新着記事

2022.08.07

今宮神社3部作、水彩画で描いてみました。ー動画ー

2022.08.05

患者さんの治療へのモチベーションを上げるには。

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 現在、地固療法の2クール目のために入院しています。おそらく今日あたりが、骨髄抑制のため白血球数が最低値をとると思います。血液検査の結果待ちです。ただ、白血球が減少するのも予定通り、G-CSFの皮下注射をしながら琴髄の回復を「待つ」のみです。

 今回は、83日水曜日に「クローン病の栄養療法」という講演をWEBで視聴しました。その中で、いかに患者さんの治療へのモチベーションを上げるかについて話された部分が、クローン病かかわらず、全ての病気の治療につながると思い紹介します。

 「クローン病の栄養療法」の内容に関しては、クローン病の診察、治療をしていない私でもわかりやすい内容でした。

 さて、渡邉医院にもやはりクローン病の患者さんが受診されます。すでに治療をされていて肛門の具合が悪いから受診される方や、肛門疾患が初発症状でクローン病の治療経験がない患者さんも来られます。その場合は、クローン病など炎症性腸疾患を専門にされている先生に紹介して診てもらっています。

 やはり肛門疾患で受診されるクローン病の患者さんは裂肛や痔瘻、肛門周囲膿瘍が多いです。一般の方の裂肛や痔瘻とはやっぱり診た時の印象が違います。裂肛の場合は、深い潰瘍状になっていて、スキンタグがあれば、腫れぼったい浮腫状になっています。また痔瘻も二次口が多数認められる患者さんや原発口が触診だけではわかりにくい患者さんもいらっしゃいます。いずれの方もパッとした見た目がやせ形で、栄養状態が悪そうな患者さんが多いです。男性では痔瘻、女性では裂肛が多いです。

 クローン病が基礎にある肛門疾患の患者さんは頻回の下痢が続いていたり、腹痛などの腹部所見があります。また原因不明の発熱をしたりします。そして先ほどお話ししたように、いかにも低栄養のやせ形の方が多いです。

 こういった肛門以外の症状も聞いてクローン病を疑った場合は、専門医に紹介しています。
 クローン病の肛門疾患に関しては、基礎にあるクローン病をしっかり寛解させることで自然に良くなっていくことが多いです。もしそのような方は医療機関を受診して診察を受けてみて下さいね。

大分話が脱線してしまいました。

「クローン病の栄養療法」について少しお話しします。

 クローン病の栄養療法には二つあります。経腸栄養と静脈栄養です。クローン病に関しては腹部症状、腸管の損傷がなければ経腸栄養の適応となるようです。

 また1日に必要なエネルギーの半分を経腸栄養で補うHalf EDはクローン病が寛解した後の寛解維持期間を優位に延長するということです。したがって、クローン病の寛解維持、術後の再発を抑える意味でもHalf EDは有効とのことでした。

 治療方法に関しては、栄養療法と薬物療法の大きく二つに分けられるようで、それぞれの治療する作用部位が違ってきます。栄養療法は食物抗原などが朝刊粘膜から入ってこないようにする目的であり、生物学的製剤は粘膜内での炎症を抑える目的で使います。生物学的製剤によって随分治療方法も変わって来たようです。

 そして、クローン病の活動期、寛解導入期、寛解維持の病気によっても治療法が違ってくるそうです。ただ、栄養状態が低いと、生物学的製剤の効き目が悪くなるため、生物学的製剤を導入する前には、ある程度栄養状態が改善していないといけないとのこと。

 まずは栄養療法を行って栄養状態を良くして、検査などの結果が出次第生物学的製剤を使うといった流れになるようです。

 ただ、EDを飲むことで下痢をするという患者さんもいるようで、たいていが一気に飲んだり、濃い濃度のEDを飲むことで起きるので、飲み方の指導が大事なようです。またEDを飲んでいると飽きるという患者さんもいらっしゃるようで、様々なフレーバーがあったり、ゼリーにしてみるなどの工夫をしているとのことでした。

