渡邉医院

4月も半ば

4月ももう半ば。今年は桜を見ることができた。2年ぶりの桜。

そう言えば、父も桜を楽しみにしていたが、桜を見ることなく他界した。

桜の花は、とても美しく咲き誇るが、一気に散っていく儚さも感じる。

私にとって桜は色んな思いを呼び起こす。これからもずっと。

前回の入院は様々なことを経験した。

一番怖かったのが、私自身が精神的におかしくなってしまうのではないかということだった。

痛みがあり、その痛みがなかなか改善されない。最終的には麻薬を使って痛みをコントロールした。夜は眠れず、夜が来ることに恐怖を感じた。段々、自分が精神的におかしくなっていくのを感じた。精神科の先生にも診てもらい、まずは眠ることが大事と睡眠導入薬を処方してもらい、不安が強い時に内服する安定剤も処方してもらった。

悪性リンパ腫の再発の所見はなかったが、もう一度抗がん剤による化学療法を4クール行った。化学療法の効果も出てきて徐々に痛みが軽減し、夜も眠れるようになった。

病気への恐怖もあるが、自分がどんどん精神的に壊れていくのがとても怖く、初めての経験だった。

今はもうテープ型の麻薬の痛み止めも使うことなく経過してしている。よかった。

去年の12月23日に退院して、1月から少しづつ診療を再開した。当初は2月は体調は大丈夫だろうか?3月はどうか?桜は見れるか?など常に不安を感じながら診療していた。でも今は、大丈夫だ!体調も段々よくなっていく。やって行けそうだと段々自信がついてきた。

主治医の先生から、「以前は自家血幹移植をした後再発した場合、余命6ヶ月と宣告していた。」と言われた。今は私のように、再度の化学療法、放射線の全脳照射などがあり、以前とは違ってきている。再発?してからもう6ヶ月以上経っている。でも私は全ての治療を行なっているので次はどうするか課題はある。

このまま寛解状態が長く続くことを祈るばかりだ。あまり無理をせず、生きていきたいなあと思う。

今は、朝起きると生きていることを感じる。朝のコーヒーの香りが心地いい。朝食も美味しい。仕事にも行ける。何気ない生活が送れることに喜びを感じる。

玄関前のモッコウバラ、蕾がたくさんついている。今年はたくさんの花が咲くかな。