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2018.02.28

痔核根治術後疼痛に対するニトログリセリン軟膏の術前投与の影響ー特に最大肛門静止圧との関連ー(第56回日本大腸肛門病学会)

 内痔核に対して痔核根治術を行う際に、術後の痛みをどう軽くするかが、私たち肛門科にとって大きな課題です。
 術後の痛みの原因には切除する内痔核の個数も影響してきます。切除する内痔核が1か所ですむか、2か所以上になるかでも痛みに違いが出てきます。やはり1かしょの手術ですむと、術後の痛みは楽です。
 もう一つ術後の痛みに大きく影響するのが、内肛門括約筋の緊張の強さです。内肛門括約筋の緊張が強い、つまり、肛門のしまりが強い人ほど術後の痛みが強い傾向にあります。
 したがって、この内肛門括約筋の緊張をいかにとることによって、術後の痛みを軽減することができます。いかに内肛門括約筋の緊張をとることができるかが、大きな課題となってきます。
 内肛門括約筋の緊張をとる方法として、麻酔が終わった後、ストレッチングといって肛門の緊張をとることをします。指で肛門を十分広げて緊張をとったり、肛門鏡を使って肛門を広げ緊張をとってから手術を行っています。
 今回紹介する発表は、内肛門括約筋の緊張をとるためにニトログリセリン軟膏を使用して、ニトログリセリン軟膏を塗ることで、どのくらい内肛門括約筋の緊張がとれるか、またそのことで痛みの軽減につながるかについて検討した内容です。
 結果は、ニトログリセリン軟膏を使うことで、内肛門括約筋の緊張がとれ、痛みが軽減されるという結果です。
 しかし、残念ながら、このニトログリセリン軟膏は生産が中止されているため、今は使うことができません。
 今後、肛門疾患に使うことができるニトログリセリン含有の軟膏が開発され、販売されることを期待しています。

発表内容。

 私達はこれまで、痔核根治術後の疼痛について、術前の最大肛門静止圧が高い症例や、局所麻酔後の最大肛門静止圧が十分に下がらない症例で、痛みが強く出現することを報告してきました。今回、術前にニトログリセリン軟膏を投与することで、最大肛門静止圧を下げ、術後の疼痛を緩和できるのではないかと考えました。そこで、術前にニトログリセリン軟膏を投与し、最大肛門静止圧の変化や、術後の疼痛について比較検討したので報告いたします。
 これまでの最大肛門静止圧と痔核根治術後の疼痛に関してのまとめです。術前最大肛門静止圧と術後疼痛については、「痛くない」で有意に術前の最大肛門静止圧が低く、術前の最大肛門静止圧が100mmHg以上と未満とで比較すると、100mmHg未満で、有意に術後疼痛が軽度でした。また、局所麻酔後の最大肛門静止圧をみると、局所麻酔後に十分に静止圧が下がることで、有意に術後疼痛が軽減されました。
 今回は、平成1211月から平成134月までに0.5%ニトログリセリン軟膏を投与した後に痔核根治術を施行した90例を対象としました。
 方法は術前と、ニトログリセリン軟膏投与後及び局所麻酔後の3点で最大肛門静止圧を測定し、術前とニトログリセリン軟膏投与後の最大肛門静止圧を比較、また術後3時間後の疼痛について比較検討しました。
 まず、術前とニトログリセリン軟膏投与後の最大肛門静止圧を比較すると、ニトログリセリン軟膏を投与することで、有意に最大肛門静止圧の低下を認めました。ニトログリセリン軟膏を投与することで、投与前の約80%まで最大肛門静止圧が低下しました。
 次に、術前の最大肛門静止圧が100mmHg以上と未満との間で、ニトログリセリン軟膏を投与することで、最大肛門静止圧の低下に差があるかをみました。100mmHg以上では、ニトログリセリン軟膏投与後、75.2±20.8%まで最大肛門静止圧が低下するのに対して、100mmHg未満では85.7±17.2%までしか低下せず、100mmHg以上で、有意に最大肛門静止圧の低下を認めました。
 ニトログリセリン軟膏投与後の最大肛門静止圧の低下を100mmHg以上と未満とで比較すると、100mmHg以上の症例で、最大肛門静止圧が低下する症例を有意に多く認めました。
 次に、局所麻酔後の最大肛門静止圧と術後の疼痛についてみてみました。
 これまで私達は、術前の最大肛門静止圧が100mmHg以上の症例で、術後の疼痛が強いことを報告してきました。そこで、100mmHg以上の49例について検討しました。49例中「痛くない」33例、「痛い」11例でした。それぞれの局所麻酔後の最大肛門静止圧は、「痛い」の群で有意に最大肛門静止圧が高い結果がでました。
 そこで、局所麻酔後の最大肛門静止圧が38mmHg以上の症例11例で、ニトログリセリン軟膏投与後の最大肛門静止圧を「痛くない」5例と「痛い」6例で比較すると、「痛くない」群が、有意に最大肛門静止圧が低いことを認めました。
 以上より、ニトログリセリン軟膏を投与することで、最大肛門静止圧を有意に下げることができ、特に今まで私達が報告してきた、術後の疼痛が有意に強く出る100mmHg以上の症例で、より有意に最大肛門静止圧を下げることがわかりました。このことから、ニトログリセリン軟膏を投与することは、痔核根治術後の疼痛を緩和する目的で有効な一つの方法に成りえると考えます。

