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2018.11.12

「血栓性外痔核926例と皮垂1784例の 発生部位に関しての類似点と相違点の検討」第73回日本大腸肛門病学会総会

 11月9日、10日の二日間にかけて、東京の新宿で第73回日本大腸肛門病学会が開催されました。
この二日間、渡邉医院を休診にさせていただいて、発表してきました。9日の金曜日の午前中の発表でしたので、8日の木曜日の夜に東京に行ってきました。
 今回の発表内容は、「血栓性外痔核926例と皮垂1784例の発生部位に関しての類似点と相違点の検討」という演題名で発表してきました。以前、学会で血栓性外痔核や皮垂に関して報告してきましたが、その時フッと血栓性外痔核と皮垂の発生部位に類似点があるのではと思い、それぞれの発生部位に関して検討してみました。
 皮垂の発生に関しては、やはり血栓性外痔核が関与しているのではないかというのが、私の結論です。
 例えば、内痔核にみられる皮垂ですが、手術をしなければならない内痔核でも皮垂を伴わない場合があります。
 これまでは、内痔核が腫脹することで皮垂が出来るのではと思っていましたが、それでは手術をしなければならないほどの内痔核に皮垂が伴わない場合はどうしてか、ということになります。
 おそらく、痛みなどの症状が出ない程度の小血栓が出来たり吸収されたりを繰り返すことで、皮垂が出来てくるのだと考えます。また裂肛にみられる皮垂も、皮膚のしわとしての皮垂もあれば、ポリープ状に硬くなった皮垂もあります。これらの発生にも違いがあるのだと思います。しわのような皮垂は、やはり小血栓が出来たり吸収されることでできた皮垂であり、ポリープ状の硬い皮垂は裂肛部分の炎症などが繰り返しての皮垂ではないかと考えています。このことは、裂肛で来られた患者さんを診察してみると、裂肛の部分に小血栓を伴っている患者さんがいます。このようなことを考えると、小血栓の発生が皮垂と深く関わっていると思います。したがって、血栓性外痔核と皮垂の発生部位に類似点があるのだと思います。
 では、今回の発表で使ったパワーポイントを発表原稿に合わせて紹介します。

血栓性外痔核926例と皮垂1784例の発生部位に関しての類似点と相違点の検討」

スライド1
今回は、血栓性外痔核926例と皮垂1784例の発生部位に関しての類似点と相違点の検討について報告します。

 スライド2
さて、今回の検討のきっかけとなったのは、以前、血栓性外痔核や皮垂に関して学会で発表してきましたが、これらの発表を通じて、「うん?なにか血栓性外痔核と皮垂の発生部位に類似点があるのではないかな?」と思ったことです。そこで、今回、当院で経験した血栓性外痔核と皮垂の発生部位に関して、特に手術症例でその類似点と相違点について検討したので報告します。
対象ですが、H72月からH303月までに手術を施行した血栓性外痔核926例、血栓の数では982ヶ所、それと皮垂1784例、皮垂の数では2599ヶ所を対象として検討しました。

 スライド3
検討項目は、血栓性外痔核及び皮垂の発生部位をパワーポイントに示すように、前後左右に分けて、それぞれの男女差、また発生部位の類似点や相違点を検討しました。

 スライド4
結果ですが、まずは血栓性外痔核の発生部位をみてみると、男性では前方が42例(8.5%)、後方221例(44.6%)、左方217例(43.7%)、右方16例(3.2%)でした。
女性では、前方が90例(18.5%)、後方220例(45.3%)、左方173例(35.6%)、右方3例(0.6%)でした。
血栓性外痔核では男女とも左方及び後方の発生が多く、左方と後方をあわせると、男性では88.3%、女性では80.9%を占めました。

 スライド5
次に皮垂の発生部位をみてみると、男性では前方が164例(29.3%)、後方325例(58.1%)、左方54例(9.7%)、右方16例(2.9%)でした。
女性では前方が928例(45.5%)、後方882例(43.2%)、左方182例(8.9%)、右方48例(2.4%)でした。
皮垂では男女とも前方及び後方の発生が多く、前方と後方をあわせると、男性では87.4%、女性では88.7%を占めました。

 スライド6
次に、男性において、血栓性外痔核と皮垂の発生部位を比較すると、いずれも右方の発生頻度が低く、血栓性外痔核では16例(3.2%)、皮垂では16例(2.9%)でした。

 スライド7
女性においても男性と同様に血栓性外痔核も皮垂も右方の発生頻度が低く、血栓性外痔核では3例(0.6%)、皮垂では48例(2.4%)でした。

 スライド8
とめですが、血栓性外痔核では男女とも左方及び後方の発生が多く、左方と後方とをあわせると、男性も女性も、いずれも80%以上を占めました。このことは、内痔核の好発部位の3時と7時に血栓性外痔核ができやすい傾向があるのだと思われます。また男性も女性、いずれも右方の発生率が低く、男性3.2%、女性0.6%でした。このことは、内痔核の好発部位が含まれていないからと思われます。また、男性と比較して女性で前方に血栓性外痔核が多い傾向にあるのは、前方は裂肛の好発部位の一つであり、女性では男性と比較して裂肛が多いことも一因であると考えます。
皮垂では男女とも前方及び後方の発生が多く、前方と後方をあわせると男性も女性も、ともに90%近く占めました。これは内痔核の発生部位である7時、11時、そして裂肛の好発部位である6時と12時が含まれているからだと考えます。また皮垂においても右方の発生が、男性、女性とも発生頻度低く、男性で2.9%、女性では2.4%でした。

