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2022.09.06

睡眠時間と便秘

 皆さんこんにちは。いよいよ移植前処置のために抗がん剤投与が始まります。今回の抗がん剤は2種類。まず最初の2日間はブスルフェクス、次の2日間はリサイオを投与します。そして最初のブスルフェクス投与から1週間後、914日にあらかじめ採取しておいた造血幹細胞を移植します。もうひと頑張りしますね。

 さて、今回は便秘に関して興味のある研究結果を見つけたので紹介しますね。

 結論から言うと、男性では睡眠時間が短いこと、女性では睡眠時間が過度になることが慢性便秘のリスクに関係するといった研究です。

 これまでも、よく眠れない睡眠障害は、心血管疾患や脳卒中、そして2型の糖尿病などの病気のリスクと関係していることが知られています。最近では、不健康な睡眠が胃や食堂そして小腸に障害をもたらすことに深く関連していることがわかってきました。しかし、大腸の機能に睡眠が関係するかについては明らかではありませんでした。

 今回、睡眠と大腸機能に関して先ほどお話ししたように男女差があるという研究に関して小j会しますね。

 さて、その研究ではまずこのようなことが述べてありました。

 慢性便秘は硬い便が出たり、排便の回数が少なかったりすることで、過度な緊張、腹痛そして不完全な排便感(不完全排泄)などを特徴としています。そして慢性便秘は世界の成人人口の約1015%がりかんするという、本当に一般的な消化器の病気です。

 慢性便秘をただ便が出ないだけと思っている方もいますが、慢性便器はれっきとした「病気」です。このことはとても大切なことで、しっかり慢性便秘と言う「病気」を治していかなければなりません。

 さて研究では、睡眠障害がある人は、日常の生活のリズムや免疫系が乱れて、その結果消化性の潰瘍や逆流性食道炎や過敏性腸症候群を起こしやすいとされています。そこで、研究では、まず仮設として夜間の睡眠時間が不適切な場合、便秘症のリスクが高まるのではないかと考えて研究を進めました。

 研究の対象は20歳以上の14354人のうち、睡眠と大腸に関する質問票のデータが得られた11785人の方を対象にしました。男性が51.2%、女性が48.8%でした。

 夜間の睡眠時間を以下の4つに分類しました。①長短時間(5時間未満)、②短時間(56時間)、③標準時間(78時間)、④長時間(9時間以上)。慢性便秘の評価は、以前ブログにも紹介しましたが、ブリストル便性状スケールでTypeⅠ(コロコロ便、硬くてコロコロの兎糞状の便)、TypeⅡ(硬い便、ソーセージ状であるが硬い便)を慢性便秘症としました。研究では、それを男女別に統計学的に解析したものです。

 男性の便秘症の有病率は4.3%(平均年齢44.5歳)。夜間睡眠時間が①から④でそれぞれ①6.3%、②41.0%、③46.8%、④5.6%でした。便秘症がない男性では①4.7%、②32.3%、③57.0%、④6.0%でした。

 女性では、便秘症の有病率は10.2%(平均年齢46.4歳)。夜間睡眠時間は①5.9%、②30.5%、③50.9%、④12.7%でした。便秘症がない女性では、①5.1%、②28.8%、③57.9%、④8.2%でした。

 便秘症の男性の特徴は、睡眠時間が短いことに加えBMIが低い、蛋白異質・食物繊維・水分などの摂取が少ない傾向があり、女性では男性同様にBMIが低い、食物繊維・水分の摂取量が少ないのに加え、飲酒習慣がない、多価不飽和脂肪酸の摂取量が少ないなどの特徴があったとのことです。

 さて、男女別に睡眠時間と便秘との関連性を統計学的に検討すると、男性では②の短時間睡眠と便秘のリスクとの間に有意な関連性が認められました。反対に女性の場合は、④の長時間睡眠が便秘との関連性に有意な差が見られたとの結果でした。そのほかの睡眠と便秘には男女とも有意な関連性は認めませんでした。

 この結果から、研究者は、「不健康な睡眠時間は便秘の独立した危険因子であることが示された。」と結論付けました。

 このような睡眠時間と便秘症の関係。そしてそれが男性と女性では異なるといった興味深い研究があったので紹介しました。

 やはり、規則正しい食生活。良く寝て良く食べる。この良くは長い時間寝るのではなく、健康的な睡眠をとることですが、そういった、日常の何気ない習慣を見直すことでも便秘を解消していく一つの方法なんだなあと感じました。

 皆さんはどう思われますか?

