前回、窓口負担がどのように決まっていくのかについてお話しました。
診療報酬の1点が10円で、それぞれの自己負担割合が1割、2割、3割であれば、診療報酬の点数×10円×自己負担割合(3割負担であれば、×30%)ということもお話しました。
そこで、今回は渡邉医院の例を挙げて、外来診療での点数や入院、手術の点数の一覧表を作ってみました。それぞれ該当する点数を足していって、それに10円と自己負担割合を掛け合わせると外来窓口負担が出ます。
ではまずは外来診療に関しての点数を紹介します。
初診料・再診料
初診料: 288点(6歳未満 +75点)
時間外 + 85点(288+85=373点) (6歳未満 +200点)
休日 +250点(288+250=538点) (6歳未満 +365点)
深夜 +480点(288+480=768点) (6歳未満 +695点)
再診料: 73点(6歳未満 +38点)
時間外 + 65点(73+65=138点) (6歳未満 +38点)
休日 +190点(73+190=263点) (6歳未満 +260点)
深夜 +420点(73+420=493点) (6歳未満 +590点)
外来管理加算: 52点
調剤料:内服薬 11点
外用薬 8点
処方料:42点
外来での肛門の処置としてはパオスクレーによる痔核硬化療法があります。
パオスクレーによる痔核硬化療法は1660点です。そして痔核硬化剤のパオスクレーは1回に5mlは使うので128点になります。
肛門鏡検査:200点
外来はこのようになります。
初診だけの場合は、3割負担の患者さんの場合は、
288点×10円×30%=864円で四捨五入で864円の窓口負担になります。
酸化マグネシウム(1点)という緩下剤を7日間分処方された場合は、
{288点+(1×7日分)+11点(調剤料)+42点(処方料)}×10円×30%=1044円。四捨五入で窓口負担は1040円になります。
初診でパオスクレーによる痔核硬化療法を受けた場合は、
(288点+1660点+128点)×10点×30%=6228円。四捨五入で6230円になります。
こんな感じで窓口負担は決まっていきます。
後は、外来で手術をしたり、痔核硬化療法をした場合は、この手術料や痔核硬化療法料などを足していきます。手術点数などは後で紹介しますね。
さて、渡邉医院は19床の有床診療所です。入院する患者さんもいます。
渡邉医院での入院の点数を紹介します。
有床診療所の入院基本料は看護職員などの配置人数で決まります。渡邉医院の場合は、有床診療所入院基本料5という施設基準で届け出をしています。この基本点数に地域加算、夜間緊急体制確保加算、看護補助配置加算2の三つの加算を足したものが1日の入院基本料になります。
地域加算は京都市は5級地:9点
夜間緊急体制確保加算 :15点
看護補助配置加算2 :15点
有床診療所入院基本料5 :737点(入院14日以内)
これらを全て足すと、渡邉医院の1日の入院基本料は776点となります。
ですから1日の入院料3割負担の患者さんでは776×10円×30%=2328円。四捨五入で2330円となります。
入院中の調剤料は入院調剤料7点です。入院中に薬が出ると調剤料として7点ついてきます。
このように入院の窓内負担は決まってきます。
渡邉医院では肛門の手術をした後の入院の患者さんなので、手術料がかかってきます。そこで次回は、主な肛門の手術の点数を紹介しますね。