スライド9
以上、これらのことを考えると、血栓性外痔核も皮垂も、その発生部位は内痔核の発生に関連する上直腸動脈の走行や、裂肛による血管損傷による血腫形成や小血栓の発生などが関連しているのではないかと考えます。また、外痔核の成因やその病態についての論文報告をみてみると、次のように書かれていました。肛門部の静脈叢において、怒責、硬便、頻回の排便などの物理的な圧力によって自覚症状が出ない程度の小血栓の発生と吸収が繰り返され、その膨隆と委縮の積み重ねにより血管壁の脆弱化、静脈の拡張、慢性炎症、支持組織の過伸展、線維化、上皮の肥厚などが進行していく。そして、歯状線遠位側において急性血栓症を主にしたものは血栓性外痔核となり、上皮の肥厚と線維化を主としたものは皮垂に、静脈瘤の拡張・膨隆を主としたものは静脈瘤性外痔核の臨床像をとるとされています。このことからも、血栓性外痔核と皮垂の発生の原因は同じであると考えると、内痔核や裂肛などの肛門疾患の発生部位に血栓性外痔核や皮垂が発生しやすいのではないかと考えます。

抄録

当院で経験した血栓性外痔核と皮垂の発生部位に関して類似点及び相違点に関して検討した。【対象】H72月からH303月までに手術を施行した血栓性外痔核926例、皮垂1784例。【検討項目】血栓性外痔核及び皮垂の発生部位を前後左右に分け、それぞれの男女差及び、発生部位の類似点、相違点を検討した。【結果】血栓性外痔核は、男性は前方42例(8.5%)、後方221例(44.6%)、左方217例(43.7%)、右方16例(3.2%)。女性は前方90例(18.5%)、後方220例(45.3%)、左方173例(35.6%)、右方3例(0.6%)であった。皮垂は、男性は前方164例(29.3%)、後方325例(58.1%)、左方54例(9.7%)、右方16例(2.9%)。女性は前方928例(45.5%)、後方882例(43.2%)、左方182例(8.9%)、右方48例(2.4%)であった。【考察】血栓性外痔核では男女とも左方及び後方の発生が多く、左方及び後方で、男性88.3%、女性80.9%を占めた。これは、内痔核の好発部位の3時と7時に血栓性外痔核ができやすい傾向があると思われる。また男女とも右方の発生率が男性3.2%、女性0.6%と発生頻度が低かった。これは内痔核の好発部位が含まれていないからと思われる。また、男性と比較して女性で前方が多い傾向は、前方は裂肛の好発部位の一つであり、女性では男性と比較して裂肛が多いことも一因であると考える。皮垂では男女とも前方及び後方の発生が多く、男性では87.4%、女性では88.7%を占めた。これは内痔核の発生部位である7時、11時と、裂肛の好発部位である6時と12時が含まれているからだと考える。また皮垂においても右方の発生が、男性2.9%、女性2.4%といずれも発生頻度低かった。これらのことを考えると、血栓性外痔核も皮垂の発生には、内痔核の発生に関連する上直腸動脈の走行や、裂肛による血管損傷による血腫形成や小血栓の発生なども関連しているのではないかと考える。また肛門部の静脈叢において、怒責、硬便、頻回の排便等の物理的圧力によって、血栓性外痔核の発生や自覚症状が出ない程度の小血栓の発生と吸収が繰り返して、皮垂へと進んでいくと考えると、内痔核や裂肛などの肛門疾患の発生部位に血栓性外痔核や皮垂が発生しやすいのではないかと考える。

