渡邉医院

渡邉家の食育

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 大型の強い台風14号が近づいてきています。京都は病室の窓から見る分には、曇ってはいますが、まだまだ雨、風は大丈夫なようです。19日月曜日の午後から20日にかけて京都に最接近するとのことです。どの地域にも台風による被害がないことを祈るばかりです。

 私の方も914日に「自家血幹移植」を行い今のところは順調に来ています。今日の血液の検査で白血球は200/μlまで減少しました。これから移植した造血幹細胞が生着して、白血球をはじめとする血球を造りだしていくのを待つだけです。白血球も200/μl、好中球も6%。白血球特に好中球が増えてくるまで感染症には注意していかなければなりません。
 こういった治療を通じて、節目節目にいろんな思いが頭に浮かんできます。

 今回の自家血幹移植が終わった後は、これまでの治療に、肉体的にも精神的にも耐えることができるように育ててくれた母に対して「ありがとう。」と感謝の気持ちが湧き出ました。なぜか治療を通じて涙もろくなってしまい、思わず涙が溢れ出しました。止めようとすればするほど溢れてくる。そんな状況でした。

 以前、「情操教育」に関してのブログで母の教育に関しての姿勢を少し紹介しました。
 今回の治療に関して母の教育が実っていると感じたのは食事のことです。

 移植前治療が終わった当日から2日間は、嘔気や嘔吐でほとんど食事が摂れない状態でした。ただ、それを過ぎると食べれるようになり、病院食をしっかり食べれるようになりました。
 作って下さった食事、目の前にある食事は押しく食べると育てられた気がします。

 実家にいたころの食事に関して少しお話ししますね。

 渡邉家はほとんど外食をしませんでした。それは外食が嫌いだったというわけではなく、父方の祖父と一緒に暮らしていたこともあります。祖父はほとんど外食はしない人でした。
 母が毎日、美味しい料理を作ってくれていました。たまに手伝ったりはしていました。
 祖父が長男だったので、何か事があれば実家に渡邉家の親戚一同集まって食事をしていたといった印象です。

 父はいろんな方を自宅に招くのが好きで、自宅での母の手料理の宴会が多かった気がします。
 父はいろんな方を呼んで飲んだり食べたりすることが好きだったようです。ただ、楽しくしゃべった後、ある程度時間が経つと、「明日のことがあるから、もう休みます。」とさっさと一人でその場を離れてしまうことが多く、いつも母が最期まで付き合っていました。

 何となくその頃は、「なんか変な家。」と感じていたと思います。でもこのことが、いろんな方と楽しく食事をしながら話をしたり、この時間で自分の知らない世界の方々の話を聞くことができたのも、私にとってはとても有意義だったんだと思います。宴会後、一人でかたずけている母を手伝うこともありました。

 また、こんなこともありました。
 私がまだ小学校の頃、山梨県の甲府市にいた頃です。

 母がカレーを作ってくれた時です。食べているときに、まだ十分に溶けていない固形のルーを口に入れた時、「うえ~。」と言ってスプーンでルーを取り出した時です。いきなり父は私の首元の服をつかみ一番奥の部屋まで引きずっていきました。私としては何が起きたかわかりませんでした。父は部屋に引きずり込んで、「一生懸命お母さんが作ってくれたカレー。うえ~とはなんだ!」と怒鳴り、反省文を書かされました。

 チョットやり過ぎ感はありますが、父は「一生懸命作って下さった食事は、美味しくしっかり食べろ。」と言いたかったのかもしれません。

 これが要因かはわかりませんが、そんなこともあって、救命救急センターに勤務していたころ、いつ患者さんが搬送されるかわかりません。食事も食べれるときに食べておくといった感じです。また緊急対応で冷え切ってしまった食事や伸びきったラーメンもそう苦も無く食べれるようになっていました。いいのか悪いのかわかりませんが、食事に関してはたくましくなったと思います。

 また、こんなこともありました。私が大学生になったばかりの頃?高校生の頃?でしたか、東京で結婚式があるとのことで両親が東京に来ました。私には妹がいるのですが、家族みんなで結婚式があるホテルで宿泊することになりました。

 父と母は、結婚式での披露宴で夕食が出ますが、私たち兄妹二人は自分たちの夕食を考えなければなりません。そんな時、父が「臆することはないぞ。ホテルのレストランどこでもいいから好きなものを食べてこい!堂々としていろ。」と。

 そういわれても私が高校生だと妹は中学生。二人きりでホテルのレストランで好きなものを食べてこいとの指示。高級なホテルのレストラン。緊張しながらも美味しい食事をいただきました。その食事で印象的で今も覚えているのが、妹が「マッシュルームサラダを食べてみたい。」というので頼んでみました。予想としてはいろんな野菜の中にマッシュルームがたくさん入っているのかなあと思っていたのですが、きたマッシュルームサラダは、マッシュルームだけ、そこに美味しいドレッシングがかけてある。そんなサラダでした。思わず二人目を合わせたと思います。
 こんな経験で、意外と度胸はついたと思います。

今日はなんかとりとめもなそして長い話を綴ってしまいました。良ければ読み流して下さい。