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2020.08.09

辛いものは、痔に良くないんですか?

 ここ数回にわたり、いろんな質問を受けたことに関しての回答に関してお話しています。皆さんいろんなことに疑問を持ったり、悩んでられることが良くわかります。

 今回の質問は、「痔になりやすい体質や生活習慣はありますか?辛いものは良くないとか聞きますが」という質問です。

 痔になる原因の一番の原因は排便習慣だと思います。毎日便が出るではなく、排便時にグッと頑張っている時間が長いことが一番の原因だと思います。場合によってはこれが肛門の病気になるすべてと言っていいかもしれません。便が硬くて便秘の時も頑張っている時間が長くなります、反対に下痢の時も同じように、またはそれ以上に頑張っている時間が長くなります。排便の状態が一番の痔になる原因だと思います。

 遺伝は無いと思います。時々患者さんに「痔って遺伝するのですか?親も痔なんですけど。」と聞かれることがあります。でも、「痔」は遺伝する病気ではありません。ただ、姿かたちや顔が親に似るように、お尻や肛門の具合は親に似る可能性はあります。でもこれだけで「痔」になるわけではありません。やはり排便習慣だと思います。ですから、食生活などの生活習慣が親と似ていると、親子で「痔」になる可能性はあるのかなあと思います。 
 また、体質ではありませんが、やはりストレスがかかると下痢や便秘になってしまいます。ストレスに敏感で、排便の状態が悪くなる傾向の人は、ストレスによって肛門の具合が悪くなる可能性はあります。
 ご質問の中に「辛いものは良くないとか聞きますが…」と言った質問があります。私が思うには、食べ物や飲み物に関しては直接「痔」の原因にはならないと考えています。
 辛いものや刺激物が直接「痔」の原因になることは有りません。こんな話を患者さんから聞きます。
 「お刺身を食べるときにワサビを付けたほうが美味しいけど我慢しています。」とか、「おうどんやおそばに七味をかけると美味しいのに我慢している。」、「辛いものが好きだけど最近は我慢して食べないようにしている。」と。好きなものを美味しく食べれない。このことはとても辛いことだと思います。こういったストレスもよくないなあと思います。食べたいものを美味しく食べる。このこはが大事なことだと思います。
 以前、肛門科の先生が上手いことを言ったことを思い出します。「肛門は、お尻に唇が付いているようなものだ。」と。辛いものを食べるときに唇がびりびりする。これと一緒で、辛いものを食べた後、排便時に肛門がびりびりするのは、肛門が辛いと感じているだけで、肛門の具合が悪くなったわけではありません。アルコールも一緒です。アルコールが直接「痔」の原因にはならないと思います。美味しく楽しく飲んでいる場合は問題はないと思います。

 ただ辛いものや刺激物を食べると、下痢や便秘などの便の状態が悪くなるのであればその便の調整をしたらいいと思います。アルコールも同じです。飲みすぎると下痢になったり便の調子が悪くなることがあります。この排便の状態が悪くなることが肛門の病気に悪影響を与えます。
 内痔核の状態が悪い時にアルコールを飲みすぎると鬱血が強くなって出血が多かったり、症状を悪くすることは有ります。
 このように辛いものなどの刺激物やアルコールは、直接「痔」の原因にはなりません。そのことで排便の状態が悪くなるようであれば、排便の状態を良くするようにすれば大丈夫です。アルコールも飲みすぎるとよくありません。このことは「痔」に限ったことではありません。飲みすぎに注意して美味しく楽しく飲む分にはストレスも解消されていいのではないかと思います。

 アルコールも飲み始めるとアルコールだけになってしまう方もいます。これでは便の状態も、また健康にもよくありません。しっかり食べて楽しく美味しく飲むことが大事です。
 食べ物に関しても、基本にはバランスの取れた食事をすること。このことはとても大切です。偏った食生活は「痔」だけでなく健康に良くありません。そういった基本的なところはしっかりおさえててもらい、自分が好きなもの、食べたいものを美味しく食べる。このことがストレスも解消され、「痔」にもいい効果があると思います。
 渡邉医院のレシピなども参考にして下さいね。

2020.08.09

季節によって、なりやすい痔はありますか?

 ここ何回かは、肛門の病気についていろんな質問を向けた、その質問の回答についてお話してきています。
 色んな質問が寄せられています。でもこういった質問は自分だけの疑問や不安ではありません。自分の悩みは皆の悩みです。「こんなことを聞いてもいいのかなあ。」と心配せずに、自分の抱えている悩みや疑問を遠慮なく相談して下さいね。
 今回は「季節によってなりやすい痔はありますか?」という質問に関してお話します。

 季節によってなりやすい痔があるかに関してはとても難しい質問だと思います。
 治してしまおうと思って受診される患者さんの来院される人数に関してはある程度傾向はあります。それは、やはり手術をしてスッキリ治すという覚悟を持って受診されます。したがって仕事などがある程度休むことができる時期に受診され、手術を受ける患者さんがやはり多いです。そうすると、学校が春休みになる3月や夏休みの7月から8月が多くなります。またゴールデンウイークなどの連休の時やお盆休み等も多くなります。
 反対に仕事などが忙しくなる時期は少なくなります。以前、農家の人が「田植えが始まる前に治してしまいた。」といった患者さんもいました。また、渡邉医院での傾向では、京都の三大祭り等、お祭りごとの時などは患者さんがっ少ない傾向にあります。ですから、その人その人の仕事など、社会的な影響もあると思います。