2018.11.04

水彩色鉛筆

以前、私が描いた油絵を紹介しました。大学の美術部にいたときに描いた油絵や、医者になって個展を開こうと思い立って、描いた油絵などを紹介しました。
京都に帰ってきて、なかなか油絵までは描けていません。油絵を描く習慣があれば何ともないんだと思いますが、なかなか、準備をしたり、油絵を溶くオイルのにおいなど、「油絵を描こう!」とすると、チョット決心がいります。
でも久しぶりに絵を描いてみたいなと、画材コーナーに行ったときに見つけたのが、「水彩色鉛筆」です。
見た目は色鉛筆なのですが、色を塗ったあと、水を含ませた筆でなぞると水彩がのようになります。グラデーションを出せたり。水彩画に近い絵を描くことが出来ます。
渡邉医院の玄関前の通り庭のハナミズキの葉が色付いてきました。以前このハナミズキの色付いた葉の絵を、この水彩絵の具で描いたことがあります。その絵を下書きから紹介したいと思います。
今回、下書きは、ボールペンで描きました。全体の輪郭を描いた後に、細かく細部まで描いていきます。結構、このボールペンだけでも一つのペンがとして十分かなと思うくらいに描きました。その後、次に水彩色鉛筆で色を付けていくのですが、私は薄い色から塗っていきます。まずは黄色から。
次は、橙色、そして赤と塗っていきます。また緑のところも残っているので、緑色を。この時も黄緑色から濃い緑をと塗っていきます。
全部塗り終わった後に、水で濡らした筆を使ってグラデーションを作っていきます。色鉛筆である程度しっかり塗っても水を含ませた筆で絵をなぞると、きれいなグラデーションができ、水彩画風になっていきます。
こんな感じで出来上がりです。
もう一つ花の絵も紹介しますね。
この花は、毎週月曜日に診療所の近くに集花園さんというお花屋さんが花を活けにきて下さいます。毎週新しい花で、私たちを癒していただいています。その集花園さんが活けてくださった花を描いてみました。要領は一緒で、まずはボールペンで下書きをしっかり描いて、その後水彩色鉛筆で色を付けていきます。その後に水を含ませた筆でグラデーションをつけていきます。
下書きはボールペンでしっかりかきます。
後、2作品。花の絵と猫の絵も描いてみました。
こんな感じで、たまには絵を描いています。絵を描いているときは、なにも考えることなく、絵を描くことに集中して、日常の生活や診療とは全く違った時間を持つことができて、とても有意義な時間です。気分転換にもなりますしね!
なかなか水彩色鉛筆、面白いですよ。興味がある方はぜひ使ってみてくださいね。

2018.11.04

「11月の献立」を紹介します。

11月に入ってグッと冷え込んできました。昨日の文化の日はとても良い天気でした。私は丸山公園の野外音楽堂で開催された憲法集会に参加してきました。今週は少し暖かくなるようですが、風邪などひかないようにしてくださいね。
休日も入院している患者さんや、手術をしたばかりの患者さんの具合を診に診療所に行くのですが、その帰り道、鴨川を通って帰ってきました。まだまだ紅葉には早いようです。鴨川の桜の木が赤く紅葉すると、とてもきれいです。渡邉医院の玄関前の通り庭にあるハナミズキは、ずいぶん色付いてきました。赤や黄色に彩られる景色。楽しみですね。
さて11月最後のレシピは「11月の献立」のレシピです。
11月に紹介したレシピを使ってので献立です。土鍋ご飯の炊き方も紹介しますね。
土鍋で炊いたご飯のおこげの部分。香ばしくて美味しいですよね。11月のレシピのおかずでアツアツの白ご飯。いい感じだと思います。
献立は、「かぶら蒸」、「牛肉とごぼうのしぐれ煮」、そして「春菊のサラダ」と春菊を使ってのお味噌汁です。

11月の献立
1人分850kcal たんぱく質45g

「土鍋ご飯」

材料(2合分)
 米   2合
 水  360㏄ 水の量はお好みで調整してください

作り方
①   ボールに米を入れ、水を入れ、すぐ水を切る。
②      軽く混ぜて水を入れて水を切る。2回繰り返す。
③   水につける。最低30分。米が白くなるまで。
④   土鍋に水を切った米と、米のカップで2杯(360㏄)の水を入れ、ふたをして中火にかける。
⑤   約10分で沸騰する。沸騰したら弱火にして約15分。ぱちぱち音がしたら中火にし10秒で火を消す。
⑥   10分蒸らす。
⑦   ふたを取り、やさしく上下を返すように混ぜる。
*土鍋の外側が濡れて火にかけると割れる恐れがあります。

管理栄養士さんから一言
11月24日は『和食の日』だそうです。
秋の深まりにだしをとって土鍋でご飯を炊いてゆっくり過ごすのも素敵だと思います。
他の献立は手軽に作れて材料を使いきれるものを合わせてみました。

 


2018.11.04

「かぶら蒸」のレシピを紹介します。

今回は、「かぶら蒸」のレシピを紹介します。
「かぶら蒸」と聞くと、なかなか和食料理屋さんでしか食べないイメージがあります。家で食べることはあまりないのではと思います。作るのに、すごく手間がかかるような印象があります。
かぶら蒸のお椀の蓋を開けたときのゆずの香り。かぶら蒸の食感。美味しいですよね。
「かぶら蒸」、だしがとっても大事なんだろうなって思います。11月のレシピで紹介した「基本の一番だし」を使って、ぜひ作ってみてください。料亭の味にせまれるでしょうか?
では「かぶら蒸」のレシピを紹介しますね。

「かぶら蒸」

1人分 150kcal たんぱく質20g

材料(2人分)
蕪(中)       1個
卵白         1個分
塩          少々
鯛など        1切れ
エビ         2尾
ゆずの皮、柚子胡椒
銀あん(一番出し、塩、薄口しょうゆ、片栗粉)

