四連休が終わって、9月もあと1週間。グッと涼しく過ごしやすくなってきました。
四連休はどう過ごされましたか?自粛自粛が都築、多くの人はストレスを抱えての生活だと思います。また、この生活が何時まで続くのかまだまだ予想できない状況です。そんなこともあってか、連休中の旅行などの人出は増えたのかなと思います。皆さん、自分自身の感染対策も随分しっかりできていると思います。今後は新型コロナウイルスとどう付き合っていくかも大事な課題だと思います。収束はあっても終息は難しいのではないかと思います。
私も、連休中はゆっくりさせてもらいました。心身ともにリフレッシュ。今日からに仕事も充実しています。
たまには息抜き、リフレッシュは大切だと思います。うつらない、そして相手にうつさないということをしっかり守って、生活していきたいと思います。
さて、最近裂肛で悩んでおられる方が多いような気がします。今月も、裂肛の状態が悪くなって、手術を決める患者さんも何人かいました。少し裂肛に関してお話したいと思います。
裂肛の辛いところは、痛みを我慢すればするほど、裂肛の状態が悪くなっていくというところです。
普通、怪我をした時などは、痛みを我慢していると傷は段々治っていきます。傷に細菌感染を起こして化膿してしまった場合は別ですが、細菌感染さえ起こしていなければ、傷は時間と共に徐々に治っていきます。また痛みに関しては消炎鎮痛剤の内服薬を内服しながら、傷の手当てをしていけば治っていきます。痛みも徐々に楽になっていきます。
でも裂肛は違います。排便時の痛みを我慢すればするほど、排便時の痛みが強くなっていきます。そして、排便時の痛みだけでなく、排便後の痛みの持続する時間も段々長くなっていきます。「痛みも我慢すれば徐々に楽になっていくのでは。」と期待してもその期待通りにはならず、反対に痛みは強くなっていきます。ですから、裂肛の場合は早く治療することが必要になります。
何故このようになるのか。それは、排便時に痛みがあると、肛門の内肛門括約筋の緊張が段々強くなっていくからです。痛いと無い肛門括約筋の緊張が強くなり、肛門の締まりが強くなります。痛いと締まる、痛いと締まるを繰り返すことで、徐々に裂肛は悪くなっていきます。
排便時に痛みがある。これはとても辛いことです。
さて、裂肛は最初のうちは排便の状態を良くすることで治っていきます。
誰でもいつも具合よく便が出るとは限りません。硬いこともあれば下痢のこともあります。誰もが排便の状態で、排便時に痛みを感じる経験はあると思います。でも排便の状態がいい人は、硬い便が一度あって、裂肛になったとしても、次の日の便が正常であれば裂肛は治療しなくても治っていきます。ですから、裂肛の初期の治療は、裂肛そのものを治すというよりは、裂肛の原因となる便秘や下痢を治す。排便の状態を良くすることで治っていきます。
しかし、排便時の痛みが強くなってきたり、排便時に痛みを感じることが多くなると、裂肛自身の治療が必要になってきます。
裂肛の治療には渡邉医院では軟膏を使っています。
軟膏の塗り方は、裂肛そのものに軟膏をつけるという具合ではなく、痛みによって、締まりが強くなってきている内肛門括約筋の緊張をとるように軟膏を塗ってもらっています。
塗り方としては、軟膏を指にとって、それを第1関節ぐらい肛門の中に挿入してもらっています。指を少し入れることで、内肛門括約筋の緊張をとることが目的です。言ってみれば軟膏を潤滑油として緊張をとる柔軟体操をするといった具合です。注入軟膏の場合、肛門に注入軟膏をさして注入するでは裂肛は治っていきません。緊張の強くなった、締まりが強くなった内肛門括約筋の緊張をとる。柔軟体操が必要です。ですから注入軟膏を指にとって、やはり肛門の中にいれ、緊張をとることが大事です。
ただ、内肛門括約筋の緊張がさらに強くなり、また、裂肛が原因での皮垂や肛門ポリープ等が出来ると慢性裂肛になります。そういった場合は裂肛に対しての根治術が必要になります。この場合も裂肛が治らなくなってしまう原因である内肛門括約筋の緊張をとることが目的です。また裂肛が原因での皮垂や肛門ポリープも裂肛が治らない原因になるので切除します。
肛門の手術は術後痛いと思っている方が多いです。でも裂肛に対しての根治術は、排便時の痛みをとることが目的です。ですから、裂肛の根治術をして、内肛門括約筋の緊張をとり、皮垂や肛門ポリープなど、裂肛の治りを悪くしているものを取り除くことで、排便時の痛みはスッと楽になります。
裂肛に対しての裂肛根治術は、排便時の痛みが強ければ強いほど手術を行った後の排便時の痛みは楽になります。
排便時に痛みがある、そして場合によっては排便後も痛みが持続する裂肛。とても辛い病気です。スッキリ治して、毎回の排便時の苦痛を取り除き、快適な排便を取り戻して下さいね。