
こんにちは。渡邉医院の渡邉です。
私の自宅付近でも雪が少し舞っていました。寒いですね。体調もそうですが、いろんなことに気をつけて下さいね。
去年の年末、政府は高額療養費制度の限度額を引き上げる方針を固め、今の国会で審議されます。この方針に対して、がん患者さんの皆さんからは、限度額の引き上げで、「治療を断念せざるを得ない。」など、声を上げておられます。
全がん連などの患者さんの団体など、WEB署名を呼びかけられ7万7千人の方の賛同が寄せられているとのことです。
高額療養費制度の限度額の引き上げ‘に対して反対する世論が急速に広がってきています。
私も悪性リンパ腫の治療にあたり高額療養費制度を利用しました。限度額は前年度の収入で限度額が決まります。私の限度額は約20万円でした。
抗がん剤による化学療法を計5クール行い、さらに地固め療法そして最後に自家血幹細胞移植をまず行いました。3月から10月までの8ヶ月間入退院を繰り返しました。毎月限度額の20万円。診療所も休止し全く収入のない中、医療費、生活費、診療所の維持費などとても苦しかったです。さらに移植が終わり、1月から診療を再開すると、すぐに体調を崩し入退院を繰り返し、再発疑いで高額な抗がん剤の内服薬を処方してもらい、薬局には毎回限度額の20万を支払う。どんどん預金がなくなっていきました。そしてもう一度抗がん剤による化学療法を4クール行い、去年の1月は1ヶ月間放射線の全能照射。そのころは非課税世帯になっていたので限度額は引き下がりました。
でも悪性リンパ腫になってしまい、しっかり治療をしようと思うと、やはり高額療養費はとても助かりました。
がんや難病の患者さんは、長期にわたり治療が必要なことが多いです。このような状況の中、政府の限度額の引き上げ方針は許すことはできません。
高額療養費制度の限度額を上げるという政府の方針があるということを聞くだけで、制度を利用している患者さんには凄いストレスがかかります。
今でも限度額をもっと引き下げて、経済的に安心して治療が受けられるようになってほしいと強く願っている方が全てだと思います。
がんや難病で戦っている方は、ストレスが一番悪いです。ストレスをかけずに、穏やかに‘治療を進めること、このことがとても大切だと思います。
政府が進めようとしている高額医療費制度の限度額引き上げには、強く反対いたします。