作り方

①   鯛、エビは一口大にしレンジでチンして火を通しておく。
②   かぶの葉はさっとゆでる。白いほうは皮をむきすりおろして軽く水気をきる。
③   卵白は少量の塩を入れ、つのが立つまで泡立てる。2と混ぜる。
④   小鉢に①を入れ③をかけて600Wで3~5分電子レンジでチンする。
⑤   だしに味をつけ片栗粉でとろみをつけて銀あんを作る。
⑥   盛り付ける器に④を入れ⑤をかけてゆず皮・かぶの葉・柚子胡椒を盛り付ける
*中に入れる具はカレイやタラ、鶏肉、ツナなども合います。

《即席漬け 2種》
◇かぶの皮を千切りにし塩もみして水気を切り、砂糖・柚子のしぼり汁・鷹の爪を混ぜる。
◇さっとゆでたかぶの葉をしっかりしぼり、昆布茶でもむ。

管理栄養士さんから一言
かぶの栄養
かぶは根の白い部分よりも葉のほうにカロテン・ビタミンC・K・鉄・カルシウムなど
たくさんの栄養は含まれています。

 

2018.11.04

「春菊のサラダ」のレシピを紹介します。

今回は、「春菊のサラダ」のレシピを紹介します。
春菊ってなかなかサラダでは食べないな~と思っていました。春菊だと、お浸しやお鍋の時の具を直ぐに思い出します。お鍋は別として、春菊をもりもりサラダで食べるっていう印象はありませんでした。春菊をサラダとして食べたらどんな感じなんだろうと、興味を惹かれます。
後で管理栄養士さんの一言で紹介しますが、春菊っていろんな栄養素を持っているんだな~と思いました。栄養素が熱に弱いということなので、サラダとして生で食べたほうがいいのかなと思いました。
では、「春菊のサラダ」のレシピを紹介しますね。

「春菊のサラダ」

1人分 6kcal 食物繊維 3g
材料(2人分)
春菊(やわらかい葉) 60g
ベビーリーフ     60g
ごま油       小さじ2
ポン酢       大さじ1

作り方
①   器にベビーリーフと春菊を生のまま入れる。
②   フライパンでごま油を熱し、1にかける。
*熱したごま油をかけることで苦みが抑えられ、香りがよくなります。
③   ポン酢をかけてよく混ぜる。

《もう1品 お味噌汁》
だしがらのかつお節をごま油で炒め、春菊の硬い部分とお味噌汁にする。

管理栄養士さんから一言
春菊の栄養
春菊は免疫を高め粘膜・皮膚・髪・目の健康に役立つカロテンが豊富な緑黄色野菜で
ビタミンKや葉酸も多く、カルシウム・マグネシウム・鉄・リンなどのミネラルは
骨の形成に必要な栄養素で、カリウムは高血圧・むくみに、独特の香り成分は咳を抑えるなど
たくさんの効果があります。熱に弱い成分もあり生食もできます。

 

 

2018.11.04

「牛肉とごぼうのしぐれ煮」のレシピを紹介します。

今日は「牛肉とごぼうのしぐれ煮」のレシピを紹介します。
牛肉とごぼうってあいますよね!牛肉をごぼうと一緒に甘く煮て、白いご飯で食べる。美味しいです。お酒のつまみにもなりますよね。鷹の爪を入れて少しピリ辛にするのもいいかなと思います。
「ごぼう」と聞いて今直ぐに頭に浮かんだのが、昔、お正月のお節料理を作る手伝いで、ごぼうの笹がきが私の役割だったことをフッと思い出しました。渡邉家の元旦のお雑炊は、丸餅に鶏肉と笹がきしたごぼうのお澄ましでした。その家その家で、元旦のお雑煮の具は決まっていると思います。どんなお雑煮でしょうか?
 さて、「牛肉とごぼうのしぐれ煮」のレシピを紹介しますね。

「牛肉とごぼうのしぐれ煮」

1食分   80kcal 食物繊維 1.4g

材料(作りやすい量)
牛肉(こま切れ)  150g
ごぼう(ささがき) 100g
昆布(だしがら)  100g
生姜         1かけ
しょうゆ   大さじ1と1/3 
酒         大さじ1
みりん       大さじ1
砂糖       大さじ1/2

作り方

①   フライパンにごま油を入れ牛肉を炒める。しょうゆ・砂糖を入れ、
  肉に火が通ったら肉だけ取り出す(汁は残しておく)。
②   ごぼうと昆布と生姜と酒を入れ蒸し煮にする(必要に応じて水を足す)。
③   1の肉を戻し、みりんを入れてつやを出す。

《アレンジ例 だし茶漬け》
ご飯にのせてすまし汁に味付けしただしをかけてもおいしいです。

管理栄養士さんからの一言
ごぼうの栄養
ごぼうは食物繊維が多く水溶性と不溶性の両方がバランスよく含まれています。
便秘解消や大腸がんの予防、血糖値を下げる、コレステロールをさげるなどの効果が期待できます。
またアミノ酸の1種のアルギニンやミネラルも豊富に含まれています。

 

