「根菜ごろごろカレー」のレシピを紹介します。

今日は、ふとカレーが食べたくなりました。たぶん、お昼の休憩のときにカレーの料理を紹介していたのを見たからかなと思います。
でもカレーってなんとなく無性に食べたくなる時ってありますよね。そんな時、たまたま家の晩御飯がカレーだとうれしくなってしまいます。お昼時でしたら、コンビニのカレーを買って食べたり。
学生の頃、一人暮らしのアパートで、まずは一番最初に作った料理がカレーだったと思います。
玉ねぎをきつね色になるまでしっかり炒めようと思ったら、真っ黒に焦げてしまい、もう一度玉ねぎを切るところから始めた記憶があります。辛口、甘口など、いろんなルーを混ぜ合わせて自分の味を出したような・・・
カレーにはいろんなものをトッピングします。トウモロコシの季節はトウモロコシを。枝豆の季節は枝豆を。枝豆をたっぷり乗っけるのも美味しいですよ。
さて、今回は「根菜ごろごろカレー」のレシピを紹介します。
「根菜ごろごろカレー」
材料(4~5人分) 1人分:597kcal 食物繊維 2.6g 鶏もも肉 1枚(250g) |
作り方 ① 鶏肉、野菜は大きめの一口大に切る。しめじはほぐしておく。 |
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- 管理栄養士さんから一言
- ○栄養メモ「腸に刺激を」○●
私たちの腸は、食事や運動の刺激によって動きが活発になり、便をすっきりと出せるようになります。食事の量が少なかったり、運動不足の方は、腸の動きが鈍くなっているかもしれません。
食事では、野菜やきのこなど、食物繊維の多い食品を摂りましょう。また、コショウやカレー粉などのスパイス類、炭酸飲料、冷たい飲み物も腸に刺激を与え、スムーズな排便を助けます。
ぜひお試しください☆
当院におけるDay Surgery の検討(第53回日本大腸肛門病学会)

今回は「当院におけるDay Surgeryの検討」についての発表内容を紹介します。
Day Surgeryとは日帰り手術のことです。この発表は今から19年前の発表です。この時期は時代はDay Surgery、日帰り手術が始まりかけたころの発表です。
現在、渡邉医院では基本は1泊2日以上の入院での手術を勧めています。患者さんの置かれた社会的な状況など、例えば小さなお子さんがいる、介護しなければならない方がいる。またご本人に障害があって、入院より自宅での生活が便利など、患者さんの状況にあわせて日帰り手術を行っています。
ただ、痔核根治術、痔瘻根治術、裂肛根治術など、術後の出血や痛みなどを考えると、最低でも1泊2日の入院での治療が患者さん自身も楽だと考えています。事実、日帰り手術を行った患者さんへのアンケートの結果では、「1泊でも入院した方が、やっぱり安心だ。」という結果が多かったです。
どうしても現状の社会状況をみると短期入院、もしくは日帰り手術を患者さんは望まれます。でもやはり手術後の出血や痛み、術後の管理などを考えると1泊以上の入院での加療が望ましいと考えています。
抄録を紹介します。
抄録
当院におけるDay Surgery について、特に内痔核と痔瘻について検討したので報告する。
[対象]H8年1月〜H10年2月までに施行した痔核根治術は730例、うち外来手術266例(36.4%)、痔瘻根治術は176例、うち外来手術73例(41.5%)であり、これらについて入院手術例と比較検討した。またこの期間中に408名に術中術後の疼痛の程度、排便時痛の消失期間についてアンケートをとりこれを集計した。当院での外来手術後の管理は、術後3時間当院で観察後帰宅、以後術後3日間は連日通院、次は約7日目と10日目に受診、以後週1回の割合で通院加療している。
