第3回日本臨床肛門病学会を終えて。

もうすぐ4月になります。あちらこちらで桜も開花して、満開の声も聞こえてきます。いよいよお花見のシーズンになります。今日はチョット雨で、桜の花が散らないことを祈ります。皆さんもお花見などいろいろ予定が入っていると思います。また入学式や入社式。新たな旅立ちに向けて心ワクワクされている方も多いと思います。
今日は、先日3月17日に東京の新宿で開催された、第3回日本臨床肛門病学会に参加して感じたことや、今後検討していかなければならないと思うところをお話したいと思います。
学会のテーマは「低位筋間痔瘻の手術」
さて、今回の臨床肛門病学会のテーマは「低位筋間痔瘻の手術」でした。
痔瘻は肛門上皮と直腸粘膜との境目にある肛門腺の感染から発生します。Crypt-glandular infection(肛門陰窩肛門腺感染)によって発生して、Anal crypt(肛門陰窩)から侵入した細菌がanal duct(肛門腺管)を通じて内外括約筋間のanal gland(肛門腺)に感染巣を形成することで痔瘻が形成されていきます。したがって、痔瘻を根治させるのには、細菌の侵入口である原発口を確実に処理することが必要です。したがって、痔瘻を根治させるのには、原発口、原発口から原発巣までの瘻管、そして原発巣を切除するか、開放創にする必要があります。
痔瘻の手術のジレンマ
ここで問題になってくるのが、痔瘻が肛門陰窩から始まり、内肛門括約筋を貫いて二次口に到達するので、どうしても痔瘻の手術では括約筋の損傷を伴うことです。したがって、痔瘻の手術においては根治性を高めるか、括約筋の機能を温存するか、のこの二つを天秤にかけて、どう手術をしていくかを判断しなければなりません。原発口、原発巣、瘻管をごっそり大きく切除すれば、痔瘻の手術の根治度は高まり、再発はしません。ですが、括約筋を大きく損傷することは肛門の機能面に関しては大きなダメージを与えてしまいます。反対に機能を重視して、十分に原発口、原発巣、瘻管の処置が出来ていなければ、機能は温存されますが、再発する可能性が高くなってしまいます。この二つのジレンマが痔瘻の手術には付きまとってきます。
この問題に対して、今回の臨床肛門病学会ではさまざまな意見交換がありました。
「切開開放術」・「seton法」
今回の臨床肛門病学会はシンポジウム形式で、前半は「切開開放術」、「seton法」に関するシンポジウムでした。切開開放術もseton法もいずれも方法は違い、できる傷や治り方は違いますが、原発口、瘻管を処理して切除する方法です。切開開放術はやはり低位筋間痔瘻に対しての手術手技の基本となる手術術式です。これをしっかりマスターしていくことが大切です。この手術手技がしっかりできることで、seton法も確実におこなえると考えます。いずれの術式も、しっかりと原発口を確認して、原発巣、そして瘻管を摘出することが重要です。Seton法は特に原発口、原発巣、そして瘻管に確実に輪ゴムがかからなければ治すことができません。確実な診断能力と確実に輪ゴムをかける手技が要求されます。
切開開放術もseton法もいずれも内肛門括約筋の損傷を伴います。できるだけその損傷を最小限にとどめる手術が必要になります。
「括約筋温存手術」
後半は「括約筋温存手術」についてのシンポジウムでした。括約筋温存手術は様々な方法が考えられ、試みられています。基本は内肛門括約筋を貫く瘻管は残して原発巣を処理するという手術です。ただ、この術式ですと、どうしても内肛門括約筋内に瘻管が残ること、原発口が残ることなど、再発の可能性があるのではないかと考えます。これらの術式に関しては、今後の長期生成期がどうなっていくのか?長期にフォローすることで、どの程度の再発率なのかをしっかりと検討していく必要があります。
今後の痔瘻の手術