2018.10.28

「基本の一番だし」のレシピを紹介します。

今回は、「基本の一番だし」のレシピを紹介します。
 なんでも基本は大事ですよね。私も外科の医局に入って、毎日糸結びの練習をしていました。手術が終わって、余った糸をもらって練習をしました。同級生もみな同じで、医局の部屋の中や、いろんなところに糸結びの練習をした跡の何回も結ばれた糸がぶら下がっていたものです。糸結びにもいろんな結び方があります。手術の場面場面で、最も適した結び方で血管を縛ったり、縫合したりしていきます。糸結びの美しさが大事だなと思っています。糸を結ぶ美しさの中には、的確な糸結び、無駄のなさが表れていると思います。
 肛門科になっても、肛門の手術の基本となる内痔核に対しての痔核根治術がしっかりと、的確に行えることが、肛門科医の基本だと思っています。
 さて、今回は「基本の一番だし」。試してみてくださいね。

「基本の一番だし」

材料(1ℓ)

昆布        10g
かつお節      20g
水          1ℓ

作り方
①    水1リットルに昆布10gを入れる。火にかけ約65℃で1時間加熱する。
  約65℃=昆布の周りに細かい泡がついている状態
②    昆布を引き、約85℃に温度を上げ、火を止め、かつお節を入れる。
  約85℃=なべ底に小さい泡がついている状態
③    静かに沈ませ、30秒触らずに待ち、ざるでこす。
④    しぼらずに自然に落ちるのを待つ。

*あくまでもいろいろなだしの取り方の一例です。これでなければというものではありませんが、
今、おいしいといわれているだしの取り方です。
*時間がないときは前日から水に昆布をつけた水だし昆布だしも便利です。
*煮物などは2番だしも使えます。だしがらは佃煮や食材として使えます。

管理栄養士さんから一言
今回のだしには、グルタミン酸、イノシン酸といったうまみ成分が含まれています。
うまみ成分を含む食材は他にもたくさんあり、組み合わせて使うとよりおいしくなります。
英語でも「UMAMI」です。

 

2018.10.28

「亥の子餅」のレシピを紹介します。

 11月は「和食月間」をテーマにレシピを紹介していきます。
 今回は「亥の子餅」のレシピを紹介します。
後で管理栄養士さんからの一言でも紹介しますが、私は「亥の子」という行事があることを初めて知りました。少し「亥の子」に関して調べたことを紹介します。
 日本には、昔から地方によっていろいろな行事ごとがあります。「亥の子」もそんな行事に一つだそうです。
 「亥の子」は、亥の月の最初の亥の日のことで、その日に行われる行事のことを言います。
 十二支を旧暦の月に当てはめると、1月は寅、2月は卯、3月は辰という具合に当てはめていくと、旧暦の10月が亥になります。「亥の月」は旧暦の10月、現在は11月が亥の月になります。その11月の最初の亥の日が「亥の子」となるそうで、今年は11月3日の土曜日がその日に当たります。
 「亥の子」の由来は中国の「亥子祝」と言われていて、亥の月の亥の日、そして亥の刻(21時から23時にあたるそうで)に穀物を混ぜ込んだ餅を食べると病気にならないという風習があったそうで、無病息災を願う儀式だったそうです。
 また、イノシシは子供をたくさん産むこともあって、子孫繁栄を願う意味もあったようです。
 日本には「亥の子」は平安時代に伝わり、最初は宮中での行事であったものが、収穫時期の収穫のお祭りとして庶民にも広がっていったようです。
 今日、紹介する「亥の子餅」はイノシシの子供の形を模していて、昔は田の神様へのお供えとしていたようです。その後、無病息災、子孫繁栄を祈り「亥の子餅」を食べるようになったそうです。

 11月の最初の土曜日です。是非作ってみてくださいね。

「亥の子餅」

1個分   150kcal 食物繊維 3g

材料(作りやすい量)

★白玉粉      80g
★上新粉      40g
★砂糖       40g
★水       230㏄
あん       200g
くるみ       30g
きなこ       適量 
シナモン     少量

作り方
①   ★を深めのどんぶりに入れよく混ぜる。ラップをしてレンジで2分チン。一度出してよく混ぜ、ラップをして1分チン。透明感があり、つやが出るまで1~2回繰り返す。
②   皿にきな粉とシナモンをしき、①を出して冷ましておく。
③   あんにくるみを混ぜ10等分して丸める。
④   10等分し③を包む。
⑤   焼いた金串で筋をつける。(なくてもよい)

管理栄養士さんから一言
亥の子餅
亥の子は亥の月の最初の亥の日のことで、今年は113日になるそうです。
中国の無病息災を願う儀式から始まり、イノシシにあやかって子孫繁栄を願い、
収穫の時期なので収穫祭も兼ね、火の使神から炬燵開きが行われるなど時代によって
さまざまな意味を持って行事が行われ、亥の子餅も食べられているようです。

 

 

 

2018.10.23

痔核根治術後の1%の晩期出血。術後の痛み・出血の管理。

今回は術後710日目の患者さん、そしてそれ以降、治療が終了するまでにお話ししている内容を紹介します。内痔核術後に関しては今回が最後になります。

術後710日目は、痔核根治術を受けた患者さんが一便不安になる時期です。

【出血】

その一つは、術後の晩期出血です。術後の晩期出血は、私が手術を行った患者さんの約1%の方に起きています。他の肛門科の先生方とお話しても大抵どの医療機関でも約1%の頻度で晩期出血が起きています。