抄録を紹介します。

抄録

 我々は痔核根治術後の疼痛について術前の最大肛門静止圧が高い(100mmHg以上)症例や、局所麻酔後の最大肛門静止圧が十分に下がらない症例で痛みが強いことを報告してきた。今回は術前に、ニトログリセリン軟膏(以後GTN軟膏)を投与した症例について、最大肛門静止圧の変化や、術後疼痛との関係を比較検討した。
[対象]平成1211月〜平成134月までに痔核根治術を施行し、術前にGTN軟膏を投与した90例(男性51例、女性39例、平均年令52.9才)。
[方法]術前、GTN投与後及び局所麻酔後の最大肛門静止圧を測定。①術前最大肛門静止圧とGTN軟膏投与後最大肛門静止圧とを比較。②術後3時間後の疼痛を「痛くない」、「少し痛い」、「痛い」、「とても痛い」に分類。それぞれの最大肛門静止圧と術後疼痛について比較検討した。
[結果]
 ①術前最大肛門静止圧(110.2±52.2mmHg)とGTN軟膏投与後最大肛門静止圧(90.7±41.1mmHg)との間には有意差(p0.0001)を認めた。
 ②GTN軟膏投与後最大肛門静止圧は術前最大肛門静止圧の79.9±19.8%になった。
 ③術前最大肛門静止圧が100mmHg以上と未満との間でGTN軟膏投与後最大肛門静止圧に差がないかをみると、100mmHg未満の場合、術前最大肛門静止圧の85.7±17.2%であるのに対して、100mmHg以上では75.2±20.8%と有意(p0.05)に内圧が低下した。
 ④術前最大肛門静止圧が100mmHg以上の症例49例で検討すると、「痛くない」33例、「痛い」11例であった。この2群間で局所麻酔後最大肛門静止圧 を比較すると、「痛くない」27.5±13.3mmHg、「痛い」37.5±14.8mmHgとの間で有意差(p0.05)で有意差を認めた。
 ⑤局所麻酔後最大肛門静止圧が38mmHg以上の症例で、GTN投与後最大肛門静止圧を比較すると、「痛くない」84.0±28.8mmHg「痛い」131.7±32.5mmHgと有意差(p0.05)を認めた。
[まとめ]GTN軟膏を投与することで、最大肛門静止圧を有意に下げることができた。また、100mmHg以上の症例で有意に最大肛門静止圧を下げることや、局所麻酔後最大肛門静止圧が高い症例では有意に術前最大肛門静止圧を下げ、痛みを軽減することから、GTN軟膏投与は痔核根治術後疼痛の緩和に有用な可能性があると思われる。

2018.02.27

痔核根治術、術前および治癒時での最大肛門静止圧の比較(第57回日本大腸肛門病学会)

 今回は内痔核に対して痔核根治術を行った際の手術前と治癒時の最大肛門静止圧に関して検討した発表を紹介します。
 最大肛門静止圧は、内肛門括約筋の緊張の度合いを知るために測定します。裂肛などで、排便時に痛みがあると内肛門括約筋の緊張が強くなってきます。
 内痔核に対して痔核根治術を行う際も、術後排便の際の痛みによって内肛門括約筋の緊張が強くなる可能性もあります。また、術前に内肛門括約筋の緊張が強いと、術後の痛みや、排便時の痛みが強い傾向があります。
 内痔核に対して痔核根治術を行う場合も、この内肛門括約筋の緊張を十分にとることで痛みが軽減します。麻酔をした後に十分にストレッチングといって肛門の緊張をとることが、術後の痛みの軽減に有効だと思います。また、術前にあまりにも内肛門括約筋の緊張が強い場合は、痔核根治術を行う際に、内肛門括約筋の緊張をとる手術を一緒に加えることもあります。
 今回は内痔核の手術個数による痛みの程度や治癒時の最大肛門静止圧、治癒時までの期間などを比較検討した発表を紹介します。

発表内容

 内痔核に対して痔核根治術を施行した際に、どの時点で治癒と判断するかについてはとても難しい問題だと思います。傷がふさがった時が治癒ではないと思います。私は一応、排便時の痛みがなくなり、傷がふさがり、患者さん側の症状がなくなって患者さんがすっきりした時点で治癒と判断しています。しかし、一端治癒したと思っても排便の具合などで痛みがでてきたり、場合によっては裂肛様になってしまうことも有ります。また、治癒と判断した時点で器質的な狭窄がなくても肛門の緊張が強いと感じ、実際に最大肛門静止圧が高くなる症例もあります。このことは、術後の疼痛が術後の最大肛門静止圧や創傷治癒に影響があるのではないかと考えました。そこで術後の疼痛の程度が、治癒と判断した時点でどのように最大肛門静止圧に影響を及ぼすかを、比較検討しました。また治癒までの期間の差についても検討しました。
 対象は平成108月から平成14年までに痔核根治術を施行し、術前と治癒と判断した時点でそれぞれ最大肛門静止圧を測定した581例、男性336例、女性245例、平均年令559才としました。
 方法は、術前と治癒時でそれぞれ最大肛門静止圧を測定し、以下の4つの点について検討しました。
 
1)術後3時間後の疼痛の程度を切除個数で、比較。
 2)切除個数で術前と治癒時の最大肛門静止圧を比較。
 3)術前と比較して、治癒時の最大肛門静止圧が低下及び不変群と上昇群の2群に分類し、切除した内痔核の個数でそれぞれの群を比較。
 
4)治癒までの期間の差について比較しました。
 
術後3時間後の疼痛の比較ですが、2箇所と3箇所の間では術後の疼痛には有意差を認めませんでした。1箇所では、2箇所3箇所と比較して有意に術後の疼痛が軽度でした。
 
術前と治癒時の最大肛門静止圧との差をみたスライドですが、2箇所及び3箇所切除した症例では有意に治癒時の最大肛門静止圧が高くなったのに対して、術後の疼痛が軽度であった1箇所切除群では、術前と治癒時との間で最大肛門静止圧に有意差を認めませんでした。
 
