10月になっても、なんとなく蒸し暑い日が続いています。今週後半からは急に寒くなるようで、何か変な気候ですね。皆さん体調は崩していませんか?
こんな天候のせいもあるのか、今日は血栓性外痔核の患者さんが多かったです。気圧の加減もあるのでしょうか?
さて、まだまだ肛門科の敷居は高いようで、お尻の具合が悪くてもなかなか肛門科を受診できない方も多いようです。Twitterでの相談もしています。一人で悩まずに相談してみて下さいね。自分の悩みは皆の悩みです。
今回は、皆さんからの質問に答えていきたいと思います。
いろんな質問がありますが、でもどの質問も、皆が知りたい質問のように思います。
まず一つ目の質問です。
Q. そもそもなぜ痔になるのですか?
A. 内痔核(いぼ痔)の原因は、人間が二足歩行するようになったのが一番の原因です。二足歩行することで、寝ているとき以外はいつも肛門は心臓より下にあります。もともと肛門の静脈は網の目のようになっています。流れは少し悪いところです。心臓よりも下にあることで、重力もあり、鬱血して血液の流れはさらに悪くなります。ですから、四つ足の動物は、絶対に内痔核にはなりません。ゴリラやオラウータン、チンパンジー等人間に近いですが、四つ足なのでなりません。モンキーセンターに行って、それを調べている先生がいますが、その先生曰く「やっぱりならないわ!」です。人間は立って歩くようになったので内痔核になります。そういった一番の原因があるなかで、便秘や下痢などの排便の状態が悪いと悪化していきます。でも人間二足歩行するようになったおかげで、脳が発達して、その結果、内痔核を治すことができるようになったともいえます。
痔瘻などは、四つ足の動物にも肛門腺はあるので、肛門周囲膿瘍から痔瘻になることはあります。
二つ目の質問です。
Q. 先生は痔経験者ですか?
- A. この質問の答えは「YES」です。
最近はないのですが、以前は便が硬かった時に、排便時に出血したことがあります。おそらくこの時は内痔核だったと思います。また、いつもいつも調子よく便が出るわけではありません。たまに硬くなって頑張って出したときに切れて痛かったこともあります。でも私は通常、具合よく便が出ます。症状は続くことはありません。最近患者さんによく言うことは、「お尻の病気は必ず症状が出ます。出血したり痛かったり。また腫れらり違和感があったり。必ずお尻の病気は自分の感じる症状があります。症状がないときは治っているということです。」と。ですから、私は今は痛みも出血もないので治っているということです。
また一度血栓性外痔核になったことがあります。
渡邉医院は入院の患者さんがいるので、宿直がいます。この宿直の皆が集まって忘年会をします。今はコロナ禍でできていません。またできるようになればいいなと思います。
この時、二次会が終わって歩いているときに、急にお尻が痛くなりました。血栓性外痔核です。痛いなあと思いながら帰宅すると、帰宅した時に血栓が破けました。血栓性外痔核は血栓が詰まってキンキンに腫れているのが痛みの原因です。破けることで、キンキンさがなくなり、一瞬血が出てびっくりしますが、痛みは楽になります。私も血栓が破けたことで痛みは楽になりました。破けた後は、特に何もせずに治りました。破けずに痛みが続いていたら、消炎鎮痛剤の座薬を使ったと思います。
このように私も痔経験者です。
二つの質問に答えるだけでこんなに長くなってしまいました。今回はこの二つの質問で終わりにして、そのほかの質問は何回かに分けてお答えしていこうと思います。