[結果]
外来で痔核根治術を施行した266例中1個所施行したものは160例(60.2%)、2個所は97例(36.5%)、3個所は9例(3.3%)であり、入院ではそれぞれ104例(22.4%)、170例(36.6%)、190例(41%)であった。
外来で痔瘻根治術を施行した73例中6時の痔瘻は43例(59%)であるのに対して入院では39例(37.9%)であった。術後の出血については外来での痔核根治術では、早期出血5例(1.9%)、晩期出血1例(0.4%)。入院ではそれぞれ3例(0.6%)、5例(1.1%)であった。早期出血はドレナージ創からの出血で、全例術後3時間以内であった。晩期出血は術後7〜10日目であった。痔瘻根治術では、出血については早期出血のみで、外来、入院それぞれ3例(4.1%)、4例(3.9%)であった。再発は外来手術で1例認めただけだった。
当院から患者自宅までの距離について検討すると、内痔核では2個所以内では車で約30分以内が全体の83.1%を占め、3個所の場合は全例が約10分以内であった。痔瘻に関しても約30分以内が全体の90.4%を占めた。ただ内痔核1個所と痔瘻に関しては、1時間以上の場所でも外来手術を施行した症例があるが、いずれも交通の便がいい場所に集中していた。
最後にアンケートの集計結果は、術前自分の考えていた痛みを100%として実際の痛みを相対的に%で答えてもらったところ、麻酔、術中、術後の痛みの平均はそれぞれ48.9%、31.5%、44.3%であった。また排便時痛の消失期間の平均は4.9日で、術後10日目までで全体の98.9%が痛みが軽快していた。
[まとめ]1)早期出血は全例3時間以内であり、術後3時間は病院での観察が必要である。2)患者自宅までの距離は30分以内がよいが、2個所までなら1時間以上でも可能と考える。3)麻酔・術中・術後の痛みや、術後排便時痛の消失期間などを適切に患者に伝え、手術についての過度の不安をとる必要がある。術後の創部の処置が、患者本人だけで簡単にできるよう工夫が必要である。以上のことをもとに、さらにDay Surgery の範囲を広げていけると考える。
温水洗浄便座使用時における肛門粘膜下の血流量の変化について(第53回日本大腸肛門病学会)

今回は、「温水洗浄便座使用時における肛門粘膜下の血流量の変化について」の発表内容を紹介します。
以前、「温水洗浄便座の功罪」についてお話しました。温水洗浄便座を使い際は気を付けて使わないと、肛門や直腸に傷をつけたり、洗浄することで直腸内にお水が入って、それがあとから出てきて、肛門が汚れたり、ただれて肛囲皮膚炎になることをお話ししました。
今回の発表内容は、温水で洗浄することで肛門の血流が良くなるという実験内容の紹介です。ただ、温水での洗浄を5分程度すると血流が良くなるというデータです。タンク式の洗浄便座では、ためてある水を温めて洗浄に使います。1分間に1~2ℓの割合で洗浄します。そうすると、1~2分程度で温められた温水が使い切ってしまいます。また、なかなか5分も洗浄しません。こんなことからも、温水洗浄便座はさっと洗って軽くふくという使用方法がいいと思います。
発表内容 抄録
痔核の保存的療法は、局所の血液循環を促進し、循環障害を改善することが重要であるといわれている。今回温水洗浄便座を用いて、温水で肛門を洗浄することによって、肛門粘膜の血流の変化を測定し検討したので報告する。
(対象)痔疾患に罹患せず、常用薬の習慣のない健常成人男性7名を被験者とした。なお下剤の服用及び浣腸等の前処置は行っていない。