治癒時の最大肛門静止圧が低下及び不変群と上昇群とに分けて比較すると、1箇所切除で、2箇所切除より有意に低下及び不変であった症例が多く、3箇所と比較しても、同様の傾向がみられました。2箇所と3箇所では2箇所切除群で上昇した症例が多かったです。
 
これは、治癒と判断して最大肛門静止圧を測定するまでの期間が、低下及び不変群と上昇群との間に差がないかを確認しましたが、両群間に有意差は認めませんでした。
 
手術から治癒までの期間を切除個数で比較すると、やはり術後の疼痛が軽度で、最大肛門静止圧が術前と比較して上昇しなかった1箇所切除群で有意に治癒までの期間が短かったです。
 
以上をまとめると、術後の疼痛が有意に軽度であった1箇所切除群で、術前と治癒時の最大肛門静止圧に有意差はなく、また低下及び不変であった症例を多く認めました。このことも一因で、術後治癒と判断するまでの期間が短かったと考えます。
 最後に、治癒と判断した時点でも術後の疼痛の影響で、内肛門括約筋の緊張がまだ高まった状態が続いていると考え、その後の排便等のコントロールなどのフォローアップが必要だと考えます。また、術後の疼痛を早期より十分に取り除き、術後の内肛門括約筋の緊張が強くならないようにしていくことも術後の創傷治癒を促進させる一つの方法となりえると考えます。

抄録を紹介します。

抄録

 我々は痔核根治術後の創傷治癒に関して、術前および治癒時での最大肛門静止圧とを比較し、術後の疼痛との関連について検討した。 
 【対象】平成108月〜平成142月までに痔核根治術を施行し、術前と治癒と判断した時点の2回で最大肛門静止圧が測定できた581例(男性336例、女性245例、平均年令55.9才)とした。
 
【方法】術前および治癒時での最大肛門静止圧を測定。1)術前と治癒時の最大肛門静止圧を、手術で切除した内痔核の個数(1個所・2個所・3個所)でそれぞれ比較。2)手術個数間で術前、治癒時の最大肛門静止圧を比較。3)術後3時間後の疼痛を「痛くない」、「少し痛い」、「痛い」、「とても痛い」に分類。手術個数との間で比較。
 
【結果】11個所では術前と治癒時の最大肛門静止圧には有意差を認めなかったが、2個所、3個所では術前の最大肛門静止圧がそれぞれ105.6±53.0mmHg100.5±42.0mmHgであるのに対して、治癒時は115.9±52.2mmHg107.7±48.7mmHgとそれぞれ有意に圧の上昇を認めた。(p0.0035p0.02392)術前・治癒時で最大肛門静止圧が高くなった症例と低下もしくは変化のなかった症例についてそれぞれの群で比較すると、1個所で2個所と比較して有意に内圧の低下した症例の割合が高頻度であった。(p0.00013)術後3時間後の疼痛については、2個所3個所と比較して、1個所で有意に痛みが軽度であった。(p0.0018p0.0001) 【まとめ】術後3時間後の疼痛が有意に軽度であった1個所手術の群で治癒時の最大肛門静止圧が術前と比較して有意差を認めなかったのに対して、2個所3個所の群では術前の最大肛門静止圧と比較して治癒時の内圧が有意に高まっていた。このことは治癒と判断した時点においてもまだ術後の疼痛の影響で、内肛門括約筋の緊張が高まった状態が続いているものと考える。以上から、術後の疼痛を早期より十分に取り除き内肛門括約筋の緊張が強くならないようにしていくことが創傷治癒を促進させていく一つの方法となりえると考える。

 

2018.02.27

「糸こんにゃくと明太子の炒り煮」のレシピを紹介します。

今回は「菜の花のからし酢味噌和え」と「糸こんにゃくと明太子の炒り煮」の二つのレシピを紹介します。
今回は二つのレシピに関して管理栄養士さんからのコメントも一緒に紹介します。

「管理栄養士さんからのひとこと」

 毎日の献立を考える際、「あと一品」に困ることってよくありますよね。今回は少ない材料で手軽に作れる副菜を2種類紹介します。
 酢味噌は、味噌:酢:砂糖を2:1:1の割合で合わせるのが黄金比率。少しからしを効かせて大人の味に。栄養豊富でほろ苦い菜の花とよく合います。
 こんにゃくは鈍った腸の動きを活発にし、お通じをよくしてくれます。安価でいつでも手に入るので、常備菜としてどうぞ。

「糸こんにゃくと明太子の炒り煮」

材料(2~3人分) 1人分 60kcal 食物繊維2.0

糸こんにゃく 1袋
明太子   1/2
刻みネギ   適宜
サラダ油  小さじ2
★顆粒だし 小さじ1
★酒    大さじ1
★醤油   小さじ1.5

作り方

① 糸こんにゃくは適当な長さに切り、熱湯で3分茹でてアク抜きをする。
② フライパンに油を熱し、①を炒める。
③ 皮を取った明太子、★の調味料を加え、水分が無くなるまで炒り煮にする。
④刻みネギを散らしたら出来上がり!

2018.02.26

「菜の花のからし酢味噌和え」のレシピを紹介します。

 もうすぐ2月が終わります。1月は長く感じましたが、2月はあっという間の1か月でした。
 なんとなく寒さも和らいできたような感じがします。春が近づいてきたのかなと思います。
 毎週月曜日に花屋さんに花を活けていただいていますが、今日は桃と菜の花でした。

 今回は、「菜の花のからし酢味噌和え」のレシピをご紹介します。
 菜の花は、色々な栄養素がギュッと詰まった優秀な野菜です!特にビタミンC含有量は野菜の中ではトップクラス!花粉症でお悩みの方におすすめです。

「菜の花のからし酢味噌和え」

材料(2~3人分)1人分 44kcal 食物繊維2.8

菜の花   1わ
★味噌  小さじ2
★酢   小さじ1
★砂糖  小さじ1
★からし  適量

作り方
① 塩少々を加えた熱湯で菜の花をさっと茹で、水気を切る。
② ★の調味料を合わせて酢味噌を作る。
③ ①に②をかけたら出来上がり!

