくなって、退学を考えざるを得ない状況の学生さんもいます。また家賃が払えない、住む場所、仕事をする場所がなくなってしまうのではないか?等、本当に一人一人、抱えている悩み、不安はその人それぞれにあります。
 そのような状況の中で冷静でいること、平常心でいることはとても難しいんだと思います。でもそんな時こそ、他の人への思いやり、優しさを守らなければいけないんだと思います。難しいです!

 このような平常でない社会の中、政治家を始め、私たちはどうしても気持ちが昂り、正しい方向はどこなのか、本当にしなければならないことは何かを見失ってしまうことが多いです。

 今のこの状況を乗り越えたときに、これまで進めてきたことが本当に正しかったのか、このまま進めてもいいのか等、今回の新型コロナウイルスの感染拡大で明らかになった問題点を反省し、もう一度これからの未来に向けての方針をしっかり組み直さなければならないと思います。

 憲法は私たちの生活そして個人個人の人権を守るものです。

 以前ブログでお話しましたが、私たち医療にかかわるものにとって大切な方程式があります。それは「91325」です。

 9は憲法第9条、13は憲法第13条、そして25は憲法25条です。

 私たち医療にかかわるものは憲法第25条を実現することが使命だと思っています。

 憲法第25条は、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。という、国民の生存権を保障し、国の社会保障的義務を規定した憲法です。でも憲法第25条だけを単独で実現させることはできません。

 91325が表すように、憲法第25条単独では成立しないものだと思います。それぞれの憲法が重なり合って、それぞれを補完することでなりたっています。

 だれもが健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有するためには、国そのものが平和でなければなりません。そして、個人として尊重され、幸福を求める権利が保障され守られていなければなりません。この91325は私達医療に係るものにてって、欠かすことのできない数式だと思います。

 私達医療に係るものは患者さんや国民の健康を守る、そして憲法第25条を実現させることを責務としています。このことを成し遂げるためには、私達は平和な国造り、その憲法をしっかり守り、そして私たちの暮らしの中に活かしていく取り組みが必要だと思います。

2020.04.22

自分の趣味って何だろう?

 今、新型コロナウイルスの感染が拡大している中、家にいる時間が長くなっていると思います。

 私としては、あまり生活のリズムは変わっていません。朝、診療所に行く前に母の家に行く。そして診療所での診察が始まり、夕方の6時まで診療所にいて、そして家に帰る。これまでもあまり外に出かけることがなく、自宅と母の家、そして診療所だけを行ったり来たりしているだけの生活でした。ですから、あまり外に出歩く習慣が少なく、さほど以前とは変わらない生活をしています。

 さて時々、「あなたの趣味はなんですか?」と聞かれるときがあります。そんな時はフッと「自分の趣味は何だろう?」と思い返してしまいます。ゴルフをするわけでもなく、映画は好きですが、映画鑑賞によく映画館に行くわけでもありません。アウトドアが好きで、キャンプに行ったりするわけでもありません。本当に一体何が趣味なんだろうって思います。「あなたの趣味はなんですか?」が一番困る質問です。

 今のこの時期、何か家でできる趣味があれば本当にいいなあと思います。そんな中、自分は一体何が家でできるのだろうか?と考えてみました。そうしたら一つありました。それは絵を描くことです。

 少し話は脱線しますが、外科の先生は皆絵が上手です。手術記録に描く絵や、レントゲンやCT、MRIそして血管造影などの画像診断での所見を書く時の絵などは、本当に芸術的です。やっぱり外科医は科学者兼芸術家だと思います。肛門の手術もデザインが大事ですし、すべての手術に共通するのが、常に手術をする際に頭の中に画像診断での画像が立体的に構成されているのだと思います。また見たものを頭の中で分析して、そしてそれを改めて絵や手術などの時に構成し直すことが出来る。そんな能力を外科医は持っているのではないかと思います。

