渡邉医院

保険証が廃止されると渡邉医院は廃業する!

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 41日に渡邉医院を再開して1か月チョット経ちました。58日の月曜日にいきなり仕事から帰る途中に寒気がして、自宅に帰って体温を測ると38.5℃の発熱。新型コロナウイルス感染症が5類になったばかりの日に熱発。咳や喉の痛みなど全く自覚症状はありませんでした。去年の10月に新型コロナウイルスに感染して、重症化はしなかったですが1週間寝たきり。「今回もかあ!再開して1か月チョット。また休診かあ!」とショックを受けて、医療機関を受診して検査をすると、新型コロナウイルスは陰性でした。解熱剤を1回内服して、9日の午前2時以降スッと熱も下がり、前日の38.5℃の熱は一体何だったのかと思います。やはりこの1か月間の疲れが出たのかなあと思います。前回も119日に再開して、34日に入院。やはりまだまだ「あまり頑張りすぎるな!」のメッセージだったのかなあと思います。

 さて今日は「保険証が廃止されたら渡邉医院が廃業する。」のかについてお話ししたいと思います。
  前回のブログでお話ししたように、私たちが医療機関にかかるとき、月に一回は健康保険証を提示しています。 これは私たちの「保険資格」、つまり「どの公的な医療保険に加入している患者なのか」を確認するためです。 今回の保険証廃止につながった「オンライン資格確認」とは、医療機関での 「資格確認」を健康保険証ではなく、「マイナンバーカード」に埋め込まれた「IC チップ」を使って確認するものです。

 そうすると、保険証が廃止されると、医療にかかる時にはマイナンバーカードを用いたオンライン資格確認が基本となります。

  でも、このマイナンバーカードは自分自身が申請しなければなりません。そうするとマイナンバーカードを自分自身が申請できない方が出てきます。たとえば、高齢者施設や障害のある人の施設に入所している人は、マイナンバーカードの発 行手続き自体が難しいケースが多いと思います。それだけでなく「紛失」することもあります。そこでマイナンバーカードが申請しない、しない人たちには国は「資格確認書」を準備するとしています。 「資格確認書」は被保険者がオンライン資格確認を受けることができないとき、「求めに応じて」交付されるもので、氏名、生年月日、被保険者記号・番号、 保険者資格を確認できる内容の他、自己負担割合も記載される予定です。 有効期限は1年なので、1年ごとの更新になります。

 マイナンバーカードの取得・保持は任意です。でも保険証は誰もが皆持っていなければならないもの、必ず発行しなければならないものです。それを紐づけることそのものに問題があります。保険証廃止自体、 国民皆保険体制における私たちが医療を受ける権利、受療権の著しい後退につながります。

 さて、ではなぜ保険証が廃止されると渡邉医院が廃院になるのかです。

 現在、渡邉医院は紙レセプト、紙カルテで診療を行っています。オンライン顔認証システムやレセプトコンピューター、電子カルテなどは導入していません。そうすると保険証が廃止されるとどうなるかですが、マイナンバーカードでの本人確認ができない状況になります。本院確認が出来なければ、渡邉医院で行った診療に対しての保健医療をおこなった診療報酬を算定することはできません。そうすると、渡邉医院を受診できる患者さんは、マイナンバーカードを持っていなくて、「資格確認書」を持っている方か、もしくは受けた医療行為に対して10割負担を払ってもいいという方だけしか診察できなくなります。マイナンバーカードだけの方は、渡邉医院での診療を受けることが出来なくなります。

 そうすると渡邉医院としては、全てを自費診療にするか、廃業するかのいずれかの選択を迫られることになります。

 では、オンライン顔認証システムやレセプトコンピューターを導入すればいいのではとなります。ただ、その導入は300万円ほどの初期費用や、その後のランニングコストが必要となります。

 去年悪性リンパ腫の治療で入院し休診していた渡邉医院。私の治療費のために貯蓄を使い、去年の課税所得0円となった私にとってはその費用を捻出することが出来ません。また、いつ再発して入院治療が必要になるかも予想できません。そうなりたくはないのですが。そうすると直ぐにマイナンバーカードに対応することが出来ません。

このようなことで「保険証が廃止されると渡邉医院は廃業になる。」ということに繋がっていきます。

 おそらく同じような状況にある医療機関は多いと思います。そうすると地域から、これまでかかりつけ医だった身近な医療機関がどんどん廃業していくことになります。

 まだまだ保険証廃止に対してはストップをかけることが出来ます。是非皆さんも保険証廃止に関して考えていただき、この法案を廃案にするよう声を上げていただければと思います。よろしくお願いいたします。

P.S.
 Twitterをリニューアルしました。又すぐにTwitterが渡邉医院のTwitterを凍結するかもしれませんが、その時はまた考えます。
 それまでは利用してくださいね。