 肛門の病気に関しては、あまり時期的に特定の病気が増えるといったことは無い印象です。ただ、その日その日によって、同じ病気の方が何人か続けて受診されることは経験します。特に不思議なのは肛門周囲膿瘍の患者さんが一人受診されると、その後立て続けに数名の肛門周囲膿瘍の患者さんが受診されます。こんな時は季節や、気圧の加減などが影響するのかなあと思ってしまうことは有ります。

 さて、内痔核や血栓性外痔核は血管の病気です。血液の流れが悪くなると具合が悪くなります。そう考えると寒い冬に多くなることになります。でも夏場の暑いときは、建物の外は暑くて汗をかき、建物の中は冷房でグッと冷えている。そのため、この温度差で血液の流れが悪くなって、内痔核や外痔核が悪化することもあります。いずれにしても、冷えて血流が悪くなると症状は悪化していきます。血液の流れが良くなるように、冷えないように温めてあげることも大事だと思います。

 また肛門の病気は排便の状態が一番影響します。
 暑い夏は汗をかくなど体の外に水分は多く出ていきます。そのままだと便にいく水分が少なくなって硬くなり便秘になってしまいます。実際そうなる方もいますが、反対に暑いため水分がしっかり摂れて、便の状態が良くなる人もいます。
 寒い冬は、意外と乾燥しているため、夏と同じように水分が体の外に出ていってしまいます。でも寒い時期は、夏ほど水分が摂ることが出来ず、便が硬くなってしまうことがあります。そうすると排便の状態が悪い冬場にに裂肛などが多くなることは有ります。

 また、その人その人によって具合の悪くなる時期があるように思います。これは便の状態にも影響します。
 1年の中で、その人にとって仕事がとても忙しくなる時期があると思います。そのような時期、いつも以上にストレスがかかることがあります。ストレスが肛門の病気の直接の原因にはなりませんが、症状を悪化させることがあります。
ストレスがかかることで血液の流れが悪くなるからです。
 またストレスがかかると血小板がくっ付き易くなって、血栓ができやすくなります。血栓性外痔核や、内痔核に血栓が詰まって痛くなる嵌頓痔核の要因にもなります。
 またストレスは血液の流れを悪くするだけでなく、便の状態に大きな影響を与えます。ストレスや精神的なことで大腸の動きが悪くなると便秘に、反対にストレスによって大腸の動きが高まることがあります。そうすると下痢になります。この便の状態が悪くなることで肛門の病気が発生したり、その病気が悪化する原因にもなります。こういったストレスを強く受ける時期などはその人その人によって違うと思います。ですから、その人にとって、一人一人お尻の具合の悪くなる時期は決まってくるのかなあと思います。
 ちなみに私は11月が1年の中で一番気を付けなければならない月です。幸いにも、お尻の具合が悪くなるわけではないのですが、腕を骨折したり、膝を悪くした時も11月。胸膜炎になって3ヶ月間入院したのも11月。また病気やケガではありませんが、父が脳梗塞になて急に京都に帰ってきたのも11月。ですから私は11月になると、健康面だけでなく、生活面などいつもとはチョット違い、気を付けて生活しています。きっと皆さんにもそんな月や季節があるのではないかと思います。

2020.08.08

市販の薬の効果はどの程度期待できるのでしょうか?

 今回は、「市販の薬の効果はどの程度期待できるのでしょうか?」という質問についてお話します。

 肛門の病気の初期の段階でしたら市販の外用薬で十分に治っていくと思います。
 ただこれは内痔核や裂肛の場合です。ですから、出血や痛みなどの自分の症状から、ある程度病名を判断することが必要です。場合によっては薬局の方に症状を話して相談することもいいと思います。また、自分の症状から病名を判断する手助けに、前回のブログを参考にして下さいね。
 でも前回お話したように、市販の外用薬を使っていても一向に症状が良くならなかったり、場合によっては症状が悪化する場合には迷わず医療機関を受診して下さい。期間としては1週間長くても2週間程度かなあと思います。また市販の外用薬を買う場合は、薬の選択は、内痔核の場合は軟膏もしくは座薬でいいと思います。裂肛の場合はどちらかというと、軟膏の方がいいと思います。そして裂肛を治すのに軟膏をつけるときは、軟膏をつけた指を少し(第一関節程度)肛門の中に入れて、肛門の緊張をとるように塗ると有効です。
 裂肛は痛みのために内肛門括約筋の緊張が強くなってしまうのが悪化していく原因です。括約筋の緊張をとって柔らかくしてあげることが大切です。
 柔軟体操のような感じです。体に硬い時に柔軟体操をすると体が柔らかくなって柔軟体操をしても痛くなくなると似ています。肛門の括約筋の緊張をとって、柔らかく広がるようにすると裂肛は治っていきます。
 市販の軟膏など、病気によって軟膏の選択と、その軟膏の付け方が大事です。

