もうすぐ9月が終わります。今日の空はとても涼しそうでしたが、気温は上がって少し蒸し暑かったです。また、台風も近づいてきているようです。
さて、季節の変わり目変わり目で、便の調子が悪くなることがあるようです。ここ最近便が詰まってしまって受診される患者さんが多い気がします。
便秘をしたことがなく、いつも快便の人には便秘で悩むということは全くわからないと思います。でも、便秘の方は「どうしてスッキリ出ないんだろう。」と日々悩んでおられます。そしてどうしたら便秘が治っていくのかいつも考えて悩んでいます。そして便秘にいいというものがあれば、いろんなものを試している方も多いと思います。
これまでも何回か快便になる秘訣に関して記事を載せてきました。言うのは簡単ですが、実行するのは難しい。わかっているけどなかなか上手くいかない、そんなに言うほど便秘は解消しないと思っている方も多いと思います。その通りだなあと思います。
渡邉医院ではまずは酸化マグネシウムを処方しています。酸化マグネシウムで具合よく出る方もいますが、上手くいかない患者さんもいます。柔らかいけど何回も何回もちょっとずつしか出ないという方もいます。
便の量を増やすポリフルという薬もあります。また少しお腹の動きを良くしてあげたほうがいいこともあり、大腸を刺激する下剤もあります。
どのお薬をどのように飲んだら具合よく出るか。医師と一緒に快便に向けて取り組んでいかなければならないと思います。それにはお薬を飲んだらどんなふうに出るのかを最初はこまめに医師に報告して欲しいです。また、医師もそれをしっかり聞いてその患者さん患者さんにあったベストな下剤やその量を決めていかなければならないと思います。
また、緩下剤を飲んで具合よく出るようになると、どうしても早く緩下剤を止めないといけないと思っている方もいます。そんなことはありません。便秘は具合よく出る習慣をつけることです、焦らずじっくり治していくことが必要です。少し極端ですが、患者さんには「便秘だった期間をかけて、便秘を治していきましょう。1年便秘だったら1年かけて、2年便秘だったら2年かけて治す。そんな気持ちで治していくと早く良くなりますよ。」と話しています。
さて、便秘の方で、必ず毎日便を出さなければならないと思っている方がいます。毎日便が出るように、下痢をしてでも下剤を飲んで出している方もいるようです。
下剤をたくさん飲んで下痢をして便を出すと、シャーと出るだけでスッキリ感がありません。「下痢をしているけれどまだまだスッキリ出ていないんだ。」と勘違いしてさらに下剤の量を増やして出そうとする方もいます。これはチョット間違っています。
そもそもだれもがみんな、毎日便を出さなければならないわけではありません。その人その人に便が出るリズムがあります。
以前にお話したことがありますが、食べたものが消化され、吸収され、便になるまで早くて12時間、ゆっくりで3日間です。今日食べたものが3日後に便となって出ることがあります。ですから、毎日便が出る人、1日おきに便が出る人、2かに1回便がでるというリズムの方もいます。
1日おきに、また2日に1回便が出る人も、その時に気持ちよくスッキリ出て、便がでない日はお腹が張ったり不愉快な症状がなければ、毎日便が出なくても快便と言うことです。ですからこの人たちは毎日便が出なくても便秘ではないので治療の必要はありません。
それに対して、毎日便が出ている人でも、スッキリ便が出ないで常にお腹が張ったり不愉快な症状がある人は、毎日便が出ていても、とても便の状態が悪い、快便ではないということです。毎日便が出ていても治療が必要になってきます。自分の排便のリズムを知ることもとても大切なことだと思います。