こんにちは。渡邉医院の渡邉です。
今日は水曜日、休診日です。少し勉強をしようと思います。
私の専門ではないのですが、乳幼児の便秘症について勉強してみました。
時々渡邉医院にも便秘の子どもが受診されることがあります。緩下剤を処方することもあるのですが、最終的には「かかりつけの小児科の先生とよく相談してくださいね。」ということになります。でも少しはアドバイスができればなあと思います。
さて、なるほどと思う言葉が目に飛び込んできました。それは「うんちの呪いを断ち切ることが治療の肝」という言葉です。なるほどと思いました。やはり硬い便が出た時の痛みが怖くなって便が出せなくなるということはよくあると思いました。
便塊が直腸に溜まったままになって(便栓塞)、出せない。出したときに痛みがあり出したくなくなる。また直腸に便塊が溜まる。この負の連鎖を断ち切ってあげることが治療にとって大事なことだと言うことです。
さて、便秘症は大きく二つに分類されます。一つは何らかの病気、基礎疾患があって器質的な異常があって便が出ない器質的便秘症と、もう一つは、基礎疾患を除外した機能性便秘症です。
そして、乳幼児便秘症には便秘の発症時期で特徴があるとのことです。
- 1)離乳食開始前(生後6カ月まで)の便秘症では、何らかの器質的な疾患が背景にある可能性があり、そのことを考慮しなければならない。
- 2)離乳食開始後(生後6カ月から12か月)の便秘症では、離乳食開始に伴って便が硬くなる。
- 3)トイレトレーニング時期(2歳~3歳)の便秘症は、トレーニング中に硬便が出て排便時に痛みがあり、排便に関しての恐怖心を抱いてしまう。
- 4)保育施設や幼稚園、小学校へ通い始めた時期(4歳~7歳)の便秘症は、自宅以外でのトイレではい便することが怖い、嫌だ、恥ずかしいことが原因
このように発症時期で便秘症の原因に特徴があるとのことです。4)の学校のトイレで排便することに関しては、私自身の経験上よくわかります。
小学校で便がしたくなって、学校のトイレに行きたくなくて家まで帰って排便。学校では私がいなくなったのを心配して探して下さり、ご迷惑をかけたことを記憶しています。
なかなか難しいですが、どこのトイレでも排便できるということはとても大事だなあと思います。
話は変わりますが、地震や水害で非難された人たちにとって清潔なトイレが直ぐに設置されることは、とても大事なことだなあと思います。
さて、乳幼児の便秘症の診断ですが、便秘症が発症した年齢が4歳未満では1週間の排便回数が2回以下、過度の便貯留の既往があるなどの症状が1か月以上続く場合は便秘症と診断するということです。ただ、様々なケースがあるので、排便が困難な状況をしっかり診ていくことが必要とのことです。
便秘症と診断した後、便秘症の原因が器質的疾患によるものか、そうでないかを確認する必要があります。そのためには「警告症状」があるかないかを確認することが重要とのことです。「警告症状」とは、①生後24時間~48時間以降の胎便の排泄の遅延。②生後2カ月以内の血便。③成長障害または体重減少などを伴う。こういった例の患者さんは基礎疾患を除外するために専門医を受診することを進めるとのことです。
また、牛乳アレルギーによる便秘症があるとのことです。
完全母乳栄養から混合栄養や粉ミルクに変えた時に発症する便秘症です。牛乳の蛋白質に感作されることによって便秘を発症します。便秘症に対しての標準治療で改善がない場合は、牛乳の摂取制限を検討して、2~4週間の牛乳蛋白除去により便秘の改善を図るとのことです。
治療に関しては、直腸に便塊が残ったままになると、直腸からさらに水分が吸収されますます便が硬くなり、その硬便を排出する際に痛みが伴います。この痛みのため排便を我慢してしまうようになる。この負の連鎖を断ち切ってあげることが大事です。この負の連鎖、「うんちの呪い」を断ち切るために、第一選択となる治療はグリセリン浣腸とのことです。
軽症例やグリセリン浣腸に抵抗がある場合は、緩下剤を使うそうです。