新年を迎え私たちにまず襲い掛かったのが新型コロナウイルスの感染のさらなる拡大です。1月7日には東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県に対して緊急事態宣言が出されようとしています。
このような中、私たちは、日常の手洗い、うがい、マスク着用等、これまでの感染対策をさらに強めなければなりません。
飲食店などが感染拡大を進めているような風潮になっていますが、飲食店に行ったら感染するわけではありません。多数の人たちが密になり、飛沫などが飛ぶことで感染が起きます。そこのところを私たちはしっかり認識しておかないと、非科学的な誹謗中傷や差別を生んでしまうことになります。
今、このような状況の中、私たちの本質、生き方が問われています。私たちが戦うのは新型コロナウイルスです。そのことをもう一度心に刻み、皆で感染対策そして感染拡大の収束に取り組んでいきましょう。
さて、話は少し変わりますが、患者さんの中に、「冬になって寒くなると便が出にくくなる。」という方がいます。寒いからあまり動かなくなるから便秘になる?それも一つの原因にはなると思います。でも一番は、冬になり寒くなることで私たちは脱水になりやすいということです。水分が足らなくなることで便が硬くなり、便秘になってしまいます。
脱水というと、熱中症など夏のイメージが強く、「冬に脱水?」と思う方も多いと思います。でも実際は夏と同じように寒い冬場にも脱水になることがあります。
ではどうして冬の寒い時期に、夏の様に暑くて汗をかくこともない冬場に脱水になるかをお話します。
冬の寒い時期に脱水になる、まず一つ目の理由は、寒い冬場は空気が乾燥していることが挙げられます。
また、昔の家と違って、今の住宅は気密性がとても高いです。こういった気密性が高い住宅の中でエアコンやストーブなどの暖房機器を使うことによって、室内の湿度がさらに下がっていきます。ふすまや畳は湿度を調整してくれる役割があるそうです。こういったものの使用頻度も減っていることも室内の湿度を下げる原因になっているとのことです。
乾燥した環境の中に私たちがいると、皮膚や粘膜、そして呼吸などで、自分が感じることなく、いつの間にか体の外に水分が出ていってしまいます。なつは、汗を書いたりして水分が出ていってしまうのを実感することが出来ます。でも寒い冬の場合は、こういった自分の知らないうちにいつの間にか水分が体の外に出ていってしまいます。このことを「不感蒸泄」といいます。このように寒い冬場は夏と違い自分が意識することなく体の外に水分が出ていき、知らないうちに脱水になってしまうことがあります。
もう一つ、脱水になってしまう原因は、夏と違って寒い冬場は水分の摂取量が減ってしまうことがあります。夏の様に熱く、汗をかくと必然的に喉も乾きます。また熱中症の予防のために、喉が渇く前に水分を釣るなど、脱水に対しての私たちの意識も違います。
これに対して寒い冬場では、体感温度が低い場合、喉が渇いたことを感じにくくなり、水分が十分に摂取されないことも要因になります。
このように、寒い冬場は外気の乾燥に加え、室内の暖房による湿度の低下による不感蒸泄の増加。そして夏と違い十分な水分摂取が出来ていないことが原因で脱水になります。
このことが便秘にも影響してきます。
やはり摂取する水分量が少なくなることで便に行く水分も減ります。このことで便が硬くなり便秘になってしまいます。
やはり、夏と同じように十分な水分の摂取が大切です。また、室内で暖房器具を使う時など、一緒に加湿器を使い室内の湿度を下げない工夫も必要だと思います。