渡邉医院

7月が終わり、新型コロナウイルスの感染再拡大のなかで

 7月も終わり、そして梅雨明けにもなりました。そのような中、新型コロナウイルスの感染が再度拡大してきています。そのような中、今、感じることをお話したいと思います。

 緊急事態宣言後に、いったんは新型コロナウイルスの感染者数は減少しました。でも完全に収束ことはできませんでした。現在、緊急事態宣言時以上に感染者が増加しています。
 このことは、「自粛」だけでは新型コロナウイルスの感染を完全に収束することはできないということが明らかになったのだと思います。やはり、感染拡大を収束させるには、新型コロナウイルスに対して安全に使える治療薬、そして予防策や症状を軽減させるためのワクチンが副作用なく接種できるようにならなければなりません。そしてこのことで新型コロナウイルスの感染拡大を収束させることが出来るのだと思います。
 でも、自粛をするな、自由に活動してもいいということではありません。私たち一人一人が出来る感染対策を今以上にしっかり取り組んでいかなければなりません。
 治療薬やワクチンが実用化されるまでに私たちが今できることは、新型頃のウイルスの感染拡大のスピードを抑え、そして重傷者をふやすことな私たち皆の命を守ることです。

 このためには早期に新型コロナウイルス感染者を診断して早期に治療に移行できる体制をとることだと思います。PCR検査の拡充もその一つです。それには、PCR検査に関わる医師やなどのスタッフや検査技師の確保増員。そして検体を運ぶ人たちの確保も必要でしょう。またその結果を迅速に報告する体制も必要です。そして、新型コロナウイルス感染患者を受け入れる側の医療従事者には十分なマスクや防護服、フェイスシールドなどの十分な装備が滞りなく供給できる体制が担保されることで医療従事者も新型コロナウイルスに立ち向かえるのだと思います。
 現時点の病院等の医療機関では、345月で、新型コロナウイルスの感染患者さん以外で延期になっていた患者さんの手術などの治療に当たっているため、今の時点で新たに新型コロナウイルスの感染患者を受け入れることには後ろ向きなのだと思います。一端、一般患者さんの受け入れ体制の移行した病院等では急に再度新型コロナウイルス受け入れ体制に戻すことは難しいのではないかと思います。そうすると、新型コロナウイルスの患者の入院、そして、それ以外の患者さんの治療を同時に、そしてこれまで通りに行っていくとなれば、新型コロナウイルの感染患者さんを受け入れる施設や体制を新たに増やさなければならないと思います。これは入院だけでなく、外来においても同じだと思います。やはり、発熱外来を持つ新規の公的外来医療機関、公的入院医療機関を作り新型コロナウイルス感染患者さんと、一般の患者さんを分けて治療できる体制が必要だと思います。

 また、保健所の機能拡大や、感染症に関しての保健所を支援する体制や新たな感染症対策に関しての行政機関の設置等も考えなければならないと思います。保健所は普段から感染症対策の中核機関であり、一端感染が拡大した際には最前線に立つ行政機関です。そのためにも保健所の設置個所を増やしたり、そこに従事する職員の増員も必要になると思います。これまでのような、いかに職員をリストラするか、また民間への委託を増やすかという政策から、行政が責任をもって市民の命や健康、そして暮らしを責任をもって行う体制へと政策を変換することが必要ではないでしょうか。また、新型コロナウイルスの感染者を早く見つけ、早く封じ込めていくには小さな地域での体制が必要かと思います。住宅地、オフィス街、歓楽街、等々、各地域によって全く抱えている問題が違います。またそこに住む人たちの人口構成なども地域地域でまったく違います。京都府、京都市と言った大きな地域での感染対策ではなく、各行政区単位、もしくはもっと小さな中学校区域単位などでの対策が必要になってくるのではないかと思います。そしてそこには医師がいる保健所と、地区医師会や地域の先生方との連携が大事になると思います。