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2021.01.01

2021年 新年明けましておめでとうございます。

 新年明けましておめでとうございます。2021年丑年が始まりました。

 去年1年間、新型コロナウイルスの感染拡大の中私たちの生活は大きく変わってしまいました。まだまだ収束が見えないコロナ禍の中、新しい年を迎えることになりました。

 今も続く新型コロナウイルスの感染は、これまで国が進めてきた医療提供体制改革や公衆衛生政策、そして保健政策など様々な問題点を明らかにしてきたと思います。

 例えば、公立・公的医療機関に関しては、感染症病床の6割は公的病院が担っており、重要な役割を果たしています。しかし、国は地域医療構想の実現のために公立・公的医療機関の再編・統合を進めようとしています。新型コロナウイルスのような感染症など、民間医療機関では十分に対応できない医療を公的医療機関は提供し、国民の命を守るという大切な役割があります。それを今の国の改革では削減し縮小しようとしています。

 また、私たち市民の最も近くにあって、感染症対策を展開するべき自治体の公衆衛生政策は、1994年の保健所法の廃止以降脆弱化しています。京都市においても、以前は行政区ごとのにあった保健所が廃止され、中央に集約され、どんどん行政が市民から離れてしまっています。

 さらに、医療保険制度では、後期高齢者の窓口負担の2割化が進められています。また、高すぎる国保料を払えず、経済的理由で医療が受けられなくなっている患者さんもいます。誰もが必要な時に必要な医療を受けられる、そんな日本の皆保険制度、フリーアクセスが新型コロナウイルスの感染を今の状態に押しとどめていることは明らかです。これまで私たち国民の健康と命を守り続けてきた国民皆保険制度を崩そうとする国の政策にはしっかりと意見を述べ、対抗していかなければなりません。そして私たちの手で、今以上に充実したものにしていかなければなりません。

 また、医療だけでなく、これまで進められてきた新自由主義改革によってもたらされた雇用の破壊の現状も新型コロナウイルスが明らかにしました。そして新型コロナウイルスの感染拡大が非正規労働者を中心に重くのしかかってきます。

 今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、医療・福祉、雇用以外にも様々な問題が浮き彫りにしてきました。
 私達は、これまで進められてきた社会保障の削減政策を止め、新しい福祉国家を求め、社会保障の充実を追求していく1年以しなければなりません。

 今、私たちの本質、生き方が問われています。
 全ての人たちが持つ最強の優しさで全てを包み込む、そんな思いを皆さんと共に持ち続けていきたいと思います。

 今年1年、よろしくお願いいたします。

  2021年1月1日

      渡邉医院      渡邉 賢治

 

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