渡邉医院

今、罰則を課す感染症法改正より先にしなければならないこと。

  1.  1月も今日で終わります。私としてはとても長い1ヶ月でした。緊急事態宣言がでて、今後延長も検討されています。少しは感染者は減少していますが、死亡者が残念ながら増えてきています。まだまだ今後の展望が見えず、収束は期待できません。
  2.  そのような中、入院病床が逼迫しています。今、医療の現場での緊急の課題は自宅療養、入院調整中の患者さんに必要な医療が届けられていないことです。

     自宅療養している患者さんが病状が悪化して亡くなる方が増えてきています。助けられる命が助けられない状況にあります。
     入院したくても入院できない、入院しなければならない人が入院できない。このような状況のなか、感染症法改定で議論されているのは、入院を拒否した方に罰則を課すというものです。自分がかかりたくないのにかかってしまった感染症。その感染症にかかってしまうことで、罰則が課せられてしまう可能性が出てしまう。このことはとてもおかしなことだと思います。入院できない理由をまずは解消することが先決ではないでしょうか。
     入院できない理由。例えば、介護、育児。入院することで仕事や生活の糧が失われてします。また、コロナウイルスに感染することで、誹謗中傷や、差別を受けないか、など様々な理由があるはずです。このような様々な理由を検証して、それを解消することがまず行わなければならないことではないでしょうか。
     新型コロナウイルスに感染しても社会的、経済的に安心して入院できる、そういった補償を充実させる、そういった環境を整備することが先決です。そういった環境が整って初めて罰則に関して検討されるべきではないでしょうか。

     新型コロナウイルスは、感染を起こすだけでなく、政治家の思考回路まで破壊して、支離滅裂にしてしまう。そういった症状を引き起こしてしまうのでしょうか?
     今一度冷静に、そして科学的に、検討して、判断し、正しい方向へ進めていって欲しいと感じます。