 

2018.02.24

裂肛に対して側方皮下内肛門括約筋切開術(LSIS)が最大肛門静止圧に与える影響。(第58回日本大腸肛門病学会)

 裂肛は、排便時の痛みによって内肛門括約筋の緊張が強くなってきます。内肛門括約筋の緊張が強くなることで、排便時の痛みが強くなったり。、排便後の痛みの持続時間が長くなってきます。また内肛門括約筋の緊張が強くなることで、排便時に傷がつきやすくなってしまします。この内肛門括約筋の緊張の程度を知るために最大肛門静止圧を測定します。内肛門括約筋の緊張が強いほど最大肛門静止圧が高くなります。
 裂肛の手術は、この内経文括約筋の緊張を摂って、正常にすることが目的になります。
 今回は、裂肛に対しての手術に、側方皮下内肛門括約筋切開術(LSIS)という手術がありますが、このLSISが最大肛門静止圧に与える影響について検討した発表を紹介します。

発表原稿
 
裂肛に対して、内肛門括約筋の緊張をとり、最大肛門静止圧を下げる目的で、LSISが施行されています。今回、術前の最大肛門静止圧の違いで、LSISがどのように圧の低下に影響を与えるかについて検討しました。
 
対象は、平成109月から平成153月までにLSISを施行し、術前、局所麻酔後、LSIS施行後、治癒時の最大肛門静止圧を測定した154例としました。
 
方法は、術前、局所麻酔後、LSIS施行後、治癒時の最大肛門静止圧を測定。術前の最大肛門静止圧の低い順にA群からD群に分類しました。局所麻酔後、LSIS施行後、治癒時の低下率をそれぞれスライドのように定義して、各群で比較検討しました。
 
局所麻酔後の低下率を比較すると、A群で低下率が有意に少なかった。
 
LSIS施行後の低下率は、有意差を認めませんでした。
 
治癒時の低下率を比較すると、術前の最大肛門静止圧が高い群ほど低下率は大きかった。
 
術前の最大肛門静止圧が高い群で、治癒時の圧の低下が著明です。これに対して、LSIS施行後の最大肛門静止圧の低下には、有意差は認めませんでした。ではどの時点で治癒時の最大肛門静止圧の低下率に差がでたかですが、
 
術前の圧が高い症例では、炎症のために括約筋が硬く器質化した状態で、LSISによって括約筋を切開したことが圧を下げることに影響を与えたのに対して、術前の圧が低い症例では、括約筋の線維化がまだ進んでなく、柔らかい状態で、局所麻酔後の十分なストレッチングが圧の低下に影響を与えたと考えています。したがって同じようにLSISを施行したつもりでも、術前の圧が高い症例では、十分に括約筋が切開されたのに対して、圧の低い症例では、括約筋の切開より、ストレッチングによる括約筋の緊張の緩和が主体となり、必要以上に括約筋を切開せずにすんでいると考えています。そうすると、ストレッチングだけで十分圧が下がれば、括約筋の切開を加えず、十分圧が下がらない場合は、LSISで括約筋を切開する。このように、術中に最大肛門静止圧を測定することもLSISを施行する際の一つの目安となると考えます。 
 LSIS施行後の低下率は有意差を認めず、治癒時の低下率は、術前の最大肛門静止圧が高い群ほど大きかった。これは、術前の圧の違いで、LSISとストレッチングとの内肛門括約筋の緊張の緩和に与える影響が異なるためと考える。

抄録

 裂肛に対して最大肛門静止圧(以下marp)を低下させる目的で、側方皮下内肛門括約筋切開術(以下LSIS)が施行されている。今回我々は、術前のmarpの値の違いで、LSISがどのようにmarpの低下に影響を与えるかについて詳細に検討した。  
 【対象】平成109月〜平成153月までに裂肛に対してLSISを施行し、術前(LSIS施行前)・局所麻酔後・LSIS施行直後・治癒時の4marpを測定した154例(男性50例、女性104例、平均年令41.8才)とした。
 
【方法】術前、局所麻酔後、LSIS施行直後、治癒時の4marpを測定。術前のmarpA群(100mmHg未満)、B群(100-150mmHg未満)、C群(150-200mmHg未満)、D群(200mmHg以上)の4群に分類。術前と治癒時のmarp、局所麻酔後の低下率(100-局所麻酔後marp/術前marp×100%)、LSIS施行後の低下率(100-LSIS施行後marp/局所麻酔後marp×100%)、治癒時の低下率(100-治癒時marp/術前marp×100%)の4項目について比較検討した。手術は局所麻酔下に同一術者が施行した。
 【結果】ABCD、の4群間での比較で、治癒時のmarpはそれぞれ82.2±25.8mmHg100.4±34.8mmHg108.9±34.0mmHg120.9±46.8mmHgで、A群で他の3群と比較して有意に内圧が低かった。(p=0.0264p=0.0023p=0.0026)局所麻酔後の低下率は66.2±18.1%、77.3±12.8%、78.0±11.5%、81.9±12.6%とA群で有意に他の3群より内圧の低下が少なかった。LSIS施行後の低下率は39.6±30.9%、42.4±33.0%、46.8±25.2%、32.1±36.3%と各群間に有意差は認めなかった。治癒時の低下率はそれぞれ-6.2±34.9%、18.1±25.8%、35.5±21.3%、47.2±21.6%と術前のmarpが高いほど有意に内圧が低下した。
 
