私が大学時代に描いた油絵が、ひょんなことから私の手に戻ってきました。その時につけた題名を忘れてしまったので、新たに「CYARINKO ―赤と白のコラボ」と題名を付けました。
大学に入るまで、絵を描くことは好きでしたが、油絵を描くことはありませんでした。大学に入って初めて美術部に入り、油絵を始めました。特に書き方を教えてもらったわけでなく、先輩からも「自分の思うように描いたらいいよ。」との指導だけでした。
この「CYARINKO ―赤と白のコラボ」は、大学に入って初めて油絵を始め、そして始めて描いた大作です。大きさは、20号。自転車が好きで、風景のどこかに自転車がある絵を描こうと思い描いた作品です。油絵のいいところは、上からどんどん描き足していけるところ。自己流で、壁はナイフで本当に壁を塗るようにと。始めての大作。自転車のタイヤ、デッサンがチョット甘く、この絵だと、絶対に回らない。まぁ、それも味かなぁと思います。でもこの白い壁と赤い扉、その前にある年季の入った味のある自転車。私はとても気に入っています。この絵をきっかけに、青とのコラボ、黒と黄色のコラボと、20号の絵をたて続けて描きました。CYARINKO3部作のきっかけとなった絵です。
青とのコラボでは、自転車の荷台に絵の描かれたキャンバス、橋の欄干にはえの道具が置かれている。そんな絵描きが乗っている自転車。私が気に入っているところは自転車もそうですが、橋の少し崩れかけている部分の感じです。ただ筆だけでなく、スポンジを使ったり、ティッシュペーパーを丸めて色をキャンバスにのせたり、いろんな方法で描いてみました。そういうところも油絵の面白さかなと思います。
黒と黄色のコラボでは、黒い板塀が、写真でははっきりわかりませんが、木の質感が出せたかなって思っています。最初から黒を塗ったわけでなく、下地にいろんな色を塗って、最後に黒を塗りました。下に塗った色が生きているのかなと思います。また黄色の扉の雰囲気も好きです。これら三部作を描いた後、自転車の様々なパーツを油絵で描いたり、風景の中の自転車にこだわって、描く事になりました。
CYARINKO 赤と白のコラボが、約30年ぶりに手元に帰って来ました。この絵は、以前私が勤めていた日大駿河台病院の外科病棟のプライベートに飾ってありました。何年前でしょうか、日大駿河台病院が移転したことが私の手に戻ってきたきっかけになりました。7月15日に内痔核治療研究会に発表するために東京に行った際にこの絵を持って帰ることになりました。家に帰り久しぶりにじっくり眺めてみると、描いた時のままの姿。絵を描いていたころのことなどを思い返しています。しばらくは自宅において置いた後、また、どこかに飾らしてもらおうと思っています。