「癒しの旅」絵を描いてみました。ー動画ー
渡邉家の食育
皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
大型の強い台風14号が近づいてきています。京都は病室の窓から見る分には、曇ってはいますが、まだまだ雨、風は大丈夫なようです。19日月曜日の午後から20日にかけて京都に最接近するとのことです。どの地域にも台風による被害がないことを祈るばかりです。
私の方も9月14日に「自家血幹移植」を行い今のところは順調に来ています。今日の血液の検査で白血球は200/μlまで減少しました。これから移植した造血幹細胞が生着して、白血球をはじめとする血球を造りだしていくのを待つだけです。白血球も200/μl、好中球も6%。白血球特に好中球が増えてくるまで感染症には注意していかなければなりません。
こういった治療を通じて、節目節目にいろんな思いが頭に浮かんできます。
今回の自家血幹移植が終わった後は、これまでの治療に、肉体的にも精神的にも耐えることができるように育ててくれた母に対して「ありがとう。」と感謝の気持ちが湧き出ました。なぜか治療を通じて涙もろくなってしまい、思わず涙が溢れ出しました。止めようとすればするほど溢れてくる。そんな状況でした。
以前、「情操教育」に関してのブログで母の教育に関しての姿勢を少し紹介しました。
今回の治療に関して母の教育が実っていると感じたのは食事のことです。
移植前治療が終わった当日から2日間は、嘔気や嘔吐でほとんど食事が摂れない状態でした。ただ、それを過ぎると食べれるようになり、病院食をしっかり食べれるようになりました。
作って下さった食事、目の前にある食事は押しく食べると育てられた気がします。
実家にいたころの食事に関して少しお話ししますね。
渡邉家はほとんど外食をしませんでした。それは外食が嫌いだったというわけではなく、父方の祖父と一緒に暮らしていたこともあります。祖父はほとんど外食はしない人でした。
母が毎日、美味しい料理を作ってくれていました。たまに手伝ったりはしていました。
祖父が長男だったので、何か事があれば実家に渡邉家の親戚一同集まって食事をしていたといった印象です。
父はいろんな方を自宅に招くのが好きで、自宅での母の手料理の宴会が多かった気がします。
父はいろんな方を呼んで飲んだり食べたりすることが好きだったようです。ただ、楽しくしゃべった後、ある程度時間が経つと、「明日のことがあるから、もう休みます。」とさっさと一人でその場を離れてしまうことが多く、いつも母が最期まで付き合っていました。
何となくその頃は、「なんか変な家。」と感じていたと思います。でもこのことが、いろんな方と楽しく食事をしながら話をしたり、この時間で自分の知らない世界の方々の話を聞くことができたのも、私にとってはとても有意義だったんだと思います。宴会後、一人でかたずけている母を手伝うこともありました。
また、こんなこともありました。
私がまだ小学校の頃、山梨県の甲府市にいた頃です。
母がカレーを作ってくれた時です。食べているときに、まだ十分に溶けていない固形のルーを口に入れた時、「うえ~。」と言ってスプーンでルーを取り出した時です。いきなり父は私の首元の服をつかみ一番奥の部屋まで引きずっていきました。私としては何が起きたかわかりませんでした。父は部屋に引きずり込んで、「一生懸命お母さんが作ってくれたカレー。うえ~とはなんだ!」と怒鳴り、反省文を書かされました。
チョットやり過ぎ感はありますが、父は「一生懸命作って下さった食事は、美味しくしっかり食べろ。」と言いたかったのかもしれません。
これが要因かはわかりませんが、そんなこともあって、救命救急センターに勤務していたころ、いつ患者さんが搬送されるかわかりません。食事も食べれるときに食べておくといった感じです。また緊急対応で冷え切ってしまった食事や伸びきったラーメンもそう苦も無く食べれるようになっていました。いいのか悪いのかわかりませんが、食事に関してはたくましくなったと思います。
また、こんなこともありました。私が大学生になったばかりの頃?高校生の頃?でしたか、東京で結婚式があるとのことで両親が東京に来ました。私には妹がいるのですが、家族みんなで結婚式があるホテルで宿泊することになりました。
父と母は、結婚式での披露宴で夕食が出ますが、私たち兄妹二人は自分たちの夕食を考えなければなりません。そんな時、父が「臆することはないぞ。ホテルのレストランどこでもいいから好きなものを食べてこい!堂々としていろ。」と。