(方法)血流はレーザー・ドップラー法を用いて測定した。レーザー光の透過性及び血管の分布は測定部位及び被験者間で異なるため、血流量は相対量で表し、その変化量を比較した。血流量の測定は、プローブを肛門内に挿入装着し洗浄位置を合わせた後、洗浄前の1分間の血流量を測定、その後の10分間は洗浄中の血流量を測定した。最後に洗浄後の1分間における血流量を測定した。これを常温水と温水とで測定して比較した。
(結果)
1)常温水(24.5〜25.0℃)での血流量の変化。常温水では洗浄前後の血流値及び洗浄中の経時的な血流量の変化はほぼ一定、もしくは減少する傾向がみられた。
2)温水での洗浄による血流量の変化。温水(39.5〜40.0℃)を用いて肛門部の洗浄を行ったところ、7例中6例で洗浄前後及び洗浄中の経時的な血流量の増加を認めた。血流量の増加がみられた6例についてみると、洗浄前後の血流量の変化は洗浄前、洗浄後ともに平均血流量の絶対値は大きくばらついているが、相対的な血流量の変化率は平均281.7%であった。また洗浄中の血流量の変化についても、最大血流量の出現時期にはばらつきがみられるが、平均194.9%の変化率であった。またいずれの症例も洗浄開始から3〜4分にかけて血流量の増加を認め、5分後以降ほぼ一定となる傾向にあった。 (まとめ)
1)常温水での洗浄では血流量は変化なかった。
2)温水での洗浄では7例中6例で血流量の増加を認めた。
3)洗浄前後の血流量の変化率は平均281.7%であった。
4)洗浄中の血流量の変化率は平均194.9%であった。
5)血流量の増加を目的とする場合、温水での洗浄を5分以上おこなう必要がある。
以上より、内痔核や裂肛の原因とされている局所循環障害の改善を目的とする保存的療法として、また術後の創傷治癒を促進させる方法として温水洗浄便座による肛門部の洗浄は有用であると考えられる。
「鮭ときのこの塩麹炒め」のレシピを紹介します。

今日は「鮭ときのこの塩麹炒め」のレシピを紹介します。
便秘の解消には食物繊維をとることが必要と言われています。でも食物繊維だけとっていても便はかたくなってしまします。便秘を解消して快便になるには、程よい水分と食物繊維の両方が必要になります。
さて、食物繊維ですが、「私は生野菜のサラダを十分摂っているから大丈夫。」と思っている方がいます。でも生野菜は、量があっても食物繊維の量としてはあまり多くありません。
生野菜より、海藻類やきのこ類の方が便の量を増やしてくれます。便秘の解消には、「生野菜のサラダ」より、「きのこと海藻のサラダ」の方がいいと思います。さらに、便秘の治療に酸化マグネシウムがありますが、この酸化マグネシウムに似たものが、おとふを作るときに使う「にがり」があります。にがりは、塩化マグネシウムです。酸化と塩化が違うだけで、にがりはおとふを固めますが、便は柔らかくします。ですから、便秘の解消には、お塗布と海藻、きのこのサラダがいいと思います。
今回は、そのきのこを使ったレシピを紹介します。
鮭ときのこの塩麹炒め
材料(2人分) 1人分:132kcal 塩分1.1g
生鮭 2切れ
塩麹 大さじ1
サラダ油 適宜
しめじ 1パック
エリンギ 1パック
酒 大さじ1
塩麹 小さじ1
小ねぎ(小口切り) 適宜
作り方
- ①鮭は水気をふき取り、塩麹大さじ1をぬり、冷蔵庫で一晩おく。
- ②きのこは石づきを取り、食べやすい大きさに切りほぐしておく。
- ③フライパンに油をしき、弱めの中火で鮭を焼く(塩麹をぬったまま)。
- ④両面に焼き目がついたら②と酒を入れ、フタをして蒸し焼きにする。
- ⑤塩麹小さじ1を加えて軽く炒めたら器に盛り、ねぎを散らす。
☆失敗しないワンポイント☆
塩麹は焦げやすいので、火加減にご注意ください。フライパンにクッキングシートをしき、その上で調理すると焦げつきが防げます。