さて、今回の題名でもあるように、どのようにして患者さんの治療へのモチベーションを上げるかです。

 やはり大切なことは、患者さんにわかりやすい説明をするということです。
 患者さんにとって、今自分の病気の状況がどういう状況なのか。そして、今何をしなければならないのか。それを十分にわかってもらったうえで、治療の必要性、治療の方法を、これも患者さんにわかりやすく説明する。このことがしっかりできていれば患者さんの治療へのモチベーションが上がってくると思います。
 このことはクローン病にかかわらず、全ての病気に共通します。
 なかなか先生と話ができていない。自分の状況はどうなのかわからない。本当でこれでいいのか。と言った相談も受けています。
 やはり医師、患者さんともに良いコミュニケーションが取れる。そういった環境をしっかり作っていかなければならないと思います。

2022.08.02

しんどい時が一番辛い

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 現在入院中ですが、眼科の受診をしてきました。と言うのも、46日に左目の手術を受けたからです。視力は裸眼で、右目0.7、左目は1.0と私としてはとてもいい具合になり、それを継続しています。

 入院当時は、物が二重に見える複視もありましたが、左目には硝子体内に浮遊物があり、なかなかものも見づらく、書くことさえ困難でした。今のようにパソコンのキーボードを打ったり、スマホの画面を見ることも困難でした。右目は動眼神経麻痺で瞼が下がってくることはありましたが、まだ見えていました。

 右目は動眼神経麻痺だけで、浮遊物はなかったので、手術は左目だけでした。
 局所麻酔でするのですが、痛みもなく、何か万華鏡を見ているような感じでした。また浮遊物が吸い取られていくのも感じました。硝子体手術をすると後日高い確率で白内障が悪化するとのことでしたので、左目は白内障の手術も一緒に行いました。

 さて、その浮遊物のなかに悪性リンパ腫の細胞がやはりあり、それで確定診断がつきました。下垂体近傍に腫瘍として現れた中枢神経原発型悪性リンパ腫と言う確定診断です。
 目の方もまだ右眼動眼神経麻痺があるので、複視はあるものの、左目の浮遊物がなくなったので、物はすごく良く見えるようになりました。
 左目の手術をすることで、中枢神経原発型悪性リンパ腫と診断できたのと、複視はありますが、目が良く見えるようになった、この一石二鳥でした。その後はこれまでお話しした経過をたどって今に至ります。

 今から思うと、329日に緊急入院をして、とてもしんどい時期に、入院している患者さんをどうするか。手術を決めている患者さんへの連絡はどうするか。また、その時の状況だと渡邉医院を休止しなければならないこと、それにはこれまで私を支え働いていてくれたスタッフの皆さんを解雇しなければならないこと、また渡邉医院休止の手続きやスタッフの解雇にかかわる厚生年金や医師国保の手続き。また、患者さんが持ってこられる診断書の作成。さらには渡邉医院を休止した後の私たち家族に経済的な不安、問題をどう解決していくのか。などなど、一番しんどい時に様々な書類を書いたり、各方面への連絡等を行っていたなあと思います。今では、入院中、落ち着いて治療に専念でき、「待つ」と言う大切な治療の時間に絵を描いたりして過ごしています。

 誰も、いついつからから病気になる等予定を立てることはできません。また緊急入院となればなおさらです。
 私だけでなく、全ての方が、自分が一番しんどいときに大変な作業をしなければならないと思います。
 一番しんどい時はしっかり休めて、ある程度回復してから書類、手続き、各方面の連絡ができるようになればいいなあとは思いますが、なかなかそうはいかないと思っています。

 さて、今回の地固療法が終わったら、最終的には「自家血幹移植」を行って完治を目指します。完治して復帰して、渡邉医院を再開したいと思っています。
 この再開する際も様々な書類書き、手続き、各方面への連絡等大変な作業が待っているんだなあと思います。
 入院中もしっかり体力をつけるようにして、退院してもしっかり体が動くようにしておかなければと今、思っています。