そういわれても私が高校生だと妹は中学生。二人きりでホテルのレストランで好きなものを食べてこいとの指示。高級なホテルのレストラン。緊張しながらも美味しい食事をいただきました。その食事で印象的で今も覚えているのが、妹が「マッシュルームサラダを食べてみたい。」というので頼んでみました。予想としてはいろんな野菜の中にマッシュルームがたくさん入っているのかなあと思っていたのですが、きたマッシュルームサラダは、マッシュルームだけ、そこに美味しいドレッシングがかけてある。そんなサラダでした。思わず二人目を合わせたと思います。
こんな経験で、意外と度胸はついたと思います。
今日はなんかとりとめもなそして長い話を綴ってしまいました。良ければ読み流して下さい。
便秘ネットフォーラム「こどもの便秘を考える~知っておきたい3つのポイント~」に参加しての報告
皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
昨日、無事「自家血幹移植」が終了して1日目です。特に変わりなく順調に進んでいます。
今朝、血液検査をしました。昨日移植したから白血球が増えてくるというわけではありません。今週末にかけてグッと白血球は減ってくると思います。そして、来週末頃、移植した造血幹細胞が生着し、白血球などの血球を増やすようになると思います。
さて、今回は昨日「便秘ネットフォーラム」にWEBで参加したので、その報告をしたいと思います。
今回のテーマは、「こどもの便秘を考える~知っておきたい3つのポイント~」でした。
まず診察に当たっての3つのポイントを示されました。
- ① 治療を必要とする患児を見逃さないこと。
- ② 便秘の悪循環に関して理解してもらうこと。
- ③ 便塊除去を適切に行うこと。
この3つを挙げられました。
- ①に関しては、下着が常に汚れているなどの症状が有る場合、便塊が詰まってしまってる
ことがあります。詰まっている脇を軟便がだらだら出て、頻回に下着が汚れてしまうなどの症状です。スッキリ気持ちよく出ているかどうか診断し、早期に治療を開始していくことが大切とのことでした。
②に関しては、排便時に硬い便が出ると痛い、切れてしまって痛みや出血をする。そうすると、今度は便をするのが嫌になってしまいます。そしてさらに硬便、便秘となって排便時に痛む。こういった悪循環に至ってしまうことがあるので、それを早く断ち切る治療が必要となってきます。
③の便塊除去を適切に行うに関しては、以前快便の秘訣でお話ししましたが、直腸に便塊が詰まってしまうと、直腸だけでなく、大腸全体に便塊が詰まってしまいます。又、直腸に便が残ったままだと、便がしたいという便意がなくなってしまいます。これも便秘の悪循環ですし、勝手に便が出てしまう原因になります。ですから直腸に詰まった便塊を浣腸等で出した後、まだ大腸に残っている便がスッキリで切っているかを確認する必要があります。
またお父さん、お母さんには、お子さんの排便状況を把握して欲しいとのことでした。例えばこんなことを講師は話されました。「うちの子供は、家では便は出ませんが、保育園で出ているとばかり思っていました。」ということです。
さて、子供が排便を我慢する原因には次のようなものがあります。排便時に痛みがある、切れる。また、意識的に排便を我慢するなどだそうです。意識的に我慢している際の姿勢があり、足をクロスさせて我慢するのが我慢姿勢だそうです。
さて、治療ですが、まずは詰まっている便塊をスッキリ出し切ることが大切です。場合によっては毎日浣腸をしてスッキリ出るようにするなどです。やはり先ほども言いましたが、不完全な便塊の排泄はダメで、溜まっている便はすべて出すが原則とのことでした。
さて、子供への薬物療法ですが、モビコールというお薬が2歳以上の小児にも使えます。
モビコールはポリエチレングリコール(PEG)製剤(便秘症改善薬) に分類されます。 ポリエチレングリコール(PEG)製剤(便秘症改善薬)とは、ポリエチレングリコール(PEG)の浸透圧により腸管内の水分量を増加させ、便中の水分の量を増加させることによって便を柔らかくして、便の容積の増大させることで蠕動運動を亢進させ排便を促すお薬です。
飲み方は、モビコールをみずに溶かして飲みます。ですから子供も飲みやすいのではないでしょうか?
