肛門の手術は痛い?
痛みは以前よりも少なくなっています
「肛門の手術は痛いのでは?」と不安な方もおられるかと思いますが、術中は局所麻酔をしっかりと効かせますので、痛みを感じることはありません。また、術後の痛みを心配される方もおられるかと思いますが、こちらもご安心ください。今では手術の方法も大変進歩しておりますので、術後の痛みは少なくなっています。以前は術後にガーゼを詰める必要があり、これが痛みの原因となることもあったのですが、今ではこうした処置も行う必要がないので、全体的に肛門の手術は「以前よりも楽になっている」と言えます。
「痛みが少ない手術」への取り組み
肛門の手術の一番の問題は術後の痛みや出血ですが、当院ではそれらをできるだけ抑えるために様々な取り組みを行っています。例えば、これまでの経験から「肛門の内圧(しまり)が強い方ほど、術後の痛みが大きい」という印象があったので、肛門の内圧と術後の痛みの関連を科学的に調べてみたところ、実際にその通りだということがわかりました。つまり、肛門の緊張をとることで術後の痛みが抑えられるというわけです。
こうして今までの経験や知識、また科学的検証から「どうすれば術後の痛み・出血が抑えられるのか?」ということが色々わかってきていますので、「術後の痛みや出血が心配」という方も安心して京都市上京区の渡邉医院までご相談ください。
「肛門科を受診=すぐに手術」とは限りません
当院へお越しになられた患者様からよく、「すぐに手術しなければいけませんか?」と質問されるのですが、「肛門科を受診=すぐに手術」とは限りません。肛門周囲膿瘍などは緊急で手術が必要となる場合もありますが、それ以外の病気ではすぐに手術が必要となるとは限りませんし、手術以外の方法で治療することも可能です。「肛門科を受診したらすぐに手術」とお考えにならずに、気軽に京都市上京区の渡邉医院までご相談ください。
「肛門の手術が怖い」という方へ
痔瘻(じろう)の手術は想像よりも痛くありません
痔瘻(じろう:あな痔)とは、便内の細菌に感染して炎症が起き、膿が溜まることでトンネルができる病気です。痔瘻でお悩みの方の中には、「痔瘻の手術は痛い・大変」とまわりの方から脅された経験がある方もおられるのではないでしょうか?実際、当院で痔瘻の手術を受けることになった方に、「まわりの方に脅されませんでしたか?」と尋ねると、多くの方がうなずかれています。
一般的に「痔瘻の手術は痛い・大変」というイメージがあるようですが、実際はそんなことはありません。例えば、内痔核(いぼ痔の一種)の手術よりも術後や排便時などの痛みは楽です。なので、想像よりも「痛くない手術」であると言えます。
裂肛(切れ痔)の手術は「痛みを取り除くことが目的」なので術後の方が楽です
裂肛(切れ痔)とは、硬い便などで肛門が切れたり裂けたりした状態のことを言います。裂肛の手術は「排便時の痛みを取り除くための手術」ですので、排便時の痛みが強い方ほど、術後の方が排便が楽になります。
内痔核の術後の痛みは1週間程度で解消されることが多いです
内痔核の手術の場合、術後しばらく痛みを感じることがありますが、当院で手術を受けられたほとんどの方が「思っていたより痛くなかった」とおっしゃります。また、痛みを感じるのは排便時だけで、それも1週間程度で解消されることが多いので、過度にご心配になる必要はないと言えます。
肛門の手術の流れ
1診察
食事制限はありませんので、ご来院前に朝食を食べて頂いても結構です。ご来院頂きましたら、「左側臥位(体の左側を下にして横になる体勢)」で診察を行います。初診の場合はその後、指診で患部の状態を確認した後、ぬるま湯で浣腸します。浣腸の目的は排便ではなく、指診だけではわからない出血や腫れの程度を確認するためです。その後に肛門鏡での観察を行います。再診の場合は指診と肛門鏡での観察を行います。基本的には浣腸はしませんが、場合によってはもう一度浣腸して観察することもあります。
2ご説明