 直ぐに医療機関を受診して欲しいのは肛門周囲膿瘍です。肛門周囲膿瘍の場合は、切開して膿を出す必要があります。市販の薬では治りません
 膿瘍がどんどん広がり痛みも強くなりますし、場合によっては膿瘍が深い部分にまで広がったり、38℃以上の熱が出ることもあります。直ぐに肛門科を受診して切開して膿を出してもらって下さい。

 もう一つ肛門が急に痛くなる病気に血栓性外痔核があります。
 血栓性外痔核の場合は血栓が詰まって腫れて痛い病気です。基本は痛みを我慢すると腫れが引いて痛みが楽になり、血栓は溶けて吸収して治っていきます。血栓性外痔核の治療の目的は痛みをとることです。
 市販の痔の軟膏をつけるよりは、消炎鎮痛剤の座薬を使うことで腫れが引いて痛みが取れます。
 例えば、指を挟んで血豆が出来て腫れて痛い。こんな時に痔に使う軟膏を塗らずに、消炎鎮痛剤の湿布や飲み薬を飲むと腫れが引いて痛みが取れると同じです。またゆっくりお風呂に入って温めてあげるのも、腫れが引き痛みが取れてきます。

 このようにある程度市販の薬などを使って治すことは可能です。
 でも症状が繰り返したり、市販の薬を使っていても症状が良くならない、場合によっては悪化するときは、迷わず肛門科を受診して下さいね。
 また、出血等、治まったとしても「本当に痔からの出血だったんだろうか?悪性の病気は大丈夫だろうか?」や、痛みが強く「このままで大丈夫なんだろうか?」と心配なとき、不安なことがあるときは、肛門科を受診して診察してもらうことで安心することが出来ます。
 なかなか肛門科、受診しにくいかもしれませんが何かあった場合は気軽に受診して下さいね。またTwitterでの相談も活用してくださいね。

2020.08.08

痔は病院に通わなくても治るものなのでしょうか?

 新型コロナウイルスの感染が再拡大しています。なかなか医療機関にも行きにくい状況はあるのかなあと思います。でも受診しなければならない患者さんが受診をためらい症状が悪化したりしている事例もあるようです。各医療機関も感染防止対策はしっかりとっています。やはり具合の悪いときは、しっかり受診して診察を受け治していくことが大事だと思います。
 でも肛門の病気、医療機関を受診しなくても、市販の薬などで何とか自分だけで治らないものかと思うのはとてよくわかります。特に今、新型コロナウイルスの感染が拡大しているときはなおさらだと思います。渡邉医院ではTwitterで心配なこと不安なことの相談を受けています。このTwitterでの相談も活用してくださいね。

 さて、こんな質問をいただきました。

「痔は病院に通わなくても治る(完治する)ものなのでしょうか?」という質問と、「市販の薬の効果はどの程度期待できるのでしょうか?」という質問です。このことについて少しお話しますね。

 まず、「痔は病院に通わなくても治る(完治する)ものなのでしょうか?」についてです。

 誰もが一度や二度、いやそれ以上排便時に痛みがあったり、出血したことは有ると思います。特に便が硬かったり、反対に下痢だったりした時にです。でも通常、排便の状態が良い人は次の日の便が具合よく出ると、大抵の場合は痛みや出血はなくなります。肛門の病気となる一番の原因である排便状態が良ければ自然に治っていくものです。
 転んで怪我をしても、転ばなければ治ってしまう。でも毎日転んでいると傷はなおらないと似ています。いつも便の具合が悪いと肛門の病気は治らず段々悪化していきます。いつもいつも便の状態がいいとは限りません。誰でも、便の状態が悪く、便が硬かったり、下痢をすることは有ります。でも、排便時に痛みや出血があっても通常の排便状態が良ければ自然に治っていきます。
 最近、患者さんの内科の病気と肛門科の病気の違いをこんな風にお話しています。
 内科の病気は自分の知らないうちに病気は進み、「何か具合が悪い」と感じ医療機関に受診すると、「血圧が高いですね」とか、「肝臓の具合が悪くなっていますよ。」などの様に、いつの間にか自分が知らないうちに病気は進み、気が付いたらある程度病気が進行している。これが内科の病気です。また、血圧が高い場合は、何の症状が無くても血圧が悪くならないように薬を飲み続けなければなりません。
 肛門の病気はこのようなことは有りません。必ず出血や痛み、腫れや違和感等、必ず自分自身が感じる症状が出ます。何の症状もなくいつの間にか悪くなっているということは有りません。ですから自分が感じる症状がなくなれば肛門の病気は治ってしまったということです。そうすると治療の必要はありません。

 気になる症状が出た場合は、まずは市販の軟膏を使ってみるというのも一つの手段だと思います。市販の軟膏などを使って、症状がなくなったら治ったということです。でも、市販の軟膏などを使っていても、いつまでも出血や痛み、違和感、腫れ等の症状が続いたり、場合によっては症状が強くなるようでしたら肛門科を受診して下さい。