今回の臨床肛門病学会で感じたことは、痔瘻の手術に関しては、手術の根治性と機能温存という相反する命題をいかに解決していくかが重要な課題となること。そしてそれを満たす手術術式を確立させること。また、その手術が特殊な手術ではなく、標準的な手術となるような術式でなければならないということです。このことを目標に、今後も痔瘻の手術はさらに検討が進めれれていくと思います。
3月の献立を紹介します。

今日は一気に3月のレシピを紹介してきましたが、最後に3月のレシピを使って、早春のメニューとして3月の献立を紹介しますね。
今月の献立のメニューは、鮭のメレンゲ焼き、あさりと豆苗の炒め物、春の天ぷら(筍・若ごぼう・菜の花)、
タケノコの白和え、新玉ねぎのレンジ蒸し、竹の子ちらし、わかめ煮の計7品の献立です。とても豪華な献立になっています。一度作ってみて下さいね。
「竹の子のだし煮」のレシピも紹介しておきます。
「竹の子のだし煮」
竹の子 1本
だし
薄口しょうゆ 少々
塩 適宜
みりん
またはめんつゆ
作り方
1. たけのこは下のほうと穂先と分け、食べやすい大きさに切る。
2. 調味料を入れただし、またはめんつゆで落し蓋をして煮る。そのまま冷ます。
*この煮物を天ぷら・白和え・ちらし寿司に使います。
管理栄養士さんからの一言
たけのこの栄養
たけのこは野菜のなかでもたんぱく質が多く、カリウム・食物繊維も多く含まれています。
ゆでたけのこについている白い粉もチロシンというアミノ酸の1種です。
やる気の素になるといわれています。
ゆでたけのことして1年中出回りますが、生のたけのこはこの時期だけのおいしさです。
ぬかや米のとぎ汁やお米少量と一緒に水からゆで、そのまま冷めるまで置いて使います。
「たけのこの白和え」のレシピを紹介します。

3月最後のレシピは「たけのこの白和え」です。
「白和え」ってどんな料理なのか、チョット調べてみました。「白和え」はキーボードでは「しろあえ」でも「しらあえ」でも「白和え」と変換されますが、読み方は「しらあえ」です。
「白和え」は白い豆腐や白胡麻などでつくった和え衣と、野菜などの具材を混ぜ合わせるところから、白い衣をまとったようになるので「白和え」と言うそうです。ここで「和え衣」って何?ですが、砂糖や塩、酢、しょう油、味噌などの調味料と、風味豊かな食材など具材にからまりやすいものを合わせて作ったものだそうです。
さて、たけのこの旬は、4月から5月。これからが、たけのこのシーズンです。たけのこは「筍」って漢字で書きますよね。竹冠に旬。旬の意味を調べてみると「10日間」、「10日」という意味があるそうです。たけのこは約10日間ほどで「竹」にまで成長してしまうようです。たけのこが美味しく食べれる期間はほんのひと時。10日間までの期間ということで竹冠に「旬」て書くのかなと思います。たけのこは焼いても美味しいですし、天ぷらもいい。またたけのこご飯もいいですよね。
では、レシピの方を紹介しますね。
「たけのこの白和え」
1人分 100kcal、たんぱく質 約7g、食物繊維 約2g
材料(2人分)
豆腐 150g
たけのこ煮 30g
人参 20g
たけのこ煮汁 大さじ1
白みそ 小さじ1
きなこ 小さじ1
作り方
① 豆腐は水切りし、たけのこ煮の煮汁・白みそ・きなこを混ぜて和え衣を作る。
味を見て、塩・しょうゆ・砂糖で調整する。
② 人参は千切りにし、たけのこ煮汁(分量外)をかけ、レンジでやわらかくする。
③ たけのこ煮を千切りにし、すべてを和える。
*豆腐の水切り方法(いろいろな方法があります。その時と食感に合わせて)
・まな板にのせ、上に重しをして、斜めに置いておく。
・キッチンペーパーで包み電子レンジで2分ほどチンする。
・1㎝角に切り、茹でで、ざるにあげる。
管理栄養士さんからの一言
白和え
普通は胡麻をするか練りゴマを使うのですが、比較的ご家庭にありそうな『きなこ』を使用しました。