ただ、お薬をしっかり飲み続けることができるかどうかが重要になってきます。
やはり便秘を治すことは根気がいります。焦らず時間をかけて治していかなければなりません。ですから、このお薬を飲み続けられるかどうかは大事です。
講師にこんな質問がありました。「下剤の止め時は?」です。
この下剤を止める時期はとても難しいとおっしゃっていました。下剤を内服しているから便が出ているのか?便秘が治って出ているのか?の判断が難しいです。
ですから、まずは長期間の治療が必要であることをお話しした後、下剤の中止はせず、調子が良ければ少し減らし、調子が悪ければ増やすといったことを繰り返す。とのことでした。
やはり排便時に硬便が出て痛かったのが、柔らかくて痛みのない排便ができるようになる。この好循環に持っていければ便秘は良くなると思います。
子どもの便秘症、かかりつけの先生などに相談してみて下さいね。
「自家血幹移植」終了!
皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
今日、最終目標であった「自家血幹移植」が終わりました。
移植前後、移植中も特に体の変化はなく、無事終了しました。
今回、移植前処置としてブスルフェクスとリサイオを使用しました。これまでの治療期間ではあまり強い副作用もなく順調に進んでいました。
今回の移殖前処置に関しては、ある程度副作用が出るのを覚悟して臨みました。できれば何もなく住んで欲しいと願いましたが。
いずれの抗がん剤も胃腸障害の副作用が高頻度におきるとのこと。ブスルフェクスでは嘔吐71.1%、悪心68.4%、食欲不振56.1%、下痢・軟便54.5%。リサイオも嘔吐68.4%、悪心84.2%、食欲不振73.7%、下痢84.2%の発生頻度。
やはり私もその副作用が出て、ブスルフェクス2日間、リサイオ2日間が終了した土曜日夕方より、悪心が出現。翌日早朝に嘔吐。この状態が2日間続きました。3日目になると大分落ち着いて、水分と食事も少しですが摂れるようになりました。
抗がん剤による副作用、やはり、どれくらいの期間続くんだろう、いつまで頑張ればいいだろうと不安を感じます。ネットで検索してもなかなか副作用の持続期間を詳しく報告しているものはありませんでした。個人差もあってなかなか難しいかもしれませんが、どの程度の期間副作用が出るのかを調べて欲しいなあと思いました。
今回の自家血幹移植ですが、1回の自家血幹移植に必要な造血幹細胞は2.0×10の6乗/kgです。私は今72.2㎏なので、144.4×10の6乗個です。
前回の地固療法の際に十分な造血幹細胞が採取できていたので、採取した造血幹細胞2パック120mlで十分な量でした。それでも7.0×10の6乗/kgを移植しました。
造血幹細胞の移殖個数は少ないとダメですが、多すぎてもいけないとのことでした。
移植時間は、約30分。心電図モニター、パルオキシメーターを装着して、この30分間主治医と看護師さんがずっと見守って下さいました。チョット悪い気はしました。ただ、声をかけて下さるので、本当に心強かったです。
移植中は血圧の変動はなく、安定していました。すべてが終わって30分ぐらいたった時に少し血圧が高くなっていました。特に自覚症状はありませんでした。
主治医や看護師さんが部屋を出られた後、なぜか急に涙が出てきました。これまでのことを思い出してのことだと思います。血圧が高かったのも、この感情のせいかなあと思っています。
さて、最終的な完治に向けた「自家血幹移植」は今日終わりました。でもまだまだこれからです。抗がん剤等の投与はありませんが、後は移植した造血幹細胞が10日から14日間の間にしっかり定着するのを「待つ」ことが必要です。その間にまだ移植前処置の抗がん剤の影響で白血球等は減少してくるはずです。必要に応じて血小板などの輸血も必要になるかもしれません。