2020.08.08

痛みの出かたで、病気をある程度判断することができる。

 前回は出血によってある程度病気が判断できることをお話しました。今回は痛みの具合でどんな病気であるかを判断するかについてお話します。

 肛門の病気の痛みのでかた。

 肛門の病気で痛みが出る場合は、大きく5つの病気があります。

①肛門周囲膿瘍
 肛門周囲膿瘍:急に肛門が腫れあがり痛みが出る病気です。男性に多く、下痢をした後に起きることが多い傾向にあります。できる場所は肛門の後ろ側、背中の方にできることが多いです。肛門全体が腫れあがることがあります。膿瘍を形成するので、深い部分に膿が溜まると38度以上の熱が出ることもあります。

②裂肛
 裂肛:便秘や下痢などで肛門上皮という皮膚の部分に傷がついて痛みが出る病気です。排便時に痛みを感じ、裂肛が悪化してくると、排便時だけでなく排便後も痛みが持続して、その時間が段々長くなることもあります。

③血栓性外痔核
 血栓性外痔核:肛門の外側に血栓(血豆)が詰まって急に痛くなる病気です。血栓が詰まるので、肛門に豆のようなものが急に出来て触ると少し懲り頃硬さを感じることがあります。血栓が詰まって腫れて痛いので、時間と共に腫れが引いて、血栓性外痔核の場合は日にちが経つにつれて、腫れが引き、痛みは軽減してきます。このことが肛門周囲膿瘍と違うところです。肛門周囲膿瘍は段々膿が溜まり広がっていくので破けて膿が出ない限り痛みはどんどん強くなっていきます。

④内痔核
 内痔核に血栓が詰まった嵌頓痔核:これは基本に内痔核があります。排便時に痛みなく出血したり排便時に内痔核が肛門の外に出るなど内痔核の症状があります。その内痔核に血栓が詰まって腫れて痛くなる病気です。

⑤肛囲皮膚炎
 肛囲皮膚炎によっても痛みが出ることがあります。肛囲皮膚炎は清潔にしようと思い、入浴時に石鹸でタオルで一生懸命ゴシゴシ洗ったり、排便後にトイレットペーパーでゴシゴシ強く拭いたりしてもなることがあります。また最近では洗浄便座の洗浄が強く洗いすぎて肛門に傷を付けたり、直接洗浄の水が肛門に当たると、その水は直腸内に入っていきます。その入った水は後から出てきて、肛門が汚れてしまったり、痒くなったりします。肛囲皮膚炎は最初は痒みがありますが、皮膚炎がこじれてくると痒痛いから痛みへと変わっていくことがあります。また皮膚炎ではありませんが、肛門にヘルペスが出来ることもあります。水泡のような皮疹ができ、ピリピリする痛みから段々痛みが強くなっていきます。
 このように肛門に痛みの出る病気はその病気によってさまざまな痛みかたをします。

  肛門の病気以外での痛みの出る病気

さて、直腸や肛門の良性疾患以外に痛みが出ることもあります。

①直腸癌
 直腸癌がかなり進行して、粘膜を超え筋肉にまで癌が広がっていくと直腸癌でも痛みが出ることがあります。この場合は排便の具合が悪かったり前回お話したような出血があることがあります。

②肛門癌
 肛門癌で痛みを認めることがあります。肛門に癌が出来て硬い潰瘍状になります。肛門癌はとても痛い病気です。これは一目でわかるのですが、患者さんは痔が外に出たままになったと間違える方もいます。でも進行するととても痛い病気です。

 このように前回お話した出血の仕方や、痛みの状態によってある程度どのような病気があるかを判断することが出来ます。

 

 

2020.08.08

出血の仕方で、ある程度病気が判断できる。

 8月も一週間が終わり3連休から始まるお盆の時期になりました。今年はいつもと違ったお盆になるんだろうなあと思います。これまでお盆休みに帰省していた人たちも帰省を控える方が増えるのかなあと思います。
 新型コロナウイルスの感染拡大で、いろんな人たちとの距離、大切な人たちとの距離がどんどん離れていってしまうような気がします。また、感染防止を考えると、相手を疑う、自分自身も疑う。そんなマイナスの考えが前面に出てしまう。私たちはより強く相手を思いやる優しさを強く持たなければならないんだと思います。

 さて、今回は、「症状によって自分である程度病気を判断できませんか?」という質問を受けました。そこでまず、病気によってどんな出血をするのかを病気ごとにお話したいと思います。

痔など肛門の病気からの出血

 排便時の出血では、肛門の病気の場合は、便が通るときに傷がついての出血です。ですから、出血は鮮やかな赤色の新鮮血です。出血の仕方はいろいろです。排便時にポタポタ血が落ちたり、気が付いたら便器が真っ赤になったり。排便後拭いたときトイレットペーパーに血が付いたりします。でも便が通るときに傷がついての出血なので、新鮮血です。傷がつく場所、症状である程度肛門の病気は解ります。