- ○栄養メモ○●
肉や魚を塩麹に漬けておくと、旨みが増し、柔らかくジューシーになります。
塩麹は野菜やきのことも相性が良く、「魔法の調味料」とも言われるほど。
塩麹には腸の健康を保つ乳酸菌が多く、便秘、下痢どちらにもオススメです。
3月8日、父の命日を迎えて。

8年前、ちょうど京都府知事選挙のあった年に私の父は亡くなりました。今年も京都府知事選挙の年。毎年この季節になると父のことを思い出します。
父は桜の咲くのを楽しみにしながら逝きました。私にとって桜の咲く時期、こころウキウキするのと同時に、父のことを毎年思い出します。
父が逝き、私がいろんなことを判断するとき、「父はどうしただろう。」と、いつも判断の基準に父がどうしたかがあります。もうそろそろ、自分の判断でものごとを決めた方がいいよと言われることがありますが、まだまだ、そうはいかない自分が今あります。
父が逝ったとき、もっと父がしたかったことがあっただろうと思いましたが、そうではないんだと思いなおしました。父の思いは、すでに私の中に託されている。私自身がやりたいことをやる。そのこと自身が、父がやりたかったことだと。これからも父がどうしようとするか、そして私自身がどうしたいか。そのことを大切にしていきたいと思います。
父が亡くなった時に書いた文章をもう一度読み返してみました。今日はその文章を紹介します。
3月8日に突然、父が他界しました。その日夕方の診療が終って、母と2人で食事をした後、駐車場から自宅までのほんの数10mの道で突然倒れて、そのまま救命センターに運ばれましたが意識が戻ることなく逝きました。
3年前に前立腺の手術を受けた際に、腹部の動脈瘤を指摘されていましたが、父親本人も動脈瘤の手術はしないと決めていました。この動脈瘤が破裂したことが死因でした。あっという間ことだったと思います。
今から16年前に父親が脳梗塞で倒れました。その頃私は東京の日本大学の救命救急センターに勤務していました。まだ携帯電話がなく、ポケベルの時代でした。ある朝いつものように救命救急センターに向かう電車のなかでポケベルがなりました。みると京都の自宅からでした。父親が脳梗塞で倒れたとの連絡でした。私は救急救命センターにその旨を伝え、直ぐに新幹線で京都に帰ってきました。そのまま現在に至っています。
脳梗塞で倒れた父と始めて病院であったとき、何時も救命救急センターで診療にあたっていることが、自分の親に起き、ショックを受けたというよりは、「尿量はどうか?血圧は?脈拍は?意識のレベルは?」などと、良いのか悪いのか、医者の立場で対面している自分がいました。
今回の父の死も、母が「動脈瘤はどうなるの?」と聞かれたとき、「動脈瘤が破裂するとあっという間に死んでしまうよ。」と話をしていました。それが現実のことになりました。
動脈瘤の治療に関しては、その時の父親の体の状態や手術を受けた後の状態を想像すると、手術をして治すよりは今を楽しく生活しているほうが良いのではと思い、父も母も同じ意見でした。手術はしなくてよかったと思います。
脳梗塞で倒れた父も最初の3年ほどは入退院を繰り返しましたが、その後は安定して、元気だった頃にやりたかったことが出来るようになりました。一人で診療を行っていたので、旅行にも行けなかったのがいけるようになり、原水爆禁止世界大会に毎年、広島や長崎に行けるようになりました。死ぬ数日前に焼津のビキニデーにも行くことができました。
自分のやりたかったことが、十分ではなくても出来てうれしかったと思います。
父親が元気だったころは、あまりじっくり話をした記憶はありません。そんななか直ぐに思い出すことが三つあります。