2022.09.04

自家血幹移植に向けーコンサートホール、植物園周辺の景色を描いてみましたー動画

2022.09.01

便秘ネットフォーラム「高齢者便秘症、どう考えてどう治すか」に参加して

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 今回は、91日に開催された便秘ネットフォーラムにWEBで参加したのですが、その内容を紹介したいと思います。

 便秘に関しては、これまでもブログ等でお話ししてきました。大まかな点は変わりありません。今回は便秘ネットフォーラムに参加して興味深かったことをお話しします。

 今回の便秘ネットフォーラムのテーマは「高齢者便秘症、どう考えどう治す」というテーマでした。

 まず、一番大切なことは、高齢者の便秘は全身の便秘であることを強調されていました。やはり年齢がいくにしたがって長年体を使っているので、神経が弱ってきたり、筋肉が弱ってきたりします。そういった年齢的なことに加えて、高齢になるにしたがって様々な病気が出てきます。そういった病気が重なることによって便秘になったり、またそれらを治すために様々な薬を内服します。こういった薬の影響でも便秘になります。高齢者の便秘はこういった複合的な要素があります。

 そして、慢性便秘は生命予後にも強く関係するようです。特に心筋梗塞や脳梗塞などの心血管系の疾患が原因になります。特に便が硬くて、排便時の頑張りが強いと血圧が高くなります。

 また、認知症の患者さんが慢性便秘になると、それが原因でBPSDといって、認知症の患者さんが興奮したり落ち着きなく歩き回ったりと言った不穏症状を引き起こしたり悪化させたりします。またそのことがさらに便秘を悪化させ悪循環に至ります。

 さて、高齢者の方の慢性便秘の原因には3つあるとのことです。一つ目は、大腸の運動性の低下。蠕動運動が弱くなる。二つ目が直腸機能障害。直腸は便が直腸に来た時その圧に敏感に反応します。その直腸の知覚の鈍麻。三つ目は便の水分量が減少して硬くなる。こういった原因が多いこと。また、続発性の便秘も多く、大腸がんなどの器質性の便秘。様々な病気、例えば糖尿病等の病気が複合的に重なり合っての便秘。その病気を治すために内服している薬が原因の薬剤性の便秘などもあります。ですから高齢者の慢性便秘は全身の便秘とお話しされたんだと思います。

 ただ、いずれの原因の便秘に関しても、便を柔らかくする、ちょうどよい便の硬さにすることが大切です。そのためにも大腸を刺激して無理やり出す大腸刺激性の下剤よりは、便の中に十分な水分を残してくれる下剤が推奨されています。ちょうどよい硬さの便にすることで、大腸の中の便の移動性が良くなります。下痢では大腸を逆流して、かえって出ないことがあります。ですから便の形状と便の大腸の通過状態には強い関連性があるとのことでした。

 さて、便を柔らかくする下剤の代表的なものに酸化マグネシウムがあります。演者によると、江戸時代から使われていたとのことです。ただ、高齢者や腎機能の悪い方に使うことで高マグネシウム血症になることがあり、使用には注意が必要とのことでした。

 こういった場合に使われるのがルビプロストン(アミティーザ)やリナクロチド(リンゼス)、エロビキシバット(グーフィス)、ポリエチレングリコール(マクロゴール)などがあります。