①内痔核
 内痔核(いぼ痔)の場合は、内痔核は痛みの感じない直腸粘膜にできる静脈瘤です。ですから、排便時に痛みなく出血します。出血の仕方は、排便後に拭いたときに血が付いたり、ポタポタ便器に血が落ちたり、排便後気が付いたら便器が真っ赤になっているなどです。内痔核が大きく手術が必要な程度になると、シャーと音がしたり、血が飛び散ることがあります。

②裂肛
 裂肛(切れ痔)の場合は、肛門上皮という皮膚の部分が切れる病気なので、必ず排便時に痛みがあります。排便時に痛みがあって、拭いたら血が付いていたり、便に血が付いている場合は裂肛の場合が多いです。傷のつき具合で出血の仕方も違うので、裂肛の場合でも、ポタポタ血が落ちたり、便器が真っ赤になっていることもあります。でも裂肛の場合は必ず痛みが伴います。

③血栓性外痔核
 血栓性外痔核の場合も出血することがあります。血栓性外痔核は肛門の外側の静脈に血栓が詰まって急に腫れて痛くなる病気です。基本は自然に溶けて吸収されて治っていきますが、場合によっては血豆が破けて血が出ることがあります。この場合は血豆が破けての出血なので、下着に常に血が付く症状になります。また、破けて血が出ることで痛みは楽になります。

④肛門周囲膿瘍
 肛門周囲膿瘍や痔瘻の場合も血が付くことがあります。肛門周囲膿瘍は肛門腺に細菌感染して化膿して膿が溜まり広がる病気です。医療機関で石化して排膿をしますが、場合によっては自然に破けて膿が出ることもあります。この場合は膿を伴った出血です。破けて膿が出ることで痛みはスッと楽になります。痔瘻の場合は、肛門周囲膿瘍の既往があって、破けて膿が出たところが痔瘻の出口になって、時々その出口から血膿が出ることがあります。

大腸や直腸などに病気があって出血する場合。

①大腸癌、直腸癌
 大腸癌、直腸癌の場合は、新鮮血というよりは癌からの出血がしばらく大腸や直腸に残っていてそれが排便時に出てくることになります。ですから出血した血はしばらく時間が経つと酸化されて黒くなってきます。ですから新鮮血ではなく、黒くドロッとした血の便や、血の下痢状になって排便時に出てきます。癌からの出血の量が多いと血の下痢状になって排便時に出てきます。ただ、直腸がなどから目に見える出血をする場合は出血以外に症状が出ます。便が出にくい、便意が常にあって、トイレに行っても少しづつしか便が出なくて、何回も何回も便がしたくなりスッキリしないなどの症状や腹痛や腹部膨満感等のお腹の症状があります。

②大腸憩室炎、曲悦清大腸炎
 大腸憩室炎や虚血性大腸炎の場合は出血した血がある程度塊、下痢状になって出てきます。頻回の下痢となることが多いです。下痢だと思ってトイレに行って出してみると下痢状に血が出るといった症状です。腹痛を伴うことがあります。

③潰瘍性大腸炎、クローン病
 潰瘍性大腸炎やクローン病ではやはり下痢状の出血です。また粘液なども多く出るようになります。また渋り腹と言って常に便意があって出してもちょっとしか便が出ない、その時出血や粘膜が伴うといったような感じで出血します。

 出血をとってもそれぞれの病気である程度特徴的な出血をします。
 次回は、痛みに関して病気によっての違いをお話したいと思います。

2020.08.06

被爆75年、核兵器のない世界を求めて!

 今日、86日は広島に原爆が投下されて75年を迎えます。広島では平和記念公園で原爆死没者慰霊式・平和祈念式」が営まれました。私たち国民の核兵器廃絶の願いが込められた1日です。世界で唯一の被爆国である日本。核兵器禁止条約への署名・批准を私たちはしっかりと国に求めていかなければなりません。

 核兵器廃絶に向けての画期的な出来事が3年前の2017年の7月におきました。 それは、77日に国連で「核兵器の禁止に関する条約」が採択されたことです。122か国の賛成で採択されました。
 条約の前文には、「核兵器使用の犠牲者(ヒバクシャ)と核実験の影響を被った被災者の受け入れがたい苦悩と被害に留意し」という一節が明記されました。国連での採択の結果をみると確実に核兵器廃絶への時は刻まれていると思います。

 この時の条約で具体的に何を禁止したかですが、核兵器禁止条約は前文と全21条から成り立っています。第1条で、核兵器にかかわる主要な活動のほとんどを明確に非合法化しています。そして、第6条 被害者に対する支援及び環境の修復という条文があります。
 その1項に「締約国は、自国の管轄下において核兵器の使用または実験によって影響を受けた個人に関して、適応可能な国際人道法及び国際人権法に従って、差別することなく、医療、機能回復訓練及び心理的支援を含む年齢及び性別に配慮した支援を十分に提供し、その社会的かつ経済的な包摂を提供する。」とあります。
 日本がこの条約に参加すれば、広島・長崎の被爆者への援護施策を手厚く行うことが条約上の義務として国際的に求められることになります。