晩期出血は以前にもお話しましたが、内痔核の根元の動脈を縛った部分からの動脈性の出血です。どうしても止血処置が必要になります。晩期出血は動脈を縛った糸が自然に取れてきたときに起きるだけではありません。晩期出血が起きて止血処置を行うために麻酔をして、肛門鏡を挿入して出血部位を観察すると動脈を縛った糸がまだ残っているにも関わらず出血していることが多いです。考えられる晩期出血の原因にはいくつかあると思います。一つ目は、内痔核の根元を縛って内痔核を切除しますが、一部残っている部分があります。この部分は根元を縛っているので段々腐って脱落します。この部分に何らかの感染を起こして出血を起こす場合。二つ目は根元を縛ったところが壊死脱落していく際に脱落する傷からの出血。三つめは、明らかに動脈を縛った糸が外れて、その動脈からの出血。このような原因があるのではないかと考えています。一つ目のケースの場合は、基礎に何らかの病気を持っている場合が考えられます。例えば肝機能障害、糖尿病など傷の治りが悪い要素を持っている場合。またある程度の貧血がある場合などです。ですから、術前の検査で貧血のある患者さんや、肝機能障害で治療されている患者さん、そして糖尿病の治療を行っている患者さんに関しては、特にこの術後の晩期出血に関しては注意深く経過を診ていく必要があると思います。

でも、この術後710日が過ぎるとそれ以降ほぼ晩期出血はありません。また、術後710日目までに根元を縛った糸が取れてしまえば、出血を起こす場所がなくなるので、晩期出血の心配はいりません。患者さんにも、「今日で術後10日目です。術後の1%の晩期出血はもうほぼ起きることはありません。でも傷はあるので排便時に血がでたり、当てている綿花に血がついても心配ありません。まだ傷があるので、黄色い汁が綿花についても大丈夫です。術後10日が過ぎ傷が治っていく準備が整いました。これからは一気に傷が治っていく収縮という時期になります。これからは加速度をつけて治っていきます。」と話しています。

【痛み】

次に患者さんが心配されることは、痛みです。

術後710日までは傷が治っていく準備をしている期間です。傷の大きさなどは手術したときとほぼ同じ大きさの傷がまだ残っています。でも確実に傷は治ってきています。

ただ、排便時の痛みが、あまり変わりません。患者さんの不安は、「手術して710日間経ったのにまだ排便するときの痛みがある。大丈夫だろうか?」です。術後710日経ったのに、まだ痛みがある。術後に治り方の説明をしていても心配になるのは当然だと思います。ただ、排便時の痛みは、術後710日過ぎ、「収縮」という時期になると、スッと楽になります。感じとしては、今日も排便時に痛かった。今日も痛かった。今日も痛いんだろうと思って排便すると「あれ?昨日まで排便時に痛かったのに、今日は痛みが全然違う。急に楽になった。」という風に、突然スッと楽になっていきます。そしてこの痛みが取れる時期に個人差や年齢差はありません。

その理由は、内痔核の手術をすると、皆さんほぼ同じ傷の大きさになります。内痔核が大きいから傷が大きくなる。内痔核が小さいから傷が小さくなるではないからです。

内痔核のできる場所は、肛門の外側から23㎝奥の粘膜の部分にできます。ここは痛みを感じる場所ではありません。排便時に痛みを感じるのは肛門の皮膚、肛門上皮にできる傷が排便時に痛みます。内痔核に対して痔核根治術を行う場合、内痔核の根元まで剥離して、内痔核の根元の動脈を縛り切除して、肛門上皮の部分は縫合します。ですから、内痔核が大きくても、小さくてもこの肛門上皮にできる傷は同じです。そしてこの肛門上皮の傷、排便時に痛い傷を早く、具合よく治すために肛門の外側にドレナージという傷を作ります。ですから内痔核大きさに関わらず、ドレナージの傷の大きさは同じです。こういったことから、痔核根治術を行った場合にできる傷はほぼ皆さん一緒で、個人差なく術後34週間で治っていきます。この治る期間も以前お話したように、

傷の治る期間=(X傷の幅×1.19)+3.6日のXにドレナージの傷の幅15㎜を入れると約3週間です。みな同じように治っていきます。ただ、術後710日までの排便時の痛みには差があります。その痛みの差の原因は、一つ目は痔核根治術を行う傷の数です。1か所で済み人、2か所の人、3か所の人の痛みを比較すると、やはり1か所だけで済む人は排便時の痛みは楽です。2か所と3か所の人を比べると、あまり痛みに差がありません。