 さて話をもどします。私はこれまでしっかりと絵を習ったことは有りません。でも絵を描くことは好きでした。大学時代も美術部に入って、初めて油絵を描くようになりました。最初はどう描いたらいいのかわからずに先輩に「先輩。油絵ってどう描いたらいいんですか?」と聞くと、「自分が好きなように描けばいいんだ。」と一言。その後は、「油絵の描き方」などのハウツー本を読むわけでもなく、本当に自己流で描いていきました。何もないキャンバスに油絵の具をのせ、ペタペタ塗ったり、グニュグニュ塗りたくったり、擦ったり削ったり、筆で描いたりスポンジで描いたり、またナイフで塗ってみたり。本当に好き勝手に描いていました。いろんな描き方をすると、いろんな表情がでて、そしていろんな効果が出てきます。そのことがとても面白く。描き始めるまでは時間がかかりますか、描き始めると今度は時間が経つのも忘れてしまうくらい集中してしまいます。そんなこともあって、だいぶ以前、油絵の個展を開いたことをブログに載せたことがありますが。ある程度見れる絵が描けるようになりました。学生の時に描いた絵と医師になって描いた絵を少し紹介しますね。

 京都に帰ってきてからは、油絵は全く描いていません。子供が小さかったこともあります。油絵を一端出してしまうと、なかなかかたずけることができません。絵の具を溶く油のにおいなどがどうしても部屋中に広がっていきます。また油絵は1日で仕上げることが出来ないので、何日もの間そのままにしておかなければなりません。そんなこともあって、なかなか油をを描こうと決心がつかないまま今日まで来ています。
 でもたまに絵を描いてみようと思うことがあります。そんな時は、ボールペンや万年筆などでのぺん画やそれに水彩画の様になる色鉛筆などを使って描くこともあります。その時に使う色鉛筆が写真の色鉛筆です。

 それでもなかなか描き始めるまでには時間がかかりますが、一端描き始めると集中して描くことが出来ます。油絵と違って1日で仕上げることが出来ます。そんなことで本当に極まれに最近は絵を描いています。その時の絵を少し紹介しますね。

 5月の連休。絵でも描いてみようかなあと思います。もし描けたら紹介したいと思います。あまり期待しないでくださいね。

2020.04.21

脳裏に浮かぶこと

 最近は、朝早く診療所に仕事に行く前に母の家に行くようになって、車での通勤になってしまっています。
 それまでは、地下鉄の今出川駅から今出川浄福寺にある診療所まで歩いて通勤していました。歩き始めた理由には、それまでも車で通勤していたのですが、車で通勤すると、腰は痛くなるは、目は疲れるはであまりいいことはありませんでした。また、日ごろ運動らしい運動はしていなくて、少し歩いて運動不足を解消しようと思ったのが始まりでした。

 ところが、歩き始めると、歩くということで脳が活性されるのかいろんなことが頭に浮かんできます。

 朝、診療所に向かって歩いているときは、その日の手術のイメージが浮かんできたり、どちらかといえば前向きな思いが湧いてきます。帰り道はその日の診療であったことが思い返されます。この帰り道は、どちらかというと反対に、診療でのいい思いが湧いてくることは少ないです。

 「患者さんへの説明が少なかったんじゃなかたかな?」「伝えたいことがちゃんとつたわったかな?」「強く言い過ぎたかな?」「どうしてわかってもらえないのかな?」などなど思わず大声で「ア~ッ」と声を出したくなることが浮かんでくることが多いです。

 でも、歩いている時は、どうしてそんな思いが湧き出てくるのか、その思いも分析してくれます。
 一人の患者さんを診察する時にある程度時間はしっかり使って診察しているつもりですが、やはり制限があります。私としては、患者さんの今の状態や今後の治療についてしっかり話しておきたい気持ちがあります。一方、患者さんは、今まで悩んでいたことや苦しかったことを全部話してすっきりしたいという気持ちが多いと思います。その気持ちはとても理解できます。しっかり話を聞いてあげたい気持ちと、病状や治療方法をしっかり時間をかけて話したいという気持ち。やっぱり時間が少ない。このジレンマが「ア~ッ」と声を出したくなることにつながるのだと思います。

 一人で歩いている間は、私にとっていろんなことを考えたり分析したりする時間。そしてそのことが、私にとっていい影響を与えてくれます。
 昔、私の父が、「患者さん一人ひとりをしっかり診察していくことが大切だ。あせることはない。」と言っていたことが思い出されます。上手くいかない患者さんほど、私にいろんなことを教えてくれます。