2022.08.01

第14作目「病室から見える朝焼け」を水彩画で描いてみました。ー動画ー

2022.08.01

13作目「北山通の風景」を水彩で描いてみました。ー動画ー

2022.08.01

8月になりました。現在の私の状況報告です。

皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

今日から8月になりました。月日が経つのがとても早く感じられます。

その一方、京都でも新型コロナウイルスの新規感染者が連日5000人を超える状況が続いています。第7波の渦中にあります。夏休みやお盆がありますが、基本的な感染防止策を取りながら、楽しい休み、思い出を作って下さいね。そして早く第7波が治まって欲しいものです。

それに加えこの暑さ。熱中症にも注意してくださいね。

さて、現在の私の現状をご報告します。

現在、地固療法の2クール目の最中で入院しています。1クール目の時に十分な造血幹細胞が採取できたので、今回は地固療法のみとなります。

抗がん剤、キロサイド(シタラビン)の投与はすでに終わり、これから骨髄抑制が来て白血球や血小板が減少してきます。その骨髄が回復して、白血球が増えてきたら今回一連の地固量法は終了です。

 1クール目の経験からすると、今週の木曜日、金曜日あたりが白血球の最低値になると思います。その際はG-CSFを皮下注射して白血球を増やしていきます。また血小板が1万以下になった場合は血小板輸血を行います。

 予測では週末から来週頭にかけて白血球も増えてくると思います。そうしたら一旦退院となります。お盆前には退院できそうです。

 さて、今後の予定ですが、2週間ほど間をあけて最終目標の「自家血幹移植」を行います。

 主治医から話ですと、自家血幹移植は約1か月程度の入院が必要とのことです。

 当初は9月から完治して回復して、渡邉医院を再開する気持ちでしたが、少し遅れてしまうことになりました。

 おそらく11月もしくは年内の渡邉医院の再開ができればと思います。

 皆様には診察が必要なときに診察できず、本当に申し訳なく思っています。

 今後の経過や渡邉医院の再開に関しては、随時ホームページにアップしていくのでよろしくお願いいたします。

 診察や治療はできませんが、TwitterYouTubeでの相談は現在も行っています。お尻の具合の悪い方や、何か心配なこと、不安なことがあれば遠慮なく相談して下さいね。相談を受けることで、患者さんと繋がっている感じがして、私にとってとても支えになりますし、力にもなります。よろしくお願いいたします。

 ここまでつまずくことなく、本当に順調に治療が進んでいます。これも皆様のおかげだと思っています。ありがとうございます。ではまた。

 

 R481

 

    渡邉医院    渡邉賢治

2022.07.30

抗がん剤投与、浮腫、体重増を推察する。

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 現在、地固療法の2クール目を行っています。抗がん剤のキロサイドの投与はすでに終わり、後は骨髄抑制が来て、それが回復するのを「待つ」のみです。治療の方はとても順調です。今回の治療が終わると、いよいよ最後の「自家血幹移植」を行うのみとなりました。

 皆さんにはご迷惑をおかけしていますが、もう一息。完治して復帰して、渡邉医院を再開したいと思います。

 今回は、私が体験していることを少し推察してみました。何かご意見や、「いやこっちが正しい。」と言うことがあれば教えていただきたいなあとも思います。よろしくお願いいたします。

 前回から気が付いたことですが、抗がん剤を投与したり、造血幹細胞を採取する際に、体重が増える言うことです。両足の足の甲の浮腫みもあるのでそのためなのかなあと思っていました。また前回の治療中から、血圧の最高血圧が90mmHg前後と低くなりました。これらのことをどう考えるか推察してみました。

