今日も梅雨らしい天気でした。ある程度雨も降らないとは思っていても、傘をさして荷物がいくつかあると、「雨が降っていなければなあ。」と思うこともあります。
今、渡邉医院の中庭の紅葉の木に、山鳩が巣を作りました。必ず一羽が巣にいてじっとしています。卵を温めているのかなあと思います。雨の中、じっと動かずに頑張っています。
何年か前も、同じ場所に巣を作り、卵を温めていましたが、その年は孵化しませんでした。今年はどうなるかなあと思っています。
さて、患者さんからこんな質問をされます。「先生、内痔核はまた再発しますか?」という質問です。特に手術をされた患者さんから、こんな質問が来ることが多いです。「再発しますか?」の質問の答えは、「はい」です。せっかく手術して治したのに、また再発するのかと思われる方も多いと思います。ではこの「はい」の内容を少し詳しくお話ししたいと思います。
まず内痔核は、生まれた時から内痔核を有している人はいません。便秘など排便の状態が悪いなどの内痔核ができる原因があり、それが改善されないとだんだん内痔核は悪くなっていきます。
それもいきなり手術をしなければならない内痔核にはなりません。最初は排便時に出血したり、違和感が出る第Ⅰ度の内痔核から始まり、だんだん悪くなっていくと、排便時に内痔核が脱出してくるようになります。排便時に内痔核が脱出して押し込まなければ戻らなくなる第Ⅲ度の内痔核以上になると、手術が必要になります。
でも手術をしなければならない第Ⅲ度の内痔核はすぐにはなりません。原因があれば徐々に徐々に悪くなっていきます。
この過程は内痔核の再発にも当てはまります。いったん内痔核を手術して治って、もとの状態に戻ったとしても、また原因となる便秘などの排便の状態が悪いと、また内痔核はできてきて、徐々に徐々に悪くなっていきます。
このように、内痔核を治した後に一番大事なことは、原因となる便秘などの排便状態を良くすることです。
内痔核の手術をして治った患者さんが「先生、内痔核はまた再発しますか?」と質問を受けた時、「はい」と答えます。そしてそのあとに次のように続けます。
「でも手術をしていったん治って元の状態になったのが、いきなり何の症状もなく、今回のように手術をしなければならない内痔核にはなりません。
何もないところから、第Ⅰ度、第Ⅱ度、第Ⅲ度、そして第Ⅳ度と徐々に悪くなっていきます。今回のように第Ⅲ度以上になるとまた手術をしなければなりません。
また、内痔核が悪くなる時は、必ず自分が感じる症状が出ます。例えば出血や腫れた感じ、違和感、時に痛みなど、必ず肛門の病気は自分が感じる症状が出ます。なんの症状もなくいきなり今回のように手術をしなければならない内痔核にはなりません。
そして、内痔核が悪くなるには、便秘などの排便の状態が悪いと内痔核ができてきます。特に頑張っている時間が長いなどが一番悪くすると思います。ですから治った後は、排便の状態を良くして、原因を取り除けば、また内痔核になることはありません。
ただ、いつもいつも具合よく便が出るとは限りません。でも1回の便秘で内痔核は悪くならないので心配しないで下さいね。そして何か気になることがあれば、今度は早めに受診してくださいね。そうすれば、内痔核を治すというよりは、内痔核ができる原因を治すことで良くなりますから。」と、患者さんにお話しします。
今は、手術が終わり、外来通院をして治癒した時、診療を終えるときに、患者さんの質問がなくても同じことをお話ししています。