8月になりました。
本来なら、夏休みやお盆休みなど、なかなか会うことができない人たちや、両親や家族の人たちと出会うことができる時期、そして長期の休日でレジャーなどリフレッシュできる楽しい時期だったはずです。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の中、自粛が求められています。
京都も8月になって、再度のまん延防止等充填措置が発出されました。
感染者が増えると緊急事態宣言などを発出し、減少すると解除する。これを繰り返すだけで次の一手が打ち出せず、第5波が私たちを飲み込もうとしています。政府の政策は、何を見ているのか?どこを目指しているのか、まったくわかりません。だらだらと続く補償の無い自粛。医療崩壊だけでなく、私たちの生活や暮らしも崩壊し始めています。国が全力をあげるべきはコロナ禍に苦しむ人たちの暮らしを支えることであり、医療や福祉サービスが全ての人々に届くよう制度を拡充することです。このことを求めていかなければならないと思います。
さて、私たち一人一人ができることは限られています。「感染しない、感染させない。」を第一に考え、手洗いうがいなど、基本的な感染防止を心がけていかなければならないと思います。
夏の暑さだけでなく、新型コロナに耐える夏になります。明日への希望をもって、この夏を乗り越えましょう。
今日は、内痔核によって高度の貧血に至ってしまうというお話をしたいと思います。
内痔核は基本的には悪性の病気ではなく、良性の病気です。放っておいて命にかかわることはまずありません。排便時の出血や内痔核の脱出が嫌な症状になります。また内痔核だけでは痛みはありませんが、排便時に内痔核が脱出することで、裂肛を合併してしまうことがあります。そうすると、いままで痛くなかった内痔核が排便時に痛みが出てくるようになります。また血栓が詰まって、嵌頓痔核になると常に激痛があります。このように内示アックに痛みが伴うととても辛くなります。でも痛みだけでなく、もう一つ辛い症状があります。
それは内痔核からの出血が続き、高度の貧血になってしまうことです。
内痔核からの出血では、急激な貧血はなかなか起きません。でも少しずつでも出血が続くと徐々に徐々に貧血になっていくことがあります。少しずつ少しずつ貧血になると、なかなか貧血の症状がでてきません。いつもなら簡単に登れていた階段が、いつもと違って息切れがする。立ち眩みがする。ちょっとしたストレスでも強く体が反応してしまうなどの症状が出てきます。また貧血が進むと、血液もさらさらになるために、内痔核からの出血の量も増えてきます。今まではすぐに出血が止まっていたのに、出血が止まりにくくなったり、量が増えてきたりします。そのことでさらに貧血が進んでしまうことがあります。
このように、内痔核からの出血によって高度の貧血になった場合は、内示アックの治療も大事ですが、貧血に対しての治療も必要です。場合によっては高度の貧血に対しての治療が優先されることもあります。ただ、貧血の治療をしていても、貧血になった原因である内痔核の治療をしないと、貧血も良くなりません。やはり、内痔核の治療と貧血の治療を同時に進めていく必要があります。
出血が続く場合は早く止血処置をする必要があります。出血しているから直ぐに手術にはなりません。パオスクレ―という5%フェノール・アーモンドオイルによる痔核硬化療法は内痔核からの出血にとても有効です。痛みもなく、入院の必要もありません。
出血が続くようでしたら早めに肛門科を受診してくださいね。