 センナなどの大腸を刺激する下剤は、頓服で使う薬で長期に内服する下剤ではありません。長期間の服用で、難治性の頑固な便秘になってしまいます。

 また、漢方薬では大建中湯が大黄センナが入ってなく、粘膜血流量を増やし、炎症や大腸の知覚障害を改善することで有効とのことでした。

 さて自分の便秘の原因は何かと言う質問をしたときの回答の中に「腸内細菌が悪い、腸内の環境が悪いから。」と回答する方が3割程度いらっしゃり、便秘を治す方法はとの質問には、「腸内細菌を良くする。腸内の環境を良くすること。」と言ったように、腸内細菌への関心が高まっているようだとのことでした。

 こういったことも踏まえ高齢者の便秘の治療に当たることが大切であるとお話しされました。

 最後に講演に対しての質問の時間があり、高齢者への下剤はどのように選択していくのかの質問には、やはり末梢で作用して、体に吸収されない非吸収性の下剤を使うとの回答。また、「便意」の有無やその程度を直接患者さんに聞いても「便意って何?」と言うことになるので、「便がしたくなって便をしたときに、どんな便がでますか?」のように患者さんに効くと「便はしたくならない。便が出るときは硬い。」などの答えが返ってくると、「便意」がないんだなあと言うことがわかるといったように、問診の仕方も工夫が必要とのことでした。

 こんな内容の講演でした。また勉強会や講演会があれば、その内容を随時報告しますね。

2022.09.01

9月になりました。自家血幹移植に向けて入院完了!

 

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 今は落ち着いていますが、京都でも朝から激しい雨が降りました。台風11号の影響もあるのでしょう。かなり大型の台風とのこと、各地に被害が出ないことを祈るばかりです。
 たまたま私が入院のために病院に行くときは雨は止んでいました。雨も「雨降って地固まる」と思えば縁起がいいなあと思います。

 さて、いよいよ悪性リンパ腫に対しての治療の最終段階、「自家血幹移植」に向けて今日9月1日、入院しました。クリーンルームからのスタートです。
 今日の朝食は息子が送ってくれたバームクーヘンを食べてきました。私がバームクーヘンが好きなことを知ってのことで、しかも入院するまでに届くようにしてくれたんだと思います。本当にうれしいです。そのバームクーヘンを食べて、力をもらっての入院です。

 これまで5回にわたる寛解導入への抗がん剤治療、そして寛解後の2回の地固療法。その際に造血幹細胞の採取等、本当につまずくこともなく順調に治療が進んでいきました。そしていよいよ最後の「自家血幹移植」です。

 前回、811日に退院して、21日目。3週間の期間がありました。これまでの治療は、退院後約1週間で再入院と言ったように、テンポよくどんどん入退院が進んでいきました。
 今回の3週間と言う期間、とても充実した生活を送ることができました。日常の何気ないことがとても大切に思えました。朝の支度をして、朝のワーキングが終わったらシャワーを浴びる。その時にお風呂の掃除。シャワーから上がったら選択をする。その日の夕食の準備のために買い物に行く。また、診療所に郵便物が来ていないか、診療所の花に水をやったり、こんな何気ない生活がとても楽しく感じました。そのためか、今回はチョット入院するのが嫌だなあと言った気分にもなりましたが、そんなことは言ってられません。もう一度気合を入れなおして、しっかり治療に取り組んで、治癒そして復帰して渡邉医院の再開をしたいと思います。

 主治医の先生のお話ですと、自家血幹移植に関しての入院期間は約1か月から2か月間とのことでした。できれば1か月、9月中に退院できるよう、自分ができることはしっかり取り組んでいきたいと思います。

 その一つとして、筋トレグッズを一つもって入院しました。また、病室内でできる筋トレはしっかりやっていきたいと思います。
 前回までも、病棟内を歩いたり、手すりを使ってのスクワット、腕立て伏せなどをしてきましたが、退院してみると本当に体力が落ちてしまっています。今回は移植のためにクリーンルーム。造血幹細胞が骨髄に生着して、白血球、特に好中球が十分に増えてくるまでは病室から出ることはできません。これまで以上に体力が落ちてしまうと思います。退院中、できる限り体力アップを図ってきました。今回も入院中の体力低下、ダメージを少なくして、退院後の復活への時間ができるだけ短期間になるように頑張りたいと思います。