ですから、1か所ですむか、2か所以上になるかで排便時の痛みには差が出ます。二つ目は、術後に腫れが出るか出ないかです。どうしても術後に肛門の腫れが出てしまうと排便時以外にも痛みがあります。この術後の腫れの有無も痛みには影響します。最後に三つめは、排便の状態です。便が硬かったり、反対に下痢でも排便時の痛みは強いです。柔らかくて形のある便がスッと出る。そうすると排便時の痛みも楽です。こういった要素が術後710日目までの排便時の痛みに関係します。でも、いずれの場合も術後710日を過ぎると排便時の痛みもスッと楽になっていきます。

この710日目までの痛みを管理が重要だと思います。

この時期を過ぎると、次は術後2週間頃の傷を診せに来ていただいています。2週間を過ぎるともう80%程度治っています。まだ傷はありますが、排便時の出血や綿花につく出血汚れもずいぶん少なくなります。また排便時の痛みはこの時期になるとほぼとれ、楽になっています。これ以降困ったことは起きません。そして最後は術後34週間頃、もう治ってしまったところを診せていただいて、治療は終了となります。

これまで何回かに分けて内痔核の対しての出血や痛みなどに関して患者さんにお話ししている内容を紹介してきました。やはり大切なことは、術後710日目までの痛みや出血をどう管理していくかだと思います。傷の状態も大事ですが、不安を感じている患者さんをどう支えていくかが一番大切なことだと思います。この時に役に立つのが、患者さんにお願いしているアンケートです。以前、このアンケートに関しても紹介しましたが、患者さんの声を聴いて、それを整理して検討することで術後の治りを自信を持ってお話することが出来ます。よく父が生前、「目の前の患者さんを一人一人しっかり治していくことが一番大事だ。」と言っていました。その通りだと思います。そのことを通じて多くの患者さんに適切な情報を伝えていくことが出来るのだと思います。

2018.10.21

痔核根治術後を行って2日目以降の出血・痛みの管理について。

 今回は、内痔核に対して痔核根治術を行ったあと、術後2日目以降に患者さんにお話ししていることを紹介します。

出血について

まずは、出血についてです。

手術当日から次の日にかけては、手術をしたばかりなので、傷に充てている綿花につく出血は多いです。でも手術をした次の日からは、同じ傷があっても出血の量はグッと減ってきます。手術したばかりは、綿花には赤く血そのもののが付きますが、傷が落ち着いてくると段々綿花につく汚れ、出血も薄くなってきます。段々綿花につく出血が少なく、そして薄くなってくると、今度は黄色い「膿?」のようなものが綿花につくようになってきます。患者さんはこれを見て、「出血が減ってきたのに、今度は膿が増えてきた。化膿してしまったのかな?」と心配されるようになります。この黄色い膿のような汚れは、化膿したわけではありません。怪我をした時にバンドエイドを貼ると、出血が治まってくると黄色汁のようなものが付くようになりますよね。傷口からの浸出液です。肛門の手術も一緒で、手術をした傷口から浸出液が同じように出てきます。また、内痔核の手術ですので、粘液も少し増えてきます。そしてもう一つは、内痔核の根元を糸で縛って内痔核を切除するのですが、動脈を縛った糸がすぐに取れてしまうと困るので、内痔核の根元の動脈を縛った部分から少し距離をおいて内痔核を切除します。残った部分は根元を縛っているので、段々腐って脱落していきます。この壊死脱落していくものと浸出液、そして粘液が混ざって黄色い「膿?」のような汚れになります。内痔核の根部を縛った残りが脱落して、傷が小さく治っていくにつれて、この汚れは少なくなっていきます。

もう一つ汚れについて患者さんが心配されることがあります。それは排便後、軽く洗浄してトイレットペーパーで軽く拭いて、軟膏を付けた綿花を傷に充てておくと、その綿花に便などの汚れが付くことです。「手術をして肛門が緩んでしまったのかな?」と心配されることもあります。これは肛門が緩んだわけではありません。内痔核の手術ではどうしても肛門の中の皮膚の部分、肛門上皮に傷が出来ます。排便の時にこの肛門上皮の部分にどうしても便が引っかかります。肛門上皮の傷の部分に便が引っかかったままにならないように、肛門の外側にドレナージという傷を作ります。ですから、排便時に肛門の中の肛門上皮に引っかかった便がそのままにならないように、引っかかった便が外に出てくるように、ドレナージがしてくれます。そして外に出てきた汚れを軟膏を塗った綿花が取り除いてくれるといった具合です。ですから軟膏を付ける目的は、傷を治すだけでなく、そういった汚れを取り除くという目的もあります。そういった意味で、12回は軟膏を付けてもらっていますが、それ以外に排便があった場合も軟膏を付けてもらっています。

痛みについて

次に痛みについてです。

手術後、傷や肛門の腫れが出なければ、傷があっても普段は痛くありません。どうしても排便の時は痛みがあります。そして排便後肛門が締まってくる間に痛みがあります。ですから、排便時と排便後しばらく痛みがあります。消炎鎮痛剤は手術後3日間は毎日、毎食後に内服してもらっています。消炎鎮痛剤は文字通り、痛みをとる鎮痛だけでなく、腫れや炎症を取り除く消炎作用もあります。ですから痛みだけでなく、術後の腫れや炎症を抑えるために、痛みがあっても無くても3日間は毎食後内服してもらっています。それ以降は、消炎鎮痛剤の鎮痛だけの目的で、痛みがあるときに我慢せず内服してもらっています。

