10月ももうすぐ終わり、11月になります。ここ数日寒いのは寒いですが、少しマシな気がします。
渡邉医院の手術予定を記入するホワイトボード、2か月ごと記入していくのですが、「12月」と月が入ったホワイトボードがついにでました。後2か月、きっとあっと言う間なんでしょうね。
そろそろ紅葉も進んで見ごろのスポットが出てきますね。コロナの感染も少し落ち着いてきています。感染対策をしながら紅葉を見に行きたいですね。渡邉医院の玄関前のハナミズキ、少し色づき始めました。中庭の紅葉はまだまだ青々しています。中庭の紅葉はまだまだ先かなあと思います。
そうそう大事なことが。今度の日曜日10月31日は衆議院選挙の投票日。私たちの生活、暮らし、そして命を守ってくれる人に投票しに行きましょうね。
さて、今週1週間の間に同じような患者さんが3人受診されました。どのような患者さんかと言いますと、患者さんの訴えはこうです。
「大腸内視鏡検査をした際に、医師に『痔がありますね。』と言われました。」という訴えです。このような訴えで受診される患者さんは結構いらっしゃいます。こんな時に、まず私が患者さんに聞くことは、「普段、排便時に出血するとか、痛いとか、また肛門が腫れてくるなどの、自分が感じる自覚症状はありますか?」です。今回3人の患者さんは皆さん、「普段はなんの症状もありません。検査の時に言われてびっくりしました。」といったお返事でした。このことはとても大事なことです。肛門の病気は、どんな病気でも必ず自分が感じる自覚症状があります。なんの自覚症状もなく、いつの間にか知らないうちに肛門の病気が悪くなっているということはありません。
内科の病気では、自分の知らないうちに病気が進んで、何かおかしい、具合が悪いと思って診察を受けたら、「血圧が高いですね。」とか、「肝臓の具合が悪くなっていますね。」と自分が知らないうちに病気が進み、気が付いた時にはある程度病気が進んでいるということがあります。でも肛門の病気はそんなことはありません。例えば、排便時に出血するとか、痛みがある。場合によっては排便時に痔核が脱出してくるなどの必ず自分が感じる自覚症状があります。自覚症状がなく、いつの間にか病気が進み悪くなっていくことはありません。出血した、それがだんだん頻回になっていく、そして終結の量が増えてくるとか、排便時に痛みがある。その痛みがだんだん強くなってくる。そして排便時だけでなく排便後も痛みが続くなど必ず自覚症状がでて、病気が悪化すると、その症状が強くなっていきます。ですからなんの症状もないときは肛門の病気は良くなっているということです。
さて話を戻しましょう。
では、なぜ大腸内視鏡検査をした際に「痔がありますね。」と言われてしまうかです。
大腸内視鏡検査をする際に、大腸に便などの食物残渣が残っていると十分に大腸粘膜を観察することができません。最近では微細な癌まで描出する内視鏡もあり、本当に早期のごくごく小さな癌まで発見できます。ですから、大腸をスッキリきれいにして、十分に見落とすことなく検査する必要があります。そのために検査前に下剤を飲んで、大腸内の便や食物残渣をすべて出し切らなければなりません。下剤をしっかり飲むことで、何回も何回もトイレに行って下痢をすることになります。検査のためには必要なことなのですが、肛門にとってはとてもきついことです。大腸内視鏡検査を経験された方は、頻回の下痢で肛門が痛かった経験をされた方もいらっしゃると思います。
このように、頻回の下痢によってやはり肛門の具合は悪くなります。内痔核ができる部分の静脈叢が鬱血したり、場合によっては下痢によって裂肛になったり。そういった状態の肛門を内視鏡で観察するとやはり、「痔がありますね。」になってしまうと思います。
やはり、肛門の病気の診断は普段どんな状態かを診察して、診断することが大事です。そして、自分が感じる自覚症状が有るか無いかもとても大事なことです。
大腸内視鏡検査をうけて、肛門の病気が心配な方は、一人で悩まずに肛門科を受診してくださいね。