 まず抗がん剤投与と造血幹細胞採取と体重に関しての経過を図と一緒に示します。

 1回目の地固療法でキロサイドを投与する前は73.4㎏だったのが2日間のキロサイド投与で、75.2㎏と1.8㎏の増加。また造血幹細胞を採取する前は73.5㎏だったのが、採取後は76.6㎏と、ここでは3.1㎏の増加でした。両下肢の候に浮腫は認めましたが、浮腫はそこだけで顔や手などの浮腫は認めませんでした。このころから、通常最高血圧が110mmHg~120mmHgであったものが、90mmHgと低くなってきました。

 今回2クール目のキロサイド投与前、自宅で測定した体重が73.3kgで、キロサイド投与後76.1kgまで2.8kg増加しました。キロサイド投与後2日目の体重が75.9kgであったのが、今日3日目は74.7kg1.2kg減少していました。血圧も最高血圧が110mmHgと上昇しました。昨晩から夜中にかけて尿量も増えた気がします。

こんな経過です。

 さて、少し話は変わりますが、「侵襲」という言葉があります。「侵襲」を調べると「外科的手術や処置、薬剤投与などによって生体内に何らかの変化をもたらす行為。」と書いてあります。ですから手術をしたり、体に傷をつけることだけでなく、抗がん剤などの薬物投与も「侵襲」となります。

 外科的手術で侵襲を受けると、血管透過性が亢進します。血管透過性が亢進すると水分は血管外に漏出していきます。細胞内でも血管内でもない場所に溜まっていきます。この場所をサードスペースと言います。手術侵襲後は23日で炎症反応が治まってくるので、このサードスペースに溜まった水分が血管内に戻ってきます。このことをリフィリング減少と言うそうです。

 やはり血管内の水分としてのボリュームが減ると血圧も下がります。

 こういったことを考えると、やはり抗がん剤投与は外科的手術に匹敵する侵襲を体に与えるのだと思います。

 そこで、今回の私の推察ですが、

 抗がん剤、キロサイドの投与による侵襲によって血管透過性が亢進して、その結果、血管外に水分が漏出。そのために血圧低下や浮腫が生じ体重が増加した。投与後2日間が経ち、血管透過性も正常に戻りつつあり、漏出していた水分が血管内に戻り血圧が上昇し、尿量の増加、そして1.2kgの体重減少となった。

 こんな感じかなあと推察しています。

 ちなみに、浮腫の時、正常なときの510%以上の水分の貯留があるそうです。

 体重が75.9kgだった時、浮腫による体重増だとすると、その分を計算すると、5%で3.6kg10%で6.9kgの水分が溜まっていたということになります。

 昨日から今日にかけてそのうち1.2kgの水分が体の外に出たことになりますね。

2022.07.27

水彩画「様々なことを教え、気づかせてくれる賀茂川。」ー動画ー

2022.07.27

便秘フォーラム「CKD患者の便秘治療の最前線」に参加して。

 皆さんこんにちは。
 いよいよ地固療法の最終クールが始まりました。726日、27日と2日に分けて12時間毎にキロサイドを投与します。後はどうしても前回同様に骨髄抑制が来るので、G-CSFを投与しながら、白血球が増加してくるのを「待つ」ことになります。この間の感染症には気を付けなければなりません。これが終わると残すは最後、「自家血幹移植」を待つのみです。もう一息のところまで来ています。最終コーナー、気を引き締めて頑張っていきたいと思います。

 さて今回は、「便秘フォーラム」にWEBで参加しました。その時の内容を紹介しますね。
 今回のテーマは「CKD(慢性腎臓病)患者の便秘治療の最前線」でした。
 まずはCKDとは何かです。
 CKD(慢性腎臓病)とは、腎臓の働きGFRが健康な人の60%以上低下するか、タンパク尿が出るといった腎臓の以上が続く状態のことで、難しくなりますが、定義にはこう記されていました。
①蛋白尿(微量アルブミン尿を含む)などの尿異常。画像診断や血液検査、病理所見で腎障害が明らかである状態。
②血清クレアチニン値をもとに推算した糸球体濾過量(eGFR)が60mL//1.73ml未満の状態。
このいずれか、または両方が3カ月以上続いている様態。
CKDと定義されています。
 やはり、年齢と共に腎機能が低下していくため、高齢者になるほどCKDが多くなっています。また、CKDの患者さんはどうしても透析に移行しやすいことになります。

