渡邉医院

新年明けましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さて、皆さん年末年始は楽しまれましたか?リフレッシュされたでしょうか?
今回のアイキャッチ画像は、今日の渡邉医院の中庭の風景です。

私は、年末は1227日に、母と一緒に京響の「第九」を聴きに、京都コンサートホールに行ってきました。父も第九がすきで、母と一緒に二人で毎年聴きに行っていました。父が亡くなってからは、私と母とで行くようになりました。「第九」を聴くといつも、「今年も終わるんだなあ。」という思いになります。

 診療は1229日までで終わり、手術して入院されていた患者さんも、皆さん退院されて、年末年始を迎えました。
 私はこの1週間の休み、ゆっくりさせていただきました。そして、リフレッシュして15日からの診療に除くことが出来ました。ありがとうございます。
 さて、15日はたくさんの患者さんが受診されました。血栓性外痔核で痛かった方、出血があった方、皆さん痛みや不安を持って、この年末年始を迎えられたんだろうなと感じました。やっぱり肛門科。なくてはならない科だと思います。
 新年を迎えて、肛門科の発展、進化に、これまで以上にしっかりと取り組んでいかなければと強く感じました。
 今年の重点的な取り組みは何か?を考えてみました。一つは去年の日本大腸肛門病学会での課題です。痔瘻に関して後方の痔瘻は最大肛門静止圧が高く、それに対して前方、側方の痔瘻は最大肛門静止圧が低いということについてです。これまで痔瘻の患者さんの手術前に測定させていただいた最大肛門静止圧を前方、後方そして側方に分けて、最大肛門静止圧がどうなっているのかについて検討したいと思っています。また、これまでの経験では、最大肛門静止圧が高い方に痔瘻の発生が多いという印象です。では、最大肛門静止圧が低いのにも関わらず痔瘻が発生する理由はなにか?など痔瘻に関することについてさらに突っ込んで検討していきたいと思います。
二つ目は、これまでも検討してきたことですが、内痔核に対して痔核根治術を行った場合、同じように手術を行ったと思っていても、術後の傷の治りや術後の痛みに関して個人差が出てしまうこと。手術直後の術後の創が具合よくいったと思っても、術後3時間後、また術後1日目の創が腫れたりすることがあること。術後の痛みに関しては、これまで術前の最大肛門静止圧が高いと術後の痛みが強く、手術をする内痔核の個数が多くなるとやはり痛みが強くなることはこれまでの検討で分かってきました。でも、手術個数が同じでも痛みにさがでてきます。こういったことに関して、手術の際のドレナージの大きさ、形がどうか。内痔核が原因での皮垂の大きさと、皮垂を含めて内痔核を剥離していく際のドレナージの大きさ、範囲をどうするか。また内痔核の根部を結紮する際の結紮部位の高さ。切除後、肛門上皮の部分を縫合していく際の半閉鎖の仕方。痔核根治術をする際のデザイン。使用する糸の材質、糸の太さ。などなど、検討していく項目はまだまだあります。こういったことを今後さらに検討していきたいと思います。

 さて、肛門科から離れて今年もしっかりと取り組んでいかなければならないことがあります。それは、社会保障の充実に向けての取り組みです。年々、社会保障費が削減され、国の責任で行われなければならない社会保障が自己責任という名の下で縮小されてきています。
話は変わりますが、私の母は今年85歳になります。年齢的なこともあり、できることの範囲が段々狭くなってきています。でもそんな母と一緒に、食事をしたり、コンサートに行ったりした時に見せる笑顔はとても素敵です。特に小さな子供を見つける眼差しは本当に優しく、柔和な目で微笑みながら見つめています。私はそんな母の素敵な笑顔が大好きです。これからもずっとその笑顔を見ていたいと思います。
 でも、地域共生社会のもと、「まずは自分たちで何とかしろ、地域で支えあえ、どうしてもだめな時は最低限の保障をする。」といった、今国が進めている間違った社会保障では、母の素敵な笑顔を見続けることはできないと思います。
そういった意味からも、社会保障を充実させる取り組みを、今年は今以上にしっかりしていきたいと思います。
そして、皆が本当に心のそこから笑え、笑顔になれる社会にしていきたいと思います。

 今年1年、渡邉医院、渡邉賢治を支えていって下さればうれしいです。よろしくお願いいたします。