術後の傷や腫れに関しては、一番有効なのが入浴です。入浴することで術後腫れた場合も、この腫れが弾いてきます。また温まることで肛門の血液の流れもよくなって傷の治りをよくしてくれます。さらに入浴することで、肛門の括約筋の緊張がとれ痛みがある人も「治ったかな。」と思うほど楽になります。痔核根治術後の痛みの原因の一つに、内肛門括約筋が締まることがあります。この内肛門括約筋の緊張をとることでも、痛みは軽減されます。入浴することで傷口から細菌が入って化膿するといったことはありません。反対に血液の流れが良くなり、内肛門括約筋の緊張もとれ、傷の治りをよくするだけでなく、痛みも取り除いてくれます。

こういったこともあって、入浴を始めた後は、消炎鎮痛剤は「痛いときにしっかり飲む。」ようにしてもらっています。

痛みのでる時期は?

ではいつ痛みが出るかです。

一つは排便の時と排便の後です。どうしても排便時に肛門上皮の部分の傷を擦って便が出てきます。したがって、この排便時にはどうしても痛みがあります。また、排便後に内肛門括約筋が締まってきて、このことで排便後に痛みが残ります。まずはこの時には消炎鎮痛剤を内服してもらっています。「このくらいなら大丈夫。」でしたら飲むことはありませんが、「痛むな~。痛み止め飲んだら楽になるかな~、どうしようかな~。」と思った時は迷わず飲んでもらっています。

もう一つは人間は痛みを感じる時間帯があります。日中はそれほど痛みを感じませんが、夜中とか朝方に人間は痛みを感じる時間帯があります。これは肛門の手術だけに限ったわけではありません。痛みを感じる時間帯は特に朝方です。夜中に痛いな~とか、朝方痛いな~と感じた時も消炎鎮痛剤を飲んでもらっています。

このように術後3日目以降は痛みがあるときには我慢をせずに消炎鎮痛剤を飲んでもらっています。排便時や排便後の痛みも術後710日を過ぎるとスッと楽になります。この間の痛みをしっかり取り除くことが大事だと思います。また痛みを我慢することでそれがストレスになります。ストレスがかかることで、血液の流れが悪くなったりして、痛みを我慢することそのものが傷の治りを悪くしていきます。傷を具合よく治していくためにも痛みをしっかり取り除くことが大切です。

排便について

最後に排便です。

手術後3日間の間に一回はすっきり便が出てほしいです。これは、食べたものが消化され吸収され便になるまで、早くて12時間、ゆっくりでも3日です。ですから3日間の間に1回はすっきり便が出てほしいです。どうしても「便をするときに痛いんだろうな~。」とか「便をすると出血するかな~。」と思うと、どうしても便をするのが怖くなります。とてもよくわかります。でもちょっと考えてみてください。便がしたいと感じたときは直腸に便が来ているということです。行きたいのに我慢してしまうと、どうしても傷の近くに便があるままになってしまいます。このことは傷の治りにも影響します。また便が肛門の近くに残ったままになっているだけでも痛みが出ることがあります。怖いかもしれませんが便がしたくなったら頑張って出しましょう。

どうしても便が出にくいときは、緩下剤を飲んでもらいます。また3日経っても便が出なかったり、そこまで便が来ているのに出せないときなどは、グリセリン浣腸をしてすっきり出してもらうこともあります。一回便が出ると、排便時に痛みがあったり、出血があっても、その後は便はちゃんと出るようになります。また緩下剤を飲んだほうが楽にでるようでしたら、しばらく内服を続けてもらい、排便時の痛みや出血がなく、排便が怖くなくなり、具合よく便が出るようになったらやめたりしてもらっています。

便が出るときに出血や痛みがないと、「治った!」と思います、反対に便が出たときに出血や痛みがあると「悪くなった!」と思ってしまうことがあります。でもそれは違います。どうしても便が出るとき、肛門上皮にある傷を擦って出てきます。排便時に痛みや出血があっても不思議ありません。排便時に痛みや出血があっても「傷があるからそうだろうな~。」と思って下さい。決して傷が悪くなったわけではありません。排便時の痛みは術後7~10日を過ぎてくるとスッと楽になります。また出血も傷が落ち着き、治ってくると段々排便時の出血の量や綿花につく出血も減ってきます。一喜一憂しないでくださいね。

これまで話してきたことを患者さんにお話しして、術後の不安を取り除くために術後3日間は診察をさせてもらっています。術後3日が過ぎたら、次は術後710日目に受診してもらっています。ただ、この間に、出血のことや痛みのこと、それ以外にもなにか気になることがあったら、受診してもらうようにお話しています。心配なことがあって、家で悩んでいてもしかたがありません。そういった時は診察に来てもらうと、不安は解決できます。そういった時は迷わず受診してくださいね。

さて、次回は術後710日目に患者さんにお話ししている内容を紹介します。

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