 こういった国際的な核兵器廃絶の流れのなかで残念なことに、唯一被爆国である日本の日本政府の対応は「我々はこの条約の構想に反対である。だから会議には参加しない」と発言して会議の場から退席してしまいました。しかし、この会議では、日本政府が退席した後の席は空席として残され、
 そこに「折り鶴」がずっと置かれていました。その折り鶴には「Wish you were here」(あなたがここにいてほしい)とかかれていました。

 唯一被爆国である日本政府の姿勢として、別所浩郎国連大使は、交渉会議に参加せず禁止条約採択をうけて、「署名することはない」と発言しています。
 以前、長崎での「原爆の日」に被爆者の方が、安倍総理に「あなたはどこの国の総理ですか?」と問うたことに象徴されるように、私たち国民の核兵器廃絶への願いと日本政府の意識には大きな隔たりがあると思います。私たち国民の方が先を歩んでいます。
 日本政府を条約に参加させるためには、国内で核兵器禁止条約参加の声を圧倒的な声とし、政府、議会に迫ることが必要です。
 今年8月に開催された原水爆禁止2020年世界大会はオンラインで開催されます。新型コロナウイルス感染拡大等、社会がどんな状況にあっても、私たちは核兵器廃絶にむけての運動を進めていかなければならないと思います。

 さて以前にも紹介したことがありますが、私の父は、広島に原爆が投下された時、江田島の海軍兵学校にいました。ここでの状況を父はこう綴っています。

「午前815分。手洗いに向かって歩いていた時、一瞬、何かがピカッとひかりました。さほど気にも止めず10歩程歩いたでしょうか?ドーンという大音響、爆風のため、12歩後退、校舎の壁のモルタルがバラバラッと落ちました。あわを食ってもぐりこんだ防空壕の外で「見ろ!見ろ!見ろ!」と逃げ遅れた連中が騒いでいるのでおっかなびっくり、防空壕を出てみると、古鷹山(ふるたかやま)より高く、高く、天然現象と思える入道雲が、モクモク、モクモク、上へ上へと成長していくのです。その雲の下でこの世の地獄が現出しているとはつゆ知らず「ガスタンクの爆発」が当時17歳で海軍兵学校の最下級生であった私が考える事の出来た、最大の爆発でした。」

 今から思うと残念ですが、私は生前父と広島に原爆が投下された時の状況やその後の悲惨な広島に関して全く話す機会はありませんでした。ですから、私は、父がその時のことを思い出して書いた文章をみてその時の父の思いを想像するしかありません。
 直接被爆された方の体験を聞くことは今後段々難しくなっていくと思います。でも被爆された方々のその経験をこれからもしっかり引き継いで、後世に伝えていく義務が私たちにはあると思います。

 新型コロナウイルスと違い、核兵器は私たち人間が自らが生み出した非人道的兵器です。であるのであれば、必ず私たち自身の手で、世界から核兵器を全て廃絶することは可能です。
 私たちは世界から核兵器がなくなり、核の脅威のない平和な世界への道をしっかりと歩んでいかなければなりません。

 

2020.08.02

新型コロナウイルスより怖い「心を蝕むウイルス」の感染拡大

 長かった梅雨がようやく明け、8月に入り一気に夏本番。暑い日が厳しくなりました。
 今年の夏はいつもとは違う「夏」を私たちは経験し、過ごさなければなりません。
 新型コロナウイルスの感染が再拡大している中、私たちは一人一人基本的な感染予防をしていかなければなりません。マスクに関しても、熱中症に注意しながら、必要に応じて外すなどして調整していかなければなりません。

 新型コロナウイルスの感染拡大以上に私たちが脅威を憶え、そして危惧することは新型コロナウイルス感染拡大と共に、「心を蝕むウイルス」の感染拡大です。
 「自粛警察」と呼ばれる恫喝行為の拡大。一方新型コロナウイルスに感染した人たちに対する誹謗・中傷。感染した人たちを悪者扱いにしてしまう。県境をまたいで従事する人たちやその子供たちへの差別、そして医療従事者への差別など、新型コロナウイルスの感染拡大と同様、あるいはそれ以上の社会的な脅威と言わなければなりません。私たちはこの「心を蝕むウイルス」の感染拡大を広げてはいけません。収束に向けて私たち一人一人が取り組んでいかなければなりません。この「心を蝕むウイルス」は私たちの力で収束させることが出来ます。

 感染を防止することを一番に考えた場合、どうしても感染しないためには相手を疑う、そして自分自身を疑う。「相手を、そして自分を疑う気持ち」が大きく心を占めてしまいます。そのことが大きく自分を支配してしまうと、相手に対しての優しさがどんどん失われてしまいます。感染してしまった人には今以上の優しさを注ぐことを忘れてしまうと、自分自身がどんどん壊れてしまっていきます。「心を蝕むウイルス」に対しては「相手を包み込む優しさ」という抗体で感染をブロックしていかなければなりません。