一つ目は、私が高校生のころ膝を怪我して1年あまり杖をついて生活をしたときです。それまでスポーツが好きで毎日クラブ活動と、体育をしに学校に行くような生活を送っていました。そんななか、急に怪我をして好きなスポーツもできずやけになっていたときがありました。ある日、「こんな足ならいらない!」とストーブをけ飛ばした事がありました。そんなとき父が「おまえの痛みや悔しさは俺にはわからない。でもおまえはどうなんだ。おまえのことで悲しんでいる母親の気持ちはわかるのか?!」と。そんな言葉になにも言えませんでした。その頃私は自分のことで精一杯だったんだと思います。
二つ目は、私が医者になってからです。「手術は手先の器用さでするのではない、頭で手術するんだ。」と。肛門の解剖や機能を十分に理解して、そして肛門の病気の原因を十分に理解してその原因を取り除き、そして肛門の機能を失わすことなく頭を使って手術や治療を行えと言うことだったと理解しています。よく、「肛門科は患者さんに嘘をつくことができない。排便の時、何時も使うところだから治ったかどうかは患者さんが一番わかる。患者の訴えをしっかりきけ。」とも言っていました。
三つ目は、父親が脳梗塞で倒れた後、私が診療を引き継いだのですが、1週間もしないうちに患者さんがパッタリこられなくなりました。私はこのまま患者さんがだれも来なくなるのではと焦りました。そんなとき父は、「何を焦っているんだ。診察に来られた患者さん一人一人をしっかり診て、しっかりと治していってあげればそれでいいんだ。」と。
これらのことは医者や医療の本質だと思います。実行していくことは難しいことです。でもこの言葉はいつも私のなかにあります。
私の父は自分のやりたいことを、なんの思惑や計算もなく、自分の好きなようにやってきました。こんな姿が周りの人達に好かれ、人気があったんだと思います。
そんななか、突然の死。もっとやりたかったことや、やり残したことがあったのではと思いました。でも直ぐその考えは変わりました。父親の考えや思い、やりたかったことは、今私の中にあるんだと考えるようになりました。私はこの思いを大切にして、育み、次の世代に引き継いで行こうと思います。
京都府知事選挙の立候補者の応援演説をたのまれました。人前で話すのは苦手な方ですが、父親が元気だったらきっと応援したんだろうと思い、受ける事にし、何回か応援演説をしました。
そんななか、宇治の小学校での応援演説の後、駅までスタッフの方が送って下さいました。少し日が暮れかかっていたこと、桜の花がとても綺麗だったこと、そして、その日の朝、母が「応援演説、おとうさんが生きていても喜んでいるんじゃない。」と言われたこと等が重なって、父の腕時計を見ながら、これで良かったのだろうと思ったとき、涙が出てきました。
今年の春。桜の花の美しさは忘れられないものとなりました。
痔核根治術後の疼痛についてー特に術前肛門内圧による疼痛の比較検討ー(第54回日本大腸肛門病学会)

今回は、「痔核根治術後の疼痛についてー特に術前肛門内圧による疼痛の比較検討ー」の発表を紹介します。
新しい発表から順次過去の発表へと、遡って紹介しているので、学会の若い番号から順次みていただくと、私の痔核根治術後の疼痛についての考えが順序だってわかっていただけるかなと思います。また、この件に関しての論文もまた紹介していきたいと思います。
さて、内痔核に対して痔核根治術を行った後、同じように手術をしても手術後の痛みに差があります。この差はどこにあるのか?どうしたら、術前に術後の疼痛に関して予測できるか?について考えた発表です。
術前に、術後の疼痛の程度を予測できれば、その疼痛の原因となるものを取り除くことで、術後の疼痛を緩和することができます。
これまで経験的に、肛門のしまり、括約筋の緊張が強い人ほど術後の疼痛が強い印象がありました。この経験上感じたことが正しいのかを検討しました。
