渡邉医院

明日が最後の抗がん剤投与。後は「待つ」だけ

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 今、私は「自家血幹移植」に向けて、抗がん剤による移植前処置を行っています。

 抗がん剤の種類は前回お話ししたように2種類です。ブスルフェクスとリサイオです。

 ブスリフェクスの2日間投与は終わり、今日は最後のリサイオの1日目の投与を行いました。特に強い副作用もなく、今日は終了しました。おそらくこの調子でいくと、明日も強い副作用は出ずに治療が進んでくれるものと期待しています。

 329日に緊急入院。その後これまで入退院を繰り返しながら悪性リンパ腫に対して抗がん剤治療を行ってきました。

 当初、入院した時は「早く治さなければ!」という気持ちが前面に立っていましたが、それと同時に、抗がん剤の治療はどんなものなのだろうかという不安もありました。

抗がん剤による治療と聞くとやはり「闘病」という言葉を直ぐに思い浮かべます。自分に耐えられるのだろうかなどの不安もありました。テレビなどの映像では、抗がん剤による副作用で激しく苦悩する姿をみたり聞いたりすると、本当に不安になります。でも主治医の先生の、今何をしなければならないのか、それによるメリット、デメリット。そして今置かれている私の状況などのわかりやすい説明、一緒に治していきましょうという姿勢。また看護師さんを含むスタッフ皆さんの支えでその不安は解消されました。「なるようにしかならない。自分が頑張れるところは頑張って、任せるところは全面的に任せよう。」と、そう思うことができました。そして家族や見えないけれど私の周りにいつも見守っていて下さる皆さんが支えて下さっていると思うことが本当に力になりました。ありがとうございます。

幸いなことに、主治医を始めスタッフの方々のお力もありますが、言い方が正しいかどうかわかりませんが、私にはこれまで使ってきた抗がん剤が私の体にあっていたのか、治療の間、あまり激しい副作用はなく、本当に順調につまずくことなく、ここまで来ました。

明日が、329日入院してこれまでの一連の治療で最後の抗がん剤投与となります。その後は「待つ」だけです。抗がん剤の作用で、もしもまだがん細胞が残っていればそれを叩き、骨髄が抑制され一旦「骨髄が死んだ」時には、あらかじめ採取しておいた造血幹細胞を移植する。そしてその造血幹細胞が骨髄に生着しするのを「待つ」。生着した造血幹細胞が白血球、赤血球、血小板などを生み出していくのを「待つ」。

これまでの治療で学んだ「待つ」を実行するだけです。

 以前にブログに書いた「風林火山」ではありませんが、しっかり準備を整えたうえで、心穏やかに林の如く静かに、そして山のように動かず「待つ」。いざこの機と判断したら烈火のごとく疾風のように治療する。そしてまたその効果、結果が出るまで「待つ」。
 これまではこの一連の流れがあったようです。そうして今回がその集大成です。

 「やること帳」もこの白いノートで3冊目。今感じていること、今の私の体の状況、予定等様々なことを書き留めた貴重な宝物になりました。

 「自家血幹移植」にしっかり取り組み、完治して、復帰して、渡邉医院を再開することを目指して、残り僅か、でも一番の大きな山を越えていきたいと思います。