渡邉医院

母の日を迎えて

 今日は母の日。皆さんはどうお過ごしですか?皆でお出かけ?家でゆっくり?様々な過ごし方がありますね。
 母親にいつもできないこと、言いたかったけど言えなかったことなど、母の日にあわせて、してみてはどうでしょうか?
 チョット照れくさい。その照れくささが大切かなって思います。

 私は、今日も診療所に行って、入院の患者さんや、手術したばかりの患者さんの診察をしてきました。診療が終わって、いつも診療所に花を活けて下さる集花園さんに行って、母へのプレゼントとして花束を作っていただきました。

一緒に母の家でお昼も食べようと、コンビニで買い物をして、いざ母の家に行こうと母の愛車ローバーミニのエンジンをかけようとしたところ、まったく動かない。何回やっても少しは動くのですが、直ぐにエンジンが止まってしまう。車屋さんに電話してみていただくことに。JAFさんに来ていただいて、車屋さんまでローバーミニを搬送、預けてきました。

母の家にようやくたどり着いて、花瓶を探して花を活けました。

くつろいでいると、母が外に出かけたそうにしているので、一緒にご近所一周の散歩。一緒に手を繋いで。

 母が認知症が進んでもう3年?今までで自分でできていたことが段々できなくなってきています。バリバリ私と一緒に診療所で事務長のように働いていた頃の母を思うと、やっぱり切ない気持ちがこみ上げてきます。元気でいてくれること、そのことがうれしいです。
 今年の1月に顔面のヘルペスに罹り、両瞼がパンパンに腫れあがり、自分で歩くことも食べることもできなくなってしみました。治療のかいもあって、今では一人で食事もでき、だいぶ衰えましたが一人で歩くこともできるようになりました。やはり元気でいて欲しいです。

 父は今の私の様に、毎日診療所に行っていました。父とはあまり話すことがなく、母と話す機会が多かったです。旅行も父は診療所を休むことが出来ないので、母と私と妹の3人でいつも言っていました。

父が脳梗塞で倒れて、急遽私が京都に帰ってきて診療所を継承したのですが、保険の請求の仕方もわからず、患者さんの診察、治療しかできない私をしっかりと支えてくれました。

 私が帰ってくる前に手術の予定が決まっていた患者さんには、「院長が脳梗塞で倒れたので手術ができません。息子が帰ってきて、息子が手術をすることになるのですが、かまわないでしょうか?不安でしたら、京都の肛門科の先生を紹介します」とすべての患者さんに電話をして、確認をとってくれました。すべての患者さんが私の手術でいいとおっしゃってくださいました。その時は、目の前のことでいっぱいだったので、何も思いませんでしたが、一度も会ったことのない医師に手術を託す。すごいことだと思います。このことは私の祖父、そして父、そして診療所で受付をしていて電話をかけてくれた母のこれまでの診療が患者さんとの間に強い信頼関係を築いていたことを意味するんだと後から感じました。

 母は、診療所だけでなく様々なことで、これまでの私を支えてくれました。そして、認知症になった今でも、私を支え続けてくれています。そんな母に感謝していかなければならないなと思います。

 母は、小さな子供を見かけたりした時にとても素敵な笑顔を見せます。すごく優しい笑顔です。そんな母の笑顔が私は大好きです。いつまでもそんな母の素敵な笑顔が見続けられるようにしていきたいと思います。