11月も残すところあと1週間。この連休は多くの方々が紅葉を観に出かけているんだろうなあと思います。今日ば少し寒さも和らいでお出かけ日和だと思います。渡邉医院の木々たちも、色ずき始めています。玄関前の手水鉢には赤く色ずいたハナミズキの葉が浮かんでいました。
ここ最近、私自身、紅葉を観に行かなくなったなあと思います。久しぶりに出かけてみてみようかなあと思います。
寒くなって便秘になる人が。
さて、10月ごろから、季節の変わり目が影響しているのか、便が硬くなって出にくくなってしまう患者さんが見受けられます。
暑かった時は、汗もかき体の外に出ていく水分は多かったはずですが、反対に暑さに対して、しっかり水分が摂れていて、暑かった夏場は調子よくでていたのでしょう。涼しくなって、また寒さが段々厳しくなって、寒い時期は乾燥しているので、自分が感じる以上に水分が体の外に出ていきます。でもそれに対して摂る方の水分が少なくなって便が硬くなって出にくくなってしまうのかなあと思います。寒い時期もしっかりと水分を摂る必要があります。
寒い時期も十分に水分を。
今日も、休日ですが、入院の患者さんや手術をしたばかりの患者さんの診察をしに診療所に行きました。その時、電話がかかってきました。「便が硬くて出なくなってしまいました。そこまで来ているのですがでません。肛門は開いたままになっていて、便が勝手に出てきてしまいます。肛門もとても痛いです。診察してもらえませんか?」という内容の電話でした。「直ぐに来てください。」とお答えして診療所に来てもらうことにしました。
便は硬くなってしまうと出なくなってしまいます。
便が硬く詰まってしまうと、いくら頑張っても出なくなってしまいます。浣腸しても浣腸の液しか出てこなくて便は出ません。硬くなってからあわてて下剤を飲んでも、硬くなった便を柔らかくしてくれる下剤はありません。下剤は硬くなった便を柔らかくする薬ではありません。硬くならないように柔らかくする薬です。ですから便が硬くならないように、慢性の便秘症の方は具合よく便が出ていても毎日しっかり内服する必要があります。
便が詰まると、勝手に便が出てしまう。
また、直腸にある便を出そうとして、肛門は緩んだ状態になっています。ですから、直腸に詰まった便がだらだら自分の意志とは関係なく出てきてしまったり、硬い便の奥にある柔らかい、また下痢状の便が24時間だらだら出てきます。自分の意志とは関係なく便が出てしまうので、患者さんは、肛門が緩んでしまったのだと勘違いしてしまいます。実際は、便を出すために肛門が緩んでくれているのですが。
直腸に便が詰まると、肛門はめちゃくちゃ痛い!
また、直腸には便があってはいけないところです。直腸と肛門とで便を出すところです。ですから、硬い便が直腸に詰まったままになっていると、それだけで肛門がとても痛くなってしまいます。またでないので頑張ることで肛門全体が腫れあがってしまうこともあります。こういった症状も、直腸にある便をスッキリ出してしまうことで痛みはとれ楽になります。
便が詰まった時はどうするか。
では直腸に詰まってしまった時どうするかです。
直腸に硬い便が詰まったままで浣腸しても、便は出ず、浣腸の液だけが出てきてしまいます。ですから少し辛いのですが、直腸に詰まった硬い便を指で崩して柔らかくしたり、摘便と言って指で便を出してあげなければなりません。硬くなった便を指である程度出して、硬くなった便を崩して柔らかくしてから浣腸をします。そうすることでスッキリ便が出てくれます。ただ、直腸に便が残ったまま家に帰ってしまうと、その残った便がまた硬くなって出なくなってしまいいます。ですから便が詰まって診療所に来てもらった患者さんは、直腸にある便がスッキリ出きってしまうまでは帰らずにいてもらっています。
スッキリ出た後は緩下剤で便秘を治そう。
スッキリ便が出た後は、便が硬くならないように緩下剤を内服してもらいます。渡邉医院ではまず酸化マグネシウムから始めています。
便が詰まって全くでなくなってしまうと、とても辛いです。頑張っても頑張っても便が出ないと目の前が真っ暗になったり、トイレで貧血を起こしたりします。また頑張ることで肛門も痛くなりますし、そもそも直腸に硬い便が詰まっているだけでも肛門はとても痛いです。慢性の便秘の方は日ごろから緩下剤を飲んで具合よく便が出るようにしながら、便秘を治していく必要があります。
3日間の間にはスッキリ出そう。
食べたものが消化され、吸収され、便になるまで早くて12時間、ゆっくりで3日間です。ですから3日経っても便が出ないようでしたら4日目を期待しても出ません。便が出ないようでしたら早めに医療機関を受診して便を出してもらったり、便秘の治療をしていきましょう。
便が詰まってしまうことは、本当に辛いことです。