 さて、今後の予定ですが、明日2日に造影MRIを撮影して再度寛解しているかどうかのチェックをします。そして移植前処置として抗がん剤の投与をします。投与後約1週間程度で骨髄が「死ぬ」ので、それに合わせてあらかじめ採取しておいた造血幹細胞を移植します。造血幹細胞が骨髄に生着するまでの10日から14日間かかります。生着とは、白血球のうち好中球が500/μl以上となりそれが3日間続くことです。
 そして好中球が増加して安定したら退院になると思います。
 この間、好中球が減少し感染症にならないようにすることが一番大切です。感染対策はしっかりとっていきたいと思います。
 また、退院している期間、チョットしたことで足の甲が浮腫み、このことで体重の変動が激しかったです。前回の入院時も点滴をするだけで浮腫が出て、体重が増え、血圧が低下してしまいました。こういったことから、腎機能はどうなのかの評価も大切だと思います。

 さて、「自家血幹移植」はどんな感じで進んでいくのか全く分かりません。でも、これまでの7回にわたる抗がん剤治療をしてきました。とても順調でした。本当に自分の体に感謝しています。今回もう一回心臓、肝臓、腎臓、骨髄、筋、腸内細菌等頑張って欲しいと思います。

 今後の経過は、また追ってTwitterFacebookなどで順次報告していきますね。

 もう一息です。復帰そして渡邉医院の再開まで、もうしばらく見守って、支えて下さい。よろしくお願いいたします。

2022.08.25

新型コロナウイルス、要件見直し、緩和で乗り切れるのか?

 こんにちは。渡邉医院の渡邉です。前回のブログに引き続いて新型コロナウイルス対策として要件の見直し、緩和で本当に乗り切れるのか。根本的な問題はなんであったのかを検証し、改善していかなければならないと思います。新興感染症は今回の新型コロナウイルスだけではありません。まだまだこれからも様々な新興感染症が必ず私たちの前に現れてきます。それにしっかり対応できるようにすることが必要だと思います。

さて、8月2日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら「専門 家有志」が「提言」を発表しました。その提言には、新型コロナウイルスの「取扱変更のための2段階の移行案」であり、ステップ1に「現行法・通知解釈の範囲で運用可能な移行策」、 ステップ2に「法改正や通知の変更を伴うゴール」を示しています。
 ステップ1では、医療体制について、入院医療機関のゾーニングは現状の病棟単位 から病室単位を基本へと移行すること。また、医療スタッフは必ずしもフル PPE を必須としない感染防護とする等によって、各医療機関の患者受け入れキャパシティーを向上させ、同時に対応施設を拡大する。外来医療は診療・検査医療機関だけでなく、一般の診療所でも実施できる体制へ移行する。また、保健所・行政対応では、現状の入院勧告に基づく行政による入院対象者の入院・搬送調整ではなく「医療機関間の入院調整を導入」し、それを行 政が支援する体制へ移行。陽性患者への対応については、保健所によるすべての感染 者ならびに濃厚接触者の特定・外出自粛要請が不可能なため、「ひとりひとりが主体的 な感染予防行動を取るように『涵養』」するというものです。
 疫学調査についても保保健所が必要とした場合にのみ実施としました。
 
ステップ2では、医療体制について、ステップ1の実施を前提に、より多くの医療機関での入院を可能とすること。保健所・行政対応では、やはりステップ1の実施を前提に、 入院勧告を廃止して、医療機関間での入院調整へ移行。陽性患者への対応は感染症法の取り扱いを変更し、「制度上の宿泊療養・自宅療養ではなく、一般的な自宅での療養」 へ移行。濃厚接触者についても「特定は行わずとも」、「ひとりひとりの主体的な感染予 防行動を取るように『涵養』」するとしました。