【まとめ】LSISは、術前のmarpが高い症例ほど有意にmarpを低下させることがわかった。術前のmarpが低い症例では、LSISによる括約筋切開での圧の低下より、むしろ局所麻酔後のストレッチングが、一方高い症例では、LSISによる括約筋切開が治癒時のmarpに影響を及ぼしたのではないかと推察する。

 

2018.02.24

内痔核に対して結紮切除術(LE)施行後の疼痛に関しての、短期入院と長期入院とでの比較検討較検討。(第59回日本大腸肛門病学会)

 内痔核に対して結紮切除術を施行する際に、術後の出血とともに、術後の疼痛管理が重要になってきます。患者さんにとって術後の出血や痛みは手術をうける際の不安の原因にもなります。また日帰り手術を行う際には、医師の目の届かないところでの術後管理が必要になってきます。このような状況のなか、入院での手術が適切なのか、日帰り手術が可能なのかについての判断が重要となってきます。、今回紹介する発表は、この判断の一つの目安として術後の疼痛に着目して、結紮切除術(LE)施行後の疼痛について短期入院と長期入院との間で、消炎鎮痛剤の内服状況や患者アンケートを比較することで検討しました。

発表内容

 内痔核に対して結紮切除術を施行する際に、術後の出血とともに、術後の疼痛管理が重要です。患者側の立場でもこれらのことは手術をうける際や術後の不安の原因にもなります。また日帰り手術が行われる様になり、医師の目の届かないところでの術後管理が必要になってきました。このような状況のなか、入院での手術が適切なのか、日帰り手術が可能なのかについての判断が必要となってきます。そこで、今回我々は、この判断の一つの目安として術後の疼痛に着目して、結紮切除術(LE)施行後の疼痛について短期入院と長期入院との間で、消炎鎮痛剤の内服状況や患者アンケートを比較することで検討しました。
 
対象は、平成155月から平成163月までにLEを施行した101例、男性49例、女性52例、平均年令54.2才で、短期入院は6日間以内、長期入院は7日間以上としました。
 
方法は1)短期入院と長期入院との間で、内痔核の切除個数で治癒までに投与した消炎鎮痛剤の総投与数を比較、2)切除個数間で治癒までに投与した消炎鎮痛剤の総投与数を短期入院と長期入院とでそれぞれ比較、3)患者アンケートで、術後疼痛、排便時の疼痛、排便時痛の消失期間について切除個数間で比較しました。アンケートは最大の痛みを100%として感じた痛みを%で回答していただきました。
 
まず消炎鎮痛剤の総投与数の比較ですが、1箇所、2箇所では有意差は認めませんでしたが、3箇所以上切除で有意に短期入院での消炎鎮痛剤の投与数が多かった。
 
短期入院において、切除個数間で比較すると、切除個数が増えるにしたがって投与数は増え、1箇所切除と比較して、3箇所切除で有意に投与数が多かった。
 
長期入院においても短期入院と同じ傾向があり、1箇所切除と比較して、3箇所以上切除で有意に投与数が多かった。
 消炎鎮痛剤の総投与数では、切除個数が増えると消炎鎮痛剤の投与数が増える傾向にあり、1箇所切除と比較して、3箇所切除で有意に投与数が多かった。また短期入院と長期入院との比較では、3箇所以上切除で有意に短期入院で投与数が多かった。このことから、3箇所以上切除が必要な場合は特に十分に疼痛を緩和する対策が必要であると考えます。
 
治癒までの期間については、短期入院と長期入院では有意差は認めませんでした。切除個数では、切除個数が増えるほど治癒までの期間が長い傾向があり、1箇所切除と比較して3箇所以上切除で有意に治癒までの期間が長かった。
 
治癒までの期間を短期入院と長期入院との間で切除個数で比較すると、短期入院の2箇所切除を除いては、切除個数が増えるにしたがって治癒までの期間が長くなる傾向が有るものの、短期入院と長期入院との間で有意差は認めなかった。
 
治癒期間に関しては当初術後の疼痛が強いほど治癒までの期間が長いのではないか、また、3箇所以上切除では消炎鎮痛剤の投与数が多い短期入院の方が長期入院より、治癒までの期間が長いのではないかと予想していましたが。切除個数に関しては、切除個数が増えるほど治癒までの期間が長い傾向はあり、1箇所切除と比較して、3箇所以上切除で有意に治癒までの期間が長く予想通りでしたが、3箇所以上切除で短期入院と長期入院との間には、治癒までの期間に有意差は認めませんでした。このことは短期入院では疼痛に対しての不安もあり、疼痛以外にもこの不安を取り除くために消炎鎮痛剤の量が増え、このことが逆に疼痛を十分に取り除く事ができ、その結果、治癒までの期間に有意差がでなかったのではないかと考えています。
 
アンケートの結果ですが、は、術後の疼痛に関しては、切除個数が増えると痛みが強い傾向にあり、1箇所切除と比較して、3箇所以上切除で有意に痛みが強かった。
 
排便時の疼痛に関しても同様に、切除個数が増えると痛みが強くなる傾向があり、1箇所切除と比較して、3箇所以上切除で有意に痛みが強かった。
 
排便時痛の消失期間は、切除個数が増えるにつれて長くなる傾向はありますが、統計学的には有意差を認めませんでした。
 
アンケートの結果から、術後の疼痛や排便時痛は、切除個数が増えるほど痛みが強くなる傾向があり、1箇所切除と比較して、3箇所以上切除で有意に痛みが強く、排便時痛の消失期間には有意差は認めませんでした。このことから術後1週間の痛みを、特に3箇所以上切除が必要とする場合は、しっかり緩和する必要があると考えます。
 
