皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
3月4日に悪性リンパ腫の再発疑いと激しい腰の痛みで緊急入院をしました。
造影の頭部MRI、血液検査、髄液検査などを行いましたが、明らかな症状はあるもの、明らかに再発を決定づける所見は認められませんでした。また、激しい有痛の原因も腰部のMRIをとってもはっきりした原因はわかりませんでした。
初回の入院の際は、下垂体近傍に腫瘍として現れた中枢神経限局型悪性リンパ腫と確定診断の下での治療。しっかり治すために治療に集中すればいいだけでした。しかし、今回は再発かどうか確定できない。また、激しい腰の痛みの原因がわからない中での、治療となりました。やはり再発が強く疑われるため、再発時の抗がん剤の内服を開始し、抗がん剤やステロイドの髄注も行いました。
腰の痛みも軽減し、再発疑いに対しての抗がん剤内服。そして抗がん剤やステロイドの髄注等、一連の治療が終わったので、3月21日に退院しました。
退院後は、腰椎穿刺の影響か後頭部から首筋にかけての張と痛みで、食事以外は横になって休んでいる日が1週間続きました。
いつまでも休んでいるわけにもいかないので、今回は早期に4月1日から渡邉医院を再開しました。前回の再開時には沢山の患者さんが受診していただき、嬉しかったのですが、とてもしんどかったので、今回にお再開時から私の体調のことも考えて、完全予約制にさせて頂きました。再開して2週間が経ちました。今回は体調も崩すことなく、診療ができています。
申し訳ありませんがしばらくは、ゆっくり、のんびり診療をさせて頂きたいと思います。
さて、話は変わりますが、私が診療所を再開して間もなく、4月8日、「音楽家」である坂本龍一氏の訃報が届きました。享年71歳。{音楽家}としたのは、坂本氏が私たちに届けて下さったのは音楽ではないと感じたからです。坂本氏は「戦場のメリークリスマス」等本当に数多くの心に残る曲を私たちに残してくれました。そしてさらに音楽だけでなく、様々な社会活動を通じて、戦争のない平和な世界を求めておられたのだと感じています。このことは、現在起きていることをしっかり見つめ、そして今日までの過去を振り返ったうえで未来を語る。そういった過程を通じて語られる言葉は一言一言が私たちの心に刺ささります。
坂本龍一氏の死を通じて私は思いました。私は今何を残すことが出来るのか。そして何を残さなければならないかということをです。社会を動かす、そういった大きなことではなくても、診療を縮小して診察する患者さんの人数は減ってしまっていますが、目の前にいる一人一人の患者にしっかり向き合い治療していく。そして、今自分の持つ技術をこれから医療を担う人たちに伝えていく。このことは今の自分にできることです。でもこれだけでいいのだろうか?と思います。私たち医師は患案の者の命、生活を守ることを責務としています。そうであるならば、目の前の患者をしっかり治していくだけでなく、やはり戦争のない平和な社会を目指す。社会保障を充実させていく。そういった取り組みもしっかり行っていかなければならないのではないかと思います。
これから残された命、どのように使っていくのか。しっかり考えて生きていきたいと思います。
自宅の玄関先のモッコウバラ。蕾が膨らみもう直ぐ咲きそうです。