 さて、ステップ1で、「医療スタッフは必ずしもフルPPEを必須としない感染防御」でいいということですが、その根拠は何か。このことに関しては全く説明されていません。
 また「保健所によるすべての感染者ならびに濃厚接触者の特定・外出自粛要請が不可能なため」の理由は何かも説明されていません。
 やはり、なぜこのような状況になってしまったのか?そのことに対して、しっかり検証し改善することなく、「緩和」で今の感染拡大を乗り切ろうとしてもそれは到底無理なことではないでしょうか?
 例えば、医療機関の感染者の報告がなくなったとしても、患者さんの医療機関への受診が減るわけではありません。これまでと同様に多くの患者さんが医療機関を受診されます。また一般の診療所で診察できるようにするとしても、発熱している患者さんと一般の患者さんを一緒に診察するわけにはいきません。いくら緩和されてもやはり熱発した患者さんを診れる診療所は限定されるのではないかと思います。

 私としては何となく、国は新型コロナウイルス感染の収束は諦めたという印象です。そして国の責任ではなく、自治体に丸投げになってしまっている。国は国民の命を守るといったことを放棄してしまったようにも感じます。
 そしてまだ、新型コロナウイルスでよかった。新型コロナウイルスに感染され重症化する患者さん、亡くなられた方、また後遺症に悩まれている方も多いと思います。でも、もっと致死率が高いウイルスが今のように拡大した時、今の国、自治体の対策では、感染した人を見殺しにすことしかできないことを明らかにしたんだなぁと思います。実際現在でも、高齢者施設等で感染された高齢者は、その施設に留め置きされ、必要な医療が受けられずにいる方も大勢いらっしゃいます。

 やはり、まずは、今医療の現場で起きていること、また、高齢者施設で起きていることをしっかり見て、必要で十分な医療を必要としている方々に提供できるよう改善すること。そして今回の対応をしなければならなくなった、根本的な問題を検証して、そこを改善して欲しいと思います。

2022.08.25

新型コロナウイルス「全数把握」見直し等に関して。

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 今、新型コロナウイルス感染に関して「全数把握」の見直しなどが議論されています。
 京都市でも「感染症法上の位置付けの見直しなどを国に求める意見書を採択しました。
 本当に、この意見書によって今の医療崩壊や保健所の逼迫が解消されるのか、そんな疑問もあり、京都社会保障推進協議会は声明を発表しました。その声明に関して入院中に連絡があり電話での取材等がありました。その記事の内容を転記して、紹介します。

 新型コロナの「第7波」の感染拡大を受け、京都市議会7月議会は最終日の2日、感染症法上の位置付けの見直しなどを国に求める意見書を、日本共産党を除く全会派一致で採択しました。共産党は、今やるべきことは医療体制や保健所機能の強化として、そのための支援を求める意見書を提案しましたが、同党のみの賛成で否決されました。これを受け、京都社会保障推進協議会は3日、声明を発表。採択された意見書を批判し、国に求めるべき意見書を提案しました。

 同社保協議長で医師の渡邉賢治さんに、意見書の問題点、声明のポイントについて、聞きました。

 採択された意見書が求めたものは二つです。新型コロナの感染症の分類を今の「2類相当」からインフルエンザと同じ「5類相当」に引き下げる。もう一つは、感染者の全数把握の見直しです。いずれもその理由は医療機関や保健所の業務ひっ迫です。

 現在、患者は医療が受けたくても受けられない、医療機関は診察したくても診察できない状況があります。
 しかし、意見書の求める方向が改善につながるか疑問です。
 まず分類見直しです。季節性インフルエンザに対し、新型コロナのオミクロン株では、60歳以上の重症化率は3・2倍、致死率は3・6倍です。しかも、インフルエンザには使用のハードルの低い抗ウイルス薬もあります。この状況で、インフルエンザとコロナを同じ扱いにはできません。
 また5類となれば、現在行われている入院の勧告・就業制限、外出自粛といった感染拡大を防ぐための要請はできません。全額公費負担の検査費や治療費も、自己負担が必要になります。これでは感染対策どころか、感染者や重症者を増加させる可能性があります