内肛門括約筋の緊張の度合いを反映するのが、最大肛門静止圧です。この最大肛門静止圧を測定して術後の疼痛との関係を比較検討してみました。
今回は抄録だけの紹介となります。
抄録
痔核根治術後の疼痛は、手術術式の進歩や術後の処置などで緩和されてきているものの避けては通れない問題である。同様の手術を施行しても患者個々で、疼痛の程度はまちまちである。術前からある程度、術後の疼痛(特に術当日)の程度を予測できないか、術前の最大肛門静止圧と術後疼痛との関係で比較検討した。
[対象]術前に最大肛門静止圧を測定するようになったH10年9月〜H11年3月までに痔核根治術を施行した146例(男性76例、女性70例、平均年令48.3才)を対象とした。
[方法]術前に最大肛門静止圧を測定。術後3時間後に疼痛の有無を「痛くない」、「少し痛い」、「痛む」、「とても痛い」の4段階に分類し、痛みの程度と最大肛門静止圧との関係を比較検討した。尚、手術は全例局所麻酔下に施行した。術式は半閉鎖術式を用いている。
[結果]術後3時間後の痛みの程度はそれぞれ、「痛くない」58.2%、「少し痛い」27.4%、「痛む」13.7%、「とても痛い」0.7%であった。痛みの程度と術前最大肛門静止圧の関係は、「痛くない」と答えた患者の術前最大肛門静止圧の平均は93.4mmHgで、「少し痛い」102.3mmHg、「痛む」131.6mmHg、「とても痛い」160mmHgであった。統計学的見当をすると、「痛くない」と「少し痛い」及び「少し痛い」と「痛む」との間には有意差を認めなかったが、「痛くない」と「痛む」との間にはp=0.016で有意差を認めた。また最大肛門静止圧が100mmHg以下と100.1mmHg以上とで痛みの程度をみてみると、100mmHg以下では、「痛くない」57例、「少し痛い」22例、「痛む」6例、「とても痛い」0例に対して、100.1mmHg以上では、「痛くない」28例、「少し痛い」18例、「痛む」14例、「とても痛い」1例で、それぞれの群の間にp=0.012で有意差を認めた。
[まとめ]1)術前の最大肛門静止圧は、「痛くない」と「痛む」の間でp=0.016で有意差を認めた。2)術前の最大肛門静止圧が100mmHg以下の群と、100.1mmHg以上の群との間には術後3時間後の痛みに関してp=0.012で有意差を認めた。以上より、術前の最大肛門静止圧が高くなるにつれて術後の痛みが強くなる傾向があり、100mmHg以上になると術後3時間後の痛みが出現する可能性が出てくる。したがってこのような症例に対しては、消炎鎮痛剤などによる「先取り鎮痛」を考慮したり、術前のストレッチングを十分におこない、術後の過度の括約筋の攣縮を予防したり、また最近裂肛の治療に用いられているニトログリセリンなどを術前に塗布することで術前の最大肛門静止圧を下げるなどの工夫で、術後の痛みをさらに改善できると考える。
「マグロとアボカドのユッケ風」のレシピを紹介します。

アボカドは、脇役なのか、主役なのか、いろんな食材とうまくマッチするなと思います。ドレッシングでサラダとして野菜と一緒に食べても、わさび醤油でお刺身と一緒でも、なんの違和感もなくおいしくいただけますよね。最近、アボカドそのものの鉄板焼きをいただきました。これもお塩でいただきとてもおいしかったです。
でもアボカド、どちらかというと名脇役でしょうか。
今回は、「マグロとアボカドのユッケ風」のレシピを紹介します。
「マグロとアボカドのユッケ風」
材料(4人分) 1人分:193kcal 食物繊維 1.2g マグロ(お刺身用) 1パック
③ 器に盛り、ゴマときざみ海苔を散らしたら出来上がり!
