渡邉医院

「便」について

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 今日は、本当に久しぶりに「便」についてお話ししようと思います。

 便はその約80%が水分でできています。どんなにコロコロの硬い便でも約70%の水分が含まれています。残り20%は、そのうちの1/3は食事を摂った後の食物の残渣(食べかす)、1/3が腸内細菌、そして残りの1/3が脱落した腸の粘膜です。
 理想の便は柔らかくて形のある便です。硬すぎるといくら頑張っても出なかったり、反対に柔らかすぎても出し難いことがあります。なかなか難しい所です。いつも具合よく出る人は、排便に関して何も悩まず極々当たり前のことのように便が出ます。反対に便秘の人は毎日の弁の具合に悩んで一喜一憂してしまいます。またそのストレスがさらに便秘を悪くして行ってしまいます。
 まずは緩下剤等を内服して楽に便が出るようにするといいと思います。
 下剤を飲むと癖になる、お腹が痛くなると言うことで、食事や水分を摂ることでなんとか弁を出そうとされる方がいますが、まずは緩下剤を内服して便が出るようになってから焦らず食事や水分の摂り方を工夫していくといいと思います。

 具合よく便が出るには、便の中に程よく水分が含まれていて(80%)、そし便の元になる食物繊維を摂り、量のある弁にする。便の量が増えると、便そのものが大腸を刺激して大腸の動きをよくしてくれます。

さて、食物繊維には水溶性の食物繊維と、不溶性の食物繊維があります。それぞれ役割が違います。

水溶性食物繊維は便を柔らかくしたり、便の滑りを良くして出やすくします。不溶性食物繊維は便の量を増やし、そのことによって腸を刺激して動きを良くします。

 水溶性食物繊維には、麦類、海藻類、果物、根菜類があります。また不溶性食物繊維には穀類、野菜、豆類、キノコ類があります。それぞれを具合よく摂ることが大事だと思います。

 ではどの位の食物繊維が必要かというと、1日の食物繊維の摂取量の目標は、男性で21g以上、女性では18g以上になります。では、現状ではどの程度食物繊維を私たち日本人が摂っているかというと、平均14g前後と目標値には達していません。意識して食物繊維を摂る必要があると思います。

 例えば、キウイフルーツは1個で約2gの食物繊維が摂れます。朝ごはんの時にヨーグルトと一緒にキウイフルーツを食べるのもいいかなあと思います。また、嫌いな方もいらっしゃると思いますが、納豆も1パックで食物繊維が3g摂ることができます。
 サラダも野菜だけのサラダではなく、キノコ類や海藻類を混ぜたサラダにしたりすると、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が摂れていいなあと思います。色々工夫してみてくださいね。