そして一番注意しなければならないことは「感染症」です。発熱性好中球減少症を疑わせる発熱があれば、直ぐに対応しなければなりません。
ここまで来ました。気持ちを引き締め、造血幹細胞が生着し、血球を造ってくれるようになるまで、しっかり取り組んでいきたいと思います。
最後に、病室の窓から見える日の入りをみながら、母を想う。
「本当にここまでに育ててくれてありがとう!」
明日が最後の抗がん剤投与。後は「待つ」だけ
皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
今、私は「自家血幹移植」に向けて、抗がん剤による移植前処置を行っています。
抗がん剤の種類は前回お話ししたように2種類です。ブスルフェクスとリサイオです。
ブスリフェクスの2日間投与は終わり、今日は最後のリサイオの1日目の投与を行いました。特に強い副作用もなく、今日は終了しました。おそらくこの調子でいくと、明日も強い副作用は出ずに治療が進んでくれるものと期待しています。
3月29日に緊急入院。その後これまで入退院を繰り返しながら悪性リンパ腫に対して抗がん剤治療を行ってきました。
当初、入院した時は「早く治さなければ!」という気持ちが前面に立っていましたが、それと同時に、抗がん剤の治療はどんなものなのだろうかという不安もありました。
抗がん剤による治療と聞くとやはり「闘病」という言葉を直ぐに思い浮かべます。自分に耐えられるのだろうかなどの不安もありました。テレビなどの映像では、抗がん剤による副作用で激しく苦悩する姿をみたり聞いたりすると、本当に不安になります。でも主治医の先生の、今何をしなければならないのか、それによるメリット、デメリット。そして今置かれている私の状況などのわかりやすい説明、一緒に治していきましょうという姿勢。また看護師さんを含むスタッフ皆さんの支えでその不安は解消されました。「なるようにしかならない。自分が頑張れるところは頑張って、任せるところは全面的に任せよう。」と、そう思うことができました。そして家族や見えないけれど私の周りにいつも見守っていて下さる皆さんが支えて下さっていると思うことが本当に力になりました。ありがとうございます。
幸いなことに、主治医を始めスタッフの方々のお力もありますが、言い方が正しいかどうかわかりませんが、私にはこれまで使ってきた抗がん剤が私の体にあっていたのか、治療の間、あまり激しい副作用はなく、本当に順調につまずくことなく、ここまで来ました。
明日が、3月29日入院してこれまでの一連の治療で最後の抗がん剤投与となります。その後は「待つ」だけです。抗がん剤の作用で、もしもまだがん細胞が残っていればそれを叩き、骨髄が抑制され一旦「骨髄が死んだ」時には、あらかじめ採取しておいた造血幹細胞を移植する。そしてその造血幹細胞が骨髄に生着しするのを「待つ」。生着した造血幹細胞が白血球、赤血球、血小板などを生み出していくのを「待つ」。
これまでの治療で学んだ「待つ」を実行するだけです。
以前にブログに書いた「風林火山」ではありませんが、しっかり準備を整えたうえで、心穏やかに林の如く静かに、そして山のように動かず「待つ」。いざこの機と判断したら烈火のごとく疾風のように治療する。そしてまたその効果、結果が出るまで「待つ」。
これまではこの一連の流れがあったようです。そうして今回がその集大成です。
「やること帳」もこの白いノートで3冊目。今感じていること、今の私の体の状況、予定等様々なことを書き留めた貴重な宝物になりました。
「自家血幹移植」にしっかり取り組み、完治して、復帰して、渡邉医院を再開することを目指して、残り僅か、でも一番の大きな山を越えていきたいと思います。
ワインボトルの絵を描いてみました。ー動画ー
まずは「シルバー美術展」を目指し、自家血幹移植を頑張る!
皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
今、入院中です。病室でこのブログを書いています。
悪性リンパ腫に罹患して、緊急入院したのが3月29日。5カ月が過ぎました。
最初は、寛解に向けての5クールの抗がん剤による化学療法。この結果、造影MRIでも悪性リンパ腫が作る下垂体近傍の腫瘍は消え、「完全寛解」の状態になりました。そして、次に地固療法を2クール。目的は二つです。一つは寛解後ももし残っているがん細胞があれば、それを叩く、とどめを刺す治療です。もう一つの目的は、最終的に行う「自家血幹移植」の際に使う造血幹細胞の採取です。造血幹細胞の採取に関しては、地固療法1クール目の際に十分移植に必要な量が採取できました。
そして、今回は最後の治療、「完治」に向けた「自家血幹移植」を目的に入院しています。
2クール目の地固療法から少しいつもよりは退院の期間が長く、体力アップを図ってきました。そういった、準備万全で今回の最終治療に臨んでいます。
9月1日、入院時の移殖前処置前の血液検査でも肝機能は正常、腎機能現状維持、白血球数・血小板数も正常。貧血に関してはHgb10.5g/dl(9月5日にはHgb11.6g/dとさらに改善)とやや貧血はありますが改善しています。心身ともに準備万端で臨んでいます。
今回、移植前処置に使う抗がん剤は2種類。一つ目はブスルフェクス(Bu)、もう一つはリサイオ(TT)のBuTT療法です。
昨日、一昨日と2日間ブスルフェクスを投与、今日、明日2日間でリサイオを投与します。調べてみると、いずれの抗がん剤も副作用として胃腸障害(嘔吐、悪心、食欲不振、下痢・軟便)がかなりの高頻度で出現するとのことでした。
抗がん剤の投与前にステロイドの点滴をしますが、これが効いているのか、そういった副作用もなく、治療が進んでいます。この調子で進んで欲しいなあと思います。
あと、リサイオの面白い副作用に、汗から抗がん剤が出て、皮膚障害が起きることがあるというものです。これに対しても予防的に、点滴が終わった後、シャワーに入って夕方、寝る前、朝と清拭をすることになっています。特に小児で使う場合に起きるということです。
今週の計4回の抗がん剤による移殖前処置が終われば、後は骨髄が抑制されていくのを待つ。主治医は「一旦骨髄だけが死ぬ」という表現を使っています。このことで、もしまだ残っているがん細胞があればそれを叩くことができます。そしていよいよ「自家血幹移植」です。
移植前処置から2週間目に採取しておいた造血幹細胞を点滴で移植していきます。ですから、来週水曜日9月14日になります。
移植された造血幹細胞は、約10日から14日間で生着します。ですから10日後だと9月24日、14日後だと9月28日になります。
生着した目安は、白血球の中の好中球数が500/μlいじょうとなり、3日間以上続くことです。骨髄に生着した造血幹細胞は血球を作っていくことになり、赤血球や血小板が増加してきます。ですから、赤血球や血小板の減少が強い場合、血小板では1万以下になると輸血 よる対応が必要になってきます。
こんな感じで、私の治療は今後進んでいきます。
まず、今の私の目標は、9月いっぱい、もしくは10月の初めには退院して、これまで入院中に描いていた絵を京都府が主催する「シルバー美術展」に出店するために、自分で搬入したいということです。
1500円払うのですが、60歳以上のアマチュアの方だったら誰でも応募できるのですが、1点だけとなっています。
期間は10月14日(金曜日)から10月16日(日曜日)。場所は三条高倉の「京都文化博物館 5F」です。
せっかくこれまで描いてきた絵。このままにしておくのはかわいそう。そんな時に目に飛び込んできたのが「シルバー美術展」でした。
一枚を選ぶのが大変でしたが、大樹がたたずむ絵にしました。
まずは、この目標に向けて頑張っていきたいと思います。
今も絵は描いています。病気になる前にたまに妻と行っていたイタリアンバル。壁に空いたワインボトルを並べてある風景画気に入って写真に撮ったのを今描いています。
出来上がったらまた紹介しますね。自分で言うのも変ですが、雰囲気も出ていて、我ながらいい出来かなあと思います。
睡眠時間と便秘
