渡邉医院

オンライン資格確認システムトラブル事例アンケート結果

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
今、マイナ保険証に関してのトラブルがどんどん出てきています。
 保険証の廃止、マイナ保険証への移行。国は直ぐに撤回廃止をしなければならないと思います。
 「いつでも、だれでも、どこでも、保険証一枚で医療を受けられる。そして現在使われている保険証はマイナ保険証のように自らが申請しないともらえないものではありません。保険者が責任をもって被保険者、私たちに発効するものです。
 何のためのマイナンバーカードなのかわかりません。
 京都府保険協会では、緊急に京都府内の医療機関に「オンライン資格確認システムトラブル事例アンケート」を行いました。その意結果を紹介したいと思います。
 誰が得するマイナ保険証なのか?
 保険証の持つ意味をもう一度考え、保険証の廃止は早急に撤回するように国に求めていきたいと思います。

オンライン資格確認システムトラブル事例アンケート結果
・2023年6月12日~15日FAXにて実施 対象1523 回答数 322
          2023年6月19日 京都府保険医協会
1)年齢
20歳代     0人             0%
30歳代    12 人            4%
40歳代    40 人           12%
50歳代    92 人           29%
60歳代   109 人          34%
70歳代以上  65人        20%
NA      4人      1%
合計    322 人    100%
2)区分
医科無床診療所 288 件 89%
医科有床診療所 5件    2%
病院     29 件   9%
NA      0 件   0%
合計 322 100%
3)オンライン資格確認の実施について
実施している   270 件 84% 
準備中       28件  9%
経過措置を申請した 18件  6%
その他        6 件 2%
合計        322件 100%
➡現状で実施している医療機関は84%

4)オンライン資格確認システムを導入してからこれまでにトラブルはありましたか
あった   194件  72% 
なかった   79件 29% 
➡実施医療機関のうち72%がトラブル「あった」

・保険者情報が正しく反映されていなかった(無効・該当資格なし
と表示されたなど)
  138 件 71% 
・カードリーダーまたはパソコンの不具合によりマイナ保険証を読
み取りできなかった
  100件 52% 
・マイナ保険証の不具合(ICチップの破損等)で読み取りができな
かった
   32 件 16% 
・トラブルが発生したことに対して、患者から苦情を言われた
   24 件 12% 
他人の情報に紐づけられていた
    2件  1% 
このほか具体例の書き込みでは、
「顔認証がうまくできない」も多く、中には「娘のカードを入れたら顔認証できてしまった」というケースもみられた
4)オンライン資格確認システムを導入してからこれまでにトラブルはありましたか
あった   194 件  72% 
なかった   79件  29% 
5)4で「あった」とお答えした方にお聞きします。どのようなトラブルでした
か。(複数回答)
➡トラブル対応は以下の順。このほか具体例の書き込みでは、「顔認証がうまくできない」も多く、中には「娘のカードを入れたら顔認証できてしまった」というケースもみられた。
・保険者情報が正しく反映されていなかった(無効・該当資格なし
と表示されたなど)
   138件 71% 
・カードリーダーまたはパソコンの不具合によりマイナ保険証を読
み取りできなかった
   100件  52% 
・マイナ保険証の不具合(ICチップの破損等)で読み取りができな
かった
    32件  16% 
・トラブルが発生したことに対して、患者から苦情を言われた
    24件  12% 
他人の情報に紐づけられていた
     2件  1% 

6)4で「あった」とお答えした方、トラブルがあった時点で、どのように対応しましたか。(複数回答)
➡トラブル対応は以下の順
・その日に持ち合わせていた健康保険証で資格確認をした
 152 件 78% 
・レセコンメーカーに相談をした
  49 件 25% 
・前回来院時の情報をもとに対応をした  49件  25% 
・保険者に連絡をして相談した  40件  21% 
・オンライン資格確認のコールセンターに連絡をした  28 件 14% 
・その他  20件  10%

7)6のトラブル対応で、「一旦10割負担を患者に請求した」事例はありましたか。(4月以降)
➡10割請求の事例は64件と推計される
10割請求の事例の有無
なかった 166 86%
1~2件あった  23件 12% 
3~4件あった  2 件 1% 
5件以上あった  2 件 1% 

8)4で「あった」とお答えした方、トラブルにすぐに対応できなかった事例はありましたか。(4月以降)
➡45%がトラブルにすぐに対応できなかった
トラブルに対応できなかった
あった(1~5件)  59件  36%
あった(6~10件)  5 件 3%
あった(11件以上) 10件  6%
なかった      91件  55% 