 さて少し話は戻りますが、歩いているときに昔のことを思い出します。そしていつもその時に浮かんでくる思い出は、いい思い出ではありません。

 私が医師になってからこれまで、助けられなかった患者さんのことばかりが頭に浮かんできます。特に京都に帰ってくる前は、救命救急センターに勤務していました。この時に救命センターに搬送されてきた患者さんのこと、そして救命できなかった患者さんのことがばかりが頭に浮かんできます。救命できた思い出よりも、救命できなかった患者さんのことが強くそして多く脳裏に焼き付けられているのだと思います。

 今、新型コロナウイルスに対して最前線で戦っておられる医師や看護師を含めたすべての医療従事者の方々も同じだと思います。今回の新型コロナウイルスの感染が収束した後も、私と同じように、救命できなかった患者さんのこと、そしてこの時の体験が機会あるごとに脳裏に浮かんでくるのだと思います。そしてそれはきっといつまでも続くのだと思います。そんな医療従事者の方々を、この新型コロナウイルスの感染拡大が収束した後も支えていかなければならないと思います。

 

2020.04.16

新型コロナウイルス感染症対策への緊急提言(第2次) 京都府内における医療提供体制の確保について

 明日にでも京都府にも非常事態宣言が出される見通しの中、新型コロナウイルスの感染が広がっています。
 「補償の無い自粛」、私たちの命だけでなく、生活にもすでにもう大きな影響を与える事態になっています。医療においても、医療機関にかかりたくても受診できない、受診しなければならない患者さんが受診できない。そんな状況になっています。また医療機関においても新型コロナウイルスの感染という危険な状況に置かれながらも医療関係者の皆さんは日々患者さんの命を守り、救うために全力を挙げています。でも、このままの状況では医療崩壊を招いてしまいます。また医療に従事されているすべての方々が疲弊されてしまいます。今、この状況をどう乗り切るか、しべ手の人たちが考え知恵を出し合い乗り越えていかなければなりません。
 京都府保険医協会も京都府における医療提供体制の確保に関する提言の第1次案を京都府に提供しました。今回第2次の提言を京都府にお渡ししてきました。その内容を紹介します。

新型コロナウイルス感染症対策への緊急提言(第2次) 
京都府内における医療提供体制の確保について

1. 国に対して求めていただきたいこと

(1) 「コロナ以前」からの政策検討は一旦ストップし、COVID19 対策に注力を 新型コロナウイルス感染症の拡大は、日本における従来の医療・社会保障政策、そ れに基づき構築されてきた医療提供体制が、感染症に対していかに脆弱であったか を露呈した。今や「コロナ以前」の医療費抑制、提供体制の絞り込み路線のまま突き 進むことは賢明ではない。京都府におかれましては、国・厚生労働省に対し、全世代 型社会保障改革、地域医療構想・医師偏在是正・医師の働き方等改革を三位一体で進 める方針に基づく、外来機能の分化や医療計画の見直し等については審議をストッ プし、感染収束のその日までは COVID19 対策に注力するよう求めていただきたい。 また収束後、新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえた医療・社会保障政策を進め ることを強く要請していただきたい。

 

2. 京都府において検討・実施していただきたいこと

(1) 医療機関が COVID-19 対応に注力できる支援を

1) 医療機関が COVID19 対応に注力できる支援が重要である。そうした観点から、 政府に対する京都府からの緊急要望は医療提供体制を担う医療機関や関係者をはげ ますものであると受け止める。京都府においてはこうした内容を医療機関や医療者 に対しても積極的に発出していただきたい。

2) 特に医療機関をはじめとした事業者が積極的に対応できるよう、制度やシステム の整備、それらに対する財政的な支援が緊急に必要である。特に医療の現場では、マ スク、防護具、消毒用アルコール、酸素、人工呼吸器などの緊急の配備が求められる。 状況把握を定期的、継続的に行い実態と対策、見通しを公表するとともに、相互の融 通についても支援できる方策を検討していただきたい。

(2) 新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる入院医療体制の強化を

1) 京都府は、新型コロナウイルス感染症専用病床を遅くとも4月末までには、一定 の感染症予防対策を講じた一般医療機関を加えて 250 床に、さらに 400 床への拡大 をめざすと京都府は示しているが、「一定」の内容が不明であるため医療機関側から すれば即応できないと思われる。当会が提言した感染防止対策加算医療機関といっ た具体的な内容を示すことが必要ではないか。

2) ドイツでは緊急ではない手術等を延期して病床稼働率を 50%以下に下げ、空床確 保に伴う補償が国において 3,300 億円以上予算化されている。新型コロナ対応のた めに空床を確保するような場合には、ドイツのようにそれによる損失補填を講じるな ど具体的な方策を講じる必要がある。

