看護師さんが、渡邉医院の中庭を見て「山鳩が巣を造っててますよ。」と。私は造っているところを見ることが出来ませんでしたが、二羽の山鳩が交互に木の枝などを持ってきて、中庭の紅葉の木に巣を造っていたそうです。出来上がった巣を見てみると、自分の体と比べて、何か少し小さい。しかも木の枝でつくっていて、直ぐに壊れてしまいそうな巣でした。こんな簡素な巣で大丈夫なのかなあと思う巣でした。山鳩は枝を一つ一つ運んできて作っていくようです。せっかく運んできた枝を落としてはまた運びを繰り返して作ったようです。調べてみると、巣を造るのに必要な枝は100~200本だそうです。外から見ると簡素で壊れてしまわないかと思う巣ですが、意外と巣造りに使う枝は多いんだなあと思います。でも100回以上枝を運び巣を造る。大変な作業ですね。
山鳩の繁殖のピークは8月から10月だそうです。もうすぐ10月も終わります。ぎりぎりの巣作りと繁殖ですね。山鳩のことを少し調べてみました。
山鳩は雄と雌の一対が巣を造り、卵を産んで温める。そして雛を育てるまで二羽が協力して行うそうです。雛を巣立たせるには、産卵から巣立ちまで30~35日程度かかるようです。そうすると、今からだと11月の終わりになってしまいますね。産卵から雛の巣立ちまでを営巣と言うそうです。繁殖はほとんど年中可能で、年に何度も営巣を行うことが出来るそうで、京都での観察では、多くのつがいが年に何度も営巣を行い、年に6~8回も営巣をするつがいもいるそうです。
以前も中庭に山鳩が巣を造ったことがありますが、巣立ちにはたどり着きませんでした。今回はどうなることやら。せっかく巣を造り、今、卵を交代で抱いています。無事巣立ちまでたどり着いてくれればと思います。
さて、巣を造る場所選びは、雄が巣を造る候補地を探し、そこで雌を呼ぶようです。その候補地を雌が気にいると、雄は雌をその場所に残し、巣を造るための枝などの巣材を集めてくるそうです。そして雄は持ってきた巣材を雌に渡すことで巣作りが始まるとのことです。
雌が雄から受け取った巣材を使って巣を造るのですが、その際に下に落としてしまった枝などの巣材は雌は拾うことはせず、雄が拾いまた雌に渡すといったことを繰り返すそうです。雄が巣の材料を運び、雌が巣を造るといった役割分担の様です。こういった巣作りを一か所だけでなく、何か所か行い、複数の巣を造って、その中の一つの巣を選んで産卵するそうです。
今日、診療所の二階の窓から巣を覗いてみると、卵を抱く山鳩がいました。渡邉医院の中庭に作った巣を産卵の場所として選んだということですね。渡邉医院の中庭は、周りは建物に囲まれていて、紅葉の木以外にも複数の木が茂っています。また、玄関側の通り庭には井戸水が湧き出ていて、手水鉢に絶えず新しい井戸水が流れています。水には困らないし、周りから見えにくいところにあります。今出川通りから少し南に下がっただけで、あまり車の音などもせず、静かな環境です。きっと天敵のカラスなどから身を隠すのにもってこいの場所なのかもしれません。また実際、待合室の窓や二階の窓から巣も見ても、周りに溶け込んでいて、よく見ないとわからないように上手に巣を造っています。
今、中庭の山鳩の巣には卵があるのが確認できました。確認できたのは1個ですが、通じよう1~2個の卵を産むそうです。そして昼間は雄が卵を抱いて、夜は雌が抱いているそうです。卵から雛が孵るのは15日程度だそうで、そうすると11月初めに雛が孵ることになります。その後15日ぐらいで雛は巣立つそうです。でも、無事に巣立つ雛は約23%程度で、後は卵や雛が天敵に捕食されてしまったり、卵が放置されたり、卵や雛が巣から落ちてしまったりしてしまうようです。そういえば以前、巣から落ちた雛を巣に戻してみましたが、その後巣立つことはありませんでした。自然はとても厳しいものです。
さて、渡邉医院の中庭に巣を造った山鳩。そして今親に抱かれている卵。無事に雛がかえって巣立って欲しいものです。