皆さんこんにちは。いよいよ移植前処置のために抗がん剤投与が始まります。今回の抗がん剤は2種類。まず最初の2日間はブスルフェクス、次の2日間はリサイオを投与します。そして最初のブスルフェクス投与から1週間後、9月14日にあらかじめ採取しておいた造血幹細胞を移植します。もうひと頑張りしますね。
さて、今回は便秘に関して興味のある研究結果を見つけたので紹介しますね。
結論から言うと、男性では睡眠時間が短いこと、女性では睡眠時間が過度になることが慢性便秘のリスクに関係するといった研究です。
これまでも、よく眠れない睡眠障害は、心血管疾患や脳卒中、そして2型の糖尿病などの病気のリスクと関係していることが知られています。最近では、不健康な睡眠が胃や食堂そして小腸に障害をもたらすことに深く関連していることがわかってきました。しかし、大腸の機能に睡眠が関係するかについては明らかではありませんでした。
今回、睡眠と大腸機能に関して先ほどお話ししたように男女差があるという研究に関して小j会しますね。
さて、その研究ではまずこのようなことが述べてありました。
慢性便秘は硬い便が出たり、排便の回数が少なかったりすることで、過度な緊張、腹痛そして不完全な排便感(不完全排泄)などを特徴としています。そして慢性便秘は世界の成人人口の約10~15%がりかんするという、本当に一般的な消化器の病気です。
慢性便秘をただ便が出ないだけと思っている方もいますが、慢性便器はれっきとした「病気」です。このことはとても大切なことで、しっかり慢性便秘と言う「病気」を治していかなければなりません。
さて研究では、睡眠障害がある人は、日常の生活のリズムや免疫系が乱れて、その結果消化性の潰瘍や逆流性食道炎や過敏性腸症候群を起こしやすいとされています。そこで、研究では、まず仮設として夜間の睡眠時間が不適切な場合、便秘症のリスクが高まるのではないかと考えて研究を進めました。
研究の対象は20歳以上の1万4354人のうち、睡眠と大腸に関する質問票のデータが得られた1万1785人の方を対象にしました。男性が51.2%、女性が48.8%でした。
夜間の睡眠時間を以下の4つに分類しました。①長短時間(5時間未満)、②短時間(5~6時間)、③標準時間(7~8時間)、④長時間(9時間以上)。慢性便秘の評価は、以前ブログにも紹介しましたが、ブリストル便性状スケールでTypeⅠ(コロコロ便、硬くてコロコロの兎糞状の便)、TypeⅡ(硬い便、ソーセージ状であるが硬い便)を慢性便秘症としました。研究では、それを男女別に統計学的に解析したものです。
男性の便秘症の有病率は4.3%(平均年齢44.5歳)。夜間睡眠時間が①から④でそれぞれ①6.3%、②41.0%、③46.8%、④5.6%でした。便秘症がない男性では①4.7%、②32.3%、③57.0%、④6.0%でした。
女性では、便秘症の有病率は10.2%(平均年齢46.4歳)。夜間睡眠時間は①5.9%、②30.5%、③50.9%、④12.7%でした。便秘症がない女性では、①5.1%、②28.8%、③57.9%、④8.2%でした。
便秘症の男性の特徴は、睡眠時間が短いことに加えBMIが低い、蛋白異質・食物繊維・水分などの摂取が少ない傾向があり、女性では男性同様にBMIが低い、食物繊維・水分の摂取量が少ないのに加え、飲酒習慣がない、多価不飽和脂肪酸の摂取量が少ないなどの特徴があったとのことです。
さて、男女別に睡眠時間と便秘との関連性を統計学的に検討すると、男性では②の短時間睡眠と便秘のリスクとの間に有意な関連性が認められました。反対に女性の場合は、④の長時間睡眠が便秘との関連性に有意な差が見られたとの結果でした。そのほかの睡眠と便秘には男女とも有意な関連性は認めませんでした。
この結果から、研究者は、「不健康な睡眠時間は便秘の独立した危険因子であることが示された。」と結論付けました。
このような睡眠時間と便秘症の関係。そしてそれが男性と女性では異なるといった興味深い研究があったので紹介しました。
やはり、規則正しい食生活。良く寝て良く食べる。この良くは長い時間寝るのではなく、健康的な睡眠をとることですが、そういった、日常の何気ない習慣を見直すことでも便秘を解消していく一つの方法なんだなあと感じました。
皆さんはどう思われますか?