 今回のテーマ「CDK患者の便秘治療の最前線」とあるように、どうしてもCKDの患者さんや透析をされている患者さんは便秘になりやすいです。
 さて、透析患者さんの現状の報告もありました。やはり、糖尿病性腎症の患者さんが透析患者さんの一番を占めています。次が腎硬化症の患者さんが増加して二番目に多くなってきています。いずれも高齢化によっておきるので、いずれの疾患からの透析に移行される患者さんも高齢者に多くなって来ています。現在、透析患者さんは35万人。そのうち70歳以上の方が55.6%となっています。日本の透析の寿命は世界一だそうです。でも透析患者さんの健康寿命の延長を考える必要があるとのことでした。健康な方の健康寿命と同じです。

 ではなぜ透析患者さんに便秘の方が多いかです。
一つは透析することで、体から水分が引かれていきます。このため、便意行く水分量が減って便秘になる。
 もう一つは、透析の患者さんの食事の摂取量が少ないとのことです。このことによって、食物繊維の摂取量も減ってしまいます。やはり、透析を行った日の食事が十分に摂れないとのとのことでした。
 私も、前回のクールで造血幹細胞の接種を行いました。透析の患者さんと要領は同じです。私の場合は、右鼠径部の太い静脈から血液を取り出し(脱血)、造血幹細胞採取器を通って左の肘の静脈に血液を返す(返血)を行いました。とてもしんどく感じ、透析の患者さんは、これと同じことを週3回しているんだと思うと、大変なことをされているんだなあと思いました。

  また、どうしても透析の患者さんは運動不足になってしまいます。特に透析日には短くなります。
 内服薬にも便秘になりやすいお薬を飲まなければなりません。例えば、リン吸着薬です。その中でも特にポリマー系の内服薬が便秘になりやすいとのことです。

 また、残薬の多いのが便秘薬だそうです。透析中に排便したくなることが気になるからだそうです。これも良くわかります。
 私は排尿でした。4時間~5時間の間採取していました。どうしてもトイレに行きたくなったので、一旦回路を外してもらってトイレに行き排尿しました。
このようにいろんな原因で便秘になりやすくなっています。

 さて、便秘に関してお話がありました。
 年齢別の便秘の傾向としては、便秘は若い女性に多く、高齢になると男性も女性も同じ割合になるとのことでした。これは渡邉医院の統計とも同じ傾向です。渡邉医院でも、男性では年齢と共に便秘の患者さんが増える傾向があります。女性に関しては、若い世代、20代から40代に一つのピークがあり、その後は男性と同じように年齢と共に便秘の患者さんが増える傾向にあります。

 便秘の原因は次のようにお話しされました。
 原因としては、食物繊維の摂取量が少ないことをまず挙げておられました。穀物や野菜の摂取量が少なくなり、日本人の食物繊維の平均摂取量は14.2gと少なく、欧米人よりも少ないとのことでした。
 もう一つの原因に高脂肪職を上げておられました。エネルギー源として、炭水化物から脂肪へと変わっていく。こういった日本人の食生活の変化がべんぴの増加ではないかと話されていました。