 私たちの不安はやはり新型コロナウイルスはどうゆうものなのか。感染してしまった場合はどうなってしまうのか。など私たちの不安を取り除く情報が全く国や自治体から発信されていないことにあると思います。ニュースを見れば、「感染者数が何人、過去最高の発生者数だ。」とか、「自粛要請をする。」、「食事は2時間」、「5人以上の会食は自粛する。」などの情報は流れていますが、そのことも大事ですが、わからないことがまだまだ多いのだと思いますが、私たちの不安にしっかり答え、正しい情報を国や自治体がしっかり伝える姿勢もほしいと思います。例えば、親が感染し、子どもは感染していない。そんな時親が入院、隔離された場合は子供はどうなるのか?子供の生活や面倒は行政がしっかり守り保障してくれるのか。家庭内に介護される高齢者がいて、介護している人が感染して入院、隔離された場合に、その介護を受けていた人の生活はどうなるのか。また一人暮らしの方が感染を起こし、自宅待機になった場合、都会なら宅配によって食事は摂れますが、そういう体制がない場所では外出することもできず、その人の食事はどうするのか。本当に身近な、そして一番大切な問題が多くあります。
 また新型コロナウイルスに感染した場合、周りの目はどうなのか、誹謗中傷を受けてしまうのか。そういった場合、今いる場所で暮らし続けられるのか、等私たちを取り巻く不安は多く、そのことに押しつぶされかねません。こういった私たちの不安に国や行政はしっかり耳を傾け、寄り添い、支え共に新型コロナウイルスが収束するまで戦う姿勢を見せて欲しいと思います。

 新型コロナウイルスの感染以上に「心を蝕むウイルス」の感染拡大が本当に心配です。私たちの力で、この「心を蝕むウイルス」の撲滅に向けて一人一人できることを取り組んでいかなければなりません。

2020.07.31

肛門ポリープってなに?悪性なの?良性なの?

 さて、今回は肛門ポリープに関してお話したいと思います。
 肛門ポリープは裂肛(切れ痔)などによく合併します。排便時に肛門上皮が切れてしまうのが裂肛ですが、切れたり治ったりすることを繰り返すことによって肛門ポリープが出来てきます。また内痔核にも一緒にできることがあります。この場合も内痔核が腫れたり治まったりすることでできてきます。
 ではどうして肛門ポリープが出来るかをお話します。

 肛門の出口から、約23㎝まで肛門上皮と言って皮膚の部分があります。その奥が直腸になります。この肛門と直腸との境目に歯状線という部分があります。見た目が歯の様に見えるので歯状線と言います。歯状線の部分には細長い凸凹した部分があります。これを肛門乳頭と言います。移行上皮と言って普通の皮膚とは少し違うものでできている肛門乳頭にできる炎症性・線維性に肥厚した肛門乳頭を肛門ポリープと言います。

 原因としては下痢や便秘などを繰り返すことで裂肛や内痔核などが発生して、その慢性的な刺激によって炎症を起こし、線維化を起こし肥厚して大きくなりポリープになっていきます。でも肛門ポリープは大腸や直腸などの粘膜にできるポリープとは違います。したがって癌化することは有りません。ちょっと違いますが「ペンだこ」の様に慢性の刺激炎症によって起きる炎症性のポリープです。
 悪性化しないのですが、慢性の刺激や炎症が続くことで段々大きくなっていくことがあります。したがって肛門ポリープの大きさはさまざまです。肛門乳頭が少し大きくなったような米粒大のものから、親指大まで様々です。形も色々で、えのきだけのようなポリープもあれば、なめたけのような大きさのものもあります。また、柔らかいもののあれば、炎症が繰り返すことで硬くなったポリープもあります。

 症状としては肛門ポリープだけではポリープが大きくなって、排便時に肛門の外側に出てくるようにならない限り、肛門ポリープ単独の症状はあまりありません。
 裂肛に合併するときは裂肛の症状が主体で、排便時の痛みや出血があります。肛門鏡などで観察すると裂肛による慢性の炎症で肛門ポリープを合併していることがあります。
 また、内痔核が腫れたり治まったりすることで炎症を起こし肛門ポリープが出来てきます。この時も肛門ポリープ単独の症状はなく、内痔核の症状、排便時の出血や違和感そして排便時の内痔核の脱出といった内痔核の症状が主体となります。ただ。内痔核が脱出してこなくても肛門ポリープだけが大きくなり排便時に外に出てくることもあります。また内痔核が排便時脱出してくることで初めて、肛門ポリープも出てきて内痔核以外に何か出てきているといった症状で肛門ポリープを確認することもあります。
 ですから、肛門ポリープだけですと大きくなって排便時に肛門の外側に出てくるようになって初めて肛門ポリープに気が付くことがほとんどです。
 でも肛門ポリープは癌化することは有りません。肛門の中だけにあって、排便時にも肛門の外に出てこず、症状がなければそのまま放置しておいて、全然大丈夫です。
 でも大きくなって排便時に肛門の外に肛門ポリープが出てくるようになった際は、スッキリ治そうと思うと肛門ポリープを切除しなければなりません。
 裂肛に肛門ポリープが合併した場合は、裂肛そのものが慢性化していて裂肛根治術が必要な場合が多いので、裂肛根治術の時に一緒に肛門ポリープを切除します。肛門ポリープが排便時に出てくることで裂肛そのものも治り難くなります。また内痔核の脱出と一緒に肛門ポリープも出てくるようでしたら痔核根治術をしながら一緒に肛門ポリープを切除します。
 内痔核の場合、ジオンによる四段階注射法での痔核硬化療法(ALTA療法)の適応である内痔核に肛門ポリープが合併していた場合は、肛門ポリープは切除して、内痔核に対してはALTA療法を行うといった方法で治すこともあります。

