3月になって、少し寒さが和らいできたなあと思います。今日は一日天気はあまり良くなかったようですが、外に出ると、今までの寒さとは違った空気がそこにはありました。ようやく春の気配がでてきました。
さて、今日は、以前取材を受けた方に再度取材を受けることになりました。その時の内容や私の想いをお話しします。
まず、その方の質問は、「以前先生にお話を聞いた時には、目の前にいる患者さんを一人一人しっかり治していくことがモットーだと伺いましたが、今はどうですか?」と言うものでした。今もそのモットーは大切にしています。私の父が、私が京都に帰って来たばかりに私に話してくれたことです。この基本は今も全く揺るぐことなく実現していきたいと思っています。そのうえでさらに何か?
今、私はFacebookやTwitter、そして最近YouTubeにも肛門の病気のことなどを利用して発信しています。
肛門科の敷居は昔と比べて随分敷居は低くなってきていると思います。でもまだまだ、気楽に受診することができる診療科ではないのかなあと思います。
やはり、なかなか肛門の病気を誰に、そしてどこに相談していいのかわからない。また、身近な人にも肛門の病気に関して相談するのはちょっと・・・という方がまだまだ多いと思います。そんな時、自分の病気のことなどが知りたくて、インターネットなどで検索する方が多いと思います。そんな時に、怖い話が目に飛び込んでくる。このことでますます不安になり、心配になってきます。また実際、正しい情報だけがネット上に示されているわけではありません。自分で選択して情報を得なければなりません。このことはとても大変な作業です。
また、医療機関のホームページを検索しても、肛門の病気のことや治療のことは書いてありますが、一般的なことだけが掲載されていることが多いことがあります。自分が本当に知りたいことが載っていないということも多いと思います。
そこで、正しい情報や、患者さんが心配になったり、不安に感じると思うことをこれまでの私の経験をもとに解説したり、患者さんからの質問に関して詳しく解説したものをブログにあげたりしていました。最近は、動画での解説もわかりやすいかなあと思いYouTubeにも動画をアップするようになりました。
また、誰に相談したらいいのかわからない患者さんが気軽に相談できるように、Twitterでの相談もおこなっています。 Twitterの相談のきっかけは、当初はコロナ禍にあってなかなか医療機関に受診できない方が気軽に相談できるようになればいいなあと思ったことから始めました。今では時々相談が入ってきます。内容は、一人でとても悩んでおられるんだろうなあという相談が多いです。
少し長くなりましたが、目の前にいる患者さんはもちろんですが、肛門の病気で悩んでいる方が、肛門科を受診するきっかけになればいいなあという思いがあります。ですから、目の前にいる患者さんだけでなく、その後ろで悩んでいる方へも、何らかのアプローチができ、「治そう!」と思ってもらえるようになりたいと思っています。
もう一つの質問に「今後の渡邉医院の展望は?」がありました。なかなか難しい質問ですが、大きな展望としては「肛門科専門の有床診療所、専門であることの責任を果していかなければならない。」ということです。
今コロナ禍において、私自身が感染する可能性や濃厚接触者になる可能性があります。そんな時に入院している患者さん、手術を受けたばかりの患者さん、そしてこれから手術を予定されている患者さんにどう対応するかです。
やはり一人医師の診療所、何かあった時の連携がとても大切だと思います。京都市内や近隣の市町村の肛門科の先生方と、連携を取り患者さんに対応していかなければならないと思います。また、それぞれの医療機関との交流を行い、肛門疾患に関してのさらなる診断、治療の技術を互いに高めていく必要があります。そういったことができればと思います。
また、在宅で療養されている患者さんで、肛門の具合が悪くてもなかなか医療機関に受診できない患者さんも多くいらっしゃると思います。そういった患者さんに対して、在宅での診察、治療ができればいいなあとも思っています。今、一人で診療している中、なかなか難しいかなあと思いますが、一つの展望です。
これ以外にもいろんなお話を取材の方とお話ししました。結論はまだまだこれから私自身、そして渡邉医院のやらなければならないことが、まだまだ沢山あるなあと感じた取材でした。