 患者の全数把握の見直しも同様です。事務作業が膨大になっているのは事実ですが、実態把握が不十分のままでは、現場は一層ひっ迫します。
 そもそも現場のひっ迫を招いた根本的な原因は、国の低医療費政策による医師・看護師・保健師の増員を十分に行ってこなかったことです。声明ではこの点を強調しました。

 いま、医師・看護師・保健師は、すべての患者の命と健康を守るために、昼夜分かたぬ努力を続けています。

 その現場が何を求めているのか。声明でも指摘しましたが、「5類」にすることや全数把握の見直しではありません。医師や看護師、保健師の増員と病床の確保です。特に緊急的に医師・看護師・介護職員や必要な医療専門職を配置した医療機能を持った臨時的入院施設の確保が求められています。また、検査体制の整備、早期のワクチン接種、治療薬の開発なども必要です。

 声明では、こうした立場で市議会が再度意見書を提出するよう求めました。共産党が、採択された意見書に反対し、医療体制や保健所の機能強化を求めたのは当然です。

 市議会が、救える命を救うための施策のために動くことを切望します。

  京都民報 第3043号 2022年8月21日

2022.08.24

移植関連死5%以下!

 皆さんこんばんは。渡邉医院の渡邉です。

 いよいよ悪性リンパ腫の最後の治療、「自家血幹移植」に向けての入院が91日に決定しました。
 それに向けて、自分のできることはしっかりと行っていきたいと思います。

 さて、自家血幹移植によって完治を目指すのですが、やはり移植関連死が約5%以下という頻度ですが、やはりあります。好中球が減少することでの感染症や、腎臓や肝臓などの臓器障害。また採取した造血幹細胞が生着しないなど、様々な原因で起きると思います。

 渡邉医院で内痔核に対して痔核根治術を行った場合、約1%ですが、術後710日目頃に内痔核の動脈を結紮した部分から動脈性の出血、晩期出血があって、どうしても止血処置が必要になります。100人に1人です。移植関連死は約5%以下、100人に5人以下。渡邉医院での晩期出血の頻度の5倍になります。100人に5人以下。多い気もします。
 そんなこともあって、以前、移植関連死が起きた場合はどうするか、相続税はどうなるか、渡邉医院はどうするか等、税理士さんにも相談しながら、妻と話し合ってしっかり方向性を決めました。やはり5%以下の移植関連死ですが、ここまでの準備をして臨みます。

 また私自身できることは、これまでの治療で落ちた体力や筋力をアップすることです。後は感染症に気を付けるために、基本的な感染予防策をしっかりとる。こんなところだと思います。

 一旦退院しているときの私の生活を少し紹介しますね。

 今日は、妻の勤務が昼からだったので、ゆっくり休んでもらおうと、妻が寝ている間に散歩に。今日は午前5時に目が覚めたので、5時半ごろに出発。約二時間程度のウオーキングと、ウオーキングのルートに鉄棒が2箇所あって、その鉄棒を使っての60回の腕立て伏せ。また、退院後一番大変なのが地下鉄の階段の登り。散歩のルートの中に地下鉄の階段の上り下りを入れています。
 家の帰ると、もう全身ずくずくの汗まみれ、シャワーに入るのですが、その時にお風呂の掃除。朝ごはんは、退院中は私が担当するので、コーヒーを入れて朝食の準備。食後は毎食後私がリハビリがてら食器洗い。
 今日は、実家と渡邉医院に郵便物が来ていないか、何か連絡事項が届いていないかなど確認に行きます。この時も体力アップのため徒歩とバス、地下鉄で行きます。
 今日はしませんでしたが、診療所の庭掃除をすることもあります。今日は何故か事務所の鍵が動かなくなっていて、何とか修理して動くように直すことができました。この鍵を治すということをするだけで汗ダラダラ。最後に植木鉢の花や観葉植物に水を上げて終了。そして帰宅。こういった実家と診療所に行くのは週23回程度です。
 自宅に帰って、少しテレビを見ながら休憩。今日はドラマの「ガリレオ」を見て、涼しくなった頃からお買い物。
 今日はねぎと、ジャガイモ、果物、ヨーグルト等を買いに行く。
 いつもは夕食は妻が仕事から帰ってから作ってくれるのですが、今日は夜勤。自分で何とかして食べる。そして今行っているブログの更新等。今日はこんな感じで1日が終わっていきます。
 こんな風な生活を退院時にはしています。