アボカドは「森のバター」と言われるほど脂質の多い果物ですが、食物繊維の量も負けてはいません。便を柔らかく出しやすくする食物繊維と、腸のすべりを良くする質の良い脂質のダブル効果で便秘を防いでくれますよ☆
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肛門の手術後の入浴は傷の治りを良くします。

肛門の手術をした後、次の日から入浴してもらっています。
傷があると、入浴できないと思っている方がいます。「お風呂に入ると、傷口からバイ菌が入って、化膿してしまうのではないか?」とか、「お風呂に入ると、しみて痛いんじゃないか?」とか、「お風呂に入ることで出血するのでは?」と思っている方がいると思います。いずれもそんなことはありません。
入浴することで、痛みも楽になり、傷の治りもよくなります。
渡邉医院では肛門の手術をした後、消毒はしません。消毒することで、反対に傷の治りを悪くしてしまいます。
消毒は細胞毒です。消毒することで細菌を死滅させます。細菌の細胞を壊すということです。消毒することで、治そうとしている傷そのものを悪くしてしまいます。
消毒を使うときは、「自分の体を犠牲にしてまでも」という枕詞をつけるとよくわかります。
例えば、転んで怪我をした場合、そこにどんな細菌がいるかわかりません。まずは、痛いですが、傷をきれいに洗った後、どんな細菌がいるかわからないので、「自分の体を犠牲にしてまでも」一度しっかり消毒します。また、手術などの時に消毒するのも、体の中は無菌です。からだの皮膚などにいる細菌が体の中に入らないように、「自分の体を犠牲にしてまでも」皮膚に刺激があるかもしれないけれどもしっかり消毒して、からだの中に入ってこないように消毒をします。ですから、自分の体や傷の治りがわるくなってもどうしても消毒しなければならない時に消毒をします。
こういうことから、渡邉医院では肛門の手術の後は消毒しません。消毒することで、しみて、痛みもありますからね。
では渡邉医院ではどうしているかというと、手術後診察する際は、微温湯で肛門の傷を毎回洗っています。汚れているから洗うのではなく、洗うことで傷の治りが良くなるからです。
洗浄便座の温水で洗うと、水圧をもって、エネルギーをもって、傷にぶち当たってくるのでしみたり、痛かったりします。でも入浴はざぶっと湯船につかるので痛みはありません。
手術後の痛みの原因には、手術後に傷が腫れてしまったり、肛門の括約筋が緊張して閉まることが原因の一つになります。
入浴することで、手術後の腫れがとれたり、ゆっくり温まることで、肛門の括約筋の緊張がとれ、しかも血液の流れも良くなるので、痛みがある人も楽になります。治ったかなと思うよになります。
しかも入浴することで、傷口から細菌が感染して化膿することはありません。
入浴は傷の治りにはとても有効です。
傷をごしごし洗うと痛いので、石鹸とかシャンプーついても大丈夫です。さっと洗い流してざぶっとお風呂に入って下さい。入浴剤も大丈夫です。いつもと同じようにお風呂に入って下さい。
肛門の手術後、痛みをしっかりとることで治りがよくなります。

どうしても肛門の手術をすると、排便時の痛みが伴います。
手術をすると1日中ずうっと痛みがあると思っている人がありますが、そんなことはありません。ちょっと考えてみて下さい。切り傷や怪我をしても常は痛くないけれども、傷をこすったりすると痛いですよね。
肛門の手術も一緒です。手術をしても1日中痛いわけではありません。ではいつ痛みが出るかというと、やはり排便時です。排便時はどうしても便が傷をこすって出てくるのでどうしても痛みがあります。
でも肛門の手術によってこの排便時の痛みにも違いがあります。
例えば内痔核に対して痔核根治術を行った場合は、排便時の痛みは7~10日間を過ぎると、手術96.5%の人が、スッと痛みがとれます。また、痔瘻の手術では、一番初めに便が出た時に、もう痛くないという人が60%になります。裂肛の手術では、裂肛の手術そのものが、排便時の痛みをとることが目的ですので、最初の排便の時から痛みは楽になっています。裂肛の患者さんの場合は、排便時に痛みが強かった人ほど、手術後の排便時の痛みはとても楽になります。