浣腸が終わりましたら、再度、診察を行って病気の程度などをわかりやすく丁寧にご説明します。難しい専門用語などはできるだけ使わないようにして、日常的に使われる言葉でご説明します。
その後、お仕事やご家庭の事情などに応じて、いつ手術するか、入院か日帰りかなどを相談させて頂きます。
緊急を要する場合や、患者様がご希望になる場合を除いて、すぐに手術することはほとんどありませんのでご安心ください。
3手術当日
前回の診察時にご相談させて頂いた日時にご来院ください。手術は午前の外来診療終了後に行います。術中の嘔吐や誤飲を防ぐため、昼食は食べられませんので、朝食はしっかり食べてきて下さい。
4手術開始
手術の際には局所麻酔をしっかりと効かせますので、痛みを感じることはありません。麻酔の処置は5分程度です。麻酔には痛みを取り除く以外にも、肛門の緊張をほぐして治療しやすくするという効果もあります。また、肛門の緊張をとることで術後の痛みが抑えられるようにもなります。さらに術後の痛みを抑えるために「先取り鎮痛」なども行います。
5手術終了
術後はいつも通りの生活を送って頂くことができます。昼食は食べられませんが、夕食は自由に食べて頂けます。入院される方は手術翌日からシャワー、翌々日から入浴して頂けます。お体を温めることで肛門の緊張がほぐれて痛みも軽減され、血行が促進されて腫れも引きますので、しっかり入浴して頂いた方が治りが良いと言えます。
術後の経過について
術後の経過はほとんど皆様同じです
京都市上京区・肛門科専門の渡邉医院の院長は、キャリア20年以上・手術例11,000件以上の豊富な実績から、手術を受けられた患者様が術後、どのような経過をたどるのかを把握しています。特に内痔核(いぼ痔の一種)の術後の経過はほとんど皆様同じで、年齢・性別に関わらず、ほとんど個人差なく皆様同じ経過をたどっていきます。
経過の内容を詳しくご説明しますと、術後1週間から10日間で排便時の痛みがとれ、2週間で傷口が8割程度治り、3週間後には完治しています。皆様ほとんど同じ経過をたどります。これを術前に患者様にお話しすると、気持ちが楽になって皆様とても安心されます。そして術後、実際にその通りの経過をたどるので、「先生に教えてもらった通りでした」とまた安心されます。
こうしたことは、これまで何人もの患者様に手術を行い、データを収集してきたからわかることです。そういう意味ではこれは「先生が教えてくれたこと」ではなく、「患者様の体が教えてくれたこと」だと考えています。当院はただそれを患者様にお話ししているだけなのです。
術後のトラブルにも適切に対応します
京都市上京区・肛門科専門の渡邉医院では、これまで数多くの手術を行ってきました。もちろん、「万が一」のない安全な手術を心がけていますが、何かトラブルが起きた時にも迅速かつ適切に対応することが可能です。術後の出血や合併症にも万全の体制で対応することができますので、安心してお任せ頂ければと思います。
不測の事態が起きた時に、いかに適切なリカバリーが行えるかどうかが大切です。「何が原因でトラブルが起きているのか?」「どうすれば治りが良くなるのか?」などを素早く判断して対応させて頂きます。
術後にご注意頂きたいこと
術後の管理も大切な治療の一環です
手術が終わったら、それで「治療は終わり」というわけではありません。術後の傷の経過をきちんと管理するのも大切な治療の一環です。手術が成功しても、術後の経過の管理がきちんと行われていないと、トラブルが起こる恐れがあります。なので、術後はお伝えした通りきちんとご通院頂くようにお願い致します。
気になることがある時には全部お伝えください
患者様の中には、術後、気になることがあっても遠慮してきちんとお話しになられない方もおられます。ですが、遠慮する必要はありませんので、気になることがあれば全部お伝えください。気になる症状の裏に別の病気が隠れている場合もありますので、ご自身のお体を守るためにも何でもお話し頂くようお願い致します。