自家血幹移植に向けーコンサートホール、植物園周辺の景色を描いてみましたー動画
便秘ネットフォーラム「高齢者便秘症、どう考えてどう治すか」に参加して
皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
今回は、9月1日に開催された便秘ネットフォーラムにWEBで参加したのですが、その内容を紹介したいと思います。
便秘に関しては、これまでもブログ等でお話ししてきました。大まかな点は変わりありません。今回は便秘ネットフォーラムに参加して興味深かったことをお話しします。
今回の便秘ネットフォーラムのテーマは「高齢者便秘症、どう考えどう治す」というテーマでした。
まず、一番大切なことは、高齢者の便秘は全身の便秘であることを強調されていました。やはり年齢がいくにしたがって長年体を使っているので、神経が弱ってきたり、筋肉が弱ってきたりします。そういった年齢的なことに加えて、高齢になるにしたがって様々な病気が出てきます。そういった病気が重なることによって便秘になったり、またそれらを治すために様々な薬を内服します。こういった薬の影響でも便秘になります。高齢者の便秘はこういった複合的な要素があります。
そして、慢性便秘は生命予後にも強く関係するようです。特に心筋梗塞や脳梗塞などの心血管系の疾患が原因になります。特に便が硬くて、排便時の頑張りが強いと血圧が高くなります。
また、認知症の患者さんが慢性便秘になると、それが原因でBPSDといって、認知症の患者さんが興奮したり落ち着きなく歩き回ったりと言った不穏症状を引き起こしたり悪化させたりします。またそのことがさらに便秘を悪化させ悪循環に至ります。
さて、高齢者の方の慢性便秘の原因には3つあるとのことです。一つ目は、大腸の運動性の低下。蠕動運動が弱くなる。二つ目が直腸機能障害。直腸は便が直腸に来た時その圧に敏感に反応します。その直腸の知覚の鈍麻。三つ目は便の水分量が減少して硬くなる。こういった原因が多いこと。また、続発性の便秘も多く、大腸がんなどの器質性の便秘。様々な病気、例えば糖尿病等の病気が複合的に重なり合っての便秘。その病気を治すために内服している薬が原因の薬剤性の便秘などもあります。ですから高齢者の慢性便秘は全身の便秘とお話しされたんだと思います。
ただ、いずれの原因の便秘に関しても、便を柔らかくする、ちょうどよい便の硬さにすることが大切です。そのためにも大腸を刺激して無理やり出す大腸刺激性の下剤よりは、便の中に十分な水分を残してくれる下剤が推奨されています。ちょうどよい硬さの便にすることで、大腸の中の便の移動性が良くなります。下痢では大腸を逆流して、かえって出ないことがあります。ですから便の形状と便の大腸の通過状態には強い関連性があるとのことでした。
さて、便を柔らかくする下剤の代表的なものに酸化マグネシウムがあります。演者によると、江戸時代から使われていたとのことです。ただ、高齢者や腎機能の悪い方に使うことで高マグネシウム血症になることがあり、使用には注意が必要とのことでした。
こういった場合に使われるのがルビプロストン(アミティーザ)やリナクロチド(リンゼス)、エロビキシバット(グーフィス)、ポリエチレングリコール(マクロゴール)などがあります。
センナなどの大腸を刺激する下剤は、頓服で使う薬で長期に内服する下剤ではありません。長期間の服用で、難治性の頑固な便秘になってしまいます。
また、漢方薬では大建中湯が大黄センナが入ってなく、粘膜血流量を増やし、炎症や大腸の知覚障害を改善することで有効とのことでした。
さて自分の便秘の原因は何かと言う質問をしたときの回答の中に「腸内細菌が悪い、腸内の環境が悪いから。」と回答する方が3割程度いらっしゃり、便秘を治す方法はとの質問には、「腸内細菌を良くする。腸内の環境を良くすること。」と言ったように、腸内細菌への関心が高まっているようだとのことでした。
こういったことも踏まえ高齢者の便秘の治療に当たることが大切であるとお話しされました。
最後に講演に対しての質問の時間があり、高齢者への下剤はどのように選択していくのかの質問には、やはり末梢で作用して、体に吸収されない非吸収性の下剤を使うとの回答。また、「便意」の有無やその程度を直接患者さんに聞いても「便意って何?」と言うことになるので、「便がしたくなって便をしたときに、どんな便がでますか?」のように患者さんに効くと「便はしたくならない。便が出るときは硬い。」などの答えが返ってくると、「便意」がないんだなあと言うことがわかるといったように、問診の仕方も工夫が必要とのことでした。
こんな内容の講演でした。また勉強会や講演会があれば、その内容を随時報告しますね。