渡邉医院

私たち鉄腕アトムの時代

 今、新型コロナウイルスの感染拡大のため、子どもたちは学校の休校もあって、自宅での生活が長くなっています。なかなか出かけることもできずかなりのストレスを感じていることと思います。
 私の子供たちはすでに2人とも社会人になっていますが、知人の小学生のお子さんは、毎日新型コロナウイルス関連のニュースをみて「僕たち死んじゃうの?」と言っているそうです。子供たちの心も段々蝕まれてきています。早急に子供たちの心のケアをしていってあげなければならないと思います
 また、子どもの虐待問題、障害のある子供たちのケア。また子供たちがいる家族の人たちの心を支えるケア等、子どもの権利を、そしてその家族を守る政策を強く求めていかなければと思います。

 少し私が子供の頃を想い起こしてみました。
 私は、京都に帰ってくるまで幼稚園から小学5年生の夏まで山梨県の甲府市に住んでいました。私が生まれたのは1960年ですので、57年以上前のことです。

 その頃は町内にいる子供たちが、小さな子から大きな子までみんなが集まって遊んでいました。私も自転車の乗り方など町内のお兄さんに教えてもらったりしていました。
 住んでいた町内は、真ん中に公園があってその周りに住宅がある。皆が公園に集まって遊んだりしていました。またその頃はビー玉やめんこで遊んだり、また遊び道具の作り方等も教えてもらいました。
 その頃は、紙芝居も町内に来て、みんなが集まり物語を聞いたり、クイズがあってクイズに正解したら、型抜きや水飴などをもらって食べていた記憶があります。駄菓子屋さんも近くにあって、お小遣いを持ってお菓子を買ったり、くじ引きをしていたなあと思い出します。
 上の子は、下の子の面倒を見ながら、下の子は上の子の言うことを聞いて、一つの集団となって集まって遊んでいました。
 子供たちの独自の社会があった様に思います。

 その頃の漫画は鉄腕アトムでした。

鉄腕アトムの漫画を本屋さんが毎週だったか毎月だったか忘れましたが、直接自宅まで持ってきてくださいました。また鉄腕アトムの連載が終るころになると、本屋さんが、「次も面白い連載漫画ですよ。」といって、次はジャングル大帝レオを持ってきてくれました。その時の鉄腕アトムとジャングル大帝の漫画本は、保存状態は少し悪いですがまだ全巻実家の本箱にそろっています。

鉄腕アトムの最後の巻は「青騎士・下巻」でした。

その物語の後半、人間を守るために青騎士が投げた槍によってアトムは壊れてしまいます。

そんな壊れたアトムを抱いて御茶ノ水博士は科学省に戻る際に語った言葉は、「世界にほこる 科学芸術の極致 アトムが このまま 博物館入りするなんてことがあるもんか 科学省のめいよと ほこりにかけても かならず・・・・」でした。

私たち一人ひとり素晴らしい知恵や能力を持っています。その能力をフルに使って今の状況を乗り越えなければいけないなあと思います。

 テレビは白黒でしたが、放映していた漫画は面白いものが多かったと思います。スーパージェッター、遊星少年ソラン、エイトマン、狼少年ケンなどすぐに思い出します。

 私の頃はテレビゲームなどはなかったので、自分たちで遊び道具を作ったり、外で秘密基地を作ったりして遊んでいたなあと思います。そんな頃に今みたいな状態にあれば、今以上にストレスを感じていたかもしれません。

 早く今の状況が収束して、子どもたちが伸び伸び遊べ学べる日が来ることを願いたいと思います。自粛自粛と大変な時期ですが、家でできることは何かなど考えて、これまでなかなか家族が皆一緒にいる時間は少なかったともいます。この困難を反対に家族の絆が深まるときに変えることが出来ればと思います。