他にもピーナッツクリームやくるみで作ってもおいしいです。
たんぱく質たっぷりで飲みこみやすい和え物です。
「新玉ねぎのレンジ蒸・わかめ煮」のレシピを紹介します。

今月3月のレシピ第3弾は「新玉ねぎのレンジ蒸」と「わかめ煮」のレシピです。今回は二つのレシピを紹介します。
玉ねぎですが、生の玉ねぎがチョット私は苦手です。生の玉ねぎの辛さが苦手なのかな?とも思うのですが。娘が私が玉ねぎを食べると「お父さん。明日熱出さない?」なんてからかってきます。でも焼いたり煮たり、少し手を加えた玉ねぎは、甘みがあって、とても好きで、美味しくいただいています。たまに行くお店で、玉ねぎ丸ごと焼いて出して下さるお店がありますが、焼いた玉ねぎをお塩で食べたり、アンチョビソースや自家製マヨネーズでいただく。玉ねぎを焼くだけですが、とても美味しいです。焼き方もあるのかな?玉ねぎとお肉を塩コショウで炒めても、ご飯が進みます。
わかめ煮も美味しいですよね、竹の子と一緒に煮たり。季節の香りがします。海藻類は便秘にもいいです。便秘の解消に食物繊維が必要ですが、よく「私は生野菜のサラダを食べているから、食物繊維は十分に摂ってます。」という方がいますが、生野菜。量はあっても、食物繊維の量としてはあまりとれません。海藻類やキノコ類の方が繊維はとることが出来ます。ですから、便秘解消に食物繊維をとるのであれば、「生野菜のサラダ」よりは、「キノコと海藻のサラダ」の方が繊維は摂れます。
では、今回のレシピ「新玉ねぎのレンジ蒸」と「わかめ煮」のレシピを紹介しますね。
「新玉ねぎのレンジ蒸」
材料(2人分)
新玉ねぎ 1個
ベーコン 1枚
めんつゆ 適宜
作り方
① 新玉ねぎは半分に切り、ベーコンは細切りにする。
② フライパンでベーコンと玉ねぎの切り口を炒める。
③ 器に盛りめんつゆを入れレンジで4~5分チンする。
「わかめ煮」
材料
生わかめ 100g
しょうゆ・砂糖・酒 各大さじ1
水 100cc
作り方
①生わかめは軽くゆで、適当な大きさに切る。
②すべての材料を入れ、焦がさないように煮る。
*実ざんしょうや生姜
*アサリのむき身やエノキなどど一緒に炊いてもおいしいです。
「鮭のメレンゲ焼き」のレシピを紹介します。

今回は「鮭のメレンゲ焼き」のレシピを紹介します。
3月になりましたが、先週末は、比叡山は薄っすら雪化粧。まだまだなんとなく寒い日もあります。でも気分はもう春ですよね。4月からの新しい生活に向けて、心ワクワクされている方も多いと思います。
ただ、花粉症の方にはチョット辛い季節ですね。なんとか乗り切ってくださいね。
今回は「鮭のメレンゲ焼き」のレシピを紹介します。私の妻は北海道出身。時々妻の実家から鮭が送られてきます。脂がのっていて、やっぱり北海道の鮭は美味しい!と感じます。以前、北海道の実家に行ったとき、海からたくさんの鮭が川を上ってくる来るところを見に行きました。生への力強さを感じました。
では、「鮭のメレンゲ焼き」のレシピを紹介しますね。
「鮭のメレンゲ焼き」
1人分 200kcal、たんぱく質 約20g
材料(2人分)
生鮭 2切れ
卵白 1個分
塩 少々
みりん 少々
作り方
① 鮭にみりんを塗り、魚焼きグリルで焼く。
② 卵白に塩少量を入れ、しっかり泡立てる。
③ 焼けた①に②をのせてさらにうっすら焦げ目がつくまで焼く。
*ほかにも鯛でもおいしくできます。
*色をきれいに仕上げたいので、焦げないように注意してください。
管理栄養士さんからの一言
メレンゲ焼き
いつもの焼き魚に少し卵白が乗るだけですが、華やかになります。
我が家では桃の花に見立てて、お雛様の時に作ります。
「あさりと豆苗の炒め物」のレシピを紹介します。

3月に入って早1週間がたちました。卒業、そして入学。また新たに社会人として独り立ちするための準備、引っ越しなど、あわただしい時期だと思います。皆さんはどうお過ごしでしょうか?
