渡邉医院

保団連代議員会に参加して感じたことー反核・平和・原発

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 前回は保団連代議員会に出席して感じたことの医療編についてお話ししました。今回は、反核平和、安全保障関連について感じたことをお話しします。

 私たち医師がどうして反核平和、安全保障に関しても取り組むかというと、私たち医師を始め医療従事者は、「国民の健康を守る。」ということを責務としています。では「健康」の定義は何かです。WHOの定義は「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされている状態にあること。」です。そうすると健康と戦争は真逆のものです。ですから私たち医師や医療従事者は国民の健康を守るために、戦争のない、平和な世界を求めていかなければなりません。

 ですから、私たち医師は反核平和・安全保障問題にも取り組んでいます。

 まずは防衛費の増額。5年間で42兆円。ロシアのウクライナ侵攻そして。北朝鮮のミサイル発射とそれに対してのJアラートの発信。テレビやマスコミでほぼ毎日のように報道している。映像で国民に戦争の悲惨さや北朝鮮の脅威などを煽っているような気もする。

 国民の命を守り、国を守るために防衛強化のための防衛費の増額。それであるならば国民の健康を守り、国を守るために社会保障費の増額ができないのかなあと思います。防衛費の増額分を増税で必死に集めようとしているのなら、社会保障費の増額のためにお金を集めることはできないのかなあ?少子化対策の財源もまだ曖昧なのにと考えてしまいます。

 また、国立病院機構や地域医療機能推進機構などの病院の積立金を国保に返納させて防衛費に流用する。本来なら、患者さんの命を守るために使うためのお金を巻き上げてしまう。何かやっていることが変だなあと思います。

 国民の命や国を守るのであれば、防衛費を増やすのであれば、社会保障費も上げなければいけないのではないか。なぜ削減しようとするのか。こんなことでは国民の命や国は守ることはできないと思います。

 防衛費を増額するのなら、その増額分を何に使うのか?あり丁寧に国民に説明していないような気がする。防衛費の増額分を国を守るために使うのか?相手を攻撃するために使うのか?「専守防衛」が「先制攻撃」になってしまう可能性もあります。やはり増額する防衛費の使い道。国民に説明していないなあと思います。

 核兵器に関しては、岸田首相はG7広島サミットの広島ビジョンで核兵器禁止条約に関しては一切言及せずに「我々の安全保障政策は、核兵器はそれぞれが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている。」と核抑止力を肯定している。岸田首相は「核兵器のない平和な社会を目指す」と言っているが、本当にそう思っているのだろうか?日本がしなければならないのは核兵器禁止条約に批准して、リーダーシップをもって核兵器廃絶への道を進むことではないだろうか。

 原発問題も、福島第一原発事故以降、政府は原発の新増設に否定的でした。しかし、ロシアのウクライナ侵攻による電力不足を理由に老朽原発の再稼働や新たな原発へと大きく舵を切りました。GX電源法で原発推進だけでなく、再生可能エネルギーの主力電源化を掲げている。それならば、老朽化した原発は順次廃炉にしていき、原発の新設はしないのが本当ではないだろうか。

 やはり、言っていることと、やっていることが矛盾している。

 ロシアのウクライナ侵攻や新型コロナウイルス感染症のパンデミックなど、人々の不幸を利用して、国の進めたい方向へと進んでいっているようなきがします。

 これらの政策は、国民のために行っているのか?だれのために行っているのだろう?

 前回もお話ししましたが、医療をはじめとする社会保障の問題、反核・平和・原発の問題は、なかなか国民一人一人が直接実感することがない問題だと思います。ですからどうしても関心が薄くなってしまう。

 私たちは、やはり国民に解りやすく、実感が持てるように丁寧に伝えていき、国民に理解してもらい、私たちの運動に賛同してもらい支えとなって、ともに取り組んでいかなければならないと思います。

 こんなことを、今日の代議員会に参加して感じました。