 さて、透析の患者さんが便秘の原因は、まずは透析による体からの除水です。
 どうしても体の中の水分が減ると便に行く水分量も減り、便が硬くなってしまいます。
 また、透析に移行する患者さんの基礎疾患として一番多いのが糖尿病性腎症です。糖尿によって末梢神経の麻痺が起きます。このことによって腸管の蠕動運動が悪くなり便秘になります。
 また、透析中の排便の我慢。これも便秘の原因になるともお話しされていました。本来ならば、直腸に便が来てスッキリ出してしまうことが大切です。我慢して残ったままにしておくと、直腸で便が硬くなってでなくなってしまうだけでなく、大腸全体に便がたまってしまいます。
 また、食事接種の低下も便秘の要因に挙げていました。
 糖尿病性腎症にも関係がありますが、腸管の動脈硬化が起きることでも腸管の動きが悪くなり便秘になります。

 さて、便秘は生命予後にも影響があるとお話しされました。これは便秘が循環器系の疾患やCKDの発症にも影響を与えるからです。
 私も初めて聞きましたが「腸腎関連」と言う言葉があるそうです。
これは便秘になることで、腸内の尿毒素が増加し、そのことによって腎機能を悪化させる。そして腎機能が悪くなることでさらに便秘になるといった悪循環を生み出します。このことを、「腸腎関連」と言うそうです。したがって便秘を改善することで大腸由来の尿毒素を減らすことで腎機能の改善の可能性があるとのことでした。

 さて、治療に関してです。
 便秘に関しての第一選択は酸化マグネシウムなどの浸透性下剤です。
 しかし腎機能が悪い方は酸化マグネシウムの長期服用で血液の中にマグネシウムが蓄積されていき、高マグネシウム血症を起こしてしまうことがあります。
 そこで腎機能の悪い方や透析患者さんには胆汁酸トランスポーター阻害剤、製材名ではエロビキシバット水和物、総称名はグーフィスです。
 これに関しては以前ブログで紹介しているので参考にして下さいね。

 フォーラムの最後にこんな質問がありました。
 「透析の患者さんは、どのタイミングで内服したらいいのか?」です。
 その回答は、「内服してから約5時間後に効いてくるので、透析日は透析の後に内服。透析をしない日(非透析日)は朝食後に内服。」との回答でした。
 もう一つの質問は、「センナなどの刺激性下剤をどのように止めていったらいいのか?」の質問に対しては、「長期に刺激性下剤を内服していた方は、突然辞めないで、いつも内服している刺激性の下剤を継続して飲みながら、グーフィスを内服し、徐々に刺激性下剤を減量、そして止めていくようにしています。」でした。

 今回は、「CKD患者の便秘治療の最前線」というテーマでしたが、参考になることが多かったと思います。また、勉強会等に参加したら、その内容を報告しますね。

2022.07.25

入院中は「文系」、退院中は「体育会系」

 さて、いよいよ地固療法も今回の2クール目で終了となります。

 1クール目は、地固療法だけでなく、もう一つ目的がありました。抗がん剤によって骨髄抑制が来て、その骨髄が回復してくるときに末梢に造血幹細胞が漏れ出てきます。この漏れ出た造血幹細胞を最終的に行う「自家血幹細胞移植」に使うために採取するといった目的です。

 そのため、1クール目は、造血幹細胞採取のタイミングを計らなければならなかったので、入院してからキロサイドという抗がん剤投与まで、8日と言う期間を「待つ」ことが必要になりました。この1クール目で「待つ」ことの大切さ必要性を学びました。

 1クール目で「自家血幹移植」に必要な造血幹細胞が十分すぎる量が採取できたので、今回2クール目は地固療法のみを行うことになります。もし前回、十分な量の造血幹細胞が採取することができていなければ、2クール目も採取するために「待つ」が必用でした。でも今回は、今日入院して、さっそく明日から治療を開始することができました。

 前回一度経験しているので、どの時点で骨髄抑制が来て白血球や血小板が減少し、最低値になるかも予測できます。明日、明後日の2日間の投与で、前回投与後10日目で最低値になったので、今回は、84日(木曜日)、5日(金曜日)頃最低値となり、その後骨髄が回復し増加に転じると予測されます。