このように、肛門の病気の種類や、手術の方法で手術の排便時の痛みには違いがあります。
でもやはり手術をしていますので、まったく痛くないということはありません。
しかし、痛みを我慢して治すのではなく、しっかり痛みを取り除くことで、手術後の傷の治りはいいです。「痛いのを我慢したほうが早く治る。」と思っている方もいますが、そんなことはありません。消炎鎮痛剤などでしっかり痛みを取り除いたほうが、手術後の傷の治りはいいです。
さて、傷はいつ治っていくのでしょうか。傷は夜治っていきます。
日中は、見えるもの、聞こえてくるもの、そして仕事などどうしてもストレス多いです。そのストレスに打ち勝つために、日中はアドレナリンの分泌が高まっています。夜になると、様々なストレスが減って、このアドレナリンの分泌が低下 します。このアドレナリンは傷の治りには抑制的に働きます。ですから、アドレナリンの分泌が下がっている夜に傷は治っていきます。
では、人間はいつ痛みを感じるかですが、痛みは夜中から、朝方にかけて痛みを感じます。これは、肛門の手術後の痛みだけでなく、痛みは夜中から朝方にかけて感じます。
したがって、傷が治る夜に痛みがあると、どうしても傷の治りが悪くなります。夜中から朝方にかけての痛みをしっかり取り除くことが手術後の治りを良くしていくことにつながります。
ですから、夜中や朝方に痛みが出た場合は、しっかり取り除くために、消炎鎮痛剤を内服してもらっています。
そうすると、ストレスをしっかり取り除くことが手術後の傷の治りを良くすることになります。痛いのを我慢すること。これは一番のストレスになります。でもこの痛みは消炎鎮痛剤の内服で十分に取り除くことができます。また、肛門の手術後は、7~10日たつと、ほとんどの人がスッと排便時の痛みが取れてきます。この間の痛みをしっかりとることが大切だと思います。
痛みを我慢することなく、治していくことが、傷の治りを早くする一番の近道です。
洋式トイレ、和式トイレ、どちらがいいの?

前回、「温水洗浄便座の功罪」についてお話しました。今回もトイレつながりで、「洋式トイレ、和式トイレ、どちらがいいの?」についてお話したいと思います。
外来診療をしている時に、ときどき「トイレは和式がいいのですか?それとも洋式がいいのですか?」と聞かれることがあります。最近は洋式のトイレが多くなってきましたが、自分が使い慣れた方でいいと思います。和式も洋式もそれぞれ良い点や悪い点があります。便のしやすさには、排便時の姿勢が大いに関係します。
専門的になりますが、恥骨直腸筋と浅外肛門括約筋という筋肉が直腸を取巻いています。この筋肉が収縮して締まったり、緩んだりすることによって直腸と肛門との角度を作ります。この角度のことを直腸肛門角といいます。この直腸肛門角の角度が排便に大きく影響します。
例えば、立っている時や横になって体が真っ直ぐな状態では、直腸肛門角が鋭角になり、直腸に便が来ないように、便が出ないようになります。しゃがんだ格好では、直腸肛門角が鈍角、すなわち直腸と肛門が真っ直ぐな状態になり、便が出しやすくなります。
さて、和式と洋式のトイレをこの直腸肛門角からみてみると、和式ではしゃがんだ格好が強いので、直腸肛門角がより鈍角になり便が出しやすくなります。ただ、このしゃがんだ姿勢は、膝など足の具合が悪い方や、高齢の方には少ししんどい姿勢となります。
それに比べ、洋式トイレでは座った姿勢になるので、姿勢としては和式のトイレと比べて楽ですが、直腸肛門角は和式ほど鈍角にはなりません。洋式トイレに変えて便が出にくくなる人がいる理由はこの角度の問題です。特に、便座に座って背中が後ろにもたれるような恰好になると直腸肛門角がさらに鋭角になり便が出し難くなってしまいます。
こんな時は、便座に座り、少し前屈みになったり、足台を置きその上に足を置くことで前屈みの姿勢を強くしたりすることで、和式の時のように直腸肛門角を鈍化して直腸と肛門を真っ直ぐにすることができ、便が出しやすくなります。ちょっとした工夫で、便が出やすくなります。
どちらのトイレでも、力んでいる時間を短くしてすっきり便が出るようにしたいものです。