今日は「あさりと豆苗の炒め物」のレシピを紹介します。
あさりと言えば、直ぐに頭に浮かぶのが、「あさりのお吸い物」や「あさりの酒蒸し」です。「あさりの炊き込みご飯」もいいですよね。少し飲みすぎた次の日なんかに、なんとなく汁物が欲しくなりますが、そんな時にあさりのお吸い物もいいですよね。あさりの炊き込みご飯もあさりのエキスが御飯にしみこみ、美味しいですよね。
さて、「豆苗」って?私はやっぱりなにも知らないんだなと思いました。豆の苗なので、なんかの豆の芽が出たものなのかな?と思いました。調べてみると、「豆苗」はエンドウの若菜で、もともとは大きく成長したエンドウの若い葉と茎を摘んだもののようで、中国料理の高級食材だったようです。最近では、エンドウ豆から発芽した状態のエンドウが根が付いたままや、根をカットした状態で売られているようです。
そういえば、私の家でも、キッチンに根付きの豆苗があったのを思い出しました。一度刈った豆苗がしばらくするとまた新たに芽が伸びてきて再度使うことができます。あれが豆苗だったんだ!後から管理栄養士さんの一言で紹介しますが、豆苗には様々な栄養素が含まれているようで、体によさそうです。
ではレシピを紹介しますね。
「あさりと豆苗の炒め物」
1人分 25kcal、たんぱく質 約4g、鉄 約2g
材料(2人分)
あさり 200g
豆苗 1袋
オリーブオイル 小さじ1
作り方
① あさりは塩抜きしてきれいに洗う。
② 豆苗は下から5㎝くらいのところで切り離し、長さ5㎝に切る。
③ フライパンに①を入れふたをして貝が開いたら②を入れさっと混ぜる。
④ 仕上げにオリーブオイルをかける。
管理栄養士さんからの一言
豆苗豆苗はエンドウ豆の茎葉で、たんぱく質・食物繊維・鉄分が豊富で
ビタミンもβカロテン・ビタミンK・葉酸・ビタミンC・ビタミンEが多く含まれています。
ビタミンACEは免疫力アップに効果があり、風邪予防になります。
鉄分・葉酸・たんぱく質は貧血に効果的です。
価格も安定していつでも買える優秀な野菜の1つです。
生でもさっと加熱してもおいしく食べられます。
「春野菜の天ぷら」のレシピを紹介します。

3月第2弾のレシピは、「春野菜の天ぷら」です。
2月も終わって、春の気配を感じる季節になってきました。この時期に食事を食べに行ったり、飲み屋さんに行ったとき、なんとなく注文したくなるメニューに春野菜の天ぷらがあります。ほかにも「春野菜を使ったパスタ」など、メニューを見たときに、この「春野菜」という言葉に心動かされて頼んでしまいます。
春野菜と聞くと思い出すのが、長野に住んでいる方が、毎年、「タラの芽」を送って下さっていたことです。段ボールにいっぱいのタラの芽。でも季節の旬の野菜。あっという間に食べてしまったのを思い出します。このタラの芽の天ぷらや、ふきのとうの天ぷらなど、少し苦みのある野菜ですが、この苦みがなんとなく春を感じさせてくれます。
今回のレシピの春野菜は、若ごぼう、菜の花、そしてたけのこです。
菜の花は天ぷらだけでなく、お浸しもいいですよね。菜の花もチョット苦みがありますよね。竹の子も天ぷらや、焼くのもいいですよね。そしてたけのこ御飯、山椒の葉を載せ香りづけ。いいですよね。
では「春野菜の天ぷら」のレシピを紹介しますね。
「春野菜の天ぷら」
1人分 250kcal、たんぱく質 約4.5g、食物繊維 2g
材料(2人分)
若ごぼう(茎) 1本
菜の花 2本
たけのこ煮 6切れ
小麦粉 大さじ3
片栗粉 大さじ1
炭酸水 適宜
梅昆布茶 適宜
作り方
① 若ごぼうの茎は5㎝に切り、水にさらしておく。
② 菜の花、たけのこ煮は食べやすい大きさに切る。
③ ボールに小麦粉、片栗粉を入れ炭酸水でトロっとした感じに溶く。
④ ③に水気を切った①②をくぐらせてカラッと揚げる。
⑤ 器に盛り、梅昆布茶を添える。
*ほかにふきのとう、たらの芽、うどなどもおいしいです。
*天ぷら衣に片栗粉や炭酸水を使うことでよりかりっと仕上がります。
管理栄養士さんからの一言
若ごぼう
