いよいよ、「ミヤコが京都にやって来た!」の最終回です。夜の11時55分から放映されます。
今回のドラマには、医療指導に関わらせていただきました。改めて、ドラマ作成にお声をかけていただいたことに感謝いたします。本当に貴重な経験、そして楽しい時間をいただいたと思います。
随分以前に「捜査地図の女」と言うドラマで、渡邉医院をロケ地として使っていただいたことがあります。この時は、撮影に診療所を使っていただくだけで、医療指導など、直接ドラマの制作に関わることはありませんでした。それでも、美術の方たちとお話しをしたり、撮影風景をみて、「こんな風にして撮影していくんだ。」と興味深く観ていました。それが今回は医療指導としてドラマの制作に関わることができ、本当に嬉しく思いました。そんなこともあって、今回は、思い入れが違いました。
今回が最終回になりますが、評判がよければ、今度は京都の春夏バージョンの企画があるとのことです。是非、春夏バージョンが企画して欲しいと思います。
さて、今回のドラマでは、佐々木蔵之介さんが空吉という町医者の役で主演されました。
「町医者」、今ではあまり使われなくなってしまいました。今は、「主治医」であったり、「かかりつけ医」と言った言葉に変わってしまっています。でも、この「町医者」の存在は、これからの時代にとても意味ある存在だと思います。「町医者」のイメージは、地域の住民の方々と医療だけでなく患者さんの健康状態だけでなく、患者さんの生活面での困りごと、不安や心配ごとにも一緒に考えてくれる。そして地域そのものの健康を守り、安心して住民が暮らしていける、そんなことにも、患者さんや住民の人たちと共に取り組む。こんなイメージです。このような存在だったので、「医師」が「先生」と呼ばれていたのだと思います。
今、医療現場、医師と患者さんや地域の住民との関係が、希薄になってきているような感じがします。医師と患者さんとの間でうまく話しができていないケースもあるようです。お互いが信頼でき、ちゃんと話ができる、そして、一緒に病気を治し、健康でいられるようにしたいです。
渡邉医院は肛門科単科、地域との繋がりというよりは、患者さんとの繋がりが強い診療科だと思います。でも、お尻の具合が悪く、心配で不安を抱えていても、なかなか相談できない方が多いと思います。まだまだ肛門科の敷居は高いようです。もっと気軽に受診できるようにしたいと思います。
さて、今回のドラマの大きなテーマに、親子の関係があります。
親と子供、なかなか難しい面もあります。お互いの気持ちが通じあわない時もあると思います。でも、そんな時は焦らずのんびりした気持ちで「待つ」と言うことが大切だなぁと思います。
私自身もそうですが、歩みを止めて立ち止まってしまうことがあります。子供たちもそうだと思います。そんな時、私たちはどうしても手を引っ張って歩かそうとします。また、後ろから背中を押して、歩かせようとします。それは本当にいいことなのでしょうか?
立ち止まって歩みを止める理由は必ずある。それを無理やり歩かそうとするのは、私たちの都合だけではないでしょうか?
きっと必ずまた歩き始めます。それまでとても辛いかもしれませんが、私たちはじっくり待つことが必要なのではないでしょうか?
お互いを信じること、親のこと、子どものことを信じること、そのことが大切だと思います。それが「待つ」ということだと思います。
今日でドラマは最終回です。空吉とミヤコ、どうなるでしょうか?楽しみです。