初めて渡邉医院を受診されて、第Ⅲ度以上の内痔核の患者さんへの治療の説明の時、まずは患者さんの内痔核がジオンによる四段階注射法での痔核硬化療法(ALTA療法)の適応があるのか、痔核根治術が必要な内痔核なのかをまずお話します。患者さんのもつ内痔核の性状でALTA療法で治るのか、痔核根治術をしなければ治らないのかをまず判断して患者さんにお話します。
ALTA療法の適応の患者さんにも痔核根治術の話を
ALTA療法で治療が可能であると判断した場合も、まずは痔核根治術で治す際のお話をします。どのように手術をしていくのか、術後の出血、特に1%の晩期出血があること。そして排便時の痛みに関してお話します。
痔核根治術の話が済んでからいよいよALTA療法のお話をします。これは、これまでは痔核根治術で治していた内痔核をALTA療法で治すことの意味を知っていただきたいからです。ALTA療法は痛みがなく、患者さんにとってはとても楽な治療方法です。でも痔核根治術を施行しなければ治らなかった内痔核をALTA療法で治す。このことは患者さんにとって痛みが無くても、ALTA療法を行った局所では手術と治すと同じ様に激しい反応が起こっているということを理解してもらいたい、そういった意図があります。
ALTA療法で起きる可能性があること
ALTA療法は傷を付けることなく治す方法で患者さんにとっては痛みがなく、楽に治していくことが出来ます。でもいいことばかりでないことをお話しています。例えば、渡邉医院においてはALTA療法を行う際に血圧低下や徐脈が約1%程度起きていることです。そのため、血圧低下や徐脈が起きた際の対応のために点滴をして血管確保をして行うこと。また十分に肛門を広げ、確実に四段階注射法が行えるようにするために局所麻酔ですが、麻酔をしておこなうこと。こういった血圧が下がったり、徐脈が起きたりする可能性があったり、局所麻酔ですがしっかり麻酔をすることもあって、渡邉医院では1日は入院してもらってALTA療法を行うことをお話します。
退院後の通院の仕方
またALTA療法を行った後、退院後どのように通院するかについてお話します。
まずは退院後7~10日後に受診してもらっています。このALTA療法を行ってから再診までの間どうであったか、排便時に出血しないか、また排便時に内痔核が脱出してくるかどうかを教えてもらうためです。この時点で出血もなく、内痔核の脱出もなく何の症状もなく具合良くても、次は約1か月後に受診してもらっています。でも、ALTA療法を行った後、痛みが出てきたり、その痛みが強くなったり、出血が多い、また出血や痛み出なくても何か気になること、大丈夫かなあと思った時はその時はすぐに受診してもらうようにお話します。
1か月後に診察して診察した時に、まだALTA療法を行ったことがはっきりわかるか患者さんがほとんどです。ALTA療法を行った部分はそれ以外の部分と比べて少し硬く触れることがあります。ALTA療法を行っている医師の中には、何の症状が無くても、ALTA療法を行った部分がわからなくなって、周りと同じようになるまで毎月毎月半年間ほど通院してもらって診察する医師もいます。渡邉医院では1か月後に特に症状がなく具合が良ければ一応診察は終了にします。でもその後なにか出血や痛み、それだけでなく何か気になることがあった場合は受診して下さいと患者さんにお話しています。
ここまでが初めて渡邉医院を受診され、ALTA療法の適応と判断した患者さんにお話することです。
次回はALTA療法を行う当日のALTA療法を行う前と行った後にお話しする内容を紹介します。