食物繊維・鉄分が豊富な野菜で、根・茎・葉のすべてが食べられます。
今回は使わなかった根を鯛あら煮に、茎の残りと葉は佃煮にしました。
『春苦み、夏は酸味、秋辛味、冬は油と心して食え』という石塚左玄氏の言葉があります。
春に苦みのある野菜が多く出てくるのは体が欲しているからかもしれません。
「たけのこちらし」のレシピを紹介します。

あっという間に2月は終わり、3月になりました。寒さも少し和らいできて、春の気配を感じることが出来るようになりました。花粉症の方にはチョット憂鬱な季節かもしれませんね。
今度の日曜日、3月3日は雛祭りですね。春を迎える祭りです。私の家でも昔は、雛祭りの前にお雛さんを飾って祝ったものです。最近はチョットご無沙汰しています。
雛祭りは、女子の健やかな成長を祈るお祭りです。でも、その起源は女の子のお祭りというのではなく、男女共通の行事として、厄払いや邪気祓いとして行われていたようです。季節の変わり目に災難や厄から身を守り、よりよい春を迎えることを願うための節句として始まったとされています。雛人形も、家に飾るのではなく、川に流していたということです。随分今とは違ったものだったようです。
さて、雛祭りのレシピと言えば、ちらし寿司や蛤のお吸い物。菱餅やひなあられ。いずれも色とりどりで、チョット華やかなイメージですよね。やっぱり女の子のお祭りかなと思います。
今日は雛祭りを迎えるにあたって、「たけのこちらし」のレシピを3月最初のレシピとして紹介したいと思います。
「たけのこちらし」
1人分 350kcal、たんぱく質 約8.5g、食物繊維 約2g
材料(2人分)
ご飯 330g
たけのこ煮 60g
人参 30g
たまご 1個
酢 大さじ2
砂糖 大さじ1
塩 小さじ1/2
菜の花(ゆで) 適宜
作り方
① 酢・砂糖・塩を器に入れ、電子レンジで温めて合わせ酢を作る。
② 熱いご飯に①を混ぜ、酢飯を作る。
③ 人参は千切りにし、たけのこ煮汁(分量外)をかけ、レンジでやわらかくする。
④ たけのこ煮を千切りにし、穂先は飾り用に切り分ける。
⑤ 卵を溶き錦糸卵を作る。
⑥ ②に③と④を混ぜ、⑤と穂先のたけのこ煮、菜の花を飾る。
管理栄養士さんからの一言
菜の花
春を代表する野菜の1つ。
栄養面でも免疫力を高めるビタミンA(βカロテン)・C・Eがすべて含まれ、
葉酸と鉄分で貧血予防の効果もあります。
『春苦み、夏は酸味、秋辛味、冬は油と合点して食え』という石塚左玄氏の言葉があります。
春になると苦みのある野菜が出てきますが、ちょうど体も欲しているように感じます。
59歳になっての思い。

もうすぐ2月も終わります。やはり毎年同じように、長い1月の後はあっという間の2月でした。
さて、2月19日で私は59歳になりました。50代最後の1年を迎えます。
娘には「もうすぐ還暦だね。お爺さんだね。」とからかわれました。私はまだまだ若いつもりです。京都に帰ってきたのは34歳の時、帰ってきてから25年、四半世紀が過ぎました。でも私の気持ちは、京都に帰ってきた時の34歳のままですが・・・
母の家に行ったとき、ふと若かりし頃、診療所で母と一緒に撮った写真を見つけました。それを見ると、ウーン、やっぱりこの頃は若い!髪の毛も黒々として、今と比べると全然若い!でもまだまだこの頃の気持ちを持って、診療に当たっています。
京都に帰ってきたころと比べると、自分で言うのも変ですが、かなり私自身かなり進化してきたと思います。その進化は、医療だけでなく社会保障を守る取り組みにも係ることで、医療全体を見ることが出来るようになったというところです。
少し医療制度に関してお話したいと思います。
去年の4月に国保の都道府県化が始まりました。このことで、国が医療制度の構造改革として目指してきた、都道府県が主体となった医療費抑制の枠組みはできました。また、7月18日に医療法及び医師法の一部を改正する法律案が国会成立しました。国は医師数、病床数が都道府県の医療費水準の差に関連していると考え、医師数や病床数を国が考える適正な数のするよう求めています。病床数に関しては地域医療構想ですでに適正化する仕組みが作られました。そして、この医療法及び医師法の改正が医師数の適正化に向けての枠組みを作るものだと考えています。