 でもこういった普通の生活が送れることに、本当に喜びを感じます。何気ない毎日が本当に大切なんだなあと思います。

 また、最近気が付いたのですが、誰かに「〇〇をしておいてくれる?」と頼まれても。「え~。今~?」と言うことがなくなりました。頼まれると、即答で「了解!」です。私自身に何か頼まれ、それをすることがとても幸せな感じがします。まあ、仕事をしていないので、私には十分な時間があるということもあると思いますが。でもそういった頼みごとをこなしていくことも、体力や筋力アップにつながると思っています。
 悪性リンパ腫になって、本当に何気ない毎日の生活を送ることの大切さ、幸せを強く艦居るようになりました。

 さて、自家血移植に向けた入院、91日まで後、今日も入れて8日間。特別なことはしませんが、これまでお話ししたような、普通の生活を大切にして、充実した日々を過ごしていきたいと思います。

2022.08.24

自家血幹移植に向けての入院が9月1日に決定!

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
 まだまだ暑い中、皆さんどうお過ごしでしょうか?体調は崩されてないでしょうか?
 新型コロナウイルス感染もまだまだ落ち着かない状況ですが、上げ止まりの状況かなあと思います。そろそろ新規感染者も減少していくのではないかと期待しています。

 さて、いよいよ自家血幹移植に向けての入院日が91日に決まりました。

 これまで、寛解導入に向けての5クールの抗がん剤による化学療法で、下垂体近傍にあった悪性リンパ腫による腫瘍も消失し「完全寛解」になりました。そして寛解状態でも、もし残っているがん細胞があればそれを叩く、言ってみればとどめを刺す治療として、2クールにわたって地固療法を行いました。その際に最終的に「自家血幹移植」の時に使う造血幹細胞の採取を行い、これも十分な量の造血幹細胞が採取でき、これまでは本当につまずくことなく順調に治療が進んできました。

 地固療法の2クール目が終わり、一旦811日に退院し、今は自宅療法を行っています。
 悪性リンパ腫には本当になりたくありませんでした。でも悪意性リンパ腫になったことで得るものも多かったと思います。

 いよいよ一連の治療の最終段階、「自家血幹移植」に向けての入院が91日に決定しました。私にとってはここまでの6カ月間、あっという間の6カ月でした。「よし!いよいよ最後の自家血幹移植だ!」」という気持ち、何か楽しみにしていたものがやっと来たというった気持ちです。

 このようにこれまでは、本当に順調に、最短でここまで来れたと思います。このことは、やはり、私の周りでこれまで支えてきてくださった、皆さんのおかげだと思います。感謝いたします。

 先日、自家血幹移植に向けての外来受診をしました。主治医の先生も、「これまでつまずくことなく、本当に順調に治療が進みました。最後の自家血幹移植、もう一度気を引き締めて治療に取り組みましょう!」との言葉をいただきました。本当にそうだと思います。ここまでに快復させて下さった先生方、そして私を見守ってきてくださった皆さんのためにもしっかりと最後の自家血幹移植に取り組んでいきたいと思います。

