患者さんへの説明の時に使う図

皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
今回は、患者さんに病気を説明するときに使う図を紹介します。
これまでは、患者さんに病気の説明や治療を説明する際に、私が実際に紙に図を描きながら説明してきました。ただ、字が汚かったりして読みにくかったり、図がわかりにくかったり、また私の方から字を書くので、患者さんにとっては字が反対になってしまい、後から見ても分かりにくかったと思います。
そこで、いつも描いている図をPowerPointで作り、見やすくしました。またそのに追加のメモを書くことで、今までよりもよりわかりやすく、また、家に帰ってから見直してもわかるようになったと思います。
まず内痔核編です。
こんな感じです。やはり排便する際の力みが強いと内痔核になりやすく。あまり力まずにすっと出るようにするのが大事です。また治療は内痔核の程度で決まり、手術等になるのは第3度以上の内痔核の場合です。内痔核があるからすぐ手術にはなりません。
次は血栓性外痔核です。
血栓性外痔核は急に血栓が詰まって腫れて痛い病気です。でも、基本は自然に腫れが治り、痛みがとれ、決戦は徐々に解けて吸収して治ります。腫れをとり痛みをとるために消炎鎮痛剤の坐薬を使ったり、お風呂でよく温めてあげるとよくなります。
次は裂肛です。
裂肛は、便が通るときにできた傷です。便が硬かったり、反対に下痢の時も傷がつきます。また柔らかい便でも出にくくて頑張った時などにできます。ですから、傷なので治っていくはずです。でもそれが治りにくくなる原因が痛みです。痛むことで肛門の括約筋の緊張が強くなります。繰り返すことで段々括約筋の緊張が強くなります。悪循環になります。この悪循環を断つことが治療になります。
最後に痔瘻です。
痔瘻はまずは肛門腺に細菌感染を起こして炎症を起こし化膿する肛門周囲膿瘍から始まります。ただ、肛門周囲膿瘍になったからと言って、必ず痔瘻になるわけではありません。約70%の人は、その後何の症状もありません。約30%の人が痔瘻に移行していきます。
こんな感じで、必要なことをこの図に追加して説明していこうと思います。早速今日からつかてみました。
便秘フォーラムに参加して 高齢者の便秘を中心に

皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
もうすぐ退院してから6ヶ月が経ちます。体調はずいぶん良くなり、食事も美味しく食べれます。少し気をつけないと、食べ過ぎてしまいます。また睡眠もよくとれ、夜中に1回程度起きますが、その後もぐっすり眠れます。また、毎日最低1回は、私の考えたリハビリ?筋トレを約30分かけて行なっています。まだまだ杖を使っての歩行ですが、それも随分安定してきています。
診療ももう息切れすることなくできるように、次の段階にギアを入れ替えていこうと思います。
ここまで回復したのも皆さんのおかげだと思っています。ありがとうございます。
現在、渡邉医院は予約制になっていますが、肛門が腫れて痛いという症状があるときは、渡邉医院に電話していただいて、「痛い!」と言って場合によっては当日の診察に来てもらえればと思います。
さて、今回は便秘フォーラムに参加して勉強したことを箇条書きですがご紹介します。
1)まず、便秘と便秘症は違うと言うことです。
便秘は、便が硬いとかスッキリ出ないとかの状態を言います。便秘症は便秘によって生活の質が起きるなどの症状が出ることをさします。
また、高齢者の場合は、排便時のいきみが強いと心臓への負荷がかかります。いきみによって血圧がガリ、その状態がしばらく持続します。また、強くいきむことで脳梗塞などにもなる可能性があります。このようなことでトイレで倒れると言うことにつながってしまいます。
便秘症は命に関わると言うことです。
やはり排便は「いきまない排便」を目指すことが大事です。