このことへの危機感から、今進められている政策が抱えている問題点を指摘して、提言などを作ったり、要請をしたりしてきました。でも国は次から次へと畳み込むように制度改革を進めています。このスピードにすべてのことに対応できていないのが現状です。どうしても力不足を感じざるを得ません。やはりこのスピードで私たちを飲み込んでいく大きな波に対抗するためには、医療や介護を良くしていこうとする、すべての人たちの連携、繋がりが本当に必要とされていると感じています。そして、医療に関しての様々な改悪を阻止するには、どうしても患者さんをはじめとする国民皆さんを私たちの味方につけ、大きな力となってその波をとどめ、押し返していく必要があります。ただ、医療制度改革に関しては、なかなかその内容、中身が難しく、患者さんや国民に分かりにくいことが多いと思います。それでも何か一つでも共感してもらい、そしてその一点でもいいので、そして必ず、みんなが共通するものがあるはずです。その一点を通じて、今の政治を変えていかなければならないと思います。そして、政治を変えなければ、私たちの求める社会保障、そして社会を実現することはできません。
今、自分を振り返り、今何をしているか?社会保障の充実を求める運動をしている。憲法25条を実現させる運動をしている。でもこのフレーズは、なにか漠然としていて、周りの人たちに訴える力が弱いと感じます。
ではなぜ私が社会保障の充実を求め、憲法25条を実現させる運動に取り組もうとしているのか?やはり、それは目の前にいる患者さんを経済的な理由なくお金のことを気にすることなく治療して治していきたい。またそのことで渡邉医院の職員の生活、そして私自身の生活を守っていきたい。この気持ちがあるからだと思います。
最近は母の認知症はかなり進んできました。段々自分でできることが少なくなってきています。認知症の母とかかわる中で、当初は母を私の世界に引き込もうとしていました。そうすると、「それはダメ、それは違う。」と母の否定ばかりになってしまっていました。考え方を変えて、私が母の世界に入っていくと、母の行動に対して「そうだね。そうしようね。」と肯定的になっていくことに気が付きました。なかなか難しいことだと思います。
でもそんな認知症が進んでいく母とかかわる中で、母と一緒にコンサートに行ったり、ご飯を食べに行ったり、そんなときに見せる母の笑顔はとても素敵です。また小さな子供を見つめている母の優しさにあふれた笑顔、そんな母の笑顔が私は大好きです。そしていつまでもその笑顔を見ていたい。
では今の政治で社会で母の笑顔を見続けることが出来るでしょうか。今のままでは見続けることはできません。とことん働ける間は働かせ、優生思想を振りかざして、生産性のないものはバッサリ切り捨てる。共生社会論を振りかざし、「まずは自分たちで何とかしろ。地域で支えあえ。どうしようもなくなったら最低限の保障を国がする。」そんな自己責任を強いる、そんな政治、社会では到底母の笑顔を見続けることはできません。私の母の笑顔を見続けられる社会にしていくこと、このことがすなわち社会保障の充実、憲法25条を実現させることに繋がっていくのだと思います。
最後に母が教えてくれた素敵な言葉を紹介したいと思います。
「一人で見る夢は夢でしかない。でもみんなで見る夢は現実になる。」
私たちの夢、希望は持ち続け、それに向かって進むこと。そして同じ思いを持つ人たち繋がっていくこと、共に進むことが大切だと感じます。
50代最後の1年。さらなる進化を求めて過ごしていきたいと思います。
輪ゴム結紮法で痛い理由。内痔核と外痔核の見極めが大切

ー内痔核と外痔核の見極めが大切ー
内痔核の治療に当たる際に、とても大事になるのが、どこまでが外痔核でどこからが内痔核かをしっかりと見極めるところにあります。