3) 通常の医療提供を極力守る観点からは、従来の病床規制を一時停止して病院敷地 等に追加的に簡易病床を設置できる措置を講じることが必要ではないか。

(3) 緊急に PCR・抗体検査にも対応する発熱外来設置、保健所機能の活用・拡充を

1) 京都府、京都市の本庁内に、医師等専門職を含めた対策検討チームを常設し、同様 の者を地域の保健所にも設置(京都市の場合は、本庁に集めた専門職を再度各行政区 に戻し、保健所機能を復活させる)する必要があると考える。

2) 保健所には、その敷地内に発熱外来を臨時で設置し、地区医師会の協力を得て開 業医・病院勤務医(小児科医も含む)による輪番診療にしてはどうか。なお、京都府 は、帰国者・接触者外来を 30 カ所から5月中旬までに 40 カ所に拡充する方針を示し ているが、当会としては帰国者・接触者外来を上記の発熱外来に切り替え、ここを拠 点にPCRや抗体検査などによって新型コロナ感染の可否を判別して通常の医療提 供体制につなげるべきであると考える。

(4) 地域医療を支える医療機関を守る取組を

1) 京都府が医療機関の風評被害対応を国に求めていることに感謝申し上げる。今日、 医療機関においては患者減少による経営的ダメージが深刻化しており、診療所閉鎖や休診、縮小に追い込まれる危機に瀕している。医療提供体制確保の観点から、各医 療機関への経営支援について具体化を急ぎ、ご検討いただきたい。また、今般の新型 コロナウイルス対策にあたっては、緊急避難的なオンライン診療の活用も視野に支 援が必要と考える。なお、上記(4)-2)で提案した発熱外来における輪番診療制の実施 にあたっては、出務費確保をお願いしたい。

2) 緊急事態宣言を前提に考えるとすれば市中感染を想定することになる。無症状者・ 軽症者の医療管理には診療所・開業医の参加も想定されている。このため、すべての 医療機関で感染症予防策をとれるような大胆な施策が必要である。必要な装備や手技 について明示し、Web 上の講習など関係者が新の内容を学べる支援が必要である。

3) 2020 年度の臨床研修が開始されている。研修医に対しても、新型コロナ感染症は じめ、感染防止教育を優先する必要がある。

4) 新専門医制度についてはプログラムの柔軟な運用を行い、専攻医が COVID19 対 応しやすい措置を検討することなど、日本専門医機構に要請する必要がある。社会学 系専門医についても同様である。なお、専攻医が COVID19 対応で出務する場合には 所属先研修機関への給与補填を検討する必要がある。

5) 医療従事者のモチベーション維持の観点からも 働き方改革を踏まえた就業の在 り方のガイドラインを示すとともに、感染した場合、メンタルヘルスへの対応等の 労働安全施策、相談窓口等をわかりやすく広報することが必要である。

6) 感染患者を受け入れ医療機関の、職員への危険手当、装備費、施設改修費について の直接補助を行っていただきたい。大阪市は既に独自に特別手当を支給する方針を 明らかにしている。対象範囲や支給額などは今後詳細を詰めるとあるが、こうした 手当に倣い、検討いただきたい。

7) 新型コロナ対策は長期的な構えを構築していくことが必要である可能性が高いこ とから、京都府保健医療計画・京都府地域包括ケア構想(地域医療構想)の見直し や、地域医療構想調整会議の枠組みを活用した施策が必要である。

(5)府民の生命を守るガイドラインの整備を

1) 乳幼児においては、現在目安として出されている「発熱後4日間の自宅待機」を 実行すれば、重篤化を招く。当会には、小児科では発熱し受診というパターンが基 本であり、マイコプラズマ、RS、ヒトメタニューモが乳幼児で流行っている現在、 非現実的だと指摘する小児科医の声が寄せられている。別途、小児までを対象とし た受診ガイドラインの整備が急務である。

2) 感染の確認された方にかかわる医療機関や事業所、施設における消毒のガイドラ インを整備する必要がある。また、消毒の実施にあたっては感染症の予防及び感染 症の患者に対する医療に関する法律第 27 条の「2」を適用し、保健所の責任におい て公費により実施できるよう体制を確立していただきたい。

以 上

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