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2018.02.18

内痔核の手術後の出血について。

 今回は、少し怖い話ですが、内痔核に対して手術を行った後の出血に関してお話したいと思います。
 内痔核は、その内痔核の程度によっては手術をして治さなければならないことがあります。基本は痔核根治術という手術を行いますが、内痔核の性状や大きさによっては輪ゴム結紮法という方法で治すこともあります。
 でも、いずれの手術でも術後の出血は避けることができないものです。手術ではどうしても傷をつくります。傷口から排便時に出血したりすることはあります。でもほとんどは、心配のいらないものです。ただ、術後の出血のなかでどうしても、もう一度麻酔をして止血処置をしなければならない出血があります。今回はその出血についてお話します。
 内痔核に対して痔核根治術を行ったときに起きる、もう一度麻酔をして止血処置をしなければならない出血には二つあります。
一つ目は、早期出血です。手術して24時間以内に起きる出血のことを言います。
 この出血は起きる場所に大きく2か所あります。一つは内痔核にたいして痔核根治術を行う場合、内痔核を剥離していき、内痔核の根元の動脈を糸で縛って、出血しないようにしてから内痔核を切除します。この内痔核の根元の動脈を縛ったところからの出血です。この場合は、もう一度しっかり麻酔をして、再度出血している部分を糸で縛って止血する必要があります。
 もう一つは、ドレナージといって、肛門の中にできる傷を早く具合よく治すために、肛門の外側に傷を作ります。ここからの出血です。この出血も止血処置が必要ですが、出血している場所のみの麻酔で、バイポーラといって凝固して止血する器械で止血が可能です。
 早期出血は24時間以内に起きる出血ですが、たいていが3時間以内におきます。ですから、術後3時間後には必ず出血がないかどうかを確認しています。3時間までに早期出血がなければしばらく困った出血はおきません。
 もう一つの出血が晩期出血といいます。
 この出血は内痔核の根元を縛った部分から、術後7~10日目ごろにおきます。渡邉医院でもこれまで約1%の頻度ですが、晩期出血があり、止血処置をしています。
 晩期出血は、内痔核の根元を縛ったところからの動脈性の出血です。
 最近は手術後、1泊2日や3泊4日の短期間の入院になっています。ですから、この出血がおきるのは退院した後になります。
 どのような出血かというと、内痔核の根元を縛ったところからの出血です。ですから、出血した血は、直腸の中にだんだん溜まっていきます。直腸に血が溜まってくると、便をしたくなります。「下痢をしたのかな?」と思ってトイレにいくと、下痢状に血の塊が大量に出ます。

これが1回だけでなく、頻回になります。ですから、いつの間にか知らないうちに出血しているということはありませんし、この出血が晩期出血かどうか迷うような出血ではありません。このような出血がおきたときは、時間関係なく、何時でも、いつでもすぐに連絡していただき、診察して、止血処置をします。
 出血の具合や量。また止血処置をした時間帯(夜中など)によってはその日は入院していただくこともあります。
 ただ、晩期出血したからといって、振り出しに戻るというわけではありません。傷はちゃんと7~10日分は治っています。
この晩期出血は、痔核根治術だけでなく、輪ゴム結紮法でも起きる可能性があります。渡邉医院では幸いに今のところ輪ゴム結紮法での晩期出血は経験していません。でも可能性はあるので、輪ゴム結紮法の場合も出血があった場合はすぐに連絡してもらうようにお話しています。
 今回は少し怖い話をしましたが、まずは起きない出血ですが知っておいてもらわないといけないことですのでお話させていただきました。

 

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