 外来受診時の血液の検査では、肝機能は正常。腎機能は現状維持。白血球は4300と正常へと改善。血小板も42.1万と多いぐらいに回復。また貧血の程度もHgb9.9と改善しています。ここに関しては準備万端です。ただ、KL-6といって、間質性肺炎の指標となる数値が800と高値になっています。4月の最初の時よりもだんだん増加しています。正常は500以下です。胸部単純X-Pでは特に異常はないのですが、移植に向けて間質性肺炎がどうか、ほかのリンパ節は腫脹していないかのチェックのために830日に胸腹部のCTを撮影することになりました。まずは自家血幹移植に関しては問題はないと思いますが。

 さて、これまで7クールにわたっての抗がん剤による化学療法でやはり体力、筋力が落ちています。
 今、自宅療養中にこの落ちてしまった体力、筋力をできるだけ入院までに回復させようと追っています。
 毎朝約2時間の散歩、その際に鉄棒を使っての腕立て伏せ、また掃除や洗濯、買い物など、できることは行っています。だいぶ体力も筋力もアップしてきたようです。

 そのことが一番わかるのが地下鉄の階段の登りです。初めのうちは、階段を登りきるとハアハアと息切れ、そしてその息切れが回復するまでの時間が長かったですが、最近はその生き疑売れも少なくなり、回復までの時間も短くなってきました。「結構回復したなあ!」と感じます。

 今回の自家血幹移植、抗がん剤を投与して約1週間程度で骨髄抑制が来て一旦骨髄が「死」にます。そのタイミングに合わせて事前に採取した造血幹細胞を移植します。移植された造血幹細胞は約10日から14日間で骨髄に生着して、血液を作り始めます。生着は白血球の中の好中球が500μl以上となりそれが3日以上続くことです。

 大体入院期間は1か月から2か月と主治医の先生はおっしゃいました。私としては最短で回復して復帰したいと思っています。

 自家血幹移植を行うことで、どうしても体力、筋力が落ちてしまいます。この落ち具合も復帰に影響します。
 今、自宅療養中に私ができること、それは体力、筋力をできる限りアップさせることです。入院中も極端に落ちないようにしていきたいと思いますし、それに向けての対策を練ろうと思います。

 329日に緊急入院をして、5カ月。いよいよ治療の最終段階。しっかり「自家血幹移植」に取り組み早く回復して、復帰して、渡邉医院を再開したいと思います。
 もう一息、頑張っていきたいと思います。

 渡邉医院の再開まで、もうしばらくかかります。皆さんにはご迷惑をおかけしていますが、もうしばらくです。よろしくお願いいたします。

 

2022.08.11

77回目の終戦記念日を迎えるにあたって

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 815日、77回目の終戦記念日迎えようとしています。
 私たちはもう一度戦争のない平和な世界の大切さをしっかり考えなければなりません。
 戦後77年が経ちました。でもまだ戦争は終わっていません。77年経った今でも戦争が終わっていない方、戦争の傷を負っておられる方が大勢いらっしゃいます。
 一旦戦争が始まれば、たとえ終戦を迎えたとしても永久に戦争は終わることはありません。

 戦争は人間を人間でなくしてしまいます。そしてその事を当然のように感じ、そのことに何の疑問を持たなくなってしまいます。
 このことは決して防ぐことはできません。
 ですからこそ、戦争をしない世界にしなければなりません。

 そしてそのためには平和の教育がとても大切になってきます。
 戦争の恐ろしさ、醜さ、そして悲惨さを、戦争を知らない人たちに語り、そして継いでいかなければなりません。

 戦争はいつの間に私たちの生活の隙間に入ってきます。そして知らないうちに、そして気が付いた時には戦争へと一気に広がってしまいます。どんな些細なことでも、戦争につながることに敏感になり、そしてその芽を摘み取っていくことが大切だと感じます。

2022.08.10

病室の窓から見えるケーキ屋さんを描いてみました。ー動画ー

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医院情報

院名 渡邉医院
住所 〒602-8462
京都府京都市上京区浄福寺通今出川下ル
竪亀屋町255
TEL 075-441-4303

診療時間

診療時間 日・祝
9:00~12:00

※術後の患者さんも緊急対応いたします。
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予約の電話受付は平日12:00-14:30です。