9)8で「あった」とお答えした方、すぐに対応できなかった原因を教えてください。(複数回答)
➡すぐに対応できなかった原因は以下の順
・健康保険証を持ち合わせておらず、すぐに資格を確認できな
かった
  29件  36% 
・オンライン資格確認のコールセンターに連絡をしたが、すぐに繋
がらなかった
  24件  30% 
・レセコンメーカーに連絡をしたが、すぐに繋がらなかった
  17件 21% 
・保険者に連絡したが、資格を確認できなかった
  10件 13% 
その他  26件 33%
10)オンライン資格確認システムの導入を「義務化」したことや、導入後のご感想、ご意見
➡約7割221人が意見を記入。うち少数ではあるが「便利になった」との声もあるものの、ほとんどは拙速すぎるオンライン資格確認システムの導入への批判や現状で保険証の廃止はすべきではないというもの(一部を掲載)
11)オンライン資格確認システムの導入を「義務化」したことや、導入後のご感想、ご意見(抽出)
1)オンラインシステム業者が多忙でなかなか工事が来ません。急な義務化でみんな迷惑しています、マイナンバーカードの使用法がわからず、受付の混乱が考えられます。
2) 医療の一方的に推し進めるとその対応に準備が出来ない医療機関が多くある。
3)マイナカードが流通していないのに義務化だけ先行しても、利用者がかなり少なく全くメリットを感じないし、経済的負担も増えるだけだと思っている。
4)オンラインのトラブルではありませんが、「発熱」でトリアージして別の建物で診察すべき患者さんがマイナ保険証しか持っておられず、受付に設置してある読み取り機器とカメラのところに入ってもらわざるを得ず、他の患者さんとの接触を避けるのに苦労した。
5)昨年9月に申しこみしたものの混みあっているのか、2023年4月設置には至らず。そもそも物理的にも準備不足。またシステムトラブルや個人情報のトラブル(他人の情報が紐づけられている)等、ニュースがあとをたたず。やる意味があるのか?
6) 顔認証の精度が悪い。暗証番号を記憶していない人は顔認証しか手段がないので困る。
7)該当なしと出てきても該当有のケースが多く、逆の場合は確認している意味がなく、診療費のとりこぼしにもつながるので運用に不安がある。
8)ほとんどの患者が高齢者の当診療所では患者さんの負担が増え、使用されることも少ないと思います。本当に必要なのか疑問です。
9)高齢者にはなかなか理解されず、そのことで説明するのに時間がとられ業務に支障が出ています。顔認証できず、暗証番号忘れてしまう方も…
10)個人情報とかのセキュリティが万全と思われず、何かあったらすべて医療機関の責任という国の指針に納得いかない現状です。
11)トラブルが多すぎて受付の対応が困難である。現在は保険証を参されている方が多く、資格確認できることが多いが、廃止されたら大変なことになる。・機械や通信トラブルで医療機関が非難され納得いかない。
12)トラブルが多いようなのでオンライン資格確認システムが導入されても当面は従来の保険証の持参をお願いしようと考えております。
13)エラーがたくさん出て、エラー内容の分析ができない。保険者の問題なのか、システムの問題なのか、サーバーが壊れているのか、リーダーのトラブルか判断ができない。準備不足も苦しい、あれだけ医療機関に強要しておきながら、十分な準備も出来ていないシステムを使うな。河野大臣は引責辞任すべき。厚労省やデジタル庁も反省
すべき。トラブル時の対応も不適切。うちではないとたらい回しの行政の対応はいつも不誠実。このシステム自体、撤回されるべきと考える。まったく国民をだます政府で困る。
14)氏名のカナ登録がマイナ登録とレセコン登録が違うと患者特定できない。とメッセージが出る。例)ショウタ(レセコン) ➡ シヨウタ(マイナ登録)。・保険証の切り替えが直近ですと反映できていないことがあり、マイナンバーだけの持参では確認とれないことがある。
15)オンラインは便利な反面、実際、ご本人が持っている保険証の割合や区分が載っていなかったり、有効期限や資格取得日が違ったり、名前の漢字で●が出たりといろいろ問題あります。市町村単位の41や45などは反映されないし、結局保険証を見せてもらっています。保険証が廃止となると認知の人や意識がなくて救急搬送された方などは暗証番号もわからず、顔認証もできません。国はどう考えているのでしょうか。職場は大変混乱しています。
16)カルテを作成するのに必要な被保険者番号や公費・福祉の情報はマイナ保険証からは得ることができず、結局保険証一式を確認することが多い。まだまだ高齢者の患者さんはカードリーダーを一人で操作することが難しくスタッフがそばについての説明が必要なため手をとられる
17) 保険証の情報がリアルタイムで反映されていないので、オンラインにする意味がない
18)国保の有効期限を確認できるようにしてほしい。保険の移行期間中も確認できるようにしてもらえると患者さんの負担が少なくてよい。公費も確認できるようにしてほしい
19)災害時の電源が落ちた後、復旧までが長くなると患者データがでてこないので診療できなくなるのでは。知的障害者や認知症の方の扱いはどうなるのか?
20)当院では当分の間、保険証も持参していただくようお願いしています。加算点は請求していません。このような保険情報の入力がずさんな状態で、またはマイナンバーカードのない人が多い状態で、保険証の廃止は無謀と言わざるを得ません。保険証があれば一番確実に資格の確認が簡単にできます。トラブルがゼロになるまで、保険
証は廃止すべきではないと考えます。
21)患者さんの受診の際に負担が増えたり、受診そのものが困難になったりするシステムはやめてほしいと思います。
22)高齢患者さんが大半を占める当院では、マイナンバーカードを持参する方が少なく、促してはいるものの長年の健康保険証を大事にされる方がほとんどで、新たなシステムは受け入れにくい印象があります。
23)接続が完了したばかりです。マイナンバーカードのトラブルがはっきりと出てきており、マイナンバーカードでの受付けはしていません。保険医剥奪といわれ、患者さんに迷惑がかかるのを避けたくて、カードリーダー導入となったものの、強権的やり方に同意はできず、まず公務員と公的医療機関のみで行い、トラブルの確認を行って
一般に導入させるのがまともな人の考える事でしょう。
24)確かにオンラインシステムの導入は拙速であったといわざるを得ないようだ。一度論点を整理し直し、問題点を洗い出した上で、再トライすべきである。保険証への一体化はやめて選択を自由に。
25)独居高齢者や認知症、難病の方の患者様が多い診療所です。公費の申請もできない方が現にあります。マイナンバーカードの申請や更新ができるとは思えません
※4について、厚労省の「マイナンバーカードの健康保険証利用について」には、「コロナ禍のなか、できるだけ人との接触も避けた
い…これからは、顔認証付きカードリーダーで受付が自動化されます」とあるが、逆のことがおこっていたことになる

このような結果でした。こういった患者さんの声を聴き、現場の医療機関の声を聴き、いち早く、保険証の廃止を撤回することを国に臨みます。