以上より、長期入院では術後の手術の痛みが軽減してからの退院であることや、入院中は術後の経過に関しての正しい情報が直ぐに得ることができ、これが安心につながるのに対して、短期入院では術後の疼痛がまだある時点での退院になり、退院後は術後の経過に関する情報が直ぐに得ることができず、不安につながる。このことも消炎鎮痛剤の投与数の差につながった一因と考えています。このことからも、短期入院の場合は退院後も入院での加療と同じような環境を提供する必要があると考えます。  
 そこで、3箇所以上切除の場合は、可能であれば1週間程度の入院加療が、術後の疼痛や不安を取り除く意味で、患者にとって有益であると考えます。また日帰り手術や短期入院の場合には、特に3箇所以上切除の場合、術後の疼痛や不安を十分に取り除き入院での加療と同じような環境を提供する必要があると思います。また術後の疼痛管理については、先取り鎮痛などで早めに十分な鎮痛を行い、消炎鎮痛剤に関しては、副作用については十分注意が必要ですが、疼痛に対しては我慢せず、しかりと内服してもらうよう指導していくことも重要だと考えます。

抄録を紹介します。

抄録

内痔核に対して結紮切除術(LE)施行後の疼痛を、短期入院と長期入院とで比較検討した。
【対象】H155月〜H163月までにLEを施行した101例(男性49例、女性52例、平均年令54.2才)を対象とし、短期入院は6日間以内(31例)、長期入院は7日間以上(70例)とした。
【方法】①内痔核の切除個数(1箇所、2箇所、3箇所以上)で治癒までの消炎鎮痛剤の総投与数を短期入院と長期入院とで比較。また、切除個数間で治癒までの消炎鎮痛剤の総投与数を比較。
なお、治癒期間は診療終了までの期間とし、短期、長期入院において各群間で治癒期間に有意差は認めなかった。②患者アンケートで術後疼痛、排便時痛、排便時痛の消失期間について切除個数間で比較。(最大の疼痛を100%とし、%で回答。)【結果】消炎鎮痛剤の総投与量は、短期入院では、1箇所2箇所3箇所切除の順に27.7±9.8錠、28.3±12.0錠、37.2±6.9錠。長期入院では23.1±8.5錠、27.4±14.5錠、29.3±9.5錠であり、治癒までの消炎鎮痛剤の総投与数は3箇所以上切除群で有意に短期入院で多かった。(p=0.0079)。また、消炎鎮痛剤の総投与数は、1箇所切除群と3箇所切除群との間に有意差を認め、3箇所で多かった。②患者アンケートでは、術後疼痛は1箇所2箇所3箇所切除の順に32.8±28.7%、44.3±25.9%、53.3±28.0%。排便時痛は32.8±18.1%、46.4±27.1%、55.5±30.9%。排便時痛の消失期間は4.8±3.6日、5.4±3.2日、6.0±3.0日であり、術後疼痛は1箇所切除群と3箇所切除群で有意差を認め(p=0.0132)、3箇所で痛みが強く、排便時痛も1箇所切除群と3箇所切除群間に有意差を認め(p=0.0054)、3箇所で痛みが強かった。排便時痛の消失期間は各群間に有意差はなかった。
【まとめ】以上より消炎鎮痛剤の総投与数やアンケート結果から、12箇所切除の場合は、術後疼痛は比較的軽度であり、短期入院や日帰り手術も可能と考える。一方、3箇所以上切除が必要な症例では、術後疼痛を考えると、7日間程度の入院治療が患者にとって有益と思われ、短期入院で行う場合には十分な疼痛緩和が必要であると考える。

 

 

 

2018.02.24

ジオンによる四段階注射法による痔核硬化療法(ALTA療法)の副作用について

 ジオンによる四段階注射法による痔核硬化療法(ALTA療法)という治療方法がでて、内痔核の治療方法は劇的に変わりました。
 今まで手術が必要だった内痔核も、内痔核の性状によってはALTA療法でも治すことができるようになりました。痔核根治術という方法で内痔核を手術で治す場合はどうしても傷ができます。傷の痛みや排便時に傷を擦るときの痛み。そしてどうしても術後の出血などを起こすことがあります。ALTA療法は手術と違い、傷もできず、痛みなく治すことができます。
 でも、すべての内痔核がこのALTA療法で治るわけではありません。オールマイティな万能な痔核根治術と違い、ALTA療法で治療できる内痔核は限定されます。適応を間違えてALTA療法を行うことで、内痔核が治らないばかりでなく、痛みなどの症状がでることがあります。ALTA療法を行うには、しっかりとした内痔核の診断と適応の有無を判断する必要があります。適応を見極め、適切にALTA療法を行うことで、とても楽に内痔核を治していくことができます。
 ただ、適切にALTA療法を行っていても、やはり副作用はでます。今回は、このALTA療法の副作用についてお話します。
 ALTA療法の多い副作用は、血圧低下、除脈、発熱です。
 まずは血圧低下ですが、渡邉医院では現在のところ1.3%の患者さんに血圧低下を認めています。
血圧低下が起きる最も多いのがALTA療法を行っている最中で14例です。ALTA療法を終わった直後にも4例の方が血圧低下を起こしています。ALTA療法が終わって病室に戻られて安静にしている時にも3例の方が血圧低下を起こしています。また、ALTA療法後にトイレに行かれた時にも6人の方が血圧低下を起こしています。ただ、2時間以降に血圧低下を起こした方はいません。次は除脈、脈拍が遅くなる副作用です。
除脈は1.0%の患者さんに起きています。除脈も血圧低下と同じようにALTA療法を行っているときに起きるのが最も多く14例です。また、ALTA療法が終わってトイレに行かれる時にも5人のかたが静脈になっています。除脈も血圧低下と同じように、2時間以降は起きていません。