 これまで、つまずくことなく順調に進んでいます。今回も問題なく順調に進み、採取目標の「自家血移植」に繋げていければと思います。

 さて、悪性リンパ腫発症後から「寛解」に向けた5クール、そして「地固療法」の2クール。いずれの時も、入院しているときは、絵を描いたり、ブログを書いたりしている「文系」の期間。退院してからは、入院している際に落ちた体力アップを図るために散歩などトレーニングする「体育会系」にと、完全に二分されています。

 どうしても病棟内でのため、できる運動などが限られています。

 でも、入院治療中に落ちた体力を退院している約1週間である程度回復させていく、そしてまた治療によって体力が落ちて、同じように約1週間の間に回復させていく。同じことの繰り返しがとても大切だと思います。ただ、いつも退院した日は、「また体力が落ちた。」と、とても悔しい思いを毎回しています。

 いつも入院した日に、看護師さんが「入院治療計画書」をもってこられます。その時に今回入院の目標をどうするか、看護師さんと話をして決めていきます。「寛解」までの5クールでは、「大量メソトレキセートの尿中への排泄を十分に行うために、点滴だけでなく、十分に垂便を接種して尿量を確保する。」と言うことを目標にしました。また、地固療法と造血幹細胞接種を行った前回は、「抗がん剤投与による骨髄抑制で白血球が減少するため、感染症に注意する。」と言ったことを目標にしました。今回は、治療が第一ですが、「入院中の体力をできるだけ維持して、入院時と退院時の体力の差をできるだけ小さくする。」といった目標を立ててみました。

 さて、限られた空間での体力の維持。どういったトレーニングのメニューにしたらいいかを考えてみました。そこで作ったメニューが、

  • ①とりあえず、トイレに行ったり、病室を離れるときは、必ず病棟を2週以上歩くこと。
  • ②その際に、手すりを使って無理のない程度でスクワットを25回する。
  • ③さらにその時に、これを手すりを使って無理のない程度に腕立てを50回する。
  • ④できれば「三戦」の型の練習をする。

この4つのメニューを作りました。

 「三戦」とは、空手の剛柔流の型の一つです。力を思いっきり入れ呼吸を整えながらゆっくり行う方です。移動の範囲が少なく、狭い空間でもできます。

 以前ブログでお話ししたかもしれませんが、京都に帰ってきて最初に借りたマンションの地下に剛柔流の道場がありしばらくの期間、練習に通っていました。岡崎の武道館に昇段試験を受けに行ったりしました。一応初段をとることができ、黒帯です。

 道場が移転して、なかなか仕事場から道場へ通うのが難しくなって、いけなくなってしまいました。でもその時にいろいろ教えていただいた方をなんとなく覚えていて、特に「三戦」は、記憶に残っていました。その記憶をたどりながら、YouTubeで型の確認をしながら、さっそく今日練習してみました。

 今回のメニュー、どこまでこなすことができるか、そしてどこまで体力を維持できるか。一度チャレンジしてみますね。

 2クール目も、通算12枚目の絵も描いています。また紹介しますね。今回の入院は、文武両道で行ってみますね。

1 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 92
075-441-4303 LINEで相談 痔の手術漫画 youtube twitter
一番上に戻る
一番上に戻る
痔の手術漫画LINEで相談0754414303
渡邉医院 痔のコラム お尻のことでお悩みの方 痔の手術専用NAVI ~監修:渡邉医院~渡邉医院の強み 女性のお尻のお悩みサイト

医院情報

院名 渡邉医院
住所 〒602-8462
京都府京都市上京区浄福寺通今出川下ル
竪亀屋町255
TEL 075-441-4303

診療時間

診療時間 日・祝
9:00~12:00

※術後の患者さんも緊急対応いたします。
※日曜日・祝日は休診です。
※△は手術日となります。
※第3土曜日は休診にさせていただきます。
※完全予約制ですので、必ずお電話して頂き、予約してからの受診をお願いいたします。
予約の電話受付は平日12:00-14:30です。