 肛門ポリープだけが単独で排便時に肛門の外に出てくることもあります。その場合は、肛門ポリープの根元に局所麻酔をして肛門ポリープを切除することがあります。この時は入院での手術ではなく、外来での手術になります。肛門ポリープだけの切除ですと、術後や排便時の痛みはほとんどありません。手術を行った後は710日間後に受診していただき、痛みや出血など症状がなく、スッキリしていれば治療は終了となります。比較的簡単に終わります。
 肛門ポリープ、放っておいても癌化しない、悪いものではないと言っても、大きくなって排便時に肛門の外に出てくるようになると、やはり嫌な症状になります。そういった場合は手術で肛門ポリープを切除してスッキリするといいと思います。
 気になる症状があれば、受診して下さいね。

2020.07.31

7月が終わり、新型コロナウイルスの感染再拡大のなかで

 7月も終わり、そして梅雨明けにもなりました。そのような中、新型コロナウイルスの感染が再度拡大してきています。そのような中、今、感じることをお話したいと思います。

 緊急事態宣言後に、いったんは新型コロナウイルスの感染者数は減少しました。でも完全に収束ことはできませんでした。現在、緊急事態宣言時以上に感染者が増加しています。
 このことは、「自粛」だけでは新型コロナウイルスの感染を完全に収束することはできないということが明らかになったのだと思います。やはり、感染拡大を収束させるには、新型コロナウイルスに対して安全に使える治療薬、そして予防策や症状を軽減させるためのワクチンが副作用なく接種できるようにならなければなりません。そしてこのことで新型コロナウイルスの感染拡大を収束させることが出来るのだと思います。
 でも、自粛をするな、自由に活動してもいいということではありません。私たち一人一人が出来る感染対策を今以上にしっかり取り組んでいかなければなりません。
 治療薬やワクチンが実用化されるまでに私たちが今できることは、新型頃のウイルスの感染拡大のスピードを抑え、そして重傷者をふやすことな私たち皆の命を守ることです。

 このためには早期に新型コロナウイルス感染者を診断して早期に治療に移行できる体制をとることだと思います。PCR検査の拡充もその一つです。それには、PCR検査に関わる医師やなどのスタッフや検査技師の確保増員。そして検体を運ぶ人たちの確保も必要でしょう。またその結果を迅速に報告する体制も必要です。そして、新型コロナウイルス感染患者を受け入れる側の医療従事者には十分なマスクや防護服、フェイスシールドなどの十分な装備が滞りなく供給できる体制が担保されることで医療従事者も新型コロナウイルスに立ち向かえるのだと思います。
 現時点の病院等の医療機関では、345月で、新型コロナウイルスの感染患者さん以外で延期になっていた患者さんの手術などの治療に当たっているため、今の時点で新たに新型コロナウイルスの感染患者を受け入れることには後ろ向きなのだと思います。一端、一般患者さんの受け入れ体制の移行した病院等では急に再度新型コロナウイルス受け入れ体制に戻すことは難しいのではないかと思います。そうすると、新型コロナウイルスの患者の入院、そして、それ以外の患者さんの治療を同時に、そしてこれまで通りに行っていくとなれば、新型コロナウイルの感染患者さんを受け入れる施設や体制を新たに増やさなければならないと思います。これは入院だけでなく、外来においても同じだと思います。やはり、発熱外来を持つ新規の公的外来医療機関、公的入院医療機関を作り新型コロナウイルス感染患者さんと、一般の患者さんを分けて治療できる体制が必要だと思います。

 また、保健所の機能拡大や、感染症に関しての保健所を支援する体制や新たな感染症対策に関しての行政機関の設置等も考えなければならないと思います。保健所は普段から感染症対策の中核機関であり、一端感染が拡大した際には最前線に立つ行政機関です。そのためにも保健所の設置個所を増やしたり、そこに従事する職員の増員も必要になると思います。これまでのような、いかに職員をリストラするか、また民間への委託を増やすかという政策から、行政が責任をもって市民の命や健康、そして暮らしを責任をもって行う体制へと政策を変換することが必要ではないでしょうか。また、新型コロナウイルスの感染者を早く見つけ、早く封じ込めていくには小さな地域での体制が必要かと思います。住宅地、オフィス街、歓楽街、等々、各地域によって全く抱えている問題が違います。またそこに住む人たちの人口構成なども地域地域でまったく違います。京都府、京都市と言った大きな地域での感染対策ではなく、各行政区単位、もしくはもっと小さな中学校区域単位などでの対策が必要になってくるのではないかと思います。そしてそこには医師がいる保健所と、地区医師会や地域の先生方との連携が大事になると思います。

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