このように、ALTA療法を行う時に、血圧低下や除脈が起きることがあります。ただ、いずれの副作用もALTA療法特有の副作用とは考えていません。
 肛門の診察をする際に、指で肛門や直腸を触診している時や、肛門鏡を肛門に挿入して診察しているときにも、血圧低下や除脈を起こすことがあります。
 このように血圧低下や除脈は、直腸を刺激することによる神経の反射によっておきるのだと思います。
 渡邉医院ではこのようなALTA療法を行うこ時にとっている対策としては、
①血圧低下や除脈が起きたときに血圧をあげる薬剤や除脈を治す薬剤をすぐに投与できるように血管確保といって点滴をしています。ただ、これまで、血圧低下や除脈を起こしても薬剤を投与しなければならないようなことはありませんでした。
②血圧低下や除脈がすぐにわかるように、自動血圧計やパルオキシメーターを装着して、常時脈拍数や血圧を観察しています。
③副作用が起きたときにすぐに対応できるように、複数のスタッフでALTA療法を行っています。
④ALTA療法が終わった後は、車椅子で病室に戻ってもらいます。また、血圧低下や除脈が起きている2時間までは1回の病室で安静にしていただき、点滴も2時間は行っています。
⑤トイレに行く際は看護職員と一緒に行っていただいています。
⑥ALTA療法施行後、3時間たって医師の診察をうけてから自分の病室に戻ってもらっています。
このような対応を渡邉医院ではしています。次に発熱です。
渡邉医院では4.4%の人が38度以上の発熱をしています。
発熱の時期ですが、ALTA療法を行った次の日と、10日目に多いです。特に10日目に発熱することが多いです。ALTA療法を行ってすぐに熱がでると、直ぐに「これはALTA療法のための発熱だ。」と思ってもらえますが、10日ごろに発熱すると、「どうしたんだろう?何の熱だろう?」と思われると思います。ALTA療法を行って、風もひいていない、のども痛くないのに、昨日までなんともなかったのに急に38度以上の熱が出た場合は、まずはALTA療法の影響と考えてください。なにもしなくても1~2日で熱は下がりますが、原因がわかっていれば、熱を下げた方が楽なので、解熱剤を内服してもらっています。
 このように一過性の発熱は問題ないのですが、なかなか熱が下がらない持続性の発熱の場合は膿瘍の形成なども考えられますので、診察をする必要があります。
 ほかにもALTA療法をおこなった部分の潰瘍形成などもありますが、重篤な副作用はありません。保存的に治療することで、治っていきます。
 でもこのような副作用があることを知っている、知らないでは全然違います。ALTA療法を受けられた後、なにか具合の悪いこと、心配なことがあればすぐに医師に相談することが大事です。
 ALTA療法は痛みがなく、楽に治すことができます。でも、ALTA療法による副作用もあります。
内痔核の診断をしっかり行い、ALTA療法で治る内痔核がどうかを見極めることがまずは一番大切です。そして正く四段階注射法でジオンを内痔核に注射していくこと。そして副作用が出た場合には、適切に対応していくことがとても大事になります。

2018.02.23

「厚揚げのきのこあんかけ~柚子胡椒風味~」のレシピを紹介します。

 今日は「厚揚げのきのこあんかけ~柚子胡椒風味~」のレシピを紹介します。
 便秘を解消するには、食物繊維と十分な水分が必要です。食物繊維は便の量を増やしてくれます。大腸の中にチョットしか便がないと、肛門を十分に動かしてくれません。大腸に量のある便があると、便そのもが大腸を動かしてくれます。でも食物繊維だけだと便秘になってしまいます。便の中に十分な水分が含まれていることも大切です。便の中の水分量が70%だとカチカチの硬い便になります。90%になると下痢になってしまいます。
 便の量を増やす食物繊維をしっかり摂って、そこに十分な水分が含まれることで便秘は解消されていきます。
 食物繊維をしっかり摂るといっても、生野菜はかさは多いですが、食物繊維の量としてはあまり摂ることができません。ですから、「私は生野菜のサラダを食べているから食物繊維は十分摂れている。」ではありません。便の量を増やすには、生野菜を摂るだけでなく、海藻類やきのこ類を摂るのもいいと思います。

「厚揚げのきのこあんかけ~柚子胡椒風味~」

 材料(4人分) 1人分:166kcal 食物繊維 3.0

厚揚げ      2

しめじ・えのき  各1

にんじん     1/2

ねぎ       適宜

だし汁    2カップ

塩      小さじ1/4

みりん    大さじ2

薄口醤油   大さじ2

柚子胡椒   少々

作り方

①   きのこ類は石づきを取り、食べやすい大きさにほぐしておく。にんじんは千切り、ねぎは小口切りにする。
②   厚揚げはキッチンペーパーで包み、電子レンジ600W12分加熱する。4等分に切り分け、器に盛る。
③   鍋にだし汁、塩、みりん、薄口醤油、柚子胡椒を煮立て、にんじん、きのこを煮る。具材に火が通ったら、水溶き片栗粉(片栗粉・水 各大さじ1.5)を加え、とろみをつける。

②に③のあんをかけ、ねぎを散らしたら出来上がり☆

  • ○栄養メモ「大豆の力」○●

厚揚げや豆腐、納豆などの大豆製品は、骨粗しょう症生理痛更年期障害の改善、アンチエイジング(老化防止)に効果があり、女性は特に積極的に摂りたい食材です。たっぷりのきのこは食物繊維を補い、便秘予防美肌作りをサポートします。毎日の食事からキレイと健康を手に入れましょう☆★ 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018.02.18

