皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
昨日、無事「自家血幹移植」が終了して1日目です。特に変わりなく順調に進んでいます。
今朝、血液検査をしました。昨日移植したから白血球が増えてくるというわけではありません。今週末にかけてグッと白血球は減ってくると思います。そして、来週末頃、移植した造血幹細胞が生着し、白血球などの血球を増やすようになると思います。
さて、今回は昨日「便秘ネットフォーラム」にWEBで参加したので、その報告をしたいと思います。
今回のテーマは、「こどもの便秘を考える~知っておきたい3つのポイント~」でした。
まず診察に当たっての3つのポイントを示されました。
- ① 治療を必要とする患児を見逃さないこと。
- ② 便秘の悪循環に関して理解してもらうこと。
- ③ 便塊除去を適切に行うこと。
この3つを挙げられました。
- ①に関しては、下着が常に汚れているなどの症状が有る場合、便塊が詰まってしまってる
ことがあります。詰まっている脇を軟便がだらだら出て、頻回に下着が汚れてしまうなどの症状です。スッキリ気持ちよく出ているかどうか診断し、早期に治療を開始していくことが大切とのことでした。
②に関しては、排便時に硬い便が出ると痛い、切れてしまって痛みや出血をする。そうすると、今度は便をするのが嫌になってしまいます。そしてさらに硬便、便秘となって排便時に痛む。こういった悪循環に至ってしまうことがあるので、それを早く断ち切る治療が必要となってきます。
③の便塊除去を適切に行うに関しては、以前快便の秘訣でお話ししましたが、直腸に便塊が詰まってしまうと、直腸だけでなく、大腸全体に便塊が詰まってしまいます。又、直腸に便が残ったままだと、便がしたいという便意がなくなってしまいます。これも便秘の悪循環ですし、勝手に便が出てしまう原因になります。ですから直腸に詰まった便塊を浣腸等で出した後、まだ大腸に残っている便がスッキリで切っているかを確認する必要があります。
またお父さん、お母さんには、お子さんの排便状況を把握して欲しいとのことでした。例えばこんなことを講師は話されました。「うちの子供は、家では便は出ませんが、保育園で出ているとばかり思っていました。」ということです。
さて、子供が排便を我慢する原因には次のようなものがあります。排便時に痛みがある、切れる。また、意識的に排便を我慢するなどだそうです。意識的に我慢している際の姿勢があり、足をクロスさせて我慢するのが我慢姿勢だそうです。
さて、治療ですが、まずは詰まっている便塊をスッキリ出し切ることが大切です。場合によっては毎日浣腸をしてスッキリ出るようにするなどです。やはり先ほども言いましたが、不完全な便塊の排泄はダメで、溜まっている便はすべて出すが原則とのことでした。
さて、子供への薬物療法ですが、モビコールというお薬が2歳以上の小児にも使えます。
モビコールはポリエチレングリコール(PEG)製剤(便秘症改善薬) に分類されます。 ポリエチレングリコール(PEG)製剤(便秘症改善薬)とは、ポリエチレングリコール(PEG)の浸透圧により腸管内の水分量を増加させ、便中の水分の量を増加させることによって便を柔らかくして、便の容積の増大させることで蠕動運動を亢進させ排便を促すお薬です。
飲み方は、モビコールをみずに溶かして飲みます。ですから子供も飲みやすいのではないでしょうか?
ただ、お薬をしっかり飲み続けることができるかどうかが重要になってきます。
やはり便秘を治すことは根気がいります。焦らず時間をかけて治していかなければなりません。ですから、このお薬を飲み続けられるかどうかは大事です。
講師にこんな質問がありました。「下剤の止め時は?」です。
この下剤を止める時期はとても難しいとおっしゃっていました。下剤を内服しているから便が出ているのか?便秘が治って出ているのか?の判断が難しいです。
ですから、まずは長期間の治療が必要であることをお話しした後、下剤の中止はせず、調子が良ければ少し減らし、調子が悪ければ増やすといったことを繰り返す。とのことでした。
やはり排便時に硬便が出て痛かったのが、柔らかくて痛みのない排便ができるようになる。この好循環に持っていければ便秘は良くなると思います。
子どもの便秘症、かかりつけの先生などに相談してみて下さいね。