2)加齢と便秘に関しては、どうしても加齢と共に便秘の方が増えてきます。これは加齢によって大腸の機能が低下することによります。例えば腸管の粘膜や筋層が萎縮してしまう。また、アウエルバッハ神経叢が減少して腸管の動き、蠕動が悪くなるなど、加齢による腸管の器質的な片亜が起きることによって便秘になります。
3)睡眠と便秘に関しては、ぐっすり眠れることで便がスッキリ出るとのことでした。
4)サプリには注意。
様々な多くのサプリがあるのでどれが効くかはなかなか判断できないとのことでした。またサプリの効果を検証する場合、対象者が50人以下の場合、統計学的に良い結果が出る可能性があり、50人以上では効果が統計上悪くなるなど、対象者の人数で結果が変わってしまうこともあるため注意が必要とのことでした。
5)水分をとることは便秘にいいのかは、やはりしっかり水分をとったほうが良いとのことでした。
6)では運動は便秘にいいのか?に関しては、30分程度歩くなどの有酸素運動は良いとのことでした。
7)下剤の服用率は、他のお薬と比較すると18%とかなり少ないとのことでした。やはり下剤は毎日しっかり飲むことが大事です。私がいつも言っていることですが、便が出ないから下剤を飲んで出す、出ないから飲んで出すでは、本当に出なくなると飲んでも出なくなることがあります。一旦硬くなった便を柔らかくする薬はありません。具合よく出るように毎日内服することが大事です。
8)最後に問診のポイントです。問診の際は便の回数、便の硬さ、スッキリ感の三つがポイントで、週に何回便が出るか、便は柔らかいか、スッキリ出るかを聞くことが大事です。
箇条書きですが、参考になればと思います。
乳幼児の便秘症

こんにちは。渡邉医院の渡邉です。
今日は水曜日、休診日です。少し勉強をしようと思います。
私の専門ではないのですが、乳幼児の便秘症について勉強してみました。
時々渡邉医院にも便秘の子どもが受診されることがあります。緩下剤を処方することもあるのですが、最終的には「かかりつけの小児科の先生とよく相談してくださいね。」ということになります。でも少しはアドバイスができればなあと思います。
さて、なるほどと思う言葉が目に飛び込んできました。それは「うんちの呪いを断ち切ることが治療の肝」という言葉です。なるほどと思いました。やはり硬い便が出た時の痛みが怖くなって便が出せなくなるということはよくあると思いました。
便塊が直腸に溜まったままになって(便栓塞)、出せない。出したときに痛みがあり出したくなくなる。また直腸に便塊が溜まる。この負の連鎖を断ち切ってあげることが治療にとって大事なことだと言うことです。
さて、便秘症は大きく二つに分類されます。一つは何らかの病気、基礎疾患があって器質的な異常があって便が出ない器質的便秘症と、もう一つは、基礎疾患を除外した機能性便秘症です。
そして、乳幼児便秘症には便秘の発症時期で特徴があるとのことです。
- 1)離乳食開始前(生後6カ月まで)の便秘症では、何らかの器質的な疾患が背景にある可能性があり、そのことを考慮しなければならない。
- 2)離乳食開始後(生後6カ月から12か月)の便秘症では、離乳食開始に伴って便が硬くなる。
- 3)トイレトレーニング時期(2歳~3歳)の便秘症は、トレーニング中に硬便が出て排便時に痛みがあり、排便に関しての恐怖心を抱いてしまう。
- 4)保育施設や幼稚園、小学校へ通い始めた時期(4歳~7歳)の便秘症は、自宅以外でのトイレではい便することが怖い、嫌だ、恥ずかしいことが原因
このように発症時期で便秘症の原因に特徴があるとのことです。4)の学校のトイレで排便することに関しては、私自身の経験上よくわかります。
小学校で便がしたくなって、学校のトイレに行きたくなくて家まで帰って排便。学校では私がいなくなったのを心配して探して下さり、ご迷惑をかけたことを記憶しています。
なかなか難しいですが、どこのトイレでも排便できるということはとても大事だなあと思います。
話は変わりますが、地震や水害で非難された人たちにとって清潔なトイレが直ぐに設置されることは、とても大事なことだなあと思います。
さて、乳幼児の便秘症の診断ですが、便秘症が発症した年齢が4歳未満では1週間の排便回数が2回以下、過度の便貯留の既往があるなどの症状が1か月以上続く場合は便秘症と診断するということです。ただ、様々なケースがあるので、排便が困難な状況をしっかり診ていくことが必要とのことです。
便秘症と診断した後、便秘症の原因が器質的疾患によるものか、そうでないかを確認する必要があります。そのためには「警告症状」があるかないかを確認することが重要とのことです。「警告症状」とは、①生後24時間~48時間以降の胎便の排泄の遅延。②生後2カ月以内の血便。③成長障害または体重減少などを伴う。こういった例の患者さんは基礎疾患を除外するために専門医を受診することを進めるとのことです。
また、牛乳アレルギーによる便秘症があるとのことです。
完全母乳栄養から混合栄養や粉ミルクに変えた時に発症する便秘症です。牛乳の蛋白質に感作されることによって便秘を発症します。便秘症に対しての標準治療で改善がない場合は、牛乳の摂取制限を検討して、2~4週間の牛乳蛋白除去により便秘の改善を図るとのことです。
治療に関しては、直腸に便塊が残ったままになると、直腸からさらに水分が吸収されますます便が硬くなり、その硬便を排出する際に痛みが伴います。この痛みのため排便を我慢してしまうようになる。この負の連鎖を断ち切ってあげることが大事です。この負の連鎖、「うんちの呪い」を断ち切るために、第一選択となる治療はグリセリン浣腸とのことです。
軽症例やグリセリン浣腸に抵抗がある場合は、緩下剤を使うそうです。
6月 梅雨の季節

皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
6月になりました。いよいよ梅雨の季節になっていきます。梅雨に向けて皆さん何か用意をされているものはありますか?私は雨合羽を買いました。どうしても外に出る時は、車椅子か日本の杖での歩行。両手が塞がってしまうので傘がさせません。そこで、雨合羽を買った次第です。フードがついていて、膝下までくるので、本当に濡れなくて便利です。まあ早く傘がさせるようになれればなあと思います。
去年の12月23日に退院して6ヶ月目に入ります。あっという間の6ヶ月目。本当に月日が経つのは早いです。今年の1月に、毎日ヘルパーさんと放射線治療に行っていたことなんかは遠い昔の話のように思えます。まだまだ足は十分に動きませんが、要介護5と認定されて退院したときと比べると、断然に回復してきています。自分一人でできることがどんどん増えてきています。食欲もあり、体調も良くなってきています。
診療の方も午前中の診察で20人程度の患者さんを見ることができるまでになりました。まだまだ足も動かないので、手術はしていません。手術が必要なのか患者さんが受診され、すぐに手術をして治して上げられないことがとても悔しく思います。いずれ徐々に始めていきたいと思っていますが、まだ予定はできない状況です。
まだまだ1ヶ月先のことを考えると不安はあります。このままさらに体調が良くなっていくのか?急に体調が悪くなって入院してしまうのか?まだまだ不安です。
でも、今できることはやっておこう。そうしなと後回しにするとできなくなるかもしれないと思って頑張っています。
これからの目標は、この2年間、入院していて超えたことがない夏を無事乗り越えて、今年1年間しっかり生き抜くことです。
ゴールデンウィーク

ゴールデンウィーク、皆さんはどうおすごしですか?楽しい思い出を作ってられると思います。
私は、なかなか人が多いところにはいくことができません。杖、もしくは車椅子の移動なので。あと、まだまだ免疫力がありません。やはり人混みを避けた方が安全です。でも何かこの連休中にしたいなあと思い、3日の日には妻の誕生日のお祝いと言うことでいつもおお世話になっているご飯やさんにいきました。また、4日は自宅から近い太田神社にかきつばたを見にいきました。歩けるところまで歩こう、出来れば太田神社まで2本の杖で行こうと頑張ったのですが、もう少しのところで車椅子のお世話になりました。やっぱり室内と違って凸凹しているし、歩道も含めて微妙な道の傾きが歩くのに苦労します。でも太田神社の近くまで歩けたのは地震になります。太田神社の中は頑張って2本の杖であまり人がいなかったので歩きました。そして、見事に咲いているかきつばたを見ることができました。癒される。
かきつばたを見ることができました。帰りは車椅子に乗って妻に押してもらって帰りました。
今日5日は、伊勢丹に行って、昼食をとり、車椅子で催事場で開催されていた「リト@葉っぱ切り絵展」を見ました。ADHD(注意欠如.多動症)である葉っぱ切り絵アーティストの展示で、一枚の小さな葉っぱを使っての葉っぱきりの作品。優しく、心温まる、癒しの作品ばかりでした。
自身のADHDによる偏った集中力を前向きにとらえ、その個性を生かして独学で制作をスタートしたそうです。
ADHDといった病気を持ちながら、逆にそれを自分の個性、強みにして自分の世界を表現する。とても素晴らしいことだと思います。様々な病気を持っている方がいます。その病気を受け止め、今自分が何ができるかを考え実行できる。そんなふうに私も生きていきたいなあと感じました。
ゴールデンウィーク、もうすぐ終わりますが、私にとってとても楽しい、有意義なゴールデンウィークになりそうです。
「便」について

皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
今日は、本当に久しぶりに「便」についてお話ししようと思います。
便はその約80%が水分でできています。どんなにコロコロの硬い便でも約70%の水分が含まれています。残り20%は、そのうちの1/3は食事を摂った後の食物の残渣(食べかす)、1/3が腸内細菌、そして残りの1/3が脱落した腸の粘膜です。
理想の便は柔らかくて形のある便です。硬すぎるといくら頑張っても出なかったり、反対に柔らかすぎても出し難いことがあります。なかなか難しい所です。いつも具合よく出る人は、排便に関して何も悩まず極々当たり前のことのように便が出ます。反対に便秘の人は毎日の弁の具合に悩んで一喜一憂してしまいます。またそのストレスがさらに便秘を悪くして行ってしまいます。
まずは緩下剤等を内服して楽に便が出るようにするといいと思います。
下剤を飲むと癖になる、お腹が痛くなると言うことで、食事や水分を摂ることでなんとか弁を出そうとされる方がいますが、まずは緩下剤を内服して便が出るようになってから焦らず食事や水分の摂り方を工夫していくといいと思います。
具合よく便が出るには、便の中に程よく水分が含まれていて(80%)、そし便の元になる食物繊維を摂り、量のある弁にする。便の量が増えると、便そのものが大腸を刺激して大腸の動きをよくしてくれます。
さて、食物繊維には水溶性の食物繊維と、不溶性の食物繊維があります。それぞれ役割が違います。
水溶性食物繊維は便を柔らかくしたり、便の滑りを良くして出やすくします。不溶性食物繊維は便の量を増やし、そのことによって腸を刺激して動きを良くします。
水溶性食物繊維には、麦類、海藻類、果物、根菜類があります。また不溶性食物繊維には穀類、野菜、豆類、キノコ類があります。それぞれを具合よく摂ることが大事だと思います。
ではどの位の食物繊維が必要かというと、1日の食物繊維の摂取量の目標は、男性で21g以上、女性では18g以上になります。では、現状ではどの程度食物繊維を私たち日本人が摂っているかというと、平均14g前後と目標値には達していません。意識して食物繊維を摂る必要があると思います。
例えば、キウイフルーツは1個で約2gの食物繊維が摂れます。朝ごはんの時にヨーグルトと一緒にキウイフルーツを食べるのもいいかなあと思います。また、嫌いな方もいらっしゃると思いますが、納豆も1パックで食物繊維が3g摂ることができます。
サラダも野菜だけのサラダではなく、キノコ類や海藻類を混ぜたサラダにしたりすると、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が摂れていいなあと思います。色々工夫してみてくださいね。