8月も残すところ1週間です。まだまだ暑い日月ずいています。でも夕方、日が暮れるのが少し早くなってきました。秋が少し近づいてきたのかなあと思います。
まだまだ暑い中、新型コロナウイルス感染対策と、熱中症対策の両方ともとっていかなければなりません。水分をしっかり摂って、そしてバランスの取れた食事を摂って、もうしばらく続く残暑を乗り越えていきましょう。
今日は、最近のTwitterの相談の中に、「血栓性外痔核と言われたが急に出血して心配。」といった内容の相談がありました。このことについて少しお話したいと思います。
血栓性外痔核は、以前にもお話したことがありますが、肛門の外側の静脈に急に血栓が詰まって腫れて痛い病気です。もともと細かな静脈が集まっているところなので、血液の流れは悪いところです。また人間は寝ているとき以外は肛門は常に心臓より下です。重力もあり、鬱血して血液の流れが悪いところです。
こういったところに、冷えたり、疲れたり、忙しかったり、そして寝不足だったりストレスがかかるとさらに血液の流れは悪くなってしまいます。またストレスがかかると血栓ができやすくなってしまいます。ストレスがかかると血小板がくっ付き易くなって血栓ができやすくなってしまいます。また、今この暑い時期、汗をかいたりして体の外にどんどん水分が出ていってしまいます。この出ていった水分が十分に補うことが出来ないと、血液は濃くなり、血栓ができやすくなってしまいます。血栓ができにくくなるように、この時期十分に水分を摂ることが大切です。
こういった血栓ができやすい条件が揃い、さらに便秘だったり下痢だったりして排便時にグッと頑張る時間が長かったり、重たいものを持ったりしてお腹に力が入った時に血栓が詰まってしまうことがあります。
ですから、血栓性外痔核は、もともと持っていたものが悪くなって腫れて痛くなったり、以前具合が悪かったところにまたできてしまったというわけではありません。たまたまいろんな条件が揃って、さらに排便の状態などが悪くてグッと頑張った時に、たまたま血栓が詰まってしまったということです。
基本的に血栓性外痔核は自然に腫れが治まって痛みは楽になっていきます。指を挟んで血豆が出来て腫れていたとか、どこかをぶつけて青く内出血して腫れて痛いと同じです。腫れが引くと痛みは楽になります。血栓は直ぐにはなくなりませんが、段々溶けて吸収して治っていきます。
血栓性外痔核の治療は、腫れて痛い、この痛みをとることが治療の目的です。消炎鎮痛剤の座薬を入れることで腫れが引いて痛みは楽になります。また、お風呂でゆっくり温まることでも腫れが引いて痛みが楽になっていきます。また時間が経つと腫れが治まっていくので、時間も解決してくれます。このように血栓性外痔核は急に出来て腫れて痛い病気ですが、なった後は徐々に腫れが引いて痛みはとれ、血栓は溶けて吸収していき治ります。
さて相談があった血栓性外痔核が急に血が出てしまったことに関してですが、これは血栓、血豆が破けたための出血です。出血した時は一瞬「アッ!」と思いますが、心配しないでください。血豆が破けて、詰まっていた血栓や溶けた血栓が出てきただけです。詰まっている血豆が全部出てしまうと出血もしなくなります。傷が出来て傷口から出血しているわけではなく、詰まった血栓が出てきているだけです。自然に溶けて吸収して治るよりも、破けて血栓が出てきた方が、早く治ってくれます。
また血栓性外痔核が痛い原因は、キンキンに腫れているところにあります。キンキンさが取れて、少ししなっとなると痛みは随分楽になります。血栓が破けた際、出血して一瞬不安になりますが、血栓が破けることでそのキンキンさが取れるので、破けることで痛みもスッと楽になります。
また、血栓が破けたところから細菌が感染して化膿するということもありません。破けた状態でもお風呂に入ると、さらに痛みも楽になりますし傷の具合もよくなります。
「出血」するととても心配で不安になりますが、痛みはスッと楽になりますし、治りも早くなります。ですから血栓性外痔核が破れて出血しても心配しないでくださいね。
ただ、早く治そうと思って血栓をつぶそうとは思わないでくださいね。