字が示すように、「肛門の外側にできるのが外痔核で、肛門の内側にできるのが内痔核でしょ!」と思う方が多いと思います。でもこれは間違っています。
内痔核と外痔核は全く違う病気です。特に外痔核を内痔核だと誤って判断して治療をしてしまうと、治っていかないばかりか、治療後の痛みが強くでてしまいます。どこまでが外痔核か、どこからが内痔核かをしっかり診断して、適切に治療していかなければなりません。
外痔核、内痔核をしっかり見極めるためには、まずは肛門の発生を知る必要があります。
ー肛門の発生ー
では肛門の発生、どのようにして肛門が出来るかをお話します。
肛門は、お母さんお腹の中で図に示すように、皮膚(外胚葉)段々めり込んできます。そして腸(内胚葉)が段々伸びてきます。そしてめり込んできた皮膚と、伸びてきた腸がドッキングします。このドッキングした部分が歯状線と呼ばれる部分です。このドッキングした歯状線より外側、皮膚(外胚葉)の部分にできた痔核を外側の成分(外胚葉)にできた痔核なので、外痔核。歯状線より奥の直腸粘膜側(内胚葉)の部分にできた痔核を内側の成分(内胚葉)にできた痔核なので内痔核と言います。このように肛門の外側にできたのが外痔核、内側にできたものを内痔核というわけではありません。この点をしっかり理解していなければ、外痔核と内痔核をしっかり見極めることはできません。
では、外痔核と内痔核をしっかり診断して治療に当たらないといけない理由ですが、外痔核、と内痔核は全く違う病気で、それぞれの治療法が違うことは言うまではありませんが、外痔核の部分は痛みを感じる、痛覚のある部分で、内痔核の部分は痛みを感じない、痛覚のない部分です。したがって外痔核を内痔核と誤って治療をすると、内痔核だから痛くないと思って治療したら、強い痛みを伴ってしまうことになってしまいます。
ー輪ゴム結紮法で痛みが出る理由ー
内痔核の治療方法に輪ゴム結紮法という方法があります。内痔核の治療方法ですので、輪ゴム結紮をしても本来は痛みを伴わないはずです。しかし、外痔核を内痔核と間違った判断をして輪ゴム結紮をしてしまったり、一部外痔核部分、肛門上皮に輪ゴムをかけてしまうと、痛みが伴ってしまいます。また、外痔核成分に輪ゴムがかかって、壊死脱落した際に、肛門上皮に潰瘍を形成して、裂肛のようになり、いつまでたっても痛みが治まらなかったり、場合によっては痛みがどんどん強くなってしまうこともあります。また潰瘍の外側が腫れてきてその部分にも痛みが出てくることがあります。そういった場合は再度手術が必要になってしまうことがあります。このように内痔核の治療方法を外痔核に対して行ってしまうと、痛みがともなうだけでなく、再度手術などの治療が必要になってしまいます。
ー痔核硬化療法で痛みが出る理由ー
同じように、内痔核の治療法に痔核硬化療法があります。痔核硬化療法には2種類あります。一つはパオスクレーといって5%フェノール・アーモンドオイルを用いたものと、ジオンといって硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸水溶液を用いたものとがあります。いずれも内痔核の治療に使う痔核硬化剤です。これも先ほどの輪ゴム結紮法と同様に、内痔核ではなく外痔核に痔核硬化剤を局注すると、激しい痛みを伴い、治っていきません。また内痔核に局注した痔核硬化剤が肛門上皮にまで広がっていくと、これもまた強い痛みが伴います。
ー内痔核・外痔核を見極めるには臨床の経験が必要ー
このように外痔核、内痔核をしっかり見極め適切に治療していくことが重要となってきます。また、知識として外痔核、内痔核の違いを知っていても、実際の診療にあたってどこまでが外痔核か、どこからが内痔核か。そして歯状線はどの部分かを見極める臨床の経験が必要となってきます。そして、痛みが出た場合は、その理由をしっかり検証し、そして修正していく必要があります。その意味でも、目の前にいる患者さんを一人一人しっかり治していくことが大切ですし、医師は常に謙虚でなければならないと思います。