内痔核の手術後の出血について。

 今回は、少し怖い話ですが、内痔核に対して手術を行った後の出血に関してお話したいと思います。
 内痔核は、その内痔核の程度によっては手術をして治さなければならないことがあります。基本は痔核根治術という手術を行いますが、内痔核の性状や大きさによっては輪ゴム結紮法という方法で治すこともあります。
 でも、いずれの手術でも術後の出血は避けることができないものです。手術ではどうしても傷をつくります。傷口から排便時に出血したりすることはあります。でもほとんどは、心配のいらないものです。ただ、術後の出血のなかでどうしても、もう一度麻酔をして止血処置をしなければならない出血があります。今回はその出血についてお話します。
 内痔核に対して痔核根治術を行ったときに起きる、もう一度麻酔をして止血処置をしなければならない出血には二つあります。
一つ目は、早期出血です。手術して24時間以内に起きる出血のことを言います。
 この出血は起きる場所に大きく2か所あります。一つは内痔核にたいして痔核根治術を行う場合、内痔核を剥離していき、内痔核の根元の動脈を糸で縛って、出血しないようにしてから内痔核を切除します。この内痔核の根元の動脈を縛ったところからの出血です。この場合は、もう一度しっかり麻酔をして、再度出血している部分を糸で縛って止血する必要があります。
 もう一つは、ドレナージといって、肛門の中にできる傷を早く具合よく治すために、肛門の外側に傷を作ります。ここからの出血です。この出血も止血処置が必要ですが、出血している場所のみの麻酔で、バイポーラといって凝固して止血する器械で止血が可能です。
 早期出血は24時間以内に起きる出血ですが、たいていが3時間以内におきます。ですから、術後3時間後には必ず出血がないかどうかを確認しています。3時間までに早期出血がなければしばらく困った出血はおきません。
 もう一つの出血が晩期出血といいます。
 この出血は内痔核の根元を縛った部分から、術後7~10日目ごろにおきます。渡邉医院でもこれまで約1%の頻度ですが、晩期出血があり、止血処置をしています。
 晩期出血は、内痔核の根元を縛ったところからの動脈性の出血です。
 最近は手術後、1泊2日や3泊4日の短期間の入院になっています。ですから、この出血がおきるのは退院した後になります。
 どのような出血かというと、内痔核の根元を縛ったところからの出血です。ですから、出血した血は、直腸の中にだんだん溜まっていきます。直腸に血が溜まってくると、便をしたくなります。「下痢をしたのかな?」と思ってトイレにいくと、下痢状に血の塊が大量に出ます。

これが1回だけでなく、頻回になります。ですから、いつの間にか知らないうちに出血しているということはありませんし、この出血が晩期出血かどうか迷うような出血ではありません。このような出血がおきたときは、時間関係なく、何時でも、いつでもすぐに連絡していただき、診察して、止血処置をします。
 出血の具合や量。また止血処置をした時間帯(夜中など)によってはその日は入院していただくこともあります。
 ただ、晩期出血したからといって、振り出しに戻るというわけではありません。傷はちゃんと7~10日分は治っています。
この晩期出血は、痔核根治術だけでなく、輪ゴム結紮法でも起きる可能性があります。渡邉医院では幸いに今のところ輪ゴム結紮法での晩期出血は経験していません。でも可能性はあるので、輪ゴム結紮法の場合も出血があった場合はすぐに連絡してもらうようにお話しています。
 今回は少し怖い話をしましたが、まずは起きない出血ですが知っておいてもらわないといけないことですのでお話させていただきました。

 

2018.02.18

「ツナと柴漬けのちらし寿司」のレシピを紹介します。

 今回は「ツナと柴漬けのちらし寿司」のレシピを紹介します。
 私にとって1月はとても長く感じましたが、2月はもう残すところ10日。早いものです。寒い日が続いていますが、そろそろ春の気配も。
 3月に入るとひな祭り。今回はツナと柴漬けのちらし寿司です。ぜひ作ってみて下さい。
 またこの季節、そろそろ花粉症に悩まされる季節になりました。私はまだまだなんとなく鼻づまりと、目がしょぼしょぼする程度です。今回は管理栄養士さんから花粉症対策のワンポイントアドバイスもあります。参考にしていただければと思います。

 「ツナと柴漬けのちらし寿司」

材料(3人分) 1人分:588kcal

米      2

すし酢    60ml

ツナ缶    3

柴漬け    50

 きゅうり   1

 卵      2

作り方

①   お米を洗い、水(すし酢の分量だけ減らす)に浸して炊飯する。
②   きゅうりは輪切りにして塩もみし、しんなりしたら水気を絞る。柴漬けは粗めのみじん切りにする。ツナ缶は油をきる。卵は錦糸卵にする。
③   炊き上がったご飯にすし酢を回しかけ、全体を大きくほぐしながら切るように混ぜる。☆うちわであおぎながら混ぜるとツヤがでます。
④   ③にツナ、柴漬け、きゅうりを加えて混ぜる。※飾り用に具を少量残しておく。

④をお皿に盛り、錦糸卵と飾り用の具を盛り付けたら出来上がり🌼

  • 管理栄養士さんからの一言
  • ○花粉症の症状を抑える食事のポイント○●

1.たんぱく質(肉や卵など)はほどほどに:たんぱく質をとり過ぎると、アレルギー症状が出やすくなります
2.野菜や果物をたっぷりと:かゆみや炎症の原因物質を減らす働きがあります
魚や紫蘇には花粉症の症状をやわらげる成分が含まれています。今月は、ツナ缶と柴漬けを使ってこれらを手軽に取れるメニューです!ぜひお試し下さい♪

 

 

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診療時間 日・祝
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※術後の患者さんも緊急対応いたします。
※日曜日・祝